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年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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ゼンダンハヤブサのイメージビジュアル
ゼンダンハヤブサZendan Hayabusa
Zendan Hayabusa

ゼンダンハヤブサ

通算成績18戦4勝

獲得賞金1351万円

生年月日 2022.03.14(令和4年)毛色 栗毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
ゼンダンハヤブサの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
1 GIII小倉記念 小倉 芝2000 10人気 1:58.0 上り33.1映像
5 花のみちS 阪神 芝1600 11人気 1:32.6 上り33.7
5 錦S 京都 芝1600 7人気 1:32.8 上り32.7
5 立雲峡S 阪神 芝1600 9人気 1:32.2 上り33.7
1 天神橋特別 阪神 芝1600 6人気 1:34.2 上り32.9
12 RKB賞 小倉 芝1800 1人気 1:49.6 上り36.9
4 木津川特別 京都 芝1600 4人気 1:34.4 上り35.3
3 堀川特別 京都 芝1800 5人気 1:46.1 上り33.4
4 有松特別 中京 芝1600 4人気 1:33.8 上り33.4
1 城崎特別 阪神 芝1800 5人気 1:46.5 上り34.3
2 メルボルンT 京都 芝1600 10人気 1:34.9 上り35.7
5 3歳1勝クラス 阪神 芝1600 3人気 1:35.4 上り35.3
1 3歳未勝利 小倉 芝1800 1人気 1:49.1 上り35.9
5 3歳未勝利 中京 芝1400 3人気 1:22.5 上り35.0
2 2歳未勝利 京都 芝1400 4人気 1:23.0 上り35.1
3 2歳未勝利 京都 芝1400 2人気 1:21.6 上り35.4
2 2歳未勝利 京都 芝1600 2人気 1:34.3 上り35.8
4 2歳新馬 京都 芝1600 4人気 1:34.3 上り36.1

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
ゼンダンハヤブサの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
スマートオーディン 黒鹿毛ダノンシャンティ 黒鹿毛フジキセキFuji Kiseki
Chansonnette
Lady Upstage 鹿毛Alzao
She's the Tops
オーガストウェイ 黒鹿毛アグネスタキオン 栗毛サンデーサイレンス
アグネスフローラ
Auriette 栗毛Caerleon
Rose de Crystal
STORY

旅程 — この馬の物語

2022年生まれの栗毛の牡馬。父スマートオーディン 黒鹿毛、母オーガストウェイ 黒鹿毛。主な勝ち鞍は小倉記念。

隼の名 ― 血のかたち

ゼンダンハヤブサ。名の末尾に、空から獲物へ真っ逆さまに降下する鳥・隼(はやぶさ)を負う。2022年3月14日、新冠に生まれた栗毛の牡馬である。 父スマートオーディンは2016年の京都新聞杯を勝った中距離馬で、その父はNHKマイルカップ馬ダノンシャンティ――フジキセキへと遡る快速の血だ。母オーガストウェイの父は、無敗のまま皐月賞を駆け抜けたアグネスタキオン。二代母オウリエットはアイルランドに生まれ、父にケアレオンを持つ。日本の主流をなすスピードと勝負根性に、欧州のひとしずくが溶けている。 華やかな重賞タイトルの並ぶ牝系ではない。それでも、隼の名にふさわしい翼は、確かにこの血の奥で畳まれていた。ほどけるまでに、長い時間がかかっただけだ。

長い助走 ― 六戦目の初勝利

2024年6月、京都の芝1600メートル。団野大成を背にした新馬戦は4着だった。そこから勝ち星は、なかなか手元に来ない。2着、3着、また2着――マイルから1400メートルで善戦を繰り返しながら、未勝利のまま五戦を費やした。 初めて一着の枠に馬名が入ったのは六戦目である。距離を1800メートルに延ばした2025年2月、小倉の未勝利戦。1番人気に応え、ようやく勝ち上がった。地を這うような、低いところからの長い助走だった。

酒井学の手綱 ― 五着の壁

条件戦は、一段ずつだった。2025年6月、阪神の城崎特別を藤岡佑介の手で勝つ。だが、そこから上のクラスでは、勝ち負けまでのあと一歩が遠かった。 酒井学とのコンビが本格化したのは、2026年に入ってからだ。2月の天神橋特別を酒井で制し、3勝クラスへ駒を進める。だが千六百メートルの3勝クラスでは、立雲峡ステークス、錦ステークス、花のみちステークスと、5着、5着、5着。届きそうで届かない位置に、堅実な脚だけが並んだ。オープンにも上がれないまま、栗毛は足踏みを続けた。それでもベテランは、この馬を手放さなかった。

小倉の直線 ― 十番人気の飛翔

2026年7月19日、小倉の芝2000メートル。第62回小倉記念。ゼンダンハヤブサは10番人気だった。3勝クラスで5着が続き、オープンにも届いていない。2000メートルも走ったことがない。世間の評価は、格上挑戦の域を出ないものだった。背に積むのは、52キロの軽ハンデである。 好枠を引いた酒井は、中団の内でロスなく脚をためた。直線、ばらけた馬群の間に進路が開くと、栗毛は鋭く伸びる。1番人気ジョバンニを2分の1馬身しのぎ、先頭でゴール板を駆け抜けた。時計は1分58秒0、上がり3ハロンは33秒1。初めての2000メートルを、格上相手にねじ伏せての重賞初制覇だった。 「ずっと乗せて頂いていた馬なので重賞を勝てたのはとても嬉しいです」[^1]。酒井の言葉に、長い付き合いの実りがにじんだ。五戦を助走に費やした馬が、五着の壁を三度くぐった馬が、ついに隼の名にふさわしい一瞬を見せた。

出典:競馬のおはなし「【小倉記念】酒井学「絶好枠を活かせた」 ゼンダンハヤブサが10番人気で重賞タイトル獲得」2026年7月19日配信、https://keibana.com/news/137129/、閲覧日:2026年7月20日。

三代の門出 ― まだ四歳

この勝利には、もう一つの門出が重なっていた。管理する橋田宜長は、栗東に厩舎を構えてまだ一年目である。祖父は騎手から調教師になった橋田俊三、父は調教師の橋田満――父子三代でこの職に就いた血筋だ。父の厩舎で調教助手を務め、名牝ディアドラの海外遠征に帯同したのち、2024年の暮れ、三度目の挑戦で調教師免許を掴んだ。 2026年3月に開業すると、わずか19日目、初勝利がそのまま重賞初制覇になった――中京の愛知杯を、アイサンサンで。小倉記念は、開業初年度の重賞2勝目だった。開業一年目の厩舎と、十番人気の栗毛と、手放さなかったベテラン。三者が、小倉の直線で一つになった。 ゼンダンハヤブサは、まだ4歳。通算18戦4勝。長い助走の末にほどけた翼が、次にどこまで高く昇るのか。それを確かめる旅は、まだ始まったばかりだ。

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