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スライダーを動かすと、その世代に生まれた馬を獲得賞金の多い順で表示します。
タイムフライヤー
通算成績39戦5勝
獲得賞金2億3,948万円
生年月日 2015.02.01(平成27年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6 | スパーキングサマーカップ | 川崎 ダ1600 | 2人気 | R.クアトロ | 1:44.0 | 上り41.8 | — | |
| 3 | サンタアニタトロフィー | 大井 ダ1600 | 4人気 | R.クアトロ | 1:39.4 | 上り38.2 | — | |
| 3 | ブリリアントカップ | 大井 ダ1800 | 7人気 | 森泰斗 | 1:52.0 | 上り36.7 | — | |
| 2 | 隅田川オープン | 大井 ダ1600 | 1人気 | 森泰斗 | 1:40.1 | 上り37.6 | — | |
| 6 | 勝島王冠 | 大井 ダ1800 | 7人気 | 森泰斗 | 1:52.5 | 上り38.4 | — | |
| 10 | JpnⅠマイルチャンピオンシップ | 盛岡 ダ1600 | 8人気 | 森泰斗 | 1:36.8 | 上り38.6 | — | |
| 3 | マイルグランプリ | 大井 ダ1600 | 2人気 | 森泰斗 | 1:38.7 | 上り37.4 | — | |
| 4 | 大井記念 | 大井 ダ2000 | 6人気 | 森泰斗 | 2:05.5 | 上り37.7 | — | |
| 9 | JpnⅠかしわ記念 | 船橋 ダ1600 | 8人気 | 森泰斗 | 1:44.8 | 上り43.8 | 映像 | |
| 5 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 15人気 | 横山武史 | 1:34.5 | 上り34.6 | 映像 | |
| 6 | GIII根岸S | 東京 ダ1400 | 7人気 | M.デムーロ | 1:23.7 | 上り36.0 | 映像 | |
| 9 | OP霜月S | 東京 ダ1400 | 6人気 | 松岡正海 | 1:24.5 | 上り35.9 | — | |
| 14 | GIIMBS賞スワンS | 阪神 芝1400 | 11人気 | 池添謙一 | 1:21.6 | 上り35.5 | 映像 | |
| 8 | GIIIエルムS | 函館 ダ1700 | 6人気 | 武豊 | 1:45.7 | 上り38.1 | 映像 | |
| 12 | OPマリーンS | 函館 ダ1700 | 1人気 | C.ルメール | 1:44.6 | 上り38.9 | — | |
| 9 | JpnⅠかしわ記念 | 船橋 ダ1600 | 3人気 | 川田将雅 | 1:42.4 | 上り41.4 | 映像 | |
| 3 | GIII根岸S | 東京 ダ1400 | 2人気 | C.ルメール | 1:22.4 | 上り35.5 | 映像 | |
| 8 | GIチャンピオンズカップ | 中京 ダ1800 | 7人気 | 藤岡佑介 | 1:50.3 | 上り37.1 | 映像 | |
| 5 | GIII東京中日S杯武蔵野S | 東京 ダ1600 | 1人気 | C.ルメール | 1:35.4 | 上り36.1 | 映像 | |
| 1 | GIIIエルムS | 札幌 ダ1700 | 1人気 | C.ルメール | 1:43.4 | 上り35.7 | 映像 | |
| 1 | OPマリーンS | 函館 ダ1700 | 2人気 | C.ルメール | 1:43.6 | 上り37.3 | — | |
| 9 | GIIIマーチS | 中山 ダ1800 | 3人気 | F.ミナリク | 1:52.7 | 上り38.3 | 映像 | |
| 5 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 10人気 | S.フォーリー | 1:36.1 | 上り37.0 | 映像 | |
| 8 | GIチャンピオンズカップ | 中京 ダ1800 | 8人気 | O.マーフィー | 1:49.2 | 上り35.6 | 映像 | |
| 2 | GIII東京中日S杯武蔵野S | 東京 ダ1600 | 8人気 | 藤岡佑介 | 1:34.8 | 上り35.5 | 映像 | |
| 6 | GIIIシリウスS | 阪神 ダ2000 | 1人気 | C.ルメール | 2:04.1 | 上り37.0 | 映像 | |
