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スペシャルウィーク
通算成績17戦10勝
獲得賞金10億9,262万円
生年月日 1995.05.02(平成7年)毛色 黒鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | GI有馬記念 | 中山 芝2500 | 2人気 | 武豊 | 2:37.2 | 上り34.5 | 映像 | |
| 1 | GIジャパンカップ | 東京 芝2400 | 2人気 | 武豊 | 2:25.5 | 上り35.9 | 映像 | |
| 1 | GI天皇賞(秋) | 東京 芝2000 | 4人気 | 武豊 | 1:58.0 | 上り34.5 | 映像 | |
| 7 | GII京都大賞典 | 京都 芝2400 | 1人気 | 武豊 | 2:25.1 | 上り35.2 | — | |
| 2 | GI宝塚記念 | 阪神 芝2200 | 1人気 | 武豊 | 2:12.6 | 上り35.9 | 映像 | |
| 1 | GI天皇賞(春) | 京都 芝3200 | 1人気 | 武豊 | 3:15.3 | 上り34.2 | 映像 | |
| 1 | GII阪神大賞典 | 阪神 芝3000 | 2人気 | 武豊 | 3:13.4 | 上り37.5 | — | |
| 1 | GIIアメリカジョッキークラブカップ | 中山 芝2200 | 1人気 | O.ペリエ | 2:16.8 | 上り35.0 | — | |
| 3 | GIジャパンカップ | 東京 芝2400 | 1人気 | 岡部幸雄 | 2:26.4 | 上り35.3 | 映像 | |
| 2 | GI菊花賞 | 京都 芝3000 | 1人気 | 武豊 | 3:03.8 | 上り34.1 | 映像 | |
| 1 | GII京都新聞杯 | 京都 芝2200 | 1人気 | 武豊 | 2:15.0 | 上り36.4 | — | |
| 1 | GI東京優駿 | 東京 芝2400 | 1人気 | 武豊 | 2:25.8 | 上り35.3 | 映像 | |
| 3 | GI皐月賞 | 中山 芝2000 | 1人気 | 武豊 | 2:01.6 | 上り36.1 | 映像 | |
| 1 | GII報知杯弥生賞 | 中山 芝2000 | 2人気 | 武豊 | 2:01.8 | 上り35.4 | — | |
| 1 | GIIIきさらぎ賞 | 京都 芝1800 | 1人気 | 武豊 | 1:51.3 | 上り35.7 | — | |
| 2 | 白梅賞 | 京都 芝1600 | 1人気 | 武豊 | 1:36.0 | 上り36.7 | — | |
| 1 | 3歳新馬 | 阪神 芝1600 | 1人気 | 武豊 | 1:36.9 | 上り34.8 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父サンデーサイレンスSunday Silence | Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | ||
| Wishing Well | Understanding | |
| Mountain Flower | ||
| 母キャンペンガール | マルゼンスキーMaruzensky | Nijinsky |
| シルShill | ||
| レディーシラオキ | セントクレスピンSaint Crespin | |
| ミスアシヤガワ |
旅程 — この馬の物語
1995年生まれの黒鹿毛の牡馬。父サンデーサイレンス、母キャンペンガール。主な勝ち鞍は東京優駿・天皇賞・ジャパンC。
門別の五月、特別な一頭
1995年5月2日、北海道門別の日高大洋牧場に鹿毛の牡馬が生まれた。父はアメリカ二冠とブリーダーズカップを制し、日本の血統地図を塗り替えた大種牡馬サンデーサイレンス。母キャンペンガールは、日本初の持込馬として伝説になったマルゼンスキーを父に持つ牝馬で、その牝系は名牝レディーシラオキへ遡る。牧場側の希望で、馬主は実業家・臼田浩義となった。 手綱は早くから武豊に託される。すでに球界ならぬ角界ならぬ、競馬界の若き天才と呼ばれた名手は、しかしこの時点でまだダービーを勝っていなかった。八度挑んで八度跳ね返され続けた、彼にとっての「特別な週」――競馬の祭典は、いつも六月の第一週にやってくる。瞳の名でも、勝利の名でもない。ただ「特別な週」と名づけられた一頭が、その名手の悲願を背負って走り出す。
