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テオレーマ
通算成績23戦7勝
獲得賞金1億7,400万円
生年月日 2016.02.02(平成28年)毛色 鹿毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 14 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 10人気 | C.ルメール | 1:35.6 | 上り35.3 | 映像 | |
| 1 | JpnⅢTCK女王盃 | 大井 ダ1800 | 1人気 | 川田将雅 | 1:54.2 | 上り37.0 | — | |
| 1 | JpnⅠJBCレディスクラシック | 金沢 ダ1500 | 1人気 | 川田将雅 | 1:32.1 | 上り36.1 | 映像 | |
| 2 | JpnⅡレディスプレリュード | 大井 ダ1800 | 1人気 | 川田将雅 | 1:53.1 | 上り36.2 | — | |
| 6 | JpnⅢスパーキングレディー | 川崎 ダ1600 | 1人気 | 川田将雅 | 1:41.4 | 上り39.6 | — | |
| 1 | JpnⅢマリーンカップ | 船橋 ダ1600 | 2人気 | 川田将雅 | 1:38.4 | 上り36.6 | — | |
| 1 | 豊前S | 小倉 ダ1700 | 4人気 | 斎藤新 | 1:42.3 | 上り35.6 | — | |
| 2 | フォーチュンC | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:52.8 | 上り37.5 | — | |
| 1 | 西湖特別 | 東京 ダ1600 | 3人気 | 田辺裕信 | 1:36.9 | 上り36.5 | — | |
| 2 | 3歳以上2勝クラス | 中山 ダ1800 | 4人気 | 田辺裕信 | 1:51.7 | 上り37.6 | — | |
| 3 | 天草特別 | 小倉 ダ1700 | 9人気 | 北村友一 | 1:45.8 | 上り35.7 | — | |
| 11 | 麒麟山特別 | 新潟 ダ1800 | 5人気 | 北村友一 | 1:53.5 | 上り38.9 | — | |
| 4 | 尾瀬特別 | 福島 ダ1700 | 4人気 | 斎藤新 | 1:48.2 | 上り38.7 | — | |
| 1 | 4歳以上1勝クラス | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 川田将雅 | 1:54.8 | 上り37.0 | — | |
| 2 | 4歳以上1勝クラス | 中京 ダ1800 | 2人気 | 北村友一 | 1:54.7 | 上り36.4 | — | |
| 2 | 3歳以上1勝クラス | 中京 ダ1800 | 3人気 | 西村淳也 | 1:56.5 | 上り37.1 | — | |
| 6 | 3歳以上1勝クラス | 京都 ダ1800 | 3人気 | 北村友一 | 1:52.8 | 上り38.3 | — | |
| 3 | 3歳以上1勝クラス | 京都 ダ1800 | 4人気 | 北村友一 | 1:52.0 | 上り38.3 | — | |
| 5 | 3歳以上1勝クラス | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 和田竜二 | 1:52.9 | 上り37.2 | — | |
| 11 | 3歳500万下 | 京都 ダ1800 | 1人気 | 浜中俊 | 1:56.1 | 上り42.4 | — | |
| 1 | 3歳未勝利 | 阪神 ダ1800 | 2人気 | 浜中俊 | 1:54.8 | 上り37.7 | — | |
| 2 | 3歳未勝利 | 京都 ダ1800 | 6人気 | 浜中俊 | 1:54.4 | 上り37.1 | — | |
| 11 | 3歳新馬 | 京都 芝1600 | 10人気 | 国分優作 | 1:39.0 | 上り37.2 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ジャスタウェイJust a Way | ハーツクライHeart's Cry | サンデーサイレンスSunday Silence |
| アイリッシュダンス | ||
| シビル | Wild Again | |
| シャロンCharon | ||
| 母スターズアラインド | Sea The Stars Sea the Stars | Cape Cross |
| Urban Sea | ||
| Senora Galilei | Galileo | |
| Speirbhean |
旅程 — この馬の物語
2016年生まれの鹿毛の牝馬。父ジャスタウェイ、母スターズアラインド。
定理の名を負って
テオレーマ。スペイン語で「定理」を意味する名である。 2016年2月2日、北海道浦河町荻伏の笠松牧場に生まれた鹿毛の牝馬。馬主は水上行雄。父は天皇賞・秋やドバイデューティーフリーを勝ったジャスタウェイ、母はアイルランド産のスターズアラインドで、その父はSea The Stars。母の母Senora Galileiの父はGalileo。Sea The StarsとGalileoはともにUrban Seaの仔であり、テオレーマの血統表ではUrban Seaが三代目と四代目に重なっている。血統表だけを読めば、欧州の芝を思わせる配合だった。 ただし母スターズアラインドは、イギリスで二度走っていずれも勝てないまま日本へ渡ってきた牝馬である。そして笠松牧場で最初に産んだのが、この一頭だった。まだ証明されていない命題を、生まれたときから名前ごと預けられたようなものだった。 2019年1月20日、京都の芝1600m。栗東・石坂正厩舎からデビューした牝馬は10番人気で、11着に敗れる。芝では、何ひとつ証明されなかった。
