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スノードラゴン
通算成績61戦8勝
獲得賞金3億8,780万円
生年月日 2008.04.06(平成20年)毛色 芦毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 17 | GI高松宮記念 | 中京 芝1200 | 10人気 | 藤田菜七子 | 1:09.2 | 上り34.7 | 映像 | |
| 15 | GIII夕刊フジオーシャンS | 中山 芝1200 | 14人気 | 内田博幸 | 1:08.9 | 上り35.1 | 映像 | |
| 15 | GIスプリンターズS | 中山 芝1200 | 14人気 | 大野拓弥 | 1:10.3 | 上り36.4 | 映像 | |
| 12 | GIIICBC賞 | 中京 芝1200 | 12人気 | 和田竜二 | 1:07.6 | 上り33.0 | 映像 | |
| 3 | JpnⅢ北海道スプリントカップ | 門別 ダ1200 | 5人気 | 五十嵐冬樹 | 1:13.0 | 上り37.6 | — | |
| 7 | JpnⅢ東京スプリント | 大井 ダ1200 | 8人気 | 大野拓弥 | 1:12.8 | 上り37.5 | — | |
| 9 | GI高松宮記念 | 中京 芝1200 | 15人気 | 大野拓弥 | 1:09.0 | 上り34.3 | 映像 | |
| 11 | GIII夕刊フジオーシャンS | 中山 芝1200 | 8人気 | 大野拓弥 | 1:08.9 | 上り34.0 | 映像 | |
| 2 | GIIIカペラS | 中山 ダ1200 | 8人気 | 大野拓弥 | 1:11.1 | 上り36.5 | 映像 | |
| 7 | JpnⅠJBCスプリント | 大井 ダ1200 | 7人気 | 大野拓弥 | 1:11.9 | 上り36.9 | 映像 | |
| 4 | GIスプリンターズS | 中山 芝1200 | 16人気 | 大野拓弥 | 1:07.7 | 上り33.0 | 映像 | |
| 8 | GII産経賞セントウルS | 阪神 芝1200 | 7人気 | 大野拓弥 | 1:08.1 | 上り33.3 | 映像 | |
| 5 | GIIICBC賞 | 中京 芝1200 | 12人気 | 大野拓弥 | 1:08.3 | 上り33.5 | 映像 | |
| 3 | JpnⅢ北海道スプリントカップ | 門別 ダ1200 | 3人気 | 大野拓弥 | 1:10.2 | 上り35.3 | — | |
| 7 | GI高松宮記念 | 中京 芝1200 | 11人気 | 大野拓弥 | 1:09.4 | 上り34.5 | 映像 | |
| 8 | GIII夕刊フジオーシャンS | 中山 芝1200 | 6人気 | 大野拓弥 | 1:08.7 | 上り34.0 | 映像 | |
| 14 | GII阪神カップ | 阪神 芝1400 | 10人気 | 大野拓弥 | 1:23.4 | 上り36.1 | — | |
| 17 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 12人気 | 大野拓弥 | 1:35.7 | 上り37.7 | 映像 | |
| 5 | GIスプリンターズS | 中山 芝1200 | 12人気 | 大野拓弥 | 1:07.7 | 上り33.4 | 映像 | |
| 5 | GIIセントウルS | 阪神 芝1200 | 6人気 | 川田将雅 | 1:07.9 | 上り34.5 | — | |
| 6 | GIIICBC賞 | 中京 芝1200 | 5人気 | 大野拓弥 | 1:07.6 | 上り33.0 | 映像 | |
| 3 | JpnⅢ北海道スプリントカップ | 門別 ダ1200 | 3人気 | 大野拓弥 | 1:10.7 | 上り35.8 | — | |
