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トロヴァトーレ
通算成績17戦8勝
獲得賞金2億3,727万円
生年月日 2021.04.30(令和3年)毛色 青鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 2人気 | C.ルメール | 1:32.8 | 上り33.1 | 映像 | |
| 1 | GIIIエプソムカップ | 東京 芝1800 | 2人気 | C.ルメール | 1:45.3 | 上り33.0 | 映像 | |
| 1 | GIII東京新聞杯 | 東京 芝1600 | 2人気 | C.ルメール | 1:32.2 | 上り33.1 | 映像 | |
| 4 | GIII京都金杯 | 京都 芝1600 | 6人気 | T.ハマーハンセン | 1:33.9 | 上り33.2 | 映像 | |
| 3 | OPペルセウスS | 東京 ダ1600 | 4人気 | C.ルメール | 1:33.8 | 上り35.3 | — | |
| 12 | GIIIエルムS | 札幌 ダ1700 | 4人気 | C.ルメール | 1:46.3 | 上り39.3 | 映像 | |
| 17 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 8人気 | 横山武史 | 1:34.1 | 上り35.3 | 映像 | |
| 1 | GIIIダービー卿チャレンジトロフィー | 中山 芝1600 | 1人気 | J.モレイラ | 1:32.4 | 上り34.0 | 映像 | |
| 1 | LニューイヤーS | 中山 芝1600 | 1人気 | T.マーカンド | 1:32.3 | 上り34.5 | — | |
| 2 | LキャピタルS | 東京 芝1600 | 1人気 | C.ルメール | 1:32.3 | 上り33.9 | — | |
| 1 | 秋風S | 中山 芝1600 | 1人気 | C.ルメール | 1:33.3 | 上り34.0 | — | |
| 2 | 新潟日報賞 | 新潟 芝1800 | 1人気 | C.ルメール | 1:44.2 | 上り32.9 | — | |
| 1 | 芦ノ湖特別 | 東京 芝1600 | 1人気 | C.ルメール | 1:32.5 | 上り34.2 | — | |
| 11 | GIIテレビ東京杯青葉賞 | 東京 芝2400 | 5人気 | 横山武史 | 2:24.9 | 上り34.8 | 映像 | |
| 6 | GII報知弥生ディープ記念 | 中山 芝2000 | 1人気 | C.ルメール | 2:00.7 | 上り35.5 | 映像 | |
| 1 | 葉牡丹賞 | 中山 芝2000 | 1人気 | W.ビュイック | 2:00.4 | 上り33.9 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 中山 芝2000 | 1人気 | C.ルメール | 2:01.6 | 上り33.8 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父レイデオロRey de Oro | キングカメハメハKing Kamehameha | Kingmambo |
| マンファスManfath | ||
| ラドラーダ | シンボリクリスエスSymboli Kris S | |
| レディブロンド | ||
| 母シャルマント | エンパイアメーカーEmpire Maker | Unbridled |
| Toussaud | ||
| ライツェント | スペシャルウィークSpecial Week | |
| ソニンクSoninke |
旅程 — この馬の物語
2021年生まれの青鹿毛の牡馬。父レイデオロ、母シャルマント。主な勝ち鞍はダービー卿チャレンジ・東京新聞杯・エプソムC。
詩人の名 ― 名前と血
