名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

この世代(生まれ年)

スライダーを動かすと、その世代に生まれた馬を獲得賞金の多い順で表示します。

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ウシュバテソーロのイメージビジュアル
ウシュバテソーロUshba Tesoro
Ushba Tesoro

ウシュバテソーロ

通算成績39戦11勝

獲得賞金26131万円

生年月日 2017.03.04(平成29年)毛色 鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
ウシュバテソーロの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
6 GIドバイワールドカップ メイダン ダ2000 4人気 菅原明良 映像
3 GIサウジカップ キングアブドゥル ダ1800 8人気 菅原明良 映像
4 GI東京大賞典 大井 ダ2000 3人気 菅原明良 2:05.9 上り37.2映像
10 GIBCクラシック デルマー ダ2000 4人気 川田将雅 映像
2 JpnⅡ日本テレビ盃 船橋 ダ1800 1人気 川田将雅 1:53.0 上り37.3
2 GIドバイワールドカップ メイダン ダ2000 1人気 川田将雅 映像
2 GIサウジカップ キングアブドゥル ダ1800 2人気 川田将雅 映像
1 GI東京大賞典 大井 ダ2000 1人気 川田将雅 2:07.3 上り37.0映像
5 GIBCクラシック サンタアニタパー ダ2000 1人気 川田将雅 映像
1 JpnⅡ日本テレビ盃 船橋 ダ1800 1人気 川田将雅 1:51.7 上り37.2
1 GIドバイワールドカップ メイダン ダ2000 4人気 川田将雅 2:03.2 映像
1 JpnⅠ川崎記念 川崎 ダ2100 2人気 横山和生 2:16.0 上り39.5映像
1 GI東京大賞典 大井 ダ2000 2人気 横山和生 2:05.0 上り37.2映像
1 OPカノープスS 阪神 ダ2000 1人気 横山和生 2:03.7 上り37.3
1 Lブラジルカップ 東京 ダ2100 1人気 木幡巧也 2:10.0 上り35.5
3 OPラジオ日本賞 中山 ダ1800 4人気 木幡巧也 1:50.7 上り36.2
1 横浜S 東京 ダ2100 7人気 横山和生 2:08.1 上り34.0
6 美浦S 中山 芝2000 6人気 横山和生 2:02.3 上り35.5
11 早春S 東京 芝2400 8人気 江田照男 2:26.8 上り35.1
5 迎春S 中山 芝2200 10人気 戸崎圭太 2:15.1 上り34.7
4 グレイトフルS 中山 芝2500 5人気 黛弘人 2:34.3 上り35.4
1 三陸特別 福島 芝2600 6人気 黛弘人 2:40.9 上り36.0
4 3歳以上2勝クラス 東京 芝2400 5人気 戸崎圭太 2:29.0 上り34.0
6 茨城新聞杯 中山 芝1800 5人気 戸崎圭太 1:47.6 上り34.4
1 4歳以上1勝クラス 新潟 芝2200 1人気 鮫島克駿 2:15.8 上り37.5
3 4歳以上1勝クラス 中山 芝2200 3人気 木幡育也 2:14.6 上り35.1
2 4歳以上1勝クラス 中山 芝2000 13人気 木幡育也 2:04.6 上り37.3
9 3歳以上1勝クラス 中山 芝2500 5人気 江田照男 2:37.3 上り37.6
9 ルスツ特別 札幌 芝2600 5人気 大野拓弥 2:44.9 上り37.2
5 3歳以上1勝クラス 札幌 芝2600 1人気 大野拓弥 2:43.8 上り37.1
4 3歳1勝クラス 東京 芝2400 3人気 江田照男 2:24.8 上り34.9
4 LプリンシパルS 東京 芝2000 8人気 江田照男 2:00.5 上り33.5
1 3歳未勝利 東京 芝2400 1人気 江田照男 2:28.5 上り34.7
3 3歳未勝利 東京 芝2400 3人気 江田照男 2:27.8 上り34.3
3 3歳未勝利 中山 芝2200 2人気 江田照男 2:17.4 上り35.6
3 3歳未勝利 中山 芝2000 4人気 江田照男 2:02.5 上り35.3
5 2歳未勝利 中山 芝2000 8人気 江田照男 2:01.5 上り35.4
4 2歳未勝利 中山 芝2000 4人気 大野拓弥 2:03.4 上り36.2
5 2歳新馬 新潟 芝1800 5人気 大野拓弥 1:50.6 上り33.7

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
ウシュバテソーロの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
オルフェーヴルOrfevreステイゴールドStay GoldサンデーサイレンスSunday Silence
ゴールデンサッシュ
オリエンタルアートメジロマックイーンMejiro McQueen
エレクトロアート
ミルフィアタッチキングカメハメハKing KamehamehaKingmambo
マンファスManfath
シジェームサンSixieme SensSeptieme Ciel
Samalex

