名馬の記憶を、
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年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

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ソンシのイメージビジュアル
ソンシSonshi
Sonshi

ソンシ

通算成績10戦6勝

獲得賞金14,427万円

生年月日 2021.05.03(令和3年)毛色 鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
ソンシの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
1 GIII阪急杯 阪神 芝1400 1人気 川田将雅 1:18.9 上り34.2映像
GIIIシルクロードS 京都 芝1200 川田将雅 映像
1 L淀短距離S 中京 芝1200 1人気 川田将雅 1:08.7 上り34.1
2 OPタンザナイトS 京都 芝1200 1人気 川田将雅 1:08.7 上り33.5
1 白秋S 東京 芝1400 1人気 川田将雅 1:20.2 上り33.3
1 桑名特別 中京 芝1400 1人気 川田将雅 1:20.7 上り33.5
11 瀬田特別 京都 芝1400 1人気 川田将雅 1:22.8 上り35.3
3 GIII中スポ賞ファルコンS 中京 芝1400 1人気 川田将雅 1:20.6 上り34.7映像
1 3歳1勝クラス 東京 芝1400 1人気 川田将雅 1:20.9 上り33.0
2 万両賞 阪神 芝1400 1人気 川田将雅 1:20.8 上り35.4
1 2歳新馬 東京 芝1400 1人気 川田将雅 1:22.8 上り34.1

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
ソンシの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
Night of ThunderDubawiDubai Millennium
Zomaradah
Forest StormGalileo
Quiet Storm
AfdhaadNayefGulch
Height of Fashion
AlbaraahOasis Dream
Coconut Show
STORY

旅程 — この馬の物語

2021年生まれの鹿毛の牡馬。父Night of Thunder、母Afdhaad。主な勝ち鞍は阪急杯。

兵法書の名を持つ馬 ― 名と血

馬名の由来は、中国春秋時代の兵法書「孫子の兵法」にある。謀略と柔軟、迂回して勝つ智恵を説いたこの古典が、一頭の鹿毛の名に宿った。 父はNight of Thunder。2014年の英2000ギニーで、単勝40倍の伏兵として欧州年度代表馬キングマンを破った異変の馬だった。鞍上はキーレン・ファロン。誰も信じなかった一戦が、リチャード・ハノン師の初年度クラシック制覇となる。翌年にロッキンジSを制してGI2勝とした後に種牡馬となったNight of Thunderは、2025年に英愛チャンピオンサイアーの称号を得るまでになった。 母AfdhaadはシェイクハムダンのスタッドファームShadwell Estate Company Limitedが生産した英国産牝馬。父はNayef、母母はAlbaraah。競走歴こそ薄いが、ゆかりはシェイドウェル一族の血脈が流れている。同じシェイドウェルが生産したこの子は、2021年5月3日、アイルランドで生まれた。 2023年、藤田晋オーナーがオカラ2歳トレーニングセールでこの馬を手にした。栗東の中内田充正厩舎に入った鹿毛の牡馬は、デビュー前からその素材を買われ、最初から主戦の座を与えられた男がいた。川田将雅である。

デビュー ― 川田将雅との始まり

2023年10月14日、東京の2歳新馬戦。芝1400m。川田将雅が初めてその背にまたがった。 1番人気に推されたソンシは、好位から脚をためて直線で伸びた。着差1馬身。勝ちタイム1分22秒8。初陣は白星で始まる。 12月の万両賞(阪神 芝1400)では1番人気に応えられず2着。明けて2024年2月の3歳1勝クラス(東京 芝1400)を1番人気で快勝し、次のターゲットはGIIIの重賞舞台へと据えられた。

重賞の扉 ― ファルコンSと瀬田特別

2024年3月16日、中京のファルコンステークス(GIII 芝1400)。3歳の春、初の重賞挑戦だった。1番人気に推されたが、直線で前が壁になって伸びを欠き、3着。勝ち馬は7番人気のダノンマッキンリーだった。川田将雅は現状の力差を率直に認めながら、成長を待つ言葉を添えた。 6月の瀬田特別(京都 芝1400)では1番人気で11着と大きく崩れた。ソンシ全戦績の中で唯一の二桁着順。合わなかった夏前の一戦だった。

