名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
HORSES

名馬録

この世代(生まれ年)

スライダーを動かすと、その世代に生まれた馬を獲得賞金の多い順で表示します。

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タイセイレジェンドのイメージビジュアル
タイセイレジェンドTaisei Legend
Taisei Legend

タイセイレジェンド

通算成績42戦9勝

獲得賞金26,133万円

生年月日 2007.03.26(平成19年)毛色 栗毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
タイセイレジェンドの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
14 ’15インタラクショ 大井 ダ1200 4人気 笹川翼 1:15.2 上り40.6
9 アジアチャレンジC 韓国 ダ1200 5人気 的場文男 1:14.4
10 JpnⅢ北海道スプリントカップ 門別 ダ1200 6人気 戸崎圭太 1:14.5 上り39.3
8 JpnⅡさきたま杯 浦和 ダ1400 5人気 森泰斗 1:28.8 上り40.0
6 JpnⅢ黒船賞 高知 ダ1400 7人気 内田博幸 1:28.6 上り39.2
8 JpnⅢ兵庫ゴールドトロフィー 園田 ダ1400 2人気 内田博幸 1:27.6 上り39.1
3 JpnⅠJBCスプリント 盛岡 ダ1200 5人気 福永祐一 1:09.1 上り35.6映像
8 JpnⅡ東京盃 大井 ダ1200 3人気 田辺裕信 1:11.9 上り38.0
6 JpnⅢクラスターカップ 盛岡 ダ1200 5人気 内田博幸 1:10.3 上り35.5
7 JpnⅠJBCスプリント 金沢 ダ1400 2人気 内田博幸 1:29.0 上り39.1映像
1 JpnⅡ東京盃 大井 ダ1200 1人気 内田博幸 1:11.0 上り36.6
2 JpnⅢオーバルスプリント 浦和 ダ1400 3人気 内田博幸 1:27.3 上り38.4
2 JpnⅢクラスターカップ 盛岡 ダ1200 5人気 内田博幸 1:09.6 上り35.0
12 GIドバイゴールデンシャヒーン アラブ首長国連邦 ダ1200 9人気 R.ムーア 映像
14 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 14人気 田辺裕信 1:36.9 上り38.3映像
11 GIII根岸S 東京 ダ1400 7人気 石橋脩 1:24.6 上り36.6
1 JpnⅠJBCスプリント 川崎 ダ1400 2人気 内田博幸 1:26.6 上り38.6映像
2 JpnⅡ東京盃 大井 ダ1200 2人気 内田博幸 1:11.5 上り36.9
1 JpnⅢクラスターカップ 盛岡 ダ1200 1人気 内田博幸 1:09.2 上り35.2
2 JpnⅢ北海道スプリントカップ 門別 ダ1200 2人気 内田博幸 1:12.1 上り37.4
7 OP欅S 東京 ダ1400 4人気 内田博幸 1:23.6 上り36.7
9 OP栗東S 京都 ダ1400 5人気 藤岡康太 1:24.3 上り37.2
1 OP千葉S 中山 ダ1200 1人気 内田博幸 1:09.8 上り36.1
4 GIII根岸S 東京 ダ1400 6人気 内田博幸 1:23.7 上り36.3
3 GIIIカペラS 中山 ダ1200 8人気 坂井英光 1:09.5 上り35.5
8 GIII東京中日S杯武蔵野S 東京 ダ1600 6人気 柴田善臣 1:35.9 上り36.6
1 テレビ静岡賞 東京 ダ1400 5人気 蛯名正義 1:23.5 上り35.2
12 柳都S 新潟 ダ1800 3人気 石橋脩 1:53.0 上り38.7
4 OPオアシスS 東京 ダ1600 2人気 石橋脩 1:35.2 上り36.9
1 被災地支援きずな賞 東京 ダ1600 5人気 岩田康誠 1:36.4 上り36.7
1 天草特別 小倉 ダ1700 7人気 芹沢純一 1:44.4 上り37.4
11 3歳以上1000万下 阪神 ダ2000 9人気 安部幸夫 2:09.0 上り42.8
7 3歳以上1000万下 京都 ダ1800 4人気 芹沢純一 1:54.0 上り38.0
7 マカオJCT 札幌 ダ1700 4人気 芹沢純一 1:46.2 上り38.8
4 駒場特別 函館 ダ1700 1人気 芹沢純一 1:46.3 上り37.4
1 3歳以上500万下 函館 ダ1700 2人気 芹沢純一 1:46.1 上り37.4
8 湯川特別 函館 芝2000 3人気 藤田伸二 2:04.7 上り40.0
11 ムーニーバレーRC賞 京都 芝2400 3人気 川田将雅 2:29.2 上り36.1
12 セントポーリア賞 東京 芝1800 1人気 C.ルメール 1:49.1 上り35.3
6 GIII共同通信杯 東京 芝1800 6人気 三浦皇成 1:48.7 上り34.0
1 2歳未勝利 札幌 芝1800 2人気 岩田康誠 1:50.3 上り35.3
2 2歳新馬 札幌 芝1800 2人気 岩田康誠 1:51.5 上り36.1

