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アーバンシック
通算成績13戦4勝
獲得賞金3億9,761万円
生年月日 2021.03.16(令和3年)毛色 栗毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 14 | GII東海テレビ杯金鯱賞 | 中京 芝2000 | 7人気 | 三浦皇成 | 1:59.1 | 上り34.7 | 映像 | |
| 10 | GI香港ヴァーズ | シャティン 芝2400 | 2人気 | C.ルメール | — | 映像 | ||
| 5 | GI天皇賞(秋) | 東京 芝2000 | 11人気 | A.プーシャン | 1:58.8 | 上り32.2 | 映像 | |
| 14 | GI宝塚記念 | 阪神 芝2200 | 6人気 | C.ルメール | 2:13.5 | 上り37.3 | 映像 | |
| 3 | GII日経賞 | 中山 芝2500 | 1人気 | C.ルメール | 2:36.2 | 上り36.6 | 映像 | |
| 6 | GI有馬記念 | 中山 芝2500 | 1人気 | C.ルメール | 2:32.3 | 上り35.1 | 映像 | |
| 1 | GI菊花賞 | 京都 芝3000 | 2人気 | C.ルメール | 3:04.1 | 上り35.6 | 映像 | |
| 1 | GII朝日セントライト記念 | 中山 芝2200 | 2人気 | C.ルメール | 2:11.6 | 上り34.0 | 映像 | |
| 11 | GI東京優駿 | 東京 芝2400 | 4人気 | 横山武史 | 2:25.4 | 上り33.5 | 映像 | |
| 4 | GI皐月賞 | 中山 芝2000 | 6人気 | 横山武史 | 1:57.5 | 上り34.1 | 映像 | |
| 2 | GIII京成杯 | 中山 芝2000 | 2人気 | 横山武史 | 2:00.6 | 上り33.9 | 映像 | |
| 1 | 百日草特別 | 東京 芝2000 | 3人気 | 横山武史 | 1:59.4 | 上り33.2 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 札幌 芝1800 | 1人気 | 横山武史 | 1:53.1 | 上り34.2 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父スワーヴリチャードSuave Richard | ハーツクライHeart's Cry | サンデーサイレンスSunday Silence |
| アイリッシュダンス | ||
| ピラミマ | Unbridled's Song | |
| キャリアコレクション | ||
| 母エッジースタイル | ハービンジャーHarbinger | Dansili |
| Penang Pearl | ||
| ランズエッジ | ダンスインザダークDance in the Dark | |
| ウインドインハーヘアWind in Her Hair |
旅程 — この馬の物語
2021年生まれの栗毛の牡馬。父スワーヴリチャード、母エッジースタイル。主な勝ち鞍は菊花賞・朝日セントライト記念。
洗練という名 ― ウインドインハーヘアの末
アーバンシック。都会の洗練、という意味の名は、母エッジースタイル――尖ったスタイル――から一歩進めて選ばれた。装いの名を継ぐこの栗毛は、しかし名前以上に、血の物語を背負っていた。 母の母ランズエッジは、2006年生まれの鹿毛。父ダンスインザダーク、母ウインドインハーヘア。そのウインドインハーヘアこそ、ディープインパクトとブラックタイドを産んだドイツGI馬である。ランズエッジはディープインパクトの半妹にあたり、血の格でいえば申し分がない。だが競走馬としては八戦して未勝利、ターフには何も残せなかった。 走らなかった名血の牝馬。その価値が問われるのは、産む側に回ってからだった。北海道のノーザンファームで生まれ、シルクレーシングの一頭となったアーバンシックは、その答え合わせの主役の一頭になる。
横山武史と、春の坂道
2023年8月13日、札幌の芝1800m。1番人気に応え、横山武史を背にデビュー戦を制する。続く百日草特別も差し切り、無傷の二連勝。年が明けた京成杯では上がり最速の脚を使いながら、道中のロスが響いて2着に惜敗した。それでも、素材の確かさははっきりと見えていた。 春のクラシックへ。皐月賞は6番人気で4着、勝ち馬を捉えきれない。そして日本ダービー、4番人気で臨んだ府中の2400mは、末脚が伸びず11着の大敗に終わった。デビューから五戦、横山武史とともに登ってきた坂道は、ダービーの直線でいったん途切れる。 若い主戦との歩みは、ここで区切りを迎えた。次走から、手綱は替わる。
ルメールの手綱 ― 最後の一冠
秋、鞍上にクリストフ・ルメールを迎える。始動戦のセントライト記念は、直線一気の差し脚で重賞初制覇。3000mへの距離延長にも不安はない、とルメールは手応えを口にした。 10月20日、京都の菊花賞。2番人気。中団の内で脚をため、四角では早くも三番手に取り付くと、直線で外へ持ち出して先頭へ躍り出る。追ってきた4番人気ヘデントールに二馬身半差をつけ、勝ち時計3分04秒1。クラシック最後の一冠を、堂々と奪い取った。ルメールにとっては、前年ドゥレッツァに続く菊花賞連覇でもあった。 ダービーで途切れた坂道は、名手の手綱に替わり、淀の長い直線でひとつの頂に届いた。走らなかった名血の牝馬ランズエッジの血が、孫の代でGIの大輪を咲かせた瞬間だった。
一族の暮れ ― 有馬記念
菊花賞馬として、暮れの有馬記念には1番人気で送り出された。だが中山の2500mで見せ場を作れず、6着。勝ったのは、5番人気の3歳牝馬レガレイラ――アーバンシックの、いとこだった。 レガレイラの母ロカも、アーバンシックの母エッジースタイルも、ともにランズエッジの娘である。走れなかった半妹の血は、この2024年、孫たちの世代で一気に花開いていた。春の桜花賞をいとこステレンボッシュ(母ブルークランズ)が制し、秋の菊花賞をアーバンシックが獲り、そして暮れの有馬記念をレガレイラが締めくくる。クラシックとグランプリを、ランズエッジ三頭の孫が一年のうちに束ねたのだ。 自らは1番人気に推されながら、同じ血のいとこに先を越された一戦。悔しさの裏で、血の物語だけは、まぎれもなく勝っていた。
古馬の海図
四歳の春、日経賞は1番人気で3着。頂の余韻は、まだ残っていた。だが宝塚記念で14着に大敗すると、そこからは長い立て直しの季節に入る。 秋の天皇賞では11番人気まで評価を落としながら、A.プーシャンを背に5着へ食い込み、まだ力の衰えていないことを示した。暮れには初の海外、香港ヴァーズへ。ルメールと再び組んだシャティンの芝2400mは10着に終わり、明けて2026年の金鯱賞も14着。栄光の菊の日から、少しずつ遠ざかる時間が続いている。 それでも、この馬の背には走らなかった名血が流れ、孫の代でGIを咲かせた一族の物語がある。淀で咲いた大輪は、記録のなかで色褪せない。立て直しの時をくぐり、アーバンシックがもう一度あの直線を先頭で駆ける日を、静かに待ちたい。
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