距離を変えて ― 秋の3連勝と1200mへの扉

瀬田特別の敗戦から3か月、陣営は秋に向けて作り直した。9月の桑名特別(中京 芝1400)を1番人気で快勝すると、10月の白秋S(東京 OP 芝1400)も続けて制する。オープン昇格を果たした2勝だった。 12月、初めて芝1200mの舞台に立った。タンザナイトS(京都 OP)。距離短縮の挑戦は2着と惜敗したが、そのレースが扉を開いた。2025年1月の淀短距離S(中京 L 芝1200)を快勝し、リステッド初制覇。スプリント路線への適性を示したこの勝ちは、ソンシの次の地図を塗り替えた。

キャンターの異変 ― シルクロードSと骨折

2025年2月2日、京都のシルクロードS(GIII 芝1200)。前日から1番人気に支持され、場内が注目する中でソンシは馬場入りをした。しかしキャンターを終えたところで川田将雅から「異変がある」という声が上がる。獣医師による馬体検査の結果、右前肢跛行と診断され、競走除外となった。 中内田充正調教師は説明した。「ジョッキーがまたがってキャンターが終わったあと、馬に異変を感じたとのこと。これから先がある馬ですし、大事故につながる前に大事を取りました」[^1]。その後の精密検査で骨折が判明し、ソンシは長期休養に入った。 払い戻しは18億円を超えた。しかしそれより重い事実がある——1頭の馬が、自分の脚で信号を送り、走り続けることを断った。

出典:スポーツニッポン「【シルクロードS】ソンシ無念競走除外…中内田師『先がある馬ですし、大事を取りました』」2025年2月3日配信、https://news.goo.ne.jp/article/sponichi/sports/sponichi-spngoo-20250203-0016.html、閲覧日:2026年6月29日。

1年1か月の後に ― 阪急杯コースレコード

2026年2月21日、阪神の阪急杯(GIII 芝1400)。骨折から1年1か月ぶりの出走。それでも1番人気に推された。 川田将雅は後に、この1年を振り返る。「途中も何度もレースを使おうとしたんですけど、整わず、あきらめて、ということを繰り返しながらの1年」——幾度も扉の前まで来て、そのたびに引き返した月日だった。 ソンシは3番手の内目からリズムよく追走した。前半3ハロン33秒1のハイペースを折り合いをつけて待ち、直線で外に持ち出すと一気に先頭に立った。そのまま突き放し、2着ララマセラシオンに3馬身半差。勝ちタイム1分18秒9は、コースレコードを0.1秒更新した。 「雰囲気はとても良かったです。とてもいいリズムで走れていました。ちゃんと動ける雰囲気で、それ通りちゃんと動きました。何より1年1か月ぶり、これだけの内容で走り切れるというのは、本当にびっくりしました。頭の下がる思いです」[^1]。 中内田充正調教師も言葉を添えた。「本当にリハビリを経てここまでやってこられたのは、この馬に関わってくれた皆さんのおかげです。思っていた以上に時計も速かったですし、いい内容で走ってくれました」[^2]。 孫子の兵法に「迂をもって直となす」という言葉がある——遠回りすることで、かえって最短を手にする。骨折のリハビリ、整わなかった幾度の出走計画、それでも戻ってきた阪神の1400m。コースレコードの時計が、その迂回の正しさを刻んだ。

出典:東スポ競馬「【阪急杯結果&コメント】大器ソンシが1年1か月ぶりでも快勝 川田将雅『本当にびっくりしました』」2026年2月21日配信、https://tospo-keiba.jp/breaking_news/68745、閲覧日:2026年6月29日。/スポーツ報知「【阪急杯】『本当にびっくり』川田将雅騎手も驚がくのレコードV 1年1か月のブランク乗り越えたソンシ」2026年2月21日配信、https://hochi.news/articles/20260221-OHT1T51200.html、閲覧日:2026年6月29日。

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