砂で解き直す
2戦目から、陣営は舞台をダートに移した。京都のダート1800mで上がり最速の脚を使って2着に押し上げると、2月24日の阪神では先手を取り、後続を7馬身突き放して初勝利を挙げる。答えは砂にある――そう見えた。 だが、そこからが長かった。昇級初戦の3歳500万下は1番人気に推されながら、上がり42秒4と脚が上がって11着。以後は1勝クラスで足踏みが続く。5着、3着、6着、2着。年が明けても2着。2020年3月20日、5頭立ての阪神で、この日はじめて手綱を取った川田将雅が先に抜け出したリーピングリーズンをアタマ差で捉え、ようやく2勝目を挙げた。デビューから1年2か月が過ぎていた。 秋、東京のダート1600mで景色が変わる。西湖特別、後方から一頭だけ上がり36秒台の脚を伸ばして4馬身差の完勝。年末のフォーチュンカップこそハナ差の2着に屈したが、2021年1月24日、不良馬場の小倉で豊前ステークスを差し切ってオープン入りを果たす。17戦目、デビューから2年が過ぎていた。そしてこれが、石坂正厩舎で挙げた最後の勝利になった。
父の厩舎が閉じた日
2021年2月28日、石坂正が定年で調教師を引退した。ダートでGI級9勝を積み上げたヴァーミリアン、牝馬三冠のジェンティルドンナ――GI級24勝を挙げた栗東の一時代が、その日で幕を下ろした。 テオレーマは、実子である石坂公一の厩舎へ移った。父の管理馬サンライズペガサスが二度の屈腱炎を越えて勝つ姿に心を動かされ、この世界に入った男である。2019年3月1日に厩舎を開き、その翌日の初出走をいきなり勝っていた。 担当の厩務員になったのは渡辺勉。こちらも同じ2021年2月28日に定年で解散した松田国英厩舎から移ってきた人で、新しい厩舎で最初に受け持った馬が、この牝馬だった。「私は定年解散した松田国厩舎からの転厩。この馬は石坂正厩舎からの転厩。転厩コンビですよ」[^1]。 厩舎をひとつ畳まれた人と馬が、同じ日に、同じ場所で組み直された。
出典:中日スポーツ「引退レースは中央G1で…フェブラリーS14着 テオレーマの可能性を信じた“相棒”」2022年3月8日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/430484、閲覧日:2026年7月25日。
船橋のナイター ― 二〇二一年四月七日
マリーンカップ。転厩初戦が、初めての重賞挑戦であり、初めてのナイターでもあった。7頭立ての2番人気。川田将雅を背に後方2番手でじっと構え、直線で外へ持ち出すと、そこから一気だった。2着マドラスチェックに2馬身。石坂公一にとって、開業から2年あまりで掴んだ重賞初制覇である。 父の重賞初制覇も、よその厩舎から預かった馬によるものだった。2000年のスプリンターズステークスを16頭立ての16番人気で勝ったダイタクヤマトは、開業祝いに橋口弘次郎厩舎から移ってきた準オープン馬だった。父も息子も、他人の手から渡された馬で最初の重賞を勝っている。 夏は苦かった。川崎のスパーキングレディーカップは1番人気に推されながら、上がり39秒6と伸びを欠いて6着。敗因には夏の暑さによる熱中症が挙げられた。3か月の間を置いて臨んだ大井のレディスプレリュードも、1番人気に応えられない。中団から追い上げたが、レーヌブランシュに2馬身半及ばず2着だった。
金沢の大外 ― Jpn1
JBCレディスクラシックは、この年、金沢のダート1500mで行われた。1番人気。中団の位置から徐々に進出し、直線では大外へ持ち出す。前を行くマドラスチェック、リネンファッションを外から捉えて、2馬身半突き放した。勝ち時計1分32秒1。 Jpn1初制覇。船橋で初めて重賞を勝ってから、まだ半年あまりしか経っていなかった。 父・石坂正がヴァーミリアンで幾度も立ったダートの頂に、息子の厩舎も届いた。母がイギリスで二度走って勝てなかったことも、自身が芝の新馬戦で11着だったことも、この日の結論をひとつも妨げはしなかった。名は、証明された。
大井のクビ差
明けて2022年1月26日、大井のTCK女王盃。6歳になった牝馬は、やはり1番人気だった。中団の後ろから運び、直線は外から。ショウナンナデシコをクビ差だけ抑えて、重賞3勝目を手にする。着差は前年より詰まったが、勝ち方は変わっていなかった――後ろで我慢して、外から差す。 地方の交流重賞を三つ勝った。取り残されているのは、中央のGIだけだった。
東京、そして荻伏へ
2022年2月20日、フェブラリーステークス。東京のダート1600mに、10番人気で立った。鞍上はルメール。Jpn1まで連れて行った川田将雅は、同じレースで1番人気のレッドルゼルに騎乗していた。結果は14着。三つの重賞を勝った差し脚は、この日は届かなかった。 3月2日、競走馬登録抹消。23戦7勝、獲得賞金1億7400万7000円。 最後の一戦を中央のGIに定めたのは、陣営の意志だった。渡辺勉はのちにこう語っている。「相手は一線級のダートの猛者。でも、夢を追いたかった」[^1]。勝てる保証のない舞台をあえて選べたのは、この馬ならそこに立てると信じていたからだ。 テオレーマは生まれた浦河町荻伏の笠松牧場へ戻り、繁殖牝馬になった。2023年に産んだ初仔サンライズレマ――父はコントレイル――は、母と同じ石坂公一厩舎から走り出している。母が芝の新馬戦を11着から始めたように、この牡馬もまだ答えの途中にいる。証明は、いつも少し遅れてやってくる。
出典:中日スポーツ「引退レースは中央G1で…フェブラリーS14着 テオレーマの可能性を信じた“相棒”」2022年3月8日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/430484、閲覧日:2026年7月25日。
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