名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
HORSES

名馬録

この世代(生まれ年)

スライダーを動かすと、その世代に生まれた馬を獲得賞金の多い順で表示します。

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ステイゴールドのイメージビジュアル
ステイゴールドStay Gold
Stay Gold

ステイゴールド

通算成績50戦7勝

獲得賞金(海外含む・概算)約128,118万円

生年月日 1994.03.24(平成6年)毛色 黒鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
ステイゴールドの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
1 GI香港ヴァーズ 香港 芝2400 1人気 武豊 2:27.8 映像
4 GIジャパンカップ 東京 芝2400 4人気 武豊 2:24.5 上り35.8映像
7 GI天皇賞(秋) 東京 芝2000 3人気 武豊 2:03.4 上り37.0映像
GII京都大賞典 京都 芝2400 3人気 後藤浩輝 2:24.9 上り33.8映像
4 GI宝塚記念 阪神 芝2200 5人気 後藤浩輝 2:12.1 上り35.3映像
1 GIIドバイシーマクラシック アラブ首長国連邦 芝2400 武豊 2:28.2 映像
1 GII日経新春杯 京都 芝2400 5人気 藤田伸二 2:25.8 上り34.4映像
7 GI有馬記念 中山 芝2500 10人気 後藤浩輝 2:34.8 上り37.3映像
8 GIジャパンカップ 東京 芝2400 13人気 後藤浩輝 2:26.6 上り36.1映像
7 GI天皇賞(秋) 東京 芝2000 4人気 武豊 2:00.8 上り35.8映像
5 GII産経賞オールカマー 中山 芝2200 3人気 後藤浩輝 2:17.0 上り36.8映像
4 GI宝塚記念 阪神 芝2200 5人気 安藤勝己 2:14.1 上り35.9映像
1 GII目黒記念 東京 芝2500 1人気 武豊 2:33.2 上り35.3映像
4 GI天皇賞(春) 京都 芝3200 4人気 熊沢重文 3:18.3 上り34.9映像
2 GII日経賞 中山 芝2500 2人気 熊沢重文 2:35.6 上り35.8
3 GII京都記念 京都 芝2200 3人気 熊沢重文 2:14.0 上り34.7映像
2 GIIアメリカジョッキークラブカップ 中山 芝2200 1人気 熊沢重文 2:13.8 上り34.6
10 GI有馬記念 中山 芝2500 8人気 熊沢重文 2:38.2 上り35.7映像
6 GIジャパンカップ 東京 芝2400 5人気 熊沢重文 2:26.6 上り37.3映像
2 GI天皇賞(秋) 東京 芝2000 12人気 熊沢重文 1:58.1 上り35.2映像
6 GII京都大賞典 京都 芝2400 7人気 熊沢重文 2:25.0 上り35.0
3 GI宝塚記念 阪神 芝2200 7人気 熊沢重文 2:13.7 上り36.7映像
3 GII鳴尾記念 阪神 芝2000 3人気 熊沢重文 2:02.6 上り36.5
3 GII金鯱賞 中京 芝2000 3人気 熊沢重文 1:59.9 上り35.5
5 GI天皇賞(春) 京都 芝3200 6人気 熊沢重文 3:16.2 上り34.8映像
3 GII日経賞 中山 芝2500 2人気 熊沢重文 2:36.3 上り35.9
7 GII京都記念 京都 芝2200 2人気 熊沢重文 2:16.1 上り35.3
3 GI有馬記念 中山 芝2500 11人気 熊沢重文 2:32.6 上り35.5映像
10 GIジャパンカップ 東京 芝2400 6人気 熊沢重文 2:27.3 上り36.2映像
2 GI天皇賞(秋) 東京 芝2000 4人気 蛯名正義 1:59.5 上り36.0映像
4 GII京都大賞典 京都 芝2400 2人気 熊沢重文 2:26.2 上り35.1
2 GI宝塚記念 阪神 芝2200 9人気 熊沢重文 2:12.0 上り35.3映像
3 GII目黒記念 東京 芝2500 3人気 熊沢重文 2:35.5 上り36.6
2 GI天皇賞(春) 京都 芝3200 10人気 熊沢重文 3:23.9 上り34.3映像
4 GII日経賞 中山 芝2500 5人気 熊沢重文 2:34.9 上り35.3
2 GIIIダイヤモンドS 東京 芝3200 3人気 熊沢重文 3:17.8 上り35.3
2 松籟S 京都 芝2400 3人気 熊沢重文 2:28.0 上り35.8
2 OP万葉S 京都 芝3000 2人気 熊沢重文 3:06.3 上り36.1
2 ゴールデンホイップトロフィー 阪神 芝2000 1人気 武豊 2:01.4 上り35.3
8 GI菊花賞 京都 芝3000 10人気 熊沢重文 3:08.2 上り34.7映像
4 GII京都新聞杯 京都 芝2200 7人気 熊沢重文 2:13.5 上り34.7
1 阿寒湖特別 札幌 芝2000 3人気 熊沢重文 2:02.5 上り34.5
4 やまゆりS 阪神 芝2000 5人気 熊沢重文 2:03.7 上り36.6
1 すいれん賞 中京 芝2500 1人気 熊沢重文 2:37.4 上り35.7
1 4歳未勝利 東京 芝2400 2人気 熊沢重文 2:28.4 上り35.9
2 4歳未勝利 京都 芝2400 1人気 熊沢重文 2:27.4 上り34.8
2 4歳未勝利 阪神 芝2000 2人気 熊沢重文 2:06.9 上り35.6
4歳未勝利 京都 ダ1800 1人気 熊沢重文
16 3歳新馬 阪神 芝2000 1人気 O.ペリエ 2:11.8 上り41.3
3 3歳新馬 阪神 芝2000 3人気 O.ペリエ 2:05.3 上り36.1

