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トゥードジボン
通算成績18戦6勝
獲得賞金1億3,976万円
生年月日 2019.03.30(令和元年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | GIII関屋記念 | 新潟 芝1600 | 3人気 | 松山弘平 | 1:32.9 | 上り33.3 | 映像 | |
| 1 | L米子S | 京都 芝1600 | 4人気 | 松山弘平 | 1:31.5 | 上り33.5 | — | |
| 10 | GII読売マイラーズカップ | 京都 芝1600 | 5人気 | 藤岡佑介 | 1:33.8 | 上り36.7 | 映像 | |
| 11 | L六甲S | 阪神 芝1600 | 1人気 | 藤岡康太 | 1:34.9 | 上り35.4 | — | |
| 10 | GIII東京新聞杯 | 東京 芝1600 | 10人気 | 藤岡佑介 | 1:32.8 | 上り34.8 | 映像 | |
| 3 | GIII京都金杯 | 京都 芝1600 | 1人気 | 藤岡佑介 | 1:33.9 | 上り35.9 | 映像 | |
| 1 | 清水S | 京都 芝1600 | 4人気 | 藤岡佑介 | 1:33.2 | 上り33.6 | — | |
| 1 | 宝ケ池特別 | 京都 芝1600 | 3人気 | 藤岡佑介 | 1:34.0 | 上り33.5 | — | |
| 2 | Mロードカナロア | 阪神 芝1600 | 3人気 | 藤岡佑介 | 1:32.0 | 上り33.3 | — | |
| 7 | オールスターJ第4戦 | 札幌 芝1800 | 3人気 | J.モレイラ | 1:52.3 | 上り37.6 | — | |
| 7 | 4歳以上2勝クラス | 阪神 芝1600 | 1人気 | 岩田望来 | 1:35.2 | 上り35.9 | — | |
| 2 | 4歳以上2勝クラス | 中京 芝1600 | 2人気 | 岩田望来 | 1:33.3 | 上り34.1 | — | |
| 6 | GIIIアーリントンC | 阪神 芝1600 | 5人気 | 福永祐一 | 1:33.3 | 上り34.3 | — | |
| 1 | 3歳1勝クラス | 阪神 芝1600 | 2人気 | 福永祐一 | 1:33.8 | 上り34.2 | — | |
| 9 | GI朝日杯フューチュリティステークス | 阪神 芝1600 | 13人気 | 藤岡佑介 | 1:34.7 | 上り36.3 | 映像 | |
| 1 | 2歳未勝利 | 阪神 芝1600 | 3人気 | 藤岡佑介 | 1:34.3 | 上り34.9 | — | |
| 12 | 2歳未勝利 | 阪神 芝1400 | 2人気 | 横山和生 | 1:23.1 | 上り36.9 | — | |
| 3 | 2歳新馬 | 中京 芝1600 | 4人気 | 福永祐一 | 1:35.5 | 上り34.6 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父イスラボニータIsla Bonita | フジキセキFuji Kiseki | サンデーサイレンスSunday Silence |
| ミルレーサーMillracer | ||
| イスラコジーンIsla Cozzene | Cozzene | |
| Isla Mujeres | ||
| 母コッパCoppa | Yesbyjimminy | Yes It's True |
| Sisters Creek | ||
| Diplomatic Angel | Valid Appeal | |
| Royal Angelique |
旅程 — この馬の物語
2019年生まれの鹿毛の牡馬。父イスラボニータ、母コッパ。主な勝ち鞍は関屋記念。
「全て上手くいく」という名