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
タイセイレジェンドの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
キングカメハメハKing KamehamehaKingmamboMr. Prospector
Miesque
マンファスManfathラストタイクーンLast Tycoon
Pilot Bird
シャープキックメジロマックイーンMejiro McQueenメジロティターン
メジロオーロラ
ペッパーキャロルニチドウアラシ
ダイナキャロル
STORY

旅程 — この馬の物語

2007年生まれの栗毛の牡馬。父キングカメハメハ、母シャープキック。

「伝説」と名づけられて

2007年3月26日、北海道安平町のノーザンファームに、栗毛の牡馬が生まれた。父はキングカメハメハ、母はシャープキック。名は、馬主・田中成奉の冠名「タイセイ」に「伝説」を継いだものである。生まれたときから伝説である馬はいない。名とは、これから証明されるべき約束として付けられる。 母シャープキックは母の父にメジロマックイーンを持ち、中央で29戦を走った牝馬だった。勝ち上がったのは阪神の芝2500m・江坂特別。このとき2着に退けたのが、のちにジャパンカップを勝つタップダンスシチーである。日経新春杯にも出走した、まぎれもない芝の長丁場の馬だった。 母系はもっと古い。3代母ダイナキャロルの全妹サクラクレアーは、天皇賞・秋を勝つサクラチトセオーと、エリザベス女王杯を勝つサクラキャンドルを産んでいる。1995年の秋、東京と京都で、この一族は二つのGIを持ち帰った。 2008年のセレクトセールで3465万円の値がつき、栗東・矢作芳人厩舎へ入る。2009年8月2日、札幌の芝1800m。岩田康誠を背にしたデビュー戦は2着だった。三週間後、同じ札幌の芝1800mの未勝利戦を直線で差し切り、初勝利を挙げる。血統書のとおりの、芝の中距離馬としての船出だった。

血統書の外へ

2010年、3歳。共同通信杯は6着。単勝2.1倍の1番人気に支持されたセントポーリア賞は12着、京都の芝2400mで11着、函館の芝2000mで8着。芝で四度走って、掲示板に一度も乗れなかった。 6月27日、函館のダート1700m。初めて砂を踏んだこの日、2着に2馬身半の差をつけて2勝目を挙げる。だが、そこからダートの中距離を四戦して勝ち星はなかった。1番人気で臨んだ函館の駒場特別は4着、札幌で7着、秋の京都で7着、暮れの阪神では11着。 血統書の指し示す道は、この馬の前で行き止まりになっていた。

距離を削る

2011年4月9日、小倉のダート1700m・天草特別を逃げ切って3勝目。二週間後、東京のダート1600m・被災地支援きずな賞では、岩田康誠を背に2着へ3馬身の差をつけて連勝し、オープンに手が届いた。 その先で分かったのは、長さの限界だった。オアシスステークス4着。新潟のダート1800m・柳都ステークスは3番人気で12着。秋、東京のダート1400m・テレビ静岡賞を逃げ切って4勝目を挙げると、マイルの武蔵野ステークスは8着。そして12月11日、中山のダート1200m・カペラステークス。8番人気という低い評価のなかで粘り込み、3着に食い込んだ。 1700、1600、1400、1200。距離を削るたびに、この馬の輪郭ははっきりしていった。以後、路線は短距離に絞られる。 同じ年の5月11日、大井競馬で一人の騎手が落馬している。頸椎歯突起骨折。その年、彼の勝ち鞍は35で止まった。

復帰二日目の手綱

内田博幸が騎乗に戻ったのは、2012年1月28日の東京競馬だった。八か月ぶりである。その翌日、根岸ステークスの出馬表に彼の名があり、その隣にタイセイレジェンドの名があった。二人が組んだのは、この日が初めてだった。逃げて粘って4着。 一か月後、中山の千葉ステークス。不良馬場の1200mを直線で抜け出し、1番人気に応えてオープン初勝利。春の栗東ステークス、欅ステークスは着外に沈んだが、6月の門別・北海道スプリントカップで2着に入ると、8月14日、盛岡のクラスターカップを1番人気で逃げ切った。JpnIII、重賞初制覇である。 その週、内田は12日に関屋記念、14日にクラスターカップ、16日にブリーダーズゴールドカップを勝っている。同一週に重賞3勝——国内では福永祐一に次ぐ二人目、地方競馬の重賞を含む形では初の記録だった。首を折り、八か月かけて戻ってきた男の夏。その三勝の真ん中に、この馬がいた。