| 5 | JpnⅢかきつばた記念 | 名古屋 ダ1400 | 5人気 | 大野拓弥 | 1:28.6 | 上り38.9 | — | |
| 7 | GI高松宮記念 | 中京 芝1200 | 6人気 | 大野拓弥 | 1:07.3 | 上り33.7 | 映像 | |
| 3 | GIII夕刊フジオーシャンS | 中山 芝1200 | 8人気 | 大野拓弥 | 1:07.9 | 上り34.2 | 映像 | |
| 8 | GI香港スプリント | 香港 芝1200 | 11人気 | 大野拓弥 | 1:09.3 | — | 映像 | |
| 1 | GIスプリンターズS | 新潟 芝1200 | 13人気 | 大野拓弥 | 1:08.8 | 上り33.9 | 映像 | |
| 8 | GIIIキーンランドカップ | 札幌 芝1200 | 4人気 | 大野拓弥 | 1:09.3 | 上り34.3 | — | |
| 2 | JpnⅢ北海道スプリントカップ | 門別 ダ1200 | 1人気 | 大野拓弥 | 1:11.2 | 上り36.2 | — | |
| 2 | GI高松宮記念 | 中京 芝1200 | 8人気 | 大野拓弥 | 1:12.7 | 上り36.1 | 映像 | |
| 2 | GIII夕刊フジオーシャンS | 中山 芝1200 | 11人気 | 大野拓弥 | 1:09.1 | 上り34.3 | — | |
| 11 | GIII根岸S | 東京 ダ1400 | 7人気 | 大野拓弥 | 1:24.1 | 上り35.8 | — | |
| 1 | OPジャニュアリーS | 中山 ダ1200 | 2人気 | 大野拓弥 | 1:10.6 | 上り36.0 | — | |
| 2 | GIIIカペラS | 中山 ダ1200 | 7人気 | 大野拓弥 | 1:10.7 | 上り35.4 | — | |
| 6 | OP京都オータムリーフP | 京都 ダ1400 | 7人気 | 吉田隼人 | 1:23.6 | 上り36.3 | — | |
| 6 | OP室町S | 京都 ダ1200 | 2人気 | 和田竜二 | 1:10.1 | 上り35.4 | — | |
| 4 | JpnⅢクラスターカップ | 盛岡 ダ1200 | 2人気 | 蛯名正義 | 1:09.6 | 上り34.5 | — | |
| 8 | GIIIプロキオンS | 中京 ダ1400 | 11人気 | 和田竜二 | 1:22.3 | 上り35.5 | — | |
| 7 | OP欅S | 東京 ダ1400 | 1人気 | 蛯名正義 | 1:24.5 | 上り35.8 | — | |
| 1 | OP京葉S | 中山 ダ1200 | 2人気 | 蛯名正義 | 1:10.9 | 上り35.5 | — | |
| 1 | 銀蹄S | 東京 ダ1400 | 1人気 | 蛯名正義 | 1:23.9 | 上り35.3 | — | |
| 2 | 羅生門S | 京都 ダ1400 | 2人気 | 国分優作 | 1:23.3 | 上り37.2 | — | |
| 1 | 3歳以上1000万下 | 中山 ダ1200 | 1人気 | 蛯名正義 | 1:10.7 | 上り35.8 | — | |
| 3 | 3歳以上1000万下 | 中山 ダ1200 | 1人気 | 蛯名正義 | 1:10.8 | 上り37.1 | — | |
| 2 | 西湖特別 | 東京 ダ1400 | 4人気 | 田辺裕信 | 1:24.2 | 上り36.0 | — | |
| 取 | 河口湖特別 | 東京 ダ1400 | 蛯名正義 | — | — | |||
| 2 | 茨城新聞杯 | 中山 ダ1200 | 1人気 | 蛯名正義 | 1:11.0 | 上り36.4 | — | |
| 5 | 鶴見特別 | 阪神 ダ1200 | 1人気 | 渡辺薫彦 | 1:10.4 | 上り35.5 | — | |