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
ステイゴールドの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
サンデーサイレンスSunday SilenceHaloHail to Reason
Cosmah
Wishing WellUnderstanding
Mountain Flower
ゴールデンサッシュディクタスDictusSanctus
Doronic
ダイナサッシュノーザンテーストNorthern Taste
ロイヤルサッシュRoyal Sash
STORY

旅程 — この馬の物語

1994年生まれの黒鹿毛の牡馬。父サンデーサイレンス、母ゴールデンサッシュ。主な勝ち鞍は香港ヴァーズ・目黒記念・日経新春杯。

金の名 ― 血と出発

ステイゴールド――Stay Gold。1983年の映画『アウトサイダー』で歌われ、語り継がれた言葉である。「金であり続けろ」。輝きを、純真を、失うな――そういう願いの名だ。母の名はゴールデンサッシュ。母系から受け継いだ「金(ゴールド)」を、この黒鹿毛は名の頭に戴いた。 血は地味ではない。父はサンデーサイレンス。母ゴールデンサッシュの全兄――つまりこの馬の伯父にあたるのが、1988年のマイルチャンピオンシップを制した名馬サッカーボーイである。のちに全妹レクレドールがローズステークスを勝つ、確かな一族だった。1994年3月24日、白老ファームに生まれ、社台レースホースの所有馬として、栗東・池江泰郎厩舎に入る。 だが、出発は鮮やかではなかった。1996年暮れの新馬戦は3着、続く一戦はしんがり16着。勝ち上がったのは四度目の未勝利戦だった。そして、気性は激しかった。父譲りの荒い気性を持て余しながら、熊沢重文を背に、この馬の長い旅が始まる。

シルバーコレクター

歯車は、なかなか噛み合わなかった。1997年の夏に条件戦を勝ったのを最後に、白星は遠ざかる。それから約2年8か月、ステイゴールドは勝てなかった。 だが、弱いのではなかった。むしろ強かった。1998年、天皇賞(春)2着、宝塚記念2着、天皇賞(秋)2着。1999年の天皇賞(秋)では、12番人気の低評価を覆して2着に飛び込む。GIで、四度の2着。重賞でも、あと半馬身、あと首が、いつも足りない。勝ち切れないのに、決して崩れない。人々はこの善戦の常連を、親しみと敬意をこめて「シルバーコレクター」と呼んだ。栄光の銀メダルばかりが、首から提げられていった。

