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サマリーズ
通算成績24戦5勝
獲得賞金1億1,150万円
生年月日 2010.05.06(平成22年)毛色 鹿毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8 | OPNST賞 | 新潟 ダ1200 | 6人気 | 石橋脩 | 1:11.7 | 上り36.9 | — | |
| 4 | JpnⅢクラスターカップ | 盛岡 ダ1200 | 4人気 | 藤岡佑介 | 1:12.8 | 上り37.7 | — | |
| 16 | GIIIプロキオンS | 中京 ダ1400 | 13人気 | 酒井学 | 1:25.3 | 上り38.6 | 映像 | |
| 4 | OP天王山S | 京都 ダ1200 | 7人気 | 藤岡佑介 | 1:11.2 | 上り36.5 | — | |
| 4 | JpnⅢマリーンカップ | 船橋 ダ1600 | 4人気 | 藤岡佑介 | 1:40.5 | 上り39.2 | — | |
| 5 | JpnⅢ兵庫ゴールドトロフィー | 園田 ダ1400 | 3人気 | 藤岡佑介 | 1:27.2 | 上り38.5 | — | |
| 7 | OP室町S | 京都 ダ1200 | 7人気 | D.ペロヴィッチ | 1:10.8 | 上り36.6 | — | |
| 13 | OPエルコンドルパサーM | 東京 ダ1400 | 9人気 | 藤岡佑介 | 1:24.6 | 上り37.9 | — | |
| 1 | JpnⅢクラスターカップ | 盛岡 ダ1200 | 4人気 | 藤岡佑介 | 1:09.7 | 上り34.7 | — | |
| 13 | GIIIプロキオンS | 中京 ダ1400 | 11人気 | 酒井学 | 1:24.1 | 上り37.5 | — | |
| 1 | 三宮S | 阪神 ダ1200 | 4人気 | 酒井学 | 1:10.6 | 上り35.4 | — | |
| 9 | OP天王山S | 京都 ダ1200 | 13人気 | 藤岡佑介 | 1:11.9 | 上り37.1 | — | |
| 4 | JpnⅢマリーンカップ | 船橋 ダ1600 | 4人気 | 藤岡佑介 | 1:41.4 | 上り39.2 | — | |
| 11 | OPポラリスS | 阪神 ダ1400 | 10人気 | 酒井学 | 1:24.3 | 上り37.9 | — | |
| 11 | JpnⅠJBCレディスクラシック | 金沢 ダ1500 | 2人気 | 内田博幸 | 1:37.0 | 上り41.4 | 映像 | |
| 6 | JpnⅢサマーチャンピオン | 佐賀 ダ1400 | 2人気 | 藤岡康太 | 1:28.1 | 上り38.1 | — | |
| 2 | JpnⅢスパーキングレディー | 川崎 ダ1600 | 3人気 | 内田博幸 | 1:41.0 | 上り40.4 | — | |
| 10 | GIIIユニコーンS | 東京 ダ1600 | 4人気 | 内田博幸 | 1:37.3 | 上り36.7 | — | |
| 18 | GI桜花賞 | 阪神 芝1600 | 16人気 | 藤岡佑介 | 1:43.7 | 上り44.6 | 映像 | |
| 16 | GIIフィリーズレビュー | 阪神 芝1400 | 7人気 | 藤岡佑介 | 1:24.6 | 上り37.9 | — | |
| 1 | JpnⅠ全日本2歳優駿 | 川崎 ダ1600 | 3人気 | 藤岡佑介 | 1:41.9 | 上り39.2 | — | |
| 1 | ポインセチア賞 | 阪神 ダ1400 | 8人気 | 藤岡佑介 | 1:25.3 | 上り38.7 | — | |
| 1 | 2歳未勝利 | 京都 ダ1200 | 1人気 | 藤岡佑介 | 1:12.3 | 上り36.9 | — | |
| 4 | 2歳新馬 | 京都 芝1600 | 3人気 | N.ピンナ | 1:36.0 | 上り34.8 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父Hard Spun | Danzig | Northern Dancer |
| Pas de Nom | ||
| Turkish Tryst | Turkoman | |
| Darbyvail | ||
| 母ミスアドーラブルMiss Adorable | Mr. Prospector | Raise a Native |
| Gold Digger | ||
| Compassionate | ハウスバスターHousebuster | |
| Adored |
旅程 — この馬の物語
2010年生まれの鹿毛の牝馬。父Hard Spun、母ミスアドーラブル。
日高の鹿毛 ― 名と血と、栗東の家
2010年5月6日、北海道日高町のダーレー・ジャパン・ファームに、鹿毛の牝馬が生まれた。 父はハードスパン。2007年のケンタッキーダービーとブリーダーズカップ・クラシックでいずれも2着に敗れ、キングズビショップステークスでGIを勝ったアメリカのダート馬である。母ミスアドーラブルはミスタープロスペクターの娘で、アメリカで生まれ、繁殖牝馬として日本へ渡ってきた。馬主はヨルダン国王フセイン1世の娘であるハヤ王女、のちにドバイのシェイク・モハメドへと移る。 この馬を預かったのは、栗東の藤岡健一だった。厩務員だった父の背中を見て18歳で栗東に入り、宇田明彦、伊藤雄二、南井克巳と三つの厩舎で助手を務め、2002年の暮れに自分の看板を掲げた男である。重賞ならもう勝っていた。だがGI級のタイトルだけが、開業から十年、まだ手の中になかった。 そしてこの厩舎には、もうひとつの事情があった。長男の佑介と次男の康太が、どちらも同じ栗東で騎手をしていた。
