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アップトゥデイト
通算成績37戦10勝
獲得賞金4億8,820万円
生年月日 2010.02.18(平成22年)毛色 芦毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 中 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 1人気 | 白浜雄造 | — | 映像 | ||
| 1 | 阪神ジャンプS | 阪神 障3140 | 1人気 | 白浜雄造 | 3:27.2 | 上り13.2 | 映像 | |
| 2 | 小倉サマージャンプ | 小倉 障3390 | 1人気 | 白浜雄造 | 3:41.7 | 上り13.1 | — | |
| 2 | JGⅠ中山グランドジャンプ | 中山 障4250 | 2人気 | 林満明 | 4:45.4 | 上り13.4 | 映像 | |
| 1 | 阪神スプリングJ | 阪神 障3900 | 1人気 | 林満明 | 4:23.4 | 上り13.5 | — | |
| 2 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 2人気 | 林満明 | 4:36.2 | 上り13.5 | 映像 | |
| 1 | 阪神ジャンプS | 阪神 障3140 | 1人気 | 林満明 | 3:29.3 | 上り13.3 | 映像 | |
| 2 | 小倉サマージャンプ | 小倉 障3390 | 1人気 | 林満明 | 3:42.7 | 上り13.1 | — | |
| 3 | JGⅠ中山グランドジャンプ | 中山 障4250 | 2人気 | 林満明 | 4:52.7 | 上り13.8 | 映像 | |
| 2 | 阪神スプリングJ | 阪神 障3900 | 2人気 | 林満明 | 4:28.5 | 上り13.8 | — | |
| 2 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 2人気 | 林満明 | 4:47.1 | 上り14.0 | 映像 | |
| 2 | 阪神ジャンプS | 阪神 障3140 | 2人気 | 林満明 | 3:28.3 | 上り13.3 | — | |
| 8 | 新潟ジャンプS | 新潟 障3250 | 1人気 | 林満明 | 3:32.4 | 上り13.1 | — | |
| 2 | 阪神スプリングJ | 阪神 障3900 | 1人気 | 白浜雄造 | 4:23.4 | 上り13.5 | — | |
| 1 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 2人気 | 林満明 | 4:37.9 | 上り13.6 | 映像 | |
| 1 | 小倉サマージャンプ | 小倉 障3390 | 2人気 | 林満明 | 3:42.8 | 上り13.1 | 映像 | |
| 1 | JGⅠ中山グランドジャンプ | 中山 障4250 | 4人気 | 林満明 | 4:46.6 | 上り13.5 | 映像 | |
| 4 | 阪神スプリングJ | 阪神 障3900 | 1人気 | 林満明 | 4:23.4 | 上り13.5 | — | |
| 2 | OP中山新春ジャンプS | 中山 障3200 | 1人気 | 林満明 | 3:35.6 | 上り13.5 | — | |
| 1 | 障害3歳以上OP | 京都 障3170 | 1人気 | 林満明 | 3:32.5 | 上り13.4 | — | |
| 1 | 障害3歳以上未勝利 | 阪神 障2970 | 1人気 | 林満明 | 3:20.5 | 上り13.5 | — | |
| 2 | 障害3歳以上未勝利 | 小倉 障2900 | 2人気 | 林満明 | 3:11.4 | 上り13.2 | — | |
| 8 | 九州スポーツ杯 | 小倉 芝2000 | 8人気 | 小牧太 | 2:00.4 | 上り35.8 | — | |