| 6 | GIIIエルムS | 札幌 ダ1700 | 5人気 | 池添謙一 | 1:42.4 | 上り37.4 | 映像 | |
| 8 | GII京都記念 | 京都 芝2200 | 5人気 | 和田竜二 | 2:15.2 | 上り35.5 | 映像 | |
| 5 | GIII中山金杯 | 中山 芝2000 | 2人気 | 和田竜二 | 1:59.4 | 上り35.3 | 映像 | |
| 6 | GI菊花賞 | 京都 芝3000 | 13人気 | 和田竜二 | 3:06.7 | 上り34.1 | 映像 | |
| 6 | GII神戸新聞杯 | 阪神 芝2400 | 8人気 | 和田竜二 | 2:26.5 | 上り35.1 | 映像 | |
| 11 | GI東京優駿 | 東京 芝2400 | 14人気 | 内田博幸 | 2:24.4 | 上り34.7 | 映像 | |
| 10 | GI皐月賞 | 中山 芝2000 | 6人気 | 内田博幸 | 2:01.9 | 上り35.8 | 映像 | |
| 5 | OP若葉S | 阪神 芝2000 | 1人気 | C.ルメール | 2:00.5 | 上り34.9 | — | |
| 1 | GIホープフルS | 中山 芝2000 | 1人気 | C.デムーロ | 2:01.4 | 上り35.5 | 映像 | |
| 2 | GIIIラジオN杯京都2歳S | 京都 芝2000 | 1人気 | C.デムーロ | 2:01.6 | 上り34.2 | 映像 | |
| 1 | OP萩S | 京都 芝1800 | 1人気 | C.デムーロ | 1:49.7 | 上り36.1 | — | |
| 1 | 2歳未勝利 | 阪神 芝1800 | 2人気 | C.ルメール | 1:50.3 | 上り33.3 | — | |
| 2 | 2歳新馬 | 新潟 芝1800 | 4人気 | 北村宏司 | 1:50.5 | 上り32.6 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ハーツクライHeart's Cry | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| アイリッシュダンス | トニービンTony Bin | |
| ビューパーダンスBuper Dance | ||
| 母タイムトラベリング | ブライアンズタイムBrian's Time | Roberto |
| Kelley's Day | ||
| ジョリーザザJolie Zaza | Alzao | |
| Bold Lady |
旅程 — この馬の物語
2015年生まれの鹿毛の牡馬。父ハーツクライ、母タイムトラベリング。主な勝ち鞍はホープフルS・エルムS。
「時」の名を継ぐ ― 白老の一族
1991年、アイルランドで一頭の牝馬が生まれた。父はAlzao、名はジョリーザザ。この牝馬が海を渡り、北海道白老町の白老ファームで仔を産みはじめる。 1998年5月、ジョリーザザはブライアンズタイムとの間に栗毛の牡馬を産んだ。生まれたときの体重はわずか45キロ。小さすぎる仔だった。名はタイムパラドックス――父の名からの連想で、時間旅行が生む矛盾の意である。体質が弱く思うように使えず、重賞を初めて勝ったのは6歳の1月だった。そこから一気に上り詰め、ジャパンカップダート、川崎記念、帝王賞、そしてJBCクラシック連覇。50戦16勝、GI5勝。遅れて咲いて、長く咲いた馬である。 6年後の2004年、ジョリーザザは同じブライアンズタイムとの間にもう一頭を産む。タイムパラドックスの全妹、タイムトラベリング。彼女は全兄と同じ栗東・松田博資厩舎から8戦して1勝を挙げ、白老へ帰って繁殖牝馬になった。 2015年2月1日、その6頭目の仔として、白老ファームで鹿毛の牡馬が生まれる。父はハーツクライ。与えられた名は、タイムフライヤー。意味は「時を超える者」。矛盾、旅、そして飛翔――母の父ブライアンズタイムから受け継いだ「時」で、一族の名は揃っていた。 サンデーレーシングが一口65万円・40口、総額2600万円で募集し、追分ファームでの育成を経て、栗東の松田国英厩舎に入った。
新潟の四分の三馬身 ― 二〇一七年、夏から秋へ
