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ユーバーレーベン
通算成績15戦2勝
獲得賞金2億3,940万円
生年月日 2018.01.27(平成30年)毛色 青鹿毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3 | GIIアメリカジョッキークラブカップ | 中山 芝2200 | 3人気 | M.デムーロ | 2:13.7 | 上り34.9 | 映像 | |
| 10 | GIジャパンカップ | 東京 芝2400 | 10人気 | M.デムーロ | 2:24.7 | 上り34.8 | 映像 | |
| 8 | GI天皇賞(秋) | 東京 芝2000 | 10人気 | M.デムーロ | 1:58.3 | 上り33.3 | 映像 | |
| 11 | GII札幌記念 | 札幌 芝2000 | 6人気 | M.デムーロ | 2:02.6 | 上り36.8 | 映像 | |
| 5 | GIドバイシーマクラシック | メイダン 芝2410 | 7人気 | D.レーン | — | 映像 | ||
| 5 | GII京都記念 | 阪神 芝2200 | 1人気 | M.デムーロ | 2:12.3 | 上り34.5 | 映像 | |
| 6 | GIジャパンカップ | 東京 芝2400 | 5人気 | M.デムーロ | 2:25.5 | 上り34.2 | 映像 | |
| 13 | GI秋華賞 | 阪神 芝2000 | 5人気 | M.デムーロ | 2:02.7 | 上り36.3 | 映像 | |
| 1 | GI優駿牝馬 | 東京 芝2400 | 3人気 | M.デムーロ | 2:24.5 | 上り34.4 | 映像 | |
| 3 | GIIサンスポ賞フローラS | 東京 芝2000 | 2人気 | M.デムーロ | 1:59.6 | 上り33.2 | 映像 | |
| 3 | GIIIフラワーカップ | 中山 芝1800 | 1人気 | 丹内祐次 | 1:49.4 | 上り35.1 | 映像 | |
| 3 | GI阪神ジュベナイルフィリーズ | 阪神 芝1600 | 6人気 | M.デムーロ | 1:33.2 | 上り33.6 | 映像 | |
| 9 | GIIIアルテミスS | 東京 芝1600 | 4人気 | 柴田大知 | 1:35.7 | 上り33.7 | 映像 | |
| 2 | GIII札幌2歳S | 札幌 芝1800 | 5人気 | 戸崎圭太 | 1:48.2 | 上り36.6 | 映像 | |
| 1 | 2歳新馬 | 東京 芝1800 | 4人気 | 戸崎圭太 | 1:52.6 | 上り35.3 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ゴールドシップGold Ship | ステイゴールドStay Gold | サンデーサイレンスSunday Silence |
| ゴールデンサッシュ | ||
| ポイントフラッグ | メジロマックイーンMejiro McQueen | |
| パストラリズム | ||
| 母マイネテレジア | ロージズインメイRoses in May | Devil His Due |
| Tell a Secret | ||
| マイネヌーヴェル | ブライアンズタイムBrian's Time | |
| マイネプリテンダー |
旅程 — この馬の物語
2018年生まれの青鹿毛の牝馬。父ゴールドシップ、母マイネテレジア。主な勝ち鞍は優駿牝馬。
「生き残る」という名 ― マイネの血に生まれて
ユーバーレーベン。ドイツ語で「生き残る」を意味する名を、この青鹿毛の牝馬は背負って生まれた。 父はゴールドシップ。あの気性難で愛された芦毛の個性派が、種牡馬として初めて世に問うたクラシック級の一頭である。母マイネテレジアは、北海道のビッグレッドファームが長く守ってきたマイネ牝系の一頭。派手な血ではないが、粘り強く走る馬を代々送り出してきた一族で、半兄マイネルファンロンはのちに新潟記念を制している。 2020年6月14日、東京・芝1800mの新馬戦。戸崎圭太を背に4番人気で送り出され、危なげなく勝ち上がった。名の通り、旅はここから始まる。この新馬勝ちの次に彼女が掲げる白星が、クラシックの大輪になるとは、このときは誰も思っていない。
