名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

この世代(生まれ年)

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サンライズノヴァのイメージビジュアル
サンライズノヴァSunrise Nova
Sunrise Nova

サンライズノヴァ

通算成績43戦10勝

獲得賞金43,068万円

生年月日 2014.04.09(平成26年)毛色 栗毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
サンライズノヴァの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
15 GIチャンピオンズカップ 中京 ダ1800 14人気 松若風馬 1:53.4 上り37.2映像
9 GIII東京中日S杯武蔵野S 東京 ダ1600 13人気 松若風馬 1:36.9 上り35.4映像
6 JpnⅠマイルチャンピオンシップ 盛岡 ダ1600 9人気 山本聡哉 1:35.9 上り37.1
7 GIIIプロキオンS 小倉 ダ1700 7人気 松若風馬 1:44.7 上り37.9映像
6 JpnⅠかしわ記念 船橋 ダ1600 7人気 D.レーン 1:41.1 上り39.9映像
8 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 12人気 松若風馬 1:34.8 上り34.5映像
8 GI東京大賞典 大井 ダ2000 8人気 松若風馬 2:05.9 上り38.8映像
5 GIチャンピオンズカップ 中京 ダ1800 13人気 松若風馬 1:51.0 上り36.3映像
2 JpnⅠJBCスプリント 金沢 ダ1400 5人気 吉原寛人 1:25.2 上り35.2映像
7 JpnⅠマイルチャンピオンシップ 盛岡 ダ1600 4人気 松山弘平 1:36.1 上り36.7
7 JpnⅠかしわ記念 船橋 ダ1600 5人気 松若風馬 1:40.8 上り40.2映像
11 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 4人気 松若風馬 1:35.7 上り35.9映像
12 GIチャンピオンズカップ 中京 ダ1800 6人気 松若風馬 1:50.9 上り37.0映像
1 GIII東京中日S杯武蔵野S 東京 ダ1600 3人気 松若風馬 1:35.0 上り35.4映像
4 JpnⅠマイルチャンピオンシップ 盛岡 ダ1600 1人気 松若風馬 1:33.1 上り35.0
1 GIIIプロキオンS 阪神 ダ1400 5人気 松若風馬 1:21.8 上り34.4映像
3 JpnⅠかしわ記念 船橋 ダ1600 3人気 武豊 1:39.3 上り36.2
3 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 3人気 松山弘平 1:35.8 上り35.3映像
5 GIII東京中日S杯武蔵野S 東京 ダ1600 3人気 森泰斗 1:35.2 上り36.5映像
1 JpnⅠマイルチャンピオンシップ 盛岡 ダ1600 4人気 吉原寛人 1:34.2 上り35.7
4 GIIIプロキオンS 中京 ダ1400 6人気 松若風馬 1:21.7 上り35.4映像
4 JpnⅡさきたま杯 浦和 ダ1400 3人気 戸崎圭太 1:26.4 上り37.1
7 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 6人気 戸崎圭太 1:36.9 上り35.7映像
8 GIII根岸S 東京 ダ1400 1人気 戸崎圭太 1:24.6 上り36.2映像
6 GIチャンピオンズカップ 中京 ダ1800 5人気 戸崎圭太 1:51.2 上り35.8映像
1 GIII東京中日S杯武蔵野S 東京 ダ1600 1人気 戸崎圭太 1:34.7 上り34.8映像
1 OPグリーンチャンネルカップ 東京 ダ1400 1人気 戸崎圭太 1:23.4 上り35.4
1 OPアハルテケS 東京 ダ1600 1人気 戸崎圭太 1:35.3 上り35.6
2 OP欅S 東京 ダ1400 1人気 戸崎圭太 1:24.1 上り34.4
2 OPオアシスS 東京 ダ1600 1人気 戸崎圭太 1:36.7 上り35.2
4 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 3人気 戸崎圭太 1:36.6 上り37.0映像
2 GIII根岸S 東京 ダ1400 1人気 戸崎圭太 1:21.5 上り34.6映像
2 OP師走S 中山 ダ1800 2人気 戸崎圭太 1:52.7 上り37.2
12 GIII東京中日S杯武蔵野S 東京 ダ1600 1人気 戸崎圭太 1:36.8 上り36.1映像
1 OPグリーンチャンネルカップ 東京 ダ1400 2人気 内田博幸 1:22.2 上り34.7
6 JpnⅠジャパンダートダービー 大井 ダ2000 1人気 戸崎圭太 2:06.8 上り39.2
1 GIIIユニコーンS 東京 ダ1600 2人気 戸崎圭太 1:35.9 上り35.4映像
4 OP鳳雛S 京都 ダ1800 1人気 松若風馬 1:52.0 上り38.5
2 OP伏竜S 中山 ダ1800 2人気 松若風馬 1:53.3 上り37.5
6 OP若葉S 阪神 芝2000 7人気 松若風馬 2:01.1 上り36.2
1 3歳500万下 京都 ダ1800 1人気 松若風馬 1:52.5 上り37.1
3 樅の木賞 阪神 ダ1800 2人気 松若風馬 1:54.1 上り37.3
1 2歳新馬 東京 ダ1600 1人気 戸崎圭太 1:37.4 上り36.3