| 2 | 深草S | 京都 ダ1200 | 1人気 | 渡辺薫彦 | 1:11.2 | 上り36.0 | — | |
| 2 | 鎌倉S | 東京 ダ1400 | 2人気 | 蛯名正義 | 1:24.7 | 上り36.3 | — | |
| 3 | なにわS | 阪神 ダ1200 | 7人気 | 渡辺薫彦 | 1:10.9 | 上り35.4 | — | |
| 8 | 河原町S | 京都 ダ1400 | 3人気 | 安藤勝己 | 1:25.1 | 上り36.6 | — | |
| 1 | 4歳以上1000万下 | 中山 ダ1200 | 2人気 | 蛯名正義 | 1:10.8 | 上り37.3 | — | |
| 5 | 茨城新聞杯 | 中山 ダ1200 | 1人気 | 蛯名正義 | 1:10.6 | 上り36.4 | — | |
| 3 | OP昇竜S | 京都 ダ1400 | 7人気 | 佐藤哲三 | 1:23.2 | 上り35.3 | — | |
| 6 | OP橘S | 京都 芝1400 | 8人気 | 北村友一 | 1:22.5 | 上り35.7 | — | |
| 7 | OPヒヤシンスS | 東京 ダ1600 | 2人気 | 蛯名正義 | 1:39.5 | 上り37.8 | — | |
| 1 | 3歳500万下 | 東京 ダ1400 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:26.7 | 上り37.3 | — | |
| 1 | 2歳未勝利 | 中山 ダ1200 | 1人気 | 蛯名正義 | 1:11.6 | 上り37.2 | — | |
| 2 | 2歳未勝利 | 東京 芝1600 | 2人気 | 蛯名正義 | 1:37.8 | 上り35.8 | — | |
| 2 | 2歳未勝利 | 中山 芝1600 | 2人気 | 北村宏司 | 1:36.0 | 上り36.3 | — | |
| 2 | 2歳新馬 | 新潟 芝1600 | 1人気 | 北村宏司 | 1:37.2 | 上り34.6 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父アドマイヤコジーン | Cozzene | Caro |
| Ride the Trails | ||
| アドマイヤマカディ | ノーザンテーストNorthern Taste | |
| ミセスマカディーMrs McArdy | ||
| 母マイネカプリース | タヤスツヨシ | サンデーサイレンスSunday Silence |
| マガロMagaro | ||
| ダイナカプリ | サウスアトランティックSouth Atlantic | |
| ダイナギフト |
引退後・牧場での映像
ゴール板の先の時間旅程 — この馬の物語
2008年生まれの芦毛の牡馬。父アドマイヤコジーン、母マイネカプリース。主な勝ち鞍はスプリンターズS。
新冠の芦毛と、常緑の草の名
2008年4月6日、北海道新冠町のイワミ牧場で、芦毛の牡馬が生まれた。 父アドマイヤコジーンも芦毛だった。1998年の朝日杯三歳ステークスを勝って最優秀三歳牡馬に選ばれ、2002年の安田記念で二つ目のGIを獲って、その年のJRA賞最優秀短距離馬になった馬である。 母はマイネカプリース。母系をさかのぼると、1966年にイギリスで生まれた繁殖牝馬ロイヤルサッシュに行き着く。ロイヤルサッシュの娘ダイナサッシュからはマイルチャンピオンシップを勝ったサッカーボーイが出て、そのダイナサッシュの娘ゴールデンサッシュからはステイゴールドが出た。重賞を勝つまでに二十八連敗を喫し、引退レースの香港ヴァーズでGIを掴んだ、あの黒鹿毛である。スノードラゴンは、ロイヤルサッシュのもう一頭の娘ダイナギフトから伸びた枝に生まれている。 馬名の由来は、ユリ科の常緑多年草の名だった。竜でも雪でもなく、季節が変わっても葉を落とさない、目立たない草の名である。 株式会社レックスの共有クラブ「LEX PRO」で、1口120万円を10口、総額1200万円として募集された。馬主は岡田牧雄。岡田スタッドとレックススタッドを預かる実業家で、「マイネル軍団」を率いた岡田繁幸の実弟にあたる。 預けられたのは美浦の高木登厩舎。2007年3月に開業したばかりで、まだ重賞を勝ったことのない厩舎だった。