2017年8月6日、新潟の芝1800メートル。デビュー戦の鞍上は北村宏司、4番人気。上がり3ハロン32秒6――生涯でこれより速い末脚を使うことはついになかった――で追い込んだが、前にいたのはロックディスタウンという牝馬だった。4分の3馬身届かず2着。勝ったその牝馬は、その年の札幌2歳ステークスを制することになる。 9月16日、阪神の未勝利戦。手綱を取ったのはクリストフ・ルメールである。2番手から楽に抜け出し、アドマイヤアルバの追撃を振り切って初勝利。ルメールがこの馬に初めて乗った日であり、この馬が初めて勝った日でもあった。 10月28日、京都の萩ステークス。重馬場。鞍上はクリスチャン・デムーロに替わり、後方から直線で弾けて、2着オーデットエールに4馬身をつける完勝だった。 11月25日、ラジオNIKKEI杯京都2歳ステークス。単勝1.7倍の1番人気。好位から直線でいったん先頭に立ったが、外から並んできたグレイルとの叩き合いにアタマ差で屈した。重賞初挑戦は、あと一完歩の2着で終わる。年内にもう一度、中山でその借りを返す機会が残っていた。
初代王者 ― 二〇一七年十二月二十八日
中山競馬場、芝2000メートル。三十四回目を迎えたこの2歳戦は、この年からGIに昇格していた。中央競馬の一年を締めくくるGI、17頭立て。1番人気は単勝4.2倍のタイムフライヤー。55キロ、馬体重456キロ。 ゲートを出て、鞍上は動かなかった。前では新馬戦を快勝したトライン、芙蓉ステークス勝ちのサンリヴァル、黄菊賞を逃げ切ったジュンヴァルロが引っ張っている。C.デムーロが選んだのは、17頭中16番手という位置だった。 「流れは速い。慌てずに後ろで待とうと思った」[^1] 3コーナー、先行勢の脚色が鈍る。デイリー杯2歳ステークスを勝ってきたジャンダルム、東京スポーツ杯2歳ステークス2着のルーカス、中京の新馬を豪快に差し切ってきたステイフーリッシュが、馬群の外を一気に上がっていく。それを前に見ながら、タイムフライヤーも動いた。 直線。内で粘るサンリヴァルを馬場の真ん中からジャンダルムが交わしにかかる。そこへ大外から並びかけたのがタイムフライヤーだった。武豊のジャンダルムとの追い比べを競り落とし、1馬身4分の1差。2分01秒4、上がり35秒5。3着はステイフーリッシュ、4着サンリヴァル。ホープフルステークスの、初代GI王者である。 C.デムーロにとっては、2013年の桜花賞をアユサンで勝って以来、四年八か月ぶりのJRA・GI制覇だった。そして松田国英。1996年の開業からクロフネ、タニノギムレット、キングカメハメハ、ダイワスカーレットを送り出してきた栗東の調教師が中央のGIを勝ったのは、これが最後になった。 2着のジャンダルムは五年後、2022年のスプリンターズステークスでGI馬になる。4着サンリヴァルは翌春の皐月賞で2着に入る。この日の中山にいたのは、そういう世代だった。
出典:日本中央競馬会「第34回 ホープフルステークス」レース結果、https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/hopeful/result/hopeful2017.html 、閲覧日:2026年7月25日。
一・二倍 ― クラシックの一年
年が明けて2018年3月17日、阪神の若葉ステークス。皐月賞トライアルである。GI馬の単勝は1.2倍まで売れた。鞍上はルメール。直線で伸びきれず、5着。 皐月賞は内田博幸に乗り替わって6番人気の10着。勝ったのはエポカドーロ、2着は暮れの中山で4着だったサンリヴァルだった。日本ダービーは14番人気の11着。勝ったのはワグネリアン。 秋、手綱は和田竜二に渡る。神戸新聞杯は6着――勝ったのは、やはりワグネリアンである。10月21日の菊花賞は13番人気。京都の3000メートルを3分06秒7、上がり34秒1で走り、勝ったフィエールマンから0.6秒差の6着に押し上げた。前年の京都2歳ステークスで先着を許したグレイルは、この日10着に沈んでいる。 2019年は中山金杯5着、京都記念8着。あの中山の直線から、一年余りが過ぎていた。芝では、もう勝てなくなっていた。
砂へ ― 伯父の轍
陣営が見たのは血統表だった。母の全兄はダートGIを5勝したタイムパラドックス。兄姉はいずれもダートで勝ち星を挙げている。芝のGIを勝ち、芝だけを走ってきた馬を、砂へ向ける決断が下された。 2019年8月11日、札幌のエルムステークス。ダート初戦の鞍上は池添謙一。好位4番手から直線で先頭に並びかけ、ゴール前で交わされて6着。3着とはタイム差がなかった。池添は、血統もそうだがダート向きの走りだと評している。 9月28日のシリウスステークスは1番人気で6着。ルメールは距離が長すぎると言い、1800メートルまでだろうと振り返った。 その言葉どおりの1600メートルが、11月9日の武蔵野ステークスである。8番人気。前に馬を置いて中団の後ろから運び、直線で外からワンダーリーデルに差し切られて2着。ホープフルステークス以来、ほぼ二年ぶりに3着以内へ戻ってきた。 12月1日、初めてのダートGIとなるチャンピオンズカップ。ゴールドドリーム、クリソベリル、インティが揃った一戦で8着。6着とはタイム差なし。 2020年2月23日のフェブラリーステークスでは、1000メートル通過58秒7という流れの3番手につけ、直線でいったん先頭をうかがった。そこを芝のGI馬モズアスコットに捕まって5着。連覇を狙った前年の覇者インティは14着に沈んでいる。前で流れを作った馬たちが総崩れになるなか、粘り切ったのはこの馬だった。