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
サンライズノヴァの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
ゴールドアリュールGold AllureサンデーサイレンスSunday SilenceHalo
Wishing Well
ニキーヤNikiyaNureyev
Reluctant Guest
ブライトサファイヤサンダーガルチThunder GulchGulch
Line of Thunder
リアルサファイヤリアルシャダイReal Shadai
ワールドサファイヤ

引退後・牧場での映像

ゴール板の先の時間
STORY

旅程 — この馬の物語

2014年生まれの栗毛の牡馬。父ゴールドアリュール、母ブライトサファイヤ。主な勝ち鞍はユニコーンS・東京中日S杯武蔵野S・プロキオンS。

サファイヤの一族 ― 名と血

2014年4月9日、北海道日高町のヤナガワ牧場に栗毛の牡馬が生まれた。父はゴールドアリュール。2002年のジャパンダートダービーと2003年のフェブラリーステークスを勝ち、引退後は日本のダートに一つの系統を築いた種牡馬である。 母ブライトサファイヤは、自身も走った馬だった。中央では6戦して勝てず、園田や姫路を回って4勝。華やかな履歴ではないが、ゲートに入り続けた牝馬だ。その母リアルサファイヤは1989年のフラワーカップを勝っている。そしてリアルサファイヤの息子に、ブライトサファイヤの半弟にあたる一頭がいた――サンライズバッカス。2005年の武蔵野ステークスでカネヒキリを退け、2007年のフェブラリーステークスを制した馬である。生産は同じヤナガワ牧場、勝負服も同じ。馬主は松岡隆雄。 つまりこの一族には、東京のダート1600メートルに置かれた冠が、すでに一つあった。名は冠名に新星を継いで、サンライズノヴァ。管理を任されたのは、栗東の音無秀孝だった。

出遅れて、差す ― 音無厩舎の栗毛

2016年11月26日、東京のダート1600メートル。戸崎圭太を背に単勝1.5倍で迎えた新馬戦は、ゲートで後手を踏むところから始まった。促されて中団まで押し上げ、先行する2頭をゴール前で捉える。出遅れて、差す。最初の一戦が、そのまま生涯の署名になった。 3週間後の樅の木賞は松若風馬に手綱が替わって3着。勝ったのは同じ勝負服のサンライズソアで、この馬にとってダート初戦だった。松若は2014年3月にデビューした音無厩舎の所属騎手で、このとき21歳。厩舎の若い騎手と、厩舎の2歳馬という組み合わせである。 年が明けた1月5日、京都のダート1800メートルを松若とともに勝ち上がる。3月には芝の若葉ステークスを試して6着。ダートに戻って伏竜ステークス2着、鳳雛ステークス4着。末脚はあるのに勝ち切れない、そういう春だった。

ユニコーンステークス ― 大外から四馬身

2017年6月18日、東京。手綱は再び戸崎圭太に戻っていた。全日本2歳優駿を勝ったリエノテソーロが人気を集めるなか、サンライズノヴァは2番人気。直線は大外だった。並びかける間もなく前を飲み込み、2着に4馬身をつける。重賞初制覇。3着には、あのサンライズソアがいた。 その年の2月、父ゴールドアリュールが18歳で世を去っていた。7月12日、大井のジャパンダートダービー。父が2002年に勝った舞台へ1番人気で臨んだが、直線で伸びず6着に終わる。2着に粘ったのは、またしてもサンライズソアだった。戸崎は距離と、力のいる馬場を敗因に挙げている。この一戦を境に、陣営は東京の1400から1600メートルへ舵を切る。 秋、初めての古馬混合となったグリーンチャンネルカップは、また出遅れて最後方から。内田博幸の手綱で大外を差し切った。しかし1番人気に推された武蔵野ステークスは12着。師走ステークス2着で、3歳の年が終わる。

府中の申し子 ― 二〇一八年

2018年1月28日の根岸ステークス、1番人気。ハイペースの中団から抜け出したところへ、外からノンコノユメが並びかけた。ハナ差、届かない。 2月18日、フェブラリーステークス。叔父サンライズバッカスが11年前に勝った舞台である。3番人気で4着、上位3頭からは3馬身の差があった。 春は東京のオープンを二つ、いずれも単勝1.8倍を背負って2着。ようやく差し切ったのは6月のアハルテケステークスだった。秋のグリーンチャンネルカップは最後方から直線だけで前を飲み込んで連覇。そして11月10日の武蔵野ステークス、また最後方から。3連勝で重賞2勝目――叔父が13年前に勝ったのと同じレースだった。 この年、府中で走った7戦は3勝と3度の2着。7戦続けて東京を使ったあと、12月のチャンピオンズカップは中京で6着に終わる。3着はサンライズソア。同じ勝負服の同期は、この年、名古屋大賞典と平安ステークスを勝っていた。

