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タガノデュード
通算成績29戦5勝
獲得賞金2億2,445万円
生年月日 2021.04.18(令和3年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 5 | GI宝塚記念 | 阪神 芝2200 | 10人気 | 高杉吏麒 | 2:13.5 | 上り35.2 | 映像 | |
| 6 | GI天皇賞(春) | 京都 芝3200 | 5人気 | D.レーン | 3:14.5 | 上り35.2 | 映像 | |
| 4 | GI大阪杯 | 阪神 芝2000 | 13人気 | 古川吉洋 | 1:57.9 | 上り34.8 | 映像 | |
| 1 | GIII小倉大賞典 | 小倉 芝1800 | 4人気 | 古川吉洋 | 1:45.2 | 上り34.1 | 映像 | |
| 1 | 寿S | 京都 芝2000 | 2人気 | 古川吉洋 | 2:01.1 | 上り33.6 | — | |
| 3 | オリオンS | 阪神 芝2200 | 3人気 | 古川吉洋 | 2:11.9 | 上り35.1 | — | |
| 3 | 魚沼S | 新潟 芝2000 | 1人気 | 古川吉洋 | 1:58.5 | 上り32.9 | — | |
| 8 | GIIIチャレンジカップ | 阪神 芝2000 | 9人気 | 古川吉洋 | 1:58.5 | 上り35.3 | 映像 | |
| 3 | 関ケ原S | 中京 芝2000 | 3人気 | 高杉吏麒 | 1:59.5 | 上り33.1 | — | |
| 4 | ストークS | 阪神 芝2200 | 2人気 | 高杉吏麒 | 2:12.2 | 上り35.3 | — | |
| 4 | 烏丸S | 京都 芝2400 | 4人気 | 高杉吏麒 | 2:24.7 | 上り34.7 | — | |
| 3 | 御堂筋S | 阪神 芝2400 | 4人気 | 高杉吏麒 | 2:25.3 | 上り36.1 | — | |
| 1 | 淡路特別 | 阪神 芝2200 | 2人気 | 古川吉洋 | 2:11.8 | 上り35.2 | — | |
| 2 | 茶臼山高原特別 | 中京 芝2000 | 3人気 | 古川吉洋 | 2:01.4 | 上り34.7 | — | |
| 1 | ヤングJSFR中京1 | 中京 芝2000 | 1人気 | 室陽一朗 | 2:01.2 | 上り35.2 | — | |
| 9 | GII朝日セントライト記念 | 中山 芝2200 | 10人気 | 丹内祐次 | 2:13.2 | 上り35.8 | 映像 | |
| 3 | 揖斐川特別 | 中京 芝2200 | 4人気 | 幸英明 | 2:13.3 | 上り35.0 | — | |
| 取 | 3歳以上1勝クラス | 中京 芝2000 | 幸英明 | — | — | |||
| 4 | 3歳以上1勝クラス | 京都 芝2200 | 2人気 | 古川吉洋 | 2:13.3 | 上り34.2 | — | |
| 7 | GII京都新聞杯 | 京都 芝2200 | 14人気 | 古川吉洋 | 2:12.1 | 上り34.0 | 映像 | |
| 10 | GIIIアーリントンC | 阪神 芝1600 | 9人気 | 古川吉洋 | 1:34.9 | 上り33.0 | — | |
| 3 | フローラルウォーク賞 | 中京 芝1600 | 3人気 | 古川吉洋 | 1:34.9 | 上り34.1 | — | |
| 4 | こぶし賞 | 京都 芝1600 | 2人気 | 古川吉洋 | 1:35.1 | 上り34.1 | — | |
| 5 | GI朝日杯フューチュリティステークス | 阪神 芝1600 | 15人気 | 古川吉洋 | 1:34.1 | 上り34.9 | 映像 | |