三つの三着 ― 勝ちきれない秋と春
才能は、早くから見えていた。だが勝利は、なかなか手に届かなかった。 札幌2歳ステークスで2着。アルテミスステークスは9着に沈んだが、暮れの阪神ジュベナイルフィリーズでは、この日から手綱を握ったミルコ・デムーロを背に3着に好走する。明けて3歳、1番人気のフラワーカップは丹内祐次で3着、オークストライアルのフローラステークスもデムーロで3着。重賞の入着を並べながら、あと半馬身、あと一列が、どうしても越えられない。 世代の頂点にはアカイトリノムスメがいた。ユーバーレーベンは、三つの三着を手土産に、勝ち鞍を新馬戦一つだけ抱えたまま、樫の大舞台へと向かう。
総帥、逝く ― 二〇二一年三月十九日
オークスの二か月前、一人の男が世を去った。 岡田繁幸。ビッグレッドファームとサラブレッドクラブ・ラフィアンを興し、「マイネル軍団の総帥」と呼ばれた馬づくりの巨人である。多くの重賞馬を世に出しながら、東京優駿――ダービーだけは、生涯の目標に掲げつづけて、ついに手が届かなかった。 2021年3月19日、その岡田が急逝する。71歳。誕生日と命日が、同じ一日に重なった。彼が半生をかけて育てたマイネの血が、府中の2400mへ向かおうとしていた、まさにその春のことだった。
樫の女王 ― 天へ捧げた優駿牝馬
2021年5月23日、第82回優駿牝馬。東京・芝2400m、単勝8.9倍の3番人気。 スタートで後手を踏み、ユーバーレーベンは後方からの競馬になった。デムーロは慌てず、向正面でリズムを取り戻す。直線、外へ持ち出されると青鹿毛は力強く伸び、内から食い下がるアカイトリノムスメを1馬身差でねじ伏せた。勝ち時計2分24秒5。ゴールドシップ産駒にとって、これが初のGI制覇だった。そして勝ち鞍は新馬戦ただ一つ――1勝馬でのオークス制覇は、1995年のダンスパートナー以来、実に26年ぶりの椿事である。 デムーロは「感動しました。少しずつ調子が良くなっていて、今日パドックで見て、この馬に乗って良かったと思った」と声を詰まらせた。[^1] 手塚貴久調教師は、岡田の競馬への情熱を尊敬していたと語り、その急逝の直後にGIを勝てたことに、不思議な巡り合わせを感じたと振り返った。 総帥が生涯追いつづけ、ついに届かなかった府中の2400m。その同じ地で、同じ「優駿」の名を冠したレースを、彼の牧場のマイネの血が制した。天へ捧げる一冠だった。
出典:中日スポーツ「【オークス】デムーロ「感動しました」ユーバーレーベンG1初制覇を称える「この馬に乗って良かった」」2021年5月23日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/259130 、閲覧日:2026年7月21日。
生き残る ― 勝てぬ日々を走り抜いて
戴冠のあと、勝利の女神は長く微笑まなかった。 秋華賞は13着に大敗。ジャパンカップ6着、1番人気で臨んだ京都記念は5着。デムーロに代わってレーンを迎えたドバイシーマクラシックで海を渡り5着、札幌記念11着、天皇賞(秋)8着、再びのジャパンカップは10着。オークスから引退まで、ユーバーレーベンは8戦して一度も勝てなかった。それでも彼女は逃げなかった。牡馬混じりのGIの舞台に立ちつづけ、最後のアメリカジョッキークラブカップでも3着に踏ん張ってみせた。勝てずとも一線で走り抜く――それは名の通り、「生き残る」という生き方そのものだった。 2023年3月、左前脚の浅屈腱炎により、ユーバーレーベンは競走生活を終えた。故郷ビッグレッドファームで繁殖牝馬となる。やがて全弟マイネルエンペラーが2025年の日経賞を勝ち、マイネの血はなお重賞の舞台で脈を打ちつづけている。 総帥が最後まで夢見た府中の栄冠は、その娘たちが受け継いでいく。生き延びた一頭の牝馬が、いま北の牧場で、次の生命を育てている。
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