馬名は、イタリア語で吟遊詩人を意味する。ヴェルディの歌劇の題にもなった言葉――トロヴァトーレ。 2021年4月30日、安平町のノーザンファーム生まれの青鹿毛。父はダービーとジャパンカップを制した名馬レイデオロ、母はシャルマント、母父はアメリカの名種牡馬エンパイアメーカー。馬主はサンデーレーシング、育てるのは美浦の鹿戸雄一。 この馬の血の格は、自身の戦績より一族にこそ滲む。母シャルマントの半姉が、秋華賞を制し英国のナッソーステークスまで勝ったディアドラ。つまりディアドラはこの馬の伯母にあたる。同じ牝系からは、きさらぎ賞を勝ったフリームファクシも出た。海を越えて走った牝馬の血を引いて、詩人の名を背負った牡馬が府中のターフに立つ。物語は、まだ題名だけの一冊として始まる。
二連勝と、距離の誤算
2023年9月、中山の芝2000mの新馬戦。クリストフ・ルメールを背に1番人気に応えて勝ち上がる。続く12月の葉牡丹賞も同じ中山2000mで危なげなく抜け出し、デビューから二連勝。中距離をこなす良血の若駒として、世代のクラシック候補に名を連ねた。 だが、その手応えは春に空転する。1番人気で迎えた弥生賞は6着。続く青葉賞は11着の大敗。ダービーへ続くはずの道が、2400mの淀みの中で途切れた。二連勝で見えかけたクラシックの夢は、距離という壁の前であっけなく閉じる。この馬の本当の適性が、どこにあるのか――問いだけが残った。
短く、速く ― マイラーへの見立て
答えを出したのは、新馬戦から手綱を任され、この馬を最もよく知る名手だった。 2024年6月、東京の芝1600m、芦ノ湖特別を勝つと、ルメールは「距離を短くして良さが出ました。1600〜1800mくらいが良い」と言い切った[^1]。クラシックの2400mで沈んだ脚は、マイル前後でこそ弾けた。鞍上の見立てが、馬の進む道を書き換える。 秋には中山のマイル戦・秋風Sを快勝。明けて2025年の年明け、中山マイルのニューイヤーステークスをリステッドで制し、オープンの扉を開けた。中距離馬として躓いた馬が、短い距離の詩を歌い始めていた。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア』「トロヴァトーレ (競走馬)」、https://ja.wikipedia.org/wiki/トロヴァトーレ_(競走馬)、閲覧日:2026年6月29日。
春に謡う ― 重賞初制覇と、GIの壁
2025年4月、中山の芝1600m、ダービー卿チャレンジトロフィー。手綱はJ.モレイラ。1番人気に推されたトロヴァトーレは中団の内で脚を溜め、4コーナーから直線に入ると内ラチ沿いに進路を取り、鋭い末脚でコントラポストをクビ差差し切った。この重賞は9年連続で1番人気が敗れており、2015年のモーリス以来となる1番人気の勝利だった。伯母ディアドラが秋華賞を勝った血が、孫の世代でひとつのタイトルに結実する。 しかし、頂はまだ遠かった。勢いのまま臨んだ6月の安田記念は17着の惨敗。重賞のマイラーと、GIのマイル王の間には、まだ厚い壁があった。一度タイトルを掴んだ馬が、本物の頂で突き放される。栄光のすぐ隣に、影が立っていた。
回り道 ― ダートという試み
壁にぶつかった馬は、芝に留まらなかった。 2025年夏、札幌のダート1700m、エルムS。慣れない砂の上で12着と大きく崩れる。秋にはペルセウスSのダート1600mで3着まで持ち直したが、ダート路線が新たな主戦場になることはなかった。明けた京都金杯ではメンバー最速の末脚で追い込みながら4着と惜敗する。 勝ち切れない時間は続いた。それでも、芝とダート、距離の長短を行き来して試したことは無駄ではない。どこで最も強く走れるのかを、陣営はもう一度確かめていた。回り道は、自分の歌う舞台を選び直すための時間でもあった。
府中で続く詩 ― 連勝、そして現在地
戻ってきたのは、勝手知ったる東京のマイルだった。 2026年2月、東京新聞杯。ルメールに手綱が戻ると、後方で脚を溜め、直線では他馬との接触にも怯まず鋭く伸び、クビ差で抑え込む。約10カ月ぶりの勝利を、重賞の舞台で飾った。続く5月のエプソムカップ、東京の芝1800m。直線半ばから仕掛けると、先に抜け出したステレンボッシュをゴール前で捉え、ハナ差で差し切った。府中で重賞を二つ続けて勝ち、タイトルは三つになった。 だが詩はまだ完結していない。重賞連勝の勢いで挑んだ6月の安田記念は9着。GIの頂は、二度目もこの馬を弾き返した。新馬から十一度この馬に跨ってきた名手とともに、トロヴァトーレはなお府中のマイルで歌い続けている。題名だけだった一冊は、いま中ほどのページを開いたばかりだ。
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