| 1 | 2歳未勝利 | 京都 芝1600 | 2人気 | 古川吉洋 | 1:36.3 | 上り34.0 | — | |
| 3 | 2歳未勝利 | 新潟 芝2000 | 3人気 | 古川吉洋 | 2:04.4 | 上り36.7 | — | |
| 2 | 2歳未勝利 | 阪神 芝2000 | 4人気 | 古川吉洋 | 2:01.7 | 上り36.0 | — | |
| 4 | 2歳未勝利 | 札幌 芝2000 | 4人気 | 古川吉洋 | 2:05.3 | 上り36.9 | — | |
| 3 | OPコスモス賞 | 札幌 芝1800 | 5人気 | 古川吉洋 | 1:50.1 | 上り36.2 | — | |
| 7 | 2歳新馬 | 函館 芝1800 | 7人気 | 古川吉洋 | 1:52.4 | 上り36.9 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ヤマカツエース | キングカメハメハKing Kamehameha | Kingmambo |
| マンファスManfath | ||
| ヤマカツマリリン | グラスワンダーGrass Wonder | |
| イクセプトフォーワンダExcept for Wanda | ||
| 母タガノミューチャン | ハーツクライHeart's Cry | サンデーサイレンスSunday Silence |
| アイリッシュダンス | ||
| エイシンミュー | スピニングワールドSpinning World | |
| エイシンブライドル |
旅程 — この馬の物語
2021年生まれの鹿毛の牡馬。父ヤマカツエース、母タガノミューチャン。主な勝ち鞍は小倉大賞典。
エースの血と、タガノの名
2021年4月18日、新冠町のタガノファームに生まれた鹿毛の牡馬。父は現役時代に重賞を5勝したヤマカツエース。その血脈をさかのぼれば、母の父にキングカメハメハを擁する王道のスピードがある。母タガノミューチャンは2010年生まれ、母の父はハーツクライ――菊花賞や天皇賞の長丁場を支えてきた底力の血だった。スピードに、ひと押しのスタミナ。配合表は、短い距離で弾けるよりも、長く脚を使う馬を思わせた。 馬名の「タガノ」は、馬主・八木良司の冠名であり、生産牧場の名でもある。固有の部分は「デュード」――くだけた英語で、気のおけない男、相棒を指す。派手な由来も、大それた願いも背負っていない。ただ、傍らに置きたくなる一頭。そんな名を負って、この馬は2023年7月、函館の新馬戦でターフに出た。鞍上は古川吉洋。デビューから二十八年目を迎えていたベテランが、この日からこの馬の手綱を握り続けることになる。
189倍の伏兵 ― 長い下積み
新馬戦は7着。デビュー戦こそ取りこぼしたが、秋の京都・2歳未勝利を古川を背に勝ち上がると、陣営は早くも大舞台に矢を放った。2023年12月、阪神の朝日杯フューチュリティステークス。単勝は15番人気、189.5倍。下馬評にはほとんど名のない一頭だった。それでも直線でしぶとく伸び、勝ち馬から半馬身ほどの差にまとめた5着。掲示板に名を残し、素質の片鱗だけは確かに示した。 だが、そこから先が長かった。3歳の春はマイルの重賞に挑んでは跳ね返され、距離を延ばしても3勝クラスの壁が越えられない。御堂筋ステークス3着、烏丸ステークス4着、ストークステークス4着――勝ち切れない競馬が続く。あと一歩が、いつまでも一歩のまま遠かった。重賞では2歳から数えて五度挑み、すべて4着以下。派手な勝ち鞍はなく、ただ堅実に走り続ける。それが、この馬のこの頃の姿だった。
叩き上げの一閃 ― 二〇二六年小倉大賞典