やっとかなった ― 一九九八年六月七日
1997年暮れの阪神新馬戦を武豊で快勝。白梅賞は逃げ馬に半馬身届かず2着に取りこぼしたが、きさらぎ賞、弥生賞と重賞を連勝してクラシックへ向かう。皐月賞は出遅れもあって3着。だが本番は六月にあった。 1998年6月7日、東京優駿。1番人気に応え、直線で抜け出すと後続を突き放した。武豊、ダービー初制覇。九度目の挑戦で、ついに祭典の頂に立った。父・武邦彦も騎手として惜しくも勝てなかったダービーを、息子が制した瞬間でもある。あまりの興奮にゴール後ムチを落とし、後にそれを問われて苦笑する一幕もあった。十数万の観衆に向け、名手は何度も拳を突き上げる。長い跳ね返しの末に、ようやく――。
碧い空に逃げられて ― 秋の蹉跌
ダービー馬の秋は、苦さで始まった。京都新聞杯を勝って臨んだ11月8日の菊花賞。セイウンスカイが京都の3000mを大胆に逃げる。前半を飛ばし、中盤で息を入れ、最後の1000mを再び加速する――菊の長丁場を逃げ切るのは至難とされたが、武豊のスペシャルウィークは捉えきれず2着に終わった。逃げ切りVは久々の快挙、勝ち時計はレースレコード。完敗だった。 続くジャパンカップでも、同世代の怪物エルコンドルパサーの前に3着。一年を通して頂点を争いながら、肝心の大舞台で二度、先着を許す。グラスワンダー、エルコンドルパサー、セイウンスカイ――後に「最強世代」と呼ばれる馬たちが、それぞれの形でこの馬の前に立ちはだかった。ダービー馬の格は、まだ世代の頂点を意味しなかった。
盾を二度 ― 古馬の春と秋
4歳になり、馬は本物の強さを手に入れる。年明けのアメリカジョッキークラブカップ、阪神大賞典を連勝して臨んだ5月2日の天皇賞(春)。京都の3200mで、メジロブライトを抑えて1着。長距離の盾を、自らの誕生日に手にした。 夏の宝塚記念はグラスワンダーに半馬身及ばず2着、秋初戦の京都大賞典は7着と取りこぼす。それでも10月31日、天皇賞(秋)。後方から鋭く伸び、ステイゴールドをクビ差抑えてレースレコードで差し切った。タマモクロス以来史上2頭目の天皇賞春秋連覇。府中の直線に「ユタカコール」が降り、ダービーの歓声が一年半を経て、最強の証明として戻ってきた。
二分二十五秒五 ― 世界を相手に
1999年11月28日、ジャパンカップ。この年の凱旋門賞を制した欧州の名馬モンジューが府中に乗り込んでいた。世界の頂点が、日本の府中で待ち受ける。 スペシャルウィークは直線で抜け出し、2分25秒5。モンジューら海外勢を完封してみせた。前年に菊で、JCで頂点を譲った馬が、今度は世界のチャンピオンを正面から退けた。秋の天皇賞に続く連勝。最強世代の決着は、府中の芝で、武豊とこの馬の側に傾いた。
四センチ ― ラストランの有馬記念
1999年12月26日、有馬記念。引退レースだった。中山の直線、先に抜け出したグラスワンダーに馬体を併せ、最後はクビの上げ下げ――わずかの差で、2着。生涯のライバルに、最後の最後でもう一度先着を許した。 通算17戦10勝。ダービー、天皇賞春秋、ジャパンカップ。その輝かしい数字の隣に、菊花賞、宝塚記念、そして二つの有馬記念で喫した、いずれも僅差の敗北が並ぶ。グラスワンダー、エルコンドルパサー、セイウンスカイ。互いに削り合った世代の中で、この馬はついに一度も「無敵」を名乗らなかった。だがその数えるほどの影こそが、ライバルたちと分かち合った時代の濃さの証だった。
血と記憶 ― 種牡馬として、伝説として
引退後は種牡馬となり、ターフに新たな血を送り込んだ。優駿牝馬と米GIアメリカンオークスを制したシーザリオ、芝GIを六つ勝った女傑ブエナビスタ――父サンデーサイレンスの血を、母系の底力とともに次代へ渡した。 生涯を通じて鞍上はほぼ武豊ただ一人。悲願のダービー初制覇をともに掴み、天皇賞春秋とジャパンカップを駆け抜けた一頭は、名手のキャリアの原点であり続けた。九度跳ね返されたダービーで、ようやく頂に立たせてくれた馬。その名は、勝利でも栄光でもなく、ただ「特別な週」。けれど競馬ファンにとって、スペシャルウィークが走った数年こそが、紛れもなく特別な週々だった。
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