名馬の記憶を、
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年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

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テーオーケインズのイメージビジュアル
テーオーケインズT O Keynes
T O Keynes

テーオーケインズ

通算成績25戦10勝

獲得賞金67,481万円

生年月日 2017.04.27(平成29年)毛色 栗毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
テーオーケインズの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
4 GIチャンピオンズカップ 中京 ダ1800 4人気 松山弘平 1:50.9 上り37.3映像
3 JpnⅠJBCクラシック 大井 ダ2000 2人気 松山弘平 2:06.0 上り38.9映像
3 JpnⅠ帝王賞 大井 ダ2000 1人気 松山弘平 2:01.9 上り36.5映像
4 GIドバイワールドカップ メイダン ダ2000 8人気 O.マーフィー 映像
2 JpnⅠ川崎記念 川崎 ダ2100 1人気 松山弘平 2:16.1 上り39.9映像
4 GIチャンピオンズカップ 中京 ダ1800 1人気 松山弘平 1:52.2 上り36.8映像
1 JpnⅠJBCクラシック 盛岡 ダ2000 1人気 松山弘平 2:02.1 上り36.1映像
4 JpnⅠ帝王賞 大井 ダ2000 1人気 松山弘平 2:04.4 上り38.4映像
1 GIII平安S 中京 ダ1900 1人気 松山弘平 1:57.0 上り35.9映像
8 GIサウジカップ キングアブドゥル ダ1800 3人気 松山弘平
1 GIチャンピオンズカップ 中京 ダ1800 1人気 松山弘平 1:49.7 上り35.5映像
4 JpnⅠJBCクラシック 金沢 ダ2100 1人気 松山弘平 2:13.5 上り36.0映像
1 JpnⅠ帝王賞 大井 ダ2000 4人気 松山弘平 2:02.7 上り36.8映像
1 GIIIアンタレスS 阪神 ダ1800 1人気 松若風馬 1:49.0 上り37.0映像
1 OP名古屋城S 中京 ダ1800 1人気 松山弘平 1:49.3 上り37.2
6 GI東京大賞典 大井 ダ2000 4人気 松山弘平 2:07.1 上り36.3
2 LベテルギウスS 阪神 ダ1800 1人気 松山弘平 1:51.9 上り36.0
1 摩耶S 阪神 ダ1800 1人気 松山弘平 1:52.3 上り36.7
1 3歳以上2勝クラス 京都 ダ1800 1人気 松山弘平 1:50.3 上り36.2
6 L鳳雛S 京都 ダ1800 2人気 藤岡佑介 1:52.1 上り37.6
2 OP伏竜S 中山 ダ1800 5人気 大野拓弥 1:53.8 上り38.4
1 3歳1勝クラス 東京 ダ1600 2人気 C.ルメール 1:37.4 上り36.0
3 寒椿賞 中京 ダ1400 2人気 鮫島克駿 1:25.0 上り36.7
1 2歳未勝利 京都 ダ1400 2人気 松山弘平 1:24.7 上り37.1
3 2歳新馬 京都 ダ1400 7人気 松山弘平 1:24.7 上り37.1

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
テーオーケインズの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
シニスターミニスターSinister MinisterOld TriesteA.P. Indy
Lovlier Linda
Sweet MinisterThe Prime Minister
Sweet Blue
マキシムカフェマンハッタンカフェManhattan CafeサンデーサイレンスSunday Silence
サトルチェンジSubtle Change
カフェピノコジェイドロバリーJade Robbery
ピノシェットPinochet

引退後・牧場での映像

ゴール板の先の時間
STORY

旅程 — この馬の物語

2017年生まれの栗毛の牡馬。父シニスターミニスター、母マキシムカフェ。主な勝ち鞍はチャンピオンズC・アンタレスS・平安S。

名と血 ― 砂だけを見据えて

「テーオー」は馬主・小笹公也の冠名、「ケインズ」は二十世紀イギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズにちなむとされる。2017年4月27日、日高・ヤナガワ牧場に生まれた栗毛の牡馬である。 父はアメリカ産のシニスターミニスター。A.P.インディの血を引き、日本ではダートに特化した種牡馬として知られる。母マキシムカフェの父は、菊花賞・天皇賞(春)・有馬記念を制した名ステイヤー、マンハッタンカフェ。母自身は目立った成績を残した繁殖ではなく、その産駒に重賞馬はいない。芝の良血が競われる世界の隅で、この栗毛は最初から、砂だけを見据えていた。

