名馬の記憶を、
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年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

この世代(生まれ年)

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ソーダズリングのイメージビジュアル
ソーダズリングSo Dazzling
So Dazzling

ソーダズリング

通算成績15戦3勝

獲得賞金1310万円

生年月日 2020.03.30(令和2年)毛色 黒鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
ソーダズリングの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
14 GIIIターコイズS 中山 芝1600 13人気 横山武史 1:33.6 上り35.1映像
18 GIIMBS賞スワンS 京都 芝1400 11人気 菱田裕二 1:20.9 上り35.4映像
17 GIヴィクトリアマイル 東京 芝1600 12人気 坂井瑠星 1:33.3 上り35.3映像
6 GIIサンスポ杯阪神牝馬S 阪神 芝1600 5人気 坂井瑠星 1:33.1 上り33.3映像
3 GIII阪急杯 京都 芝1400 3人気 浜中俊 1:21.9 上り34.3映像
6 GII阪神カップ 京都 芝1400 11人気 鮫島克駿 1:20.4 上り33.6映像
14 GI高松宮記念 中京 芝1200 7人気 武豊 1:10.6 上り34.8映像
1 GIII京都牝馬S 京都 芝1400 2人気 武豊 1:20.3 上り33.9映像
4 GIIIターコイズS 中山 芝1600 4人気 武豊 1:33.0 上り34.0映像
1 三年坂S 京都 芝1600 2人気 武豊 1:33.7 上り32.8
8 GII関西TVローズS 阪神 芝1800 3人気 武豊 1:44.1 上り34.6映像
8 GI優駿牝馬 東京 芝2400 5人気 武豊 2:25.0 上り35.3映像
2 GIIサンスポ賞フローラS 東京 芝2000 1人気 戸崎圭太 1:59.1 上り34.0映像
1 3歳未勝利 阪神 芝1800 1人気 武豊 1:47.4 上り34.1
2 3歳未勝利 阪神 芝1800 1人気 武豊 1:47.8 上り33.7

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
ソーダズリングの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
ハーツクライHeart's CryサンデーサイレンスSunday SilenceHalo
Wishing Well
アイリッシュダンストニービンTony Bin
ビューパーダンスBuper Dance
ソーマジックシンボリクリスエスSymboli Kris SKris S.
Tee Kay
スーアXuaFairy King
Bold Starlet
STORY

旅程 — この馬の物語

2020年生まれの黒鹿毛の牝馬。父ハーツクライ、母ソーマジック。主な勝ち鞍は京都牝馬S。

「眩い」という名 ― ソーマジックの血

2020年3月30日、北海道千歳の社台ファームに、黒鹿毛の牝馬が生まれた。父ハーツクライ、母ソーマジック。名はソーダズリング――「とても眩しい」。母の名 So Magic の“ソー”を受け継ぎ、その魔法を眩さに言い換えたような一頭だった。 母ソーマジックは、走る牝馬だった。2008年のアネモネステークスを勝ち、桜花賞では3着に食い込んでいる。繁殖に上がってからのソーマジックはさらに雄弁で、チャレンジカップを連覇したソーヴァリアント(父オルフェーヴル)、愛知杯を制したマジックキャッスル(父ディープインパクト)を送り出した。ソーダズリングは、その半妹にあたる。重賞勝ち馬が三頭並ぶ一族――血の格は、生まれた時から備わっていた。 馬主は社台レースホース。そして最初に手綱をとったのが、武豊だった。この名手とこの牝馬の縁は、デビューから重賞の頂まで、まっすぐに続いていく。

三歳の春 ― 武豊とオークスへ

2023年2月12日、阪神の芝1800m、3歳未勝利。1番人気に推されたソーダズリングは、直線で鋭く伸びながらハナ差だけ届かず2着に泣いた。眩さの片鱗は見せたが、勝ち切れない。だが雪辱は早く、翌月19日、同じ阪神の未勝利を武豊とともに危なげなく勝ち上がる。 オープンの扉が開くと、陣営はクラシックを見据えた。フローラステークスは戸崎圭太を背に1番人気で2着。賞金を積み、優駿牝馬(オークス)の舞台に立つ。5番人気に支持され、武豊の手綱で運んだ府中の2400mは、しかし少し遠かった。結果は8着。三歳牝馬の頂点には届かない。この距離は、彼女の距離ではなかった。

距離を探して

秋、陣営は答えを探し始める。ローズステークス(芝1800m)は3番人気で8着。距離が長いのかもしれない。10月、京都の三年坂ステークス(芝1600m)を武豊で勝ち切ると、続くターコイズステークス(芝1600m・GIII)では4番人気4着。マイル前後で、確かな手応えが戻ってきた。 着順だけを追えば地味な秋だった。だが一戦ごとに、彼女が最も眩く走れる距離――マイルから、その少し下――の輪郭がはっきりしていく。重賞の一つ手前で足踏みしていた牝馬は、次の冬、ついにその一線を越える。

京都牝馬ステークス ― 三十八年目の光

2024年2月17日、京都競馬場、芝1400m。第59回京都牝馬ステークス。2番人気のソーダズリングは、武豊の手綱で中団を追走した。直線、鞭に応えて鋭く伸び、前にいた各馬をまとめて捉えて先頭に立つ。後方からは1番人気ナムラクレアが猛然と差してくる。ゴール前は接戦――だが、抜け出したソーダズリングがクビ差だけ先にいた。重賞初制覇である。 この一勝には、もう一つの意味が重なっていた。武豊にとって、デビュー年の1987年から数えて38年連続となるJRA重賞制覇。一年も欠かさず重賞を勝ち続けてきた名手の、その年の重賞初勝利を、デビューから乗り続けてきた牝馬が届けたのだ。「改めて能力があると感じました」[^1]。武豊は、眩い走りにそう応えた。

出典:東京スポーツ「【京都牝馬ステークス結果&コメント】武豊&ソーダズリングが接戦制す『改めて能力があると感じました』」2024年2月17日配信、https://tospo-keiba.jp/breaking_news/42100、閲覧日:2026年7月17日。

眩さのあとに ― 母へ

京都牝馬Sの一か月後、ソーダズリングは高松宮記念に矛先を向けた。1200mのGIは7番人気14着。距離は詰まりすぎ、これが武豊とのコンビの最後の一戦となった。 以降は鞍上を替えながら、彼女は一線で走り続けた。2025年の阪急杯では3着に粘り、ヴィクトリアマイルにも駒を進めた。派手な戦績ではない。それでも、重賞戦線に居続けた足かけ三年だった。 2025年12月20日のターコイズステークス――かつて重賞のすぐ手前で4着に善戦した、その同じ中山のマイル戦――を最後に、左前肢の蹄に痛みが見つかり、暮れにターフを去った。15戦3勝。母ソーマジックがそうしたように、ソーダズリングもまた繁殖牝馬として牧場へ還っていく。眩いほどの魔法を宿した一族の物語は、こうして次の世代へ手渡された。

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