ポルトガル語で「全て上手くいく」。トゥードジボン――その名は、いっそ願かけのようだった。 2019年3月30日、社台ファーム生まれの鹿毛。父は2014年の皐月賞を制したイスラボニータ。フジキセキからサンデーサイレンスへ遡る父系に、母は米国の血を引くコッパ。華やかな一族ではない。母の血に名だたる活躍馬が並ぶわけでもなく、この配合に大輪を約束する材料は、正直、多くはなかった。 馬主は青山洋一、預けられたのは栗東の四位洋文厩舎――かつて自ら鞍上で一線を張り、調教師へ転じた男の管理馬である。全て上手くいく、と名づけられた一頭の旅は、皮肉なことに、上手くいかないことの積み重ねから始まった。
藤岡佑介との出発
2021年6月、中京の芝1600m。福永祐一を背にしたデビュー戦は3着。続く阪神の未勝利は距離を1400mに詰めて2番人気に応えられず12着と大きく崩れたが、11月、舞台を得意の1600mへ戻すと、藤岡佑介とのコンビで初勝利を掴んだ。この馬が生涯の6勝すべてを刻むことになる距離が、マイルだった。 勢いを買われ、暮れの朝日杯フューチュリティステークスへ駒を進める。だが2歳GIの壁は厚く、13番人気の下馬評どおり9着に沈んだ。まだ、重賞で戦える馬ではなかった。身の丈を知るところから、この馬の本当の道のりは始まる。
出世の遅れ
明けて2022年3月、3歳1勝クラスを福永祐一とともに危なげなく勝ち上がり、2勝目。だが続くアーリントンカップは6着に終わる。ここから、長い足踏みが始まった。 半年以上の休養を挟んで戻ってきても、2勝クラスの壁を越えられない。2023年の年明けは中京で2着、阪神で7着。掲示板の内と外を行き来するばかりで、勝ち星が遠かった。「全て上手くいく」という名が、これほど遠くに見えた時期はない。生粋のマイラーの資質は、たしかにあった。ただ、それを結果に変える最後の一押しが、どうしても足りなかった。
連勝、オープンへ
転機は2023年の秋に訪れる。9月、藤岡佑介が手綱に戻ると、阪神のマイル戦で2着と地力を見せた。そして10月の宝ケ池特別、11月の清水ステークスを京都のマイルで連勝――足かけ一年半ぶりの白星を二つ続けて挙げ、オープンの門をくぐった。地道な出世だった。 上げ潮のまま迎えた2024年の京都金杯。1番人気に推されながら、勝ち切れずに3着。あと一歩が、どうしても届かない。重賞という舞台は、その一歩の重さを、この馬に繰り返し突きつけた。
乗り替わりと夏の頂
重賞の壁は、なお高かった。2月の東京新聞杯は10着、4月の読売マイラーズカップも10着。藤岡佑介を背にした重賞挑戦は、勝利の手前で止まり続けた。 夏、鞍上が松山弘平に替わる。6月の米子ステークス、松山はこの馬をためらいなくハナへ送り、そのまま逃げ切ってオープン初勝利。そして8月11日、関屋記念。同型不在の新潟マイルを、トゥードジボンは3番人気で自分のリズムのまま先頭に立ち、直線でもう一度後続を突き放した。2着ディオに1馬身半――影も踏ませぬ完封で、重賞初制覇を果たす。 松山は、追い出しを待つ余裕さえあったと振り返るほど、危なげのない逃げだった。米子ステークスからの連勝で、この馬は2024年サマーマイルシリーズの王者に輝く。デビューから三年、先頭で走るという答えにたどり着いた夏だった。
全て上手くいった、その先で
関屋記念が、結局この馬の最後の一戦になった。 頂に立った直後、トゥードジボンは屈腱炎を発症する。山元トレーニングセンターで復帰へ向けて歩を進めていたが、その脚は再び悲鳴を上げた。2026年5月、四位洋文は屈腱炎の再発を理由に現役引退を発表し、27日付けでJRAの登録は抹消される。通算18戦6勝、勝ち鞍はすべて1600m。生粋のマイラーは、生まれ故郷の社台ファームで、乗馬として次の時間を生きていく。 遅れてやってきた一族の春もある。母コッパの血は、トゥードジボンが重賞の格を刻んだことで、静かに値を上げた。2026年のセレクトセールでは、半弟にあたるドウデュース産駒が2億5000万円で落札されている。地味と見られていた牝系に、たしかな光が差した。 全て上手くいく――名のとおりには、決して進まなかった。躓き、足踏みし、あと一歩に何度も泣いた。それでも旅の果てに、この馬は逃げ切りの一瞬で、自分の名前に追いついた。上手くいくとは、こういうことだったのかもしれない。
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