松山弘平と ― 新馬戦から

2019年10月、京都ダート1400メートルの新馬戦。鞍上は松山弘平。7番人気で3着に終えたが、続く未勝利戦も松山を背に、危なげなく勝ち上がった。以後、この馬の背には松山がいた。 2020年、栗毛は条件戦を一つずつ登っていく。東京の1勝クラスはルメールに導かれて完勝、秋には2勝クラスと摩耶Sを連勝した。年の暮れ、3歳の身で古馬が集う東京大賞典に挑むと6着。ダートGIという大きな箱の壁は、まだ厚かった。それでも砂の階段を、着実に一段ずつ上っていた。

帝王賞 ― 高柳厩舎の初タイトル

4歳になった2021年、栗毛は本格化する。重賞初制覇となったアンタレスS(GⅢ)は松若風馬が手綱を取り、1番人気に応えて完勝した。そして6月、大井の帝王賞(JpnⅠ)。再び松山が跨る。 4番人気の評価だったが、好位の内で脚をため、直線では最内から抜け出した。大外から10番人気ノンコノユメが猛然と伸びてきても、突き放して先頭でゴール。テーオーケインズにとって初のビッグタイトルであり、2018年に開業したばかりの高柳大輔厩舎にとっても、初のJpnⅠだった。

チャンピオンズカップ ― 六馬身の宣言

2021年12月5日、中京ダート1800メートル。単勝1番人気に推されたテーオーケインズは、道中を好位で進み、直線で馬群を割って抜け出した。そこからが違った。追われるごとに脚が伸び、後続を一気に突き放していく。2着チュウワウィザードにつけた差は、六馬身。勝ち時計は1分49秒7だった。 松山との初コンビとなった新馬戦から二年あまり。栗毛はダート王の座に立った。「本当に強かったと思います、馬が強かったです」[^1]。鞍上は勝ち馬を、ただそう讃えた。この年、テーオーケインズはJRA賞最優秀ダートホースに選ばれる。高柳厩舎にとっては、初のJRA・GIでもあった。

出典:中日スポーツ「テーオーケインズ圧勝! 騎乗の松山弘平「本当に強かった、馬が強かった」【チャンピオンズC】」2021年12月5日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/378163、閲覧日:2026年7月21日。

王者の重荷

栄冠は、次の一年を重くする。2022年、初戦の海外遠征サウジカップ(GⅠ)は8着。帰国後の平安S(GⅢ)は1番人気で完勝したが、帝王賞は4着に沈んだ。秋、盛岡のJBCクラシック(JpnⅠ)を1番人気で制し、砂の頂点にいることを改めて示す。 しかし連覇のかかったチャンピオンズカップは4着。国内では常に1番人気に支持されながら、あの六馬身の日のようには、勝ち切れなくなっていた。王者でいることは、追われ続けることでもあった。

最後の一戦まで、松山と

6歳の2023年、テーオーケインズは川崎記念(JpnⅠ)で2着と好走し、二度目の中東遠征となるドバイワールドカップ(GⅠ)へ向かった。鞍上はオイシン・マーフィー。8番人気の下馬評を覆すように4着まで押し上げたが、勝利には届かなかった。帰国後は帝王賞3着、JBCクラシック3着。かつて六馬身をつけた脚は、砂の一線級のなかで、あと一歩を欠くようになっていた。 そして12月3日、中京のチャンピオンズカップ。手綱は、やはり松山弘平だった。新馬戦から数えて、二人で二十近いレースをともに走ってきた相棒との、最後の一戦。結果は4着。派手な花道ではない。それでも砂を蹴って走り抜けたその姿に、悔いはなかった。 レース後まもなく、テーオーケインズは競走馬登録を抹消され、北海道・新ひだかのアロースタッドで種牡馬となった。競馬という営みで残せるのは、走った記録と、これから継ぐ血だ。デビューから引退まで背を預けた一人の騎手と、あの六馬身の宣言を、この栗毛は確かに刻んで去った。

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