| 9 | 濃尾特別 | 中京 ダ1800 | 10人気 | 武豊 | 1:51.6 | 上り37.5 | — | |
| 14 | 播磨S | 阪神 ダ1400 | 13人気 | 尾島徹 | 1:25.2 | 上り37.6 | — | |
| 13 | 門司S | 小倉 ダ1700 | 12人気 | 吉田隼人 | 1:44.7 | 上り37.6 | — | |
| 8 | 平城京S | 京都 ダ1800 | 8人気 | 秋山真一郎 | 1:52.5 | 上り37.9 | — | |
| 8 | 大阪スポーツ杯 | 阪神 ダ1400 | 6人気 | 水口優也 | 1:25.0 | 上り37.0 | — | |
| 10 | 釜山S | 小倉 ダ1700 | 3人気 | 水口優也 | 1:45.2 | 上り38.7 | — | |
| 5 | 桶狭間S | 中京 ダ1400 | 14人気 | 水口優也 | 1:23.3 | 上り36.3 | — | |
| 14 | OP伏竜S | 中山 ダ1800 | 12人気 | 石橋脩 | 1:55.4 | 上り39.2 | — | |
| 10 | OPヒヤシンスS | 東京 ダ1600 | 5人気 | 岩田康誠 | 1:38.2 | 上り38.2 | — | |
| 3 | JpnⅠ全日本2歳優駿 | 川崎 ダ1600 | 1人気 | 岩田康誠 | 1:42.6 | 上り39.6 | — | |
| 2 | JpnⅡ兵庫ジュニアグランプリ | 園田 ダ1400 | 2人気 | 下原理 | 1:27.3 | 上り37.9 | — | |
| 1 | ヤマボウシ賞 | 阪神 ダ1400 | 4人気 | 佐藤哲三 | 1:25.4 | 上り37.7 | — | |
| 7 | OP報知杯中京2歳S | 中京 芝1400 | 7人気 | 佐藤哲三 | 1:25.0 | 上り37.1 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 中京 ダ1400 | 5人気 | 佐藤哲三 | 1:25.0 | 上り37.1 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父クロフネKurofune | フレンチデピュティFrench Deputy | Deputy Minister |
| Mitterand | ||
| ブルーアヴェニューBlue Avenue | Classic Go Go | |
| Eliza Blue | ||
| 母リニアミューズ | トニービンTony Bin | カンパラKampala |
| Severn Bridge | ||
| スリリングディThrilling Day | Prego | |
| Leica Pretender |
旅程 — この馬の物語
2010年生まれの芦毛の牡馬。父クロフネ、母リニアミューズ。
四百勝目の芦毛 ― 二〇一二年七月七日
2012年7月7日、中京競馬場のダート1400m。2歳新馬戦を5番人気で勝ち上がったのは、父クロフネから毛色を受け継いだ芦毛だった。鞍上は佐藤哲三。中団から最速の脚で追い込んできた馬をゴール前で押さえ込んだが、その2着馬の名をクリソライトという。翌年のジャパンダートダービーを7馬身差で勝つ馬である。 管理する佐々木晶三にとって、この一勝は4192戦目のJRA通算400勝だった。生産は北海道新冠のノースヒルズ、馬主は今西和雄。母リニアミューズは12戦2勝、オープンの野路菊ステークスで2着に入ったことのある牝馬で、その産駒に重賞を勝った馬はいない。血の看板は、どこにも掛かっていなかった。 名はアップトゥデイト。英語で「最新の」を意味する。2歳の秋には芝の中京2歳ステークスで7着と跳ね返されたが、ダートに戻したヤマボウシ賞で2勝目。園田の兵庫ジュニアグランプリでケイアイレオーネの2着に入り、暮れの全日本2歳優駿では1番人気に推されて3着。世代のダート路線の、上の方にいた。 そしてヤマボウシ賞が、佐藤哲三がこの馬に跨がった最後の一戦になった。11月24日、京都の直線で佐藤は落馬し、内埒に激突して全身七か所を折る重傷を負う。復帰は叶わず、2014年に引退している。