川崎、一分二十六秒六

10月3日、大井の東京盃はラブミーチャンの2着。そして11月5日、川崎競馬場。ダート1400mのJBCスプリントに、単勝4.7倍の2番人気で臨んだ。 他の先行勢が出遅れるなか、好スタートからすんなりとハナに立つ。4コーナーで後続をさらに突き放し、2着のセイクリムズンに3馬身差をつけてゴールした。時計は1分26秒6。川崎のダート1400mのコースレコードだった。 落馬したのは大井、勝ったのは川崎。1989年に大井でデビューし、2008年に中央へ移るまで南関東で乗り続けた男が、中央の馬に跨り、古巣の砂でJpnIを獲った。芝の中距離の血に生まれ、五歳の夏にようやく初めての重賞を勝った馬が、その秋、ダート短距離の頂に立った。

重くなる鞍

勝ったあとの一年は、鞍が重かった。2013年1月の根岸ステークスは59kgを背負って11着。2011年の武蔵野ステークス以来となる1600mのフェブラリーステークスは、14番人気で14着に沈んだ。 3月、初めての海外遠征。メイダンのドバイゴールデンシャヒーンをR.ムーアの手綱で走ったが、砂ではないオールウェザーの1200mで12着に終わる。 夏に戻ってからも59kgのまま、盛岡のクラスターカップ2着、浦和のオーバルスプリント2着。そして10月2日、大井の東京盃。1番人気に応え、2着のテスタマッタに3馬身半の差をつけて勝った。六歳の秋、この馬はまだ強かった。 連覇のかかった金沢のJBCスプリントは、不良馬場の1400mで7着。勝ったのはエスポワールシチーだった。

盛岡の三着、そして大井へ

2014年、七歳。夏の盛岡のクラスターカップは60kgを背負って6着、秋の東京盃は8着。掲示板は遠くなっていた。 11月3日、盛岡のJBCスプリント。鞍上は福永祐一、5番人気。重馬場の1200mを1分9秒1で駆け、勝ったドリームバレンチノとの差は0.1秒。3着だった。二年前に自分が獲ったタイトルへ、七歳の秋、もう一度あと一歩まで近づいた。 暮れの兵庫ゴールドトロフィーは8着。明けて2015年、黒船賞6着、さきたま杯8着、北海道スプリントカップ10着。6月17日付で中央の競走馬登録を抹消され、大井へ移る。栗東の矢作芳人から、大井の藤田輝信へ。デビュー以来、初めて厩舎が変わった。 8月、ソウルへ渡ってアジアチャレンジカップを走り9着。鞍上は南関東の的場文男だった。10月13日、大井のインタラクションカップで14着。この一戦が最後になり、三日後の16日付で地方競馬の登録も抹消された。42戦9勝。中央で6勝、地方で3勝。獲得賞金は2億6133万9000円。

八頭の世代

2016年、タイセイレジェンドは種牡馬になった。繋養先は優駿スタリオンステーション。2019年に初年度産駒がデビューし、7月4日、門別の2歳未勝利戦をタイセイサクセサーが勝って、これが産駒の初勝利となった。 2019年に生まれた世代は、わずか八頭だった。その一頭が、浦河・熊谷武牧場で生まれた牝馬スピーディキックである。ホッカイドウ競馬でリリーカップとエーデルワイス賞を勝ち、浦和へ移って初戦の東京2歳優駿牝馬を圧勝。2022年3月17日、浦和の桜花賞では不利とされる大外の八枠十一番から後方2番手を進み、大外を回して2馬身差で押し切った。2着のティーズハクアもまた、同じ八頭の世代の一頭だった。八頭しかいない世代からのワンツーフィニッシュである。 スピーディキックはその後、東京プリンセス賞を勝って南関東の牝馬二冠となり、戸塚記念、ロジータ記念、東京シンデレラマイル連覇と勝ち星を重ねた。2023年2月、彼女は東京のダート1600mに立っている。フェブラリーステークス——父が14番人気で14着に沈んだ、あの一戦だ。娘は6着だった。届かなかったが、父が届かなかったところまでは行った。 川崎競馬場のダート1400mの出馬表には、いまも同じ一行が刷られている。コースレコード 1:26.6、2012年11月5日、タイセイレジェンド、内田博幸。伝説と名づけられて生まれた栗毛が、砂の上に刻んだ時計である。

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