二年半の沈黙のあと ― 北の夏
3月のマーチステークスは9着。そこから休養に入り、戻ってきたのは夏の北海道だった。 7月12日、函館のマリーンステークス。ルメールが戻ってきた。中団から直線で一気に突き抜け、2着に3馬身半。2017年12月28日以来、二年半ぶりの勝利である。三年近く前、阪神の未勝利戦でこの馬に初めての勝ち星を与えた男が、長い沈黙を終わらせた。 一か月後の8月9日、札幌のエルムステークス。1番人気。中団から早めに抜け出し、ウェスタールンドの追撃を2馬身差で振り切った。前年、初めての砂を踏んで6着に走ったのと同じレースである。ダートでの重賞初制覇だった。 秋は武蔵野ステークスで1番人気の5着、チャンピオンズカップで8着。それでも、長い空白のあとに、ふたつの勝利が並んだ一年だった。
厩舎が畳まれても
2021年1月31日、根岸ステークス3着。次はフェブラリーステークスのはずだったが、熱発などで態勢が整わず回避した。 2月28日、松田国英が定年で調教師を引退する。1996年に開業した厩舎は、そこで解散した。3月、タイムフライヤーは同じ栗東の橋口慎介厩舎へ移る。生涯で初めての転厩だった。 5月5日、船橋のかしわ記念。川田将雅との初コンビで、初めての地方遠征。9着。7月の函館マリーンステークスは1番人気で12着、8月のエルムステークスは武豊を背に8着。10月には二年八か月ぶりの芝でスワンステークスに出て14着、11月の霜月ステークスは9着。勝てない一年だった。 2022年、根岸ステークス6着。そして2月20日、フェブラリーステークス。単勝は15番人気まで沈んでいた。鞍上は横山武史。東京のマイルを上がり34秒6で追い上げ、5着に届く。中央での、最後の一戦だった。 3月9日、サンデーレーシングが川崎への移籍を発表。翌10日、JRAの競走馬登録が抹消された。中央で29戦5勝。
白老へ帰る ― 時を超える者
南関東での鞍上は、ほとんど森泰斗だった。2022年5月のかしわ記念から2023年4月のブリリアントカップまで、七戦続けてこの馬の背にいたのは彼である。 移籍初戦のかしわ記念は9着。大井記念4着、7月のマイルグランプリは中団から鋭く伸びて3着。秋は盛岡のマイルチャンピオンシップ南部杯で10着、暮れの勝島王冠が6着。 8歳になった2023年、大井の隅田川オープンで1番人気に推されて2着、ブリリアントカップとサンタアニタトロフィーでいずれも3着。厩舎は川崎の内田勝義から、大井の村上頼章へと移っていた。 8月23日、川崎のスパーキングサマーカップ。2番人気。中団から直線で伸びを欠き、6着。これが最後のレースになった。 11月の復帰を目指して調整されていたが、左前脚の球節部に骨片が複数遊離していることが判明する。年齢的な衰えも考慮され、9月24日、クラブの公式サイトで引退が発表された。26日付で地方競馬の登録も抹消。通算39戦5勝、獲得賞金2億3948万円。 乗馬になると報じられたのち、この馬は生まれた牧場へ帰った。白老ファーム。ジョリーザザが海を渡って仔を産み、45キロのタイムパラドックスが生まれ、母タイムトラベリングが仔を産みつづけてきた場所である。2025年からは、功労馬繋養支援事業の助成対象になっている。 母はその後も「時」の名を継ぐ仔を産んだ。2019年にディープインパクトの牡駒タイムオブフライト、2020年には同じハーツクライとの間に牝駒オールザタイム――タイムフライヤーの全妹である。 十七人の騎手が背にまたがり、四つの厩舎が手綱を預かった。芝からダートへ、中央から南関東へ。二歳の暮れに中山で栄冠を掴んでから、この馬は五年七か月、走る場所を変えながらゲートに立ちつづけた。伯父は50戦を走り、甥は39戦を走っている。ジョリーザザの血とは、そういう血だった。 時を超える者と名づけられた馬は、時に追われながら、最後まで時のなかを走り切った。いま、白老の丘にその馬がいる。
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