平地の袋小路
明け3歳から、この馬は勝てなくなった。ヒヤシンスステークス10着、伏竜ステークス14着。夏の桶狭間ステークスで5着に入ったのを最後に、掲示板からも遠ざかる。 2014年は4戦して13着、14着、9着、8着。条件が1000万下まで下がっても変わらなかった。7月の濃尾特別では武豊が跨がって9着。前年、同じ佐々木厩舎のキズナで日本ダービーを勝ったばかりの手綱をもってしても、馬は動かなかった。8月の九州スポーツ杯は芝2000mで8着。 中央の平地は13戦2勝。勝ったのは2歳の夏と秋の二つだけだった。四歳の夏、この馬に残されたカードは、もうほとんどなかった。
臆病だから、と佐々木晶三は言った
佐々木晶三は、自分の厩舎からほとんど障害馬を出さない調教師だった。かつて管理馬の障害戦での落馬で騎手が大けがを負って以来、2000年に一頭を走らせたきりだったという。その佐々木が、この馬でだけ考えを変えた。臆病な馬だからこそ、障害なら慎重に飛んでくれるのではないか──逆さまの理屈である。 2014年9月6日、小倉の障害3歳上未勝利。60kgを背負って2着。鞍上には林満明がいた。 1966年、滋賀県生まれ。競馬学校騎手課程の第1期生で、同期に石橋守や柴田善臣がいる。1986年のデビュー翌年には障害重賞を勝ち、1997年には年間18勝でJRA賞最多勝利障害騎手。2011年に平地免許を返上し、障害だけに絞った。J・GIには1990年12月の中山大障害から乗り続け、2010年の中山大障害ではタマモグレアーで最後の直線までバシケーンと叩き合い、ハナ差で敗れている。四半世紀、あと一歩が届かなかった男だった。 二戦目、阪神の障害未勝利を2秒5差で圧勝。11月には京都のオープンも制す。年が明けて中山新春ジャンプステークスは1番人気で2着、3月の阪神スプリングジャンプは1番人気で4着。まだ、飛越を覚えている途中だった。
四分四十六秒六
2015年4月18日、中山グランドジャンプ。芝4250m、単勝12.0倍の4番人気。 ゲートが開くと、アップトゥデイトは早々に前へ出た。二周目の一コーナーでアポロマーベリックと並んで先頭、三コーナーでも譲らず、四コーナーを回ったときには単独の先頭にいた。大竹柵も大生垣も越えたあとの直線で、後続は消えていた。2着ソンブレロまで大差。時計は4分46秒6。この競走のレコードだった。 林満明、デビュー30年目。J・GIに初めて騎乗した1990年の中山大障害から数えて、25年目の初制覇である。 臆病だから慎重に飛ぶだろう、という見込みは、当たっていた。
同じ年に、二つ
8月1日の小倉サマージャンプは62kgを背負って2番人気、ビコーピリラニを退けて重賞2勝目。 12月26日、中山大障害。1番人気はサナシオン、アップトゥデイトは2番人気だった。四コーナーを回ったとき、先頭はそのサナシオンで、直後に控えていたのがアップトゥデイト。直線で前を捉えると、今度はエイコーンパスが伸びてくる。凌いだ差は半馬身、0秒1。4分37秒9。 1999年にジャンプ競走へグレード制が導入されて以来、中山グランドジャンプと中山大障害を同じ年に勝った馬はいなかった。この年のJRA賞最優秀障害馬に選ばれる。 年が明けて受賞が決まると、佐々木は騎手を讃えたうえでこう続けた。「絶対王者の座を守り抜きたいね」[^1]。芦毛はまだ5歳で、障害馬としては若かった。
出典:スポーツニッポン「最優秀障害馬はアップトゥデイト 佐々木師「絶対王者の座を守る」」2016年1月7日配信、https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2016/01/07/kiji/K20160107011815510.html 、閲覧日:2026年7月29日。
六着にいた四歳馬
