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スウィープフィート
通算成績11戦2勝
獲得賞金9,386万円
生年月日 2021.04.05(令和3年)毛色 栗毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8 | L都大路S | 京都 芝1800 | 3人気 | 横山典弘 | 1:46.6 | 上り36.1 | — | |
| 12 | GIIサンスポ杯阪神牝馬S | 阪神 芝1600 | 4人気 | 横山典弘 | 1:33.4 | 上り33.6 | 映像 | |
| 6 | GIII愛知杯 | 中京 芝1400 | 5人気 | 永島まなみ | 1:20.8 | 上り34.4 | 映像 | |
| 6 | GI優駿牝馬 | 東京 芝2400 | 4人気 | 武豊 | 2:24.6 | 上り34.5 | 映像 | |
| 4 | GI桜花賞 | 阪神 芝1600 | 6人気 | 武豊 | 1:32.4 | 上り33.0 | 映像 | |
| 1 | GIIチューリップ賞 | 阪神 芝1600 | 5人気 | 武豊 | 1:33.1 | 上り34.3 | 映像 | |
| 2 | LエルフィンS | 京都 芝1600 | 3人気 | 永島まなみ | 1:35.2 | 上り34.2 | — | |
| 7 | GI阪神ジュベナイルフィリーズ | 阪神 芝1600 | 9人気 | 永島まなみ | 1:33.5 | 上り34.2 | 映像 | |
| 2 | 白菊賞 | 京都 芝1600 | 6人気 | 永島まなみ | 1:35.7 | 上り33.1 | — | |
| 1 | 2歳未勝利 | 京都 芝1600 | 6人気 | 永島まなみ | 1:34.8 | 上り35.5 | — | |
| 3 | 2歳新馬 | 小倉 芝1200 | 3人気 | 永島まなみ | 1:09.9 | 上り35.1 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父スワーヴリチャードSuave Richard | ハーツクライHeart's Cry | サンデーサイレンスSunday Silence |
| アイリッシュダンス | ||
| ピラミマ | Unbridled's Song | |
| キャリアコレクション | ||
| 母ビジュートウショウ | ディープスカイDeep Sky | アグネスタキオンAgnes Tachyon |
| アビAbi | ||
| スイープトウショウSweep Tosho | エンドスウィープEnd Sweep | |
| タバサトウショウ |
旅程 — この馬の物語
2021年生まれの栗毛の牝馬。父スワーヴリチャード、母ビジュートウショウ。主な勝ち鞍はチューリップ賞。
雪の中に立っていた仔
2021年4月5日、北海道新ひだか町の聖心台牧場。生まれて間もないその栗毛の牝馬は、スタッフが気づくより先に母の馬房を抜け出し、雪の残る屋外にひとりで、堂々と立っていたという。誰に促されるでもなく、自分の脚で。 父はスワーヴリチャード、母はビジュートウショウ。そして母の母が、スイープトウショウである。2004年の秋華賞を勝ち、翌年には牝馬の身で宝塚記念を制した――牝馬による同レース制覇は39年ぶり、史上2頭目だった――エリザベス女王杯まで攫った「わがまま女王」。坂路の前で三十分も動かず、ゲートを嫌い、それでも走れば桁違いに強く、宝塚記念では牡馬をも負かしてGIを三つ手にした、個性の塊。その血が、二代を下ってこの馬に流れていた。 名は「sweep off feet(心を奪われる)」から。母系に受け継がれた『スイープ』――祖母の父はエンドスウィープ――に、その一語を重ねている。スイープフィート。心を奪う脚。もっとも、2022年夏のセールで385万円という値のついたこの1歳には、まだ何の実績もない。祖母の直子からも、重賞を勝つ馬は一頭として出ていなかった。奪うはずの脚は、まだ何も奪っていなかった。
永島まなみと、最初の一勝
2023年8月13日、小倉の芝1200m。デビュー戦の鞍上は永島まなみ。2021年、藤田菜七子以来の女性JRA騎手のひとりとして世に出た、若い乗り手だった。結果は3着。だが二戦目、10月8日の京都・未勝利戦を、同じ永島まなみを背に1着で駆け抜ける。初勝利。若い馬と若い騎手の道が、ここから並んで始まった。 白菊賞を2着とし、暮れの阪神ジュベナイルフィリーズへ。2歳女王を決めるGIで9番人気。スタートで後手を踏み、後方からの競馬を強いられたが、7着に食い下がった。まだ足りない。それでも、この馬が同世代の一線級と同じゲートに立っていることだけは、確かになっていた。
チューリップ賞 ― 血が奪った脚
2024年、3歳の始動戦エルフィンステークス。直線で内を伸びて一度は先頭に立ちながら、外から来たライトバックにクビ差だけ、届かなかった。この日彼女を差し切ったライトバックは、のちにエリザベス女王杯を勝つ。紙一重の差の、その向こう側に女王がいた。 そして3月2日、チューリップ賞。鞍上が武豊に替わった。5番人気。道中は後方三番手、桜花賞への優先出走権がかかる一戦を、彼女はもっとも遠い位置から見ていた。直線、武豊が大外へ持ち出すと、栗毛の脚がひと息に伸びる。前をゆく各馬をまとめて飲み込み、先頭でゴール板を駆け抜けた。重賞初制覇。 それは同時に、祖母スイープトウショウが遺した血にとって――その産駒や孫たちを通じて――初めての重賞タイトルだった。直子が一頭も届かなかった一線を、孫娘が奪い取る。心を奪う脚、という名のとおりに。
桜花賞とオークス ― 半歩、届かず
本番の桜花賞。6番人気、武豊はまたも馬群の後ろに構えた。直線で外へ持ち出し鋭く追い込んだが、前を捉えきれず4着。勝ったのはステレンボッシュ、エルフィンで先着を許したライトバックが3着に粘っていた。あと半歩の位置に、彼女はいつもいた。 続くオークス、東京の2400m。4番人気に支持され、最後方から脚を伸ばして6着。距離も、相手も、少しずつ手に余った。チューリップ賞で見せた末脚は、クラシックの大輪には半歩、届かない。それでも、GIの直線で幾度も脚を伸ばし続けた牝馬だった。負けたレースの走りぶりが、かえってこの馬の非凡を伝えている。
再びの永島まなみ、そして繁殖へ
2025年3月、愛知杯。鞍上に永島まなみが戻ってきた。デビューと初勝利をともにした二人が、一年ぶりに手綱を組み直す。中京の1400mを最後方から追走し、直線で鋭く伸びて6着。かつての相棒との再会は勝利にこそ届かなかったが、あの脚は、確かにまだそこにあった。 続く阪神牝馬ステークスは横山典弘を背に12着、都大路ステークスは8着。上昇の糸口を掴めないまま、2025年5月25日の京都が、現役最後の一戦になった。 2026年4月8日、JRA登録を抹消。通算11戦2勝。重賞をひとつ勝ち、桜花賞で上位を争い、GIの直線で幾度も脚を伸ばした牝馬は、北海道新冠の地で繁殖牝馬となる。心を奪う脚は、祖母から母へ、母からこの馬へと渡ってきた。今度は自らの仔に、その『スイープ』を手渡していく番だ。奪うはずの脚は、まだ物語の途中にいる。
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