盛岡 ― 金沢の男と、初めての冠

2019年は勝てない年として始まった。1月の根岸ステークスは1番人気で8着。追い出しての反応がないままの大敗だった。2月のフェブラリーステークスは6番人気7着、5月の浦和・さきたま杯は4着。7月のプロキオンステークスでは、およそ2年ぶりに松若が戻ってきて、速い流れを後方から追い込んで4着だった。 10月14日、盛岡。マイルチャンピオンシップ南部杯。鞍上には金沢の吉原寛人が起用された。圧倒的1番人気はゴールドドリーム――フェブラリーステークスもチャンピオンズカップも勝ち、父をこの馬と同じくする一つ上の世代のGI馬である。サンライズノヴァは4番人気だった。 吉原はそのゴールドドリームと並ぶように先団のうしろにつけ、3コーナーで外から一気に動いた。直線半ばで先頭。内から食い下がるアルクトスを振り切って、ゴールに入る。前年の武蔵野ステークスから11か月ぶりの勝利が、JpnIだった。地方に籍を置いたまま中央の重賞まで勝ってきた吉原にとっても、GI級競走はこれが初めての勝利になった。 翌月の武蔵野ステークス。GI級を勝った馬に加増される別定の59キロを背負って5着。冠には、重さがついてくる。

五十九キロ ― 二〇二〇年の頂

2月23日、3年続けてのフェブラリーステークス。松山弘平を背に後方から進み、4コーナーで外に振られながら伸びて3着。この馬にとって、このレースで初めての馬券圏内だった。松山は、最後に本当にいい脚を使ってくれた、強い競馬だったと振り返っている。 5月、船橋のかしわ記念は武豊との一戦になった。7頭立て。スタートで大きく躓いて後方に置かれ、追い込んで3着まで。6月の帝王賞は賞金順で除外され、目標は7月12日のプロキオンステークスに移る。京都競馬場の改修で阪神開催となったこの一戦は、2017年の師走ステークス以来、17戦ぶりの右回りでもあった。 トップハンデは59キロ。後方2番手から大外を回し、上がり3ハロン34秒4で差し切った。ダートの重賞で使う脚ではない。 10月の南部杯連覇は1番人気で4着。アルクトスモズアスコットが日本レコードで粘り込む前残りに、脚は間に合わなかった。だが11月14日の武蔵野ステークス、また最後方から、また直線だけで前を捉える。2018年に続くこのレース2勝目、重賞5勝目。夏から暮れまで、手綱は松若が握り続けていた。

四十三戦目 ― 金沢と、府中と

2021年、勝ち星はなかった。フェブラリーステークス11着、かしわ記念7着、南部杯7着。 11月3日、金沢。JBCスプリント。吉原寛人の地元競馬場で、二人はもう一度組んだ。最後方から内を突いて2着。盛岡で初めての冠を分け合った組み合わせの、これが最後の一戦になった。暮れのチャンピオンズカップは13番人気で5着、東京大賞典8着。 2022年、5年続けて出走したフェブラリーステークスは12番人気の8着。それでもこの日の上がりは34秒5で、脚そのものは最後まで残っていた。かしわ記念はレーンを鞍上に6着、プロキオンステークス7着、4年連続の南部杯6着、武蔵野ステークス9着。そして12月4日、中京のチャンピオンズカップ15着。43戦目だった。 3日後の12月7日付で競走馬登録を抹消。音無は「長い間よく頑張ってくれました」[^1]と、この栗毛をねぎらった。

出典:スポーツニッポン「ダート重賞5勝・サンライズノヴァが引退 音無師「長い間よく頑張ってくれました」」2022年12月6日配信、https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2022/12/06/kiji/20221206s00004000436000c.html、閲覧日:2026年7月26日。

届かなかった一つと、残した七つ

叔父サンライズバッカスが勝った東京ダート1600メートルのGI――フェブラリーステークスに、サンライズノヴァは5年続けて出走した。4着、7着、3着、11着、8着。一族の冠と同じ形のものを、そこに重ねることはできなかった。 そのかわり、府中のダートで挙げた勝ち星が7つある。新馬、ユニコーンステークス、アハルテケステークス、グリーンチャンネルカップを二度、武蔵野ステークスを二度。通算10勝のうち7つが、あの長い直線で生まれた。そして盛岡で掴んだ一つは、フェブラリーステークスと同じ、ダート1600メートルの頂だった。43戦10勝、獲得賞金4億3068万円。 2022年12月、北海道新ひだか町のアロースタッドへ。種牡馬となったこの馬の、2024年に生まれた初年度産駒が、2026年からゲートに向かい始めている。 音無厩舎は2025年3月、師の定年とともに幕を下ろした。43戦のうち18回、誰よりも多くこの背にまたがった松若風馬は、一度フリーになったのち厩舎に戻り、その最後の日までそこに所属していた。府中の直線で最後方から動き出す一完歩を、いちばん近くで数え続けた男である。

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