その2015年の中山大障害を、アップトゥデイトは6着に退けている。4歳のオジュウチョウサンだった。 2016年、歯車が噛み合わなくなる。3月の阪神スプリングジャンプは林満明が落馬で負傷したため白浜雄造に乗り替わり、逃げるサナシオンを捕まえられず2着。4月、左前脚に骨瘤が出て中山グランドジャンプを回避した。連覇の権利は、走らないまま消えた。その中山グランドジャンプを勝ったのがオジュウチョウサンで、以後この競走は五年続けて彼のものになる。 8月の新潟ジャンプステークスは1番人気で8着。9月の阪神ジャンプステークスはニホンピロバロンの2着。そして12月23日の中山大障害、勝ったのはオジュウチョウサンだった。1秒5差の2着。王が来た年として、この一年は記憶される。
半馬身の二年
2016年12月から2018年4月まで、アップトゥデイトが走ったJ・GIは四つ。2017年の中山グランドジャンプの3着を除いて、すべて2着だった。前にいたのは、毎回同じ馬である。 2017年12月23日の中山大障害が、その極みにある。二周目の一コーナーから四コーナーまで、6番のアップトゥデイトと7番のオジュウチョウサンは、ずっと並んだまま中山を回っていた。差はゴールで半馬身、0秒1。オジュウチョウサンの記録した4分36秒1は、いまも中山大障害のレースレコードとして残る。 2018年4月14日の中山グランドジャンプでも、オジュウチョウサンはレコードを出した。4分43秒0。それが破った古い記録は、三年前にアップトゥデイト自身が刻んだ4分46秒6である。記録を作った当人が、記録が破られる瞬間を2着で見ていた。 その谷間に、勝ち鞍が二つある。2017年9月の阪神ジャンプステークスと、2018年3月の阪神スプリングジャンプ。前者は佐々木晶三のJRA通算500勝でもあった。400勝目と500勝目を、同じ一頭が運んできたことになる。 中山グランドジャンプの2着が、林満明がこの馬に跨がった最後の一戦になった。年明けの1月、林は障害2000回騎乗を区切りに引退すると公言していた。「やり残してきたこともないから」[^1]。前年6月には嘉堂信雄を抜いてJRA障害競走の通算騎乗数で歴代最多を更新している。6月23日、東京ジャンプステークスで2000回に到達し、その一鞍を最後に騎乗を終える。同年12月31日付で引退した。三十年を超える騎手生活で挙げたGIは二つ。どちらもアップトゥデイトの背中の上にある。
出典:デイリースポーツ「林満明2千回騎乗で引退へ「やり残したこともない」 障害レース最多騎乗記録保持者」2018年1月19日配信、https://www.daily.co.jp/horse/2018/01/19/0010909128.shtml 、閲覧日:2026年7月29日。
最後の障害
夏からは白浜雄造が乗った。2005年の中山大障害をテイエムドラゴンで勝ち、当時はJRAの障害重賞最多勝記録を持っていた騎手である。7月の小倉サマージャンプはヨカグラの2着、9月15日の阪神ジャンプステークスを勝って重賞6勝目。8歳になっても、単勝は1.1倍だった。 12月22日、中山大障害。オジュウチョウサンの姿はなかった。単勝1.4倍の1番人気に推され、ハナを切り、二周目の三コーナーでは3番手。そして最後の障害で落馬し、競走中止となった。勝ったのはニホンピロバロン、鞍上はオジュウチョウサンの主戦・石神深一である。 これが37戦目、最後の一戦になった。翌2019年7月26日付で競走馬登録を抹消され、馬事公苑へ移って乗馬になる。 障害での22戦のうち、3着までを外したのは三度だけだった。臆病だから慎重に飛ぶだろうという見込みで障害に回された馬は、四年三か月のあいだ、律儀に飛び続けた。最後の一度で落ちたことが、それを帳消しにするわけではない。 中山の襷コースは年に二度しか開かない。高さ160cmの大竹柵と大生垣を備えたその舞台の前身が創設されたのは、1934年である。日本競馬でいちばん古い形をした競走で、「最新の」という名を持つ芦毛は、中山の二つのJ・GIと、ひとつのレコードを残した。
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