2年8か月ぶりの白星 ― 目黒記念2000

長いトンネルに、ようやく光が差す。2000年5月、目黒記念(GII)。武豊を背にしたステイゴールドは、重い馬場をものともせず先頭でゴールした。重賞初制覇。前の白星から、実に2年8か月ぶりの勝利だった。6歳での遅い初重賞。だが、ここから、この馬の本当の物語が動き出す。

世界へ ― ドバイの夜

翌2001年、日経新春杯(GII)を勝つと、ステイゴールドは海を渡った。3月、ドバイ。シーマクラシックで立ちはだかったのは、世界を股にかけた前年覇者ファンタスティックライトである。直線、ステイゴールドは食らいつき、ゴール前で鼻先だけ前に出た。ハナ差。砂漠の国で、7歳の善戦マンが世界の強豪をねじ伏せた。勝てない馬ではない――それを、世界の舞台で証明してみせた。

消えた勝利 ― 京都大賞典2001

だが、宿命はまだ終わっていなかった。2001年10月、京都大賞典。後藤浩輝を背に、ステイゴールドは1位でゴール板を駆け抜けた。手にしたはずの、重賞だった。ところが、ゴール前で大きく左へ斜行し、ナリタトップロードの進路を奪ってしまう。トップロードの騎手は落馬。裁決の結果は、降着ではなく――失格だった。繰り上がりの1着は、テイエムオペラオー。 掴んだはずの勝利が、最も重い形で消えた。「申し訳ない気持ちいっぱい」[^1]。後藤の言葉が、すべてを物語っていた。シルバーコレクターの宿命は、このとき、もう一つ銀を足すのではなく、勝利そのものを取り上げてみせた。

出典:東スポ競馬「ステイゴールド連載【40】1位入線も斜行で失格「申し訳ない気持ちいっぱい」01年京都大賞典」、https://tospo-keiba.jp/staygold/62883、閲覧日:2026年6月28日。

最後の黄金 ― 香港ヴァーズ2001

2001年12月16日、香港・沙田。ステイゴールドの引退レースであり、通算50戦目だった。鞍上は、武豊。 GIの舞台で、もう何度跳ね返されただろう。だがこの日、最後の直線で景色が変わる。とても届かないと思われた位置から、ステイゴールドは伸びた。残り100メートル、まるで背に羽が生えたかのように。最後の一完歩、首をぐいと突き出して――ステイゴールドは、ゴール板を最初に通り過ぎた。 エクラールをわずかに抑えての、GI初制覇。日本で生まれた馬が国外のGIを勝った、史上初の瞬間でもあった。50戦目、引退の花道で、ついに頂点を掴む。「金であり続けろ」と名づけられた黒鹿毛は、最後の最後に、まぎれもない黄金になった。この有終の美に、JRA賞特別賞が贈られている。

血の凱旋 ― 種牡馬ステイゴールド

競走馬としての旅を終えたステイゴールドは、種牡馬になった。そして、自身が掴めなかったものを、息子たちが掴んでいく。 ドリームジャーニーが有馬記念と宝塚記念を制し、その全弟オルフェーヴルは2011年、史上6頭目の三冠馬となった。オルフェーヴルを管理したのは池江泰寿――ステイゴールドを育てた池江泰郎の息子である。ゴールドシップはGIを六つ積み上げ、ナカヤマフェスタは宝塚記念を勝った。父譲りの激しい気性を抱えた荒駒たちが、父の届かなかった頂へ、次々と駆け上がっていった。 そして、血は海を越えた。ナカヤマフェスタが2010年の凱旋門賞でアタマ差の2着。オルフェーヴルは2012年と2013年、二度その2着に泣いた。世界最高峰の舞台で、ステイゴールドの息子たちは三度、栄光の一歩手前に立つ――かつて父がそうであったように。シルバーコレクターの血は、凱旋門の門前でもまた、銀の輝きを放った。 2015年、ステイゴールドはこの世を去った。勝てない名脇役と呼ばれた馬は、血において、まぎれもない主役になっていた。

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