引退後・牧場での映像

ゴール板の先の時間
STORY

旅程 — この馬の物語

2017年生まれの鹿毛の牡馬。父オルフェーヴル、母ミルフィアタッチ。主な勝ち鞍は川崎記念・ドバイワールドカップ・東京大賞典。

オルフェーヴルの仔 ― 山の名と、宝という願い

2017年3月4日、黒鹿毛が生まれた。父は三冠馬にして凱旋門賞2着二度のオルフェーヴル、その父はステイゴールド、さらに遡ればサンデーサイレンスに行き着く。母ミルフィアタッチは父キングカメハメハを持つが、自身は未勝利。きらびやかな父系に、地味な母系。 「テソーロ」は馬主・了徳寺健二ホールディングスの冠名で、スペイン語で宝を意味する。その冠名に、コーカサスにそびえる険峰ウシュバの名を冠した。険しい山と、宝。奇しくも組み合わさったその二語は、この馬がのちにたどる遠回りの道のりを、言い当てていた。

芝の隅で ― 二歳から四歳までの長い助走

2019年8月、新潟の新馬戦で5着デビュー。そこから始まる芝での日々は、勝ち上がりに半年以上を要する苦しいものだった。2020年4月にようやく未勝利を勝つと、翌2021年に1勝クラス、福島の三陸特別を制して2勝。だが重賞には手が届かず、芝2000mの平場で人気を裏切る凡走も少なくなかった。父譲りの渋い末脚はあっても、芝の一線級では足りない。生まれて三年が過ぎても、宝の輪郭は見えていなかった。

ダートへ ― 五歳の春の決断

2022年春、陣営はダート転向に踏み切った。四歳まで芝を走り続けた馬の、遅すぎるとも見える方針転換。だが転向初戦の横浜S、東京ダート2100mで7番人気のウシュバテソーロは勝った。秋にはブラジルカップ、カノープスSを連勝。砂の上で、芝では見えなかった持続力が花開く。そして年の暮れ、大井の東京大賞典で2番人気に支持されると、横山和生を背に古馬の交流GIを制した。転向からわずか八か月。遅咲きの蕾が、ようやくほどけた。

川田将雅とともに ― ダート王へ

2023年2月、川崎記念をJpnⅠ制覇。この頃から鞍上に川田将雅が座り、コンビが本格的に始動する。地方の主要交流をなぎ倒し、ウシュバテソーロは日本ダート界の頂に立った。前年まで芝の平場でもがいていた馬が、砂では誰にも止められない。山の名を持つ黒鹿毛は、遅れてきた分だけ太い幹を蓄えていた。

二〇二三年三月二十五日 ― メイダンの快挙

ドバイワールドカップ。ダート2000mに、日本のダート王が挑んだ。川田将雅を背に道中は最後方。勝負どころで外を回して押し上げると、直線、前をまとめて差し切った。勝ちタイム2分03秒25。日本馬の優勝は2011年ヴィクトワールピサ以来二頭目、しかもダート開催では日本馬初の制覇だった。長く芝の隅にいた馬が、世界のダートの頂点に立った瞬間だった。日本ダート史に、ひとつの到達点が刻まれる。

世界に挑み続けて ― 連覇の壁とアメリカの砂

頂に立った馬は、守りに入らなかった。2023年秋、BCクラシックに遠征して5着。年末の東京大賞典を完勝して連覇を果たすと、2024年はサウジカップ2着、ドバイワールドカップ2着。連覇は、逃げ切ったローレルリバーの前に阻まれた。川田は「ウシュバはウシュバで全力の走りをして、精いっぱいの走りをしてくれた」[^1]と振り返る。秋のBCクラシックは10着、暮れの東京大賞典は菅原明良に乗り替わって4着。世界の壁は年々厚みを増した。だが負けても挑む場所は、つねに最高峰だった。

出典:JRA-VAN World「【ドバイワールドC】2着ウシュバテソーロ川田騎手「精いっぱいの走りをしてくれたと思います」」2024年3月31日配信、https://world.jra-van.jp/news/N0014620/、閲覧日:2026年6月25日。

山を下りる ― 三十九戦の宝

2025年、菅原明良とのコンビでサウジカップ3着、そして4月のドバイワールドカップ6着。8歳になった馬の、これが最後の一戦となった。5月に登録を抹消し、ターフを去る。通算39戦11勝。芝で長くもがき、五歳でダートに移って花開き、世界のダートの頂を獲った遅咲きの軌跡。山の名を負って生まれた馬は、最後まで険しい道だけを選び、その険しさのなかで宝になった。

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