逃げて、捕まった ― 2010年8月28日
新潟競馬場の第5競走、芝1600mの2歳新馬戦。一枠一番、鞍上は北村宏司、単勝3.3倍の一番人気。 ゲートを出るとそのまま先頭に立ち、四コーナーまでハナを譲らなかった。しかし直線で12番人気のフレンドミーに交わされ、1馬身1/4差の二着。単勝6500円の伏兵に、逃げて捕まった。 続く中山も、その次の東京も、同じ芝1600mで二着。三戦続けて連対しながら、三度とも勝ち馬の背中を見て終わっている。 四戦目、陣営は矛先を変えた。12月11日、中山のダート1200m。鞍上は蛯名正義。単勝1.6倍の一番人気に応え、二着に1秒の差をつけて勝つ。この馬が初めて勝ったのは、砂の上だった。
砂の四年 ― 蛯名正義と
そこから四年、スノードラゴンはほとんどダートだけを走る。 3歳の1月、東京のダート1400mを吉田隼人で連勝。だがそこから勝ち星が遠のいた。ヒヤシンスステークス七着、京都の芝に一度だけ戻った橘ステークス六着、昇竜ステークス三着。秋に一番人気を裏切って五着に沈むと、休養に入る。 4歳の一年は、二着との付き合いだった。年明けの1000万下を勝って昇級すると、鎌倉ステークス二着、深草ステークス二着、茨城新聞杯はクビ差の二着。10月の河口湖特別は左後肢のフレグモーネで出走を取り消し、復帰した西湖特別もまた二着、続く1000万下は三着。そして年内最終開催日の1000万下を、後方から差し切った。 5歳の1月、羅生門ステークスはアタマ差の二着。2月の銀蹄ステークスを中団から上がり最速の脚で抜け出して勝ち、オープンに昇級する。4月の京葉ステークスでは、先に抜け出していたフィールドシャインをクビ差で捕らえて連勝した。 重賞には届かなかった。プロキオンステークス八着、盛岡のクラスターカップ四着、室町ステークス六着、京都オータムリーフプレミアム六着。 背中には、たいてい蛯名正義がいた。デビュー三戦目から数えて十四回。ダートの1200から1400。そこがこの馬の主戦場だった。
勝ってナンボ ― 大野拓弥
2013年12月8日、中山のカペラステークス。手綱を取ったのは、それまで一度もこの馬に跨ったことのない大野拓弥だった。 大野は1986年生まれ。2005年に杉浦宏昭厩舎からデビューし、初騎乗はスタート直後の落馬による競走中止だった。翌2006年、新潟2歳ステークスをマイネルーチェで走ってハナ差の二着。精一杯乗ったつもりだったが、翌朝の新聞で自分の扱いの小ささを知る。同じ日に小倉2歳ステークスを勝った同期の鮫島良太が、大きな見出しになっていた。良い騎乗をしても、負ければ載らない。以来、勝ちを意識して乗るようになったという。 重賞初制覇は、それから五年後の2011年12月、中日新聞杯。11番人気のコスモファントムだった。「ジョッキーは勝ってナンボという商売ですからね」[^1] その頃、大野への騎乗依頼を増やしていた厩舎がある。高木登厩舎だった。調教にも乗らないままの、レースが正真正銘の初騎乗となったカペラステークス。それまでのレースぶりから一押し足りない印象を持っていた大野は、少し溜める形を選んだ。すると直線で鋭く伸びて二着に来る。こんな脚を使えるのか、と印象が変わったと大野は振り返る。 年明け1月6日のジャニュアリーステークス。同じように後方から運ぶと、今度は楽に差し切って勝った。二度目のコンビで、もう答えは出ていた。
出典:Number Web「「同期は大きな見出しに…」大野拓弥が15年前の新潟2歳Sで痛感した“ジョッキーは勝