潮目が変わったのは、5歳になった冬だった。2026年の元日、京都の寿ステークスを勝ってオープン入り。勢いを駆って臨んだ2月22日の小倉大賞典は、4番人気での出走だった。 汗ばむ陽気の小倉。1番人気のケイアイセナが絶妙なラップで主導権を握り、逃げ込み態勢に入る。タガノデュードは後方で流れに乗り、3コーナーで外目から押し上げると、直線、前を行くケイアイセナの背中が残り500メートルあたりからみるみる大きくなった。古川の右ステッキに応え、勢いは鈍らない。クビ差、かわしきった先に歓声が待っていた。勝ちタイムは1分45秒2。デビューから数えて26戦目での、重賞初制覇だった。 この一勝には、もう一つの重みがあった。鞍上の古川吉洋は、これがJRA通算600勝のメモリアル。1996年デビュー、競馬学校「花の12期生」で福永祐一や和田竜二と机を並べた男は、2年目に阪神3歳牝馬ステークスでGIを掴みながら、その後は長く重賞から遠ざかった叩き上げである。「一生懸命頑張ってくれる子で、本当にうれしいです」[^1]。48歳のベテランは、力をつけ続けた愛馬を、自分の言葉で称えた。26戦目の馬と、31年目の騎手。積み重ねたキャリアの分だけ強くなった一頭と一人に、春の光が降り注いだ。
出典:中日スポーツ「【小倉大賞典】48歳ベテラン騎手が信じた末脚でタガノデュードが26戦目で重賞初V 古川吉騎手『一生懸命頑張ってくれる子で本当にうれしい』」2026年2月22日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/1213175、閲覧日:2026年6月29日。
最後のバトル ― 抜かしてやろうと思って
小倉大賞典には、古川にとってもう一つの感慨が重なっていた。同じレースで2着に粘ったケイアイセナの鞍上は、騎手仲間の藤岡佑介。その藤岡が、この月の28日で騎手生活に終止符を打つと決めていた。古川は迷わず前を追った。「(藤岡)佑介と競馬に乗れるのは、最後なので抜かしてやろうと思って乗りました。右ステッキに力が入りました」[^1]。引退間際の友を相手に、手心は一切なかった。勝負の世界で交わす、これ以上ない餞別だった。 管理する宮厩舎の師は、伸び続ける愛馬にこう目を細めた。「うまいこと流れも合って、伸びるなという感じはありました。最後、もうひと伸びしてくれましたね」[^1]。長く勝ち切れなかった馬が、長く重賞に縁の薄かった騎手の節目を、引退する友との最後の一戦で飾った。地味な戦績の馬と、地味なキャリアの騎手が結んだ、会心の一勝だった。
出典:中日スポーツ「【小倉大賞典】48歳ベテラン騎手が信じた末脚でタガノデュードが26戦目で重賞初V 古川吉騎手『一生懸命頑張ってくれる子で本当にうれしい』」2026年2月22日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/1213175、閲覧日:2026年6月29日。
GIの舞台で ― そして、これから
重賞を勝った馬は、その春、一気にGIの舞台へと歩を進めた。4月の大阪杯。13番人気という低評価をものともせず、直線でグイグイと伸びて4着に食い込む。前を行くのはGI馬ばかりという顔ぶれのなかでの健闘だった。鞍上の古川は言った。「1~3着馬はGⅠ馬ばかりのなか、よく食らいついたし、力をつけています」[^1]。 5月の天皇賞(春)は、主戦の古川が前日に落馬で左足を負傷し、ダミアン・レーンへ乗り替わって6着。京都の3200メートルでも、底力の血は最後まで脚を使った。6月の宝塚記念は高杉吏麒を背に5着。メイショウタバルの連覇を見上げる位置ではあったが、阪神の2200メートルでGI上位の一角に踏みとどまった。 29戦5勝。派手な肩書きはなくとも、重賞のタイトルを一つ握り、GIの常連たちと正面から渡り合うところまで、この馬は登ってきた。下積みの長さは、そのまま地力の厚みに変わっている。タガノの相棒の旅は、まだ途上にある。次にどこまで脚を伸ばすのか――それは、まだ誰にも分からない。
出典:東京スポーツ「【大阪杯】13番人気タガノデュードが気を吐く4着激走 古川吉洋『よく食らいついてくれた』」2026年4月5日配信、https://tospo-keiba.jp/breaking_news/70188、閲覧日:2026年6月29日。
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