砂に替える ― 二〇一二年の秋
デビューは2012年10月13日、京都の芝1600m。鞍上はN.ピンナ、3番人気で4着。勝ち馬から0秒4差、悪い競馬ではなかった。 それでも次に選ばれたのはダートだった。3週間後の京都ダート1200m、手綱は藤岡佑介に替わる。1番人気に応え、2着に6馬身をつけて初勝利。続く12月1日、阪神のポインセチア賞は8番人気という低い評価だったが、厳しい競馬を強いられながら、ゴール前でダノンレジェンドをハナ差だけ競り落とした。のちにJBCスプリントを勝ち、クラスターカップを連覇することになる黒鹿毛である。 砂に替えて、二連勝。二歳の暮れが近づいていた。
川崎、十二月十九日 ― 十年越しの戴冠
2012年12月19日、川崎競馬場ダート1600m。全日本2歳優駿は、その年の2歳ダート王を決める統一JpnIである。14頭立ての3番人気、単勝4.0倍。 好スタートからハナを奪った。道中でカラ馬に絡まれるアクシデントがあってもリズムは崩れない。最後まで後続に並ばれることなく、1分41秒9で駆け抜けた。2着はジェネラルグラント、その後方には、のちに中山大障害を制するアップトゥデイトもいた。牝馬の戴冠は2009年のラブミーチャン以来、3年ぶりだった。 藤岡健一にとっては、開業以来初めてのGI級のタイトルである。手綱を取った佑介にとっては、2010年のJBCスプリント以来のJpnI二勝目——このとき彼はまだ、中央のGIをひとつも勝っていない。 そしてその12月19日は、同じ栗東で騎手をしていた弟・康太の、24回目の誕生日でもあった。
桜は咲かず ― 三歳の一年
二歳ダート王になった牝馬に、陣営は芝のクラシックを見た。3月のフィリーズレビューは16着。4月7日の桜花賞は16番人気で18着、上がり44秒6という数字だけが残った。ダートに戻したユニコーンステークスも10着。砂の王座から半年で、勝ち方を見失ったように見えた。 それでも7月3日、川崎のスパーキングレディーカップでは、三歳の身で古馬の牝馬に混じって逃げ、2着に粘っている。最後に交わしていったのはメーデイア——この年、TCK女王盃からJBCレディスクラシックまでを制してダートの女王になった一頭だった。 8月13日、佐賀のサマーチャンピオン。この一戦だけ、手綱を取ったのは次男の康太である。2番人気で6着。11月の金沢、JBCレディスクラシックは2番人気に支持されながら11着に終わった。三歳の一年、勝ち星はひとつも増えなかった。
盛岡の夏 ― もう一度、先頭で
四歳になっても出口は見えなかった。3月のポラリスステークス11着、4月のマリーンカップ4着、5月の天王山ステークス9着。当時の番組には降級の制度があり、四歳の夏に一段下のクラスへ下がる仕組みだった。その初戦となった6月28日、阪神の三宮ステークスで、酒井学を背にようやく先頭でゴールする。川崎のJpnI以来、1年半ぶりの勝利だった。 中京のプロキオンステークスで13着に沈んだちょうど一か月後、陣営は北を選ぶ。8月13日、盛岡のクラスターカップ、JpnIII。鞍上は佑介に戻っていた。 スタートは良くなかった。それでもすぐに先手を奪い、直線で先頭に立つと、追いすがるスイートジュエリーをクビ差で振り切った。1分9秒7、上がり34秒7。4番人気の逆襲であり、重賞二勝目である。先手を取って押し切る、川崎と同じ形だった。
門別へ帰る ― 遺したもの
そこからは長い下り坂だった。東京のエルコンドルパサーメモリアル13着、京都の室町ステークス7着、園田の兵庫ゴールドトロフィー5着。明けて2015年、船橋のマリーンカップは4着——このとき勝ったサンビスタは、その年の暮れにチャンピオンズカップで牡馬を負かすことになる。京都の天王山ステークス4着、中京のプロキオンステークス16着。 8月12日、二度目の盛岡。一年前に自分が勝ったクラスターカップで、サマリーズは4着に終わった。勝ったのはダノンレジェンド。二歳の暮れ、阪神のポインセチア賞でハナ差だけ先着した、あの相手である。砂の世界は、三年をかけて追い越していった。 11日後の新潟・NST賞8着が、最後の一戦になった。8月27日、登録抹消。24戦5勝、獲得賞金1億1150万5000円。母ミスアドーラブルは日本でも何頭かの仔を残し、半妹のチャームもまた藤岡健一厩舎にいたが、日本で走った仔のうち重賞のタイトルを持ち帰ったのはサマリーズだけだった。 生まれた牧場へ戻り、繁殖牝馬になった。初仔ホワイトロッジの父はディープインパクト、走った厩舎は藤岡健一。二番仔ホールシバンは2025年に小倉の門司ステークスを勝ち、八歳のいまも中央に籍を置く。四番仔ウェンロックもまた藤岡健一厩舎の所属で、まだ一度も走っていない三歳の牡馬だ。 2025年3月31日、サマリーズは15歳で死んだ。その前年の4月、佐賀で一度だけ彼女の手綱を取った次男の康太が、落馬事故で亡くなっている。そして2026年2月28日、長男の佑介が騎手を引退した。1110勝目となった最後の勝利は、父・健一の管理するタマモイカロスだった。彼はいま調教師の免許を持ち、父の厩舎で開業の日を待っている。 川崎の1分41秒9は、藤岡健一が最初に手にしたGI級のタイトルだった。その馬の仔がいま、同じ厩舎の馬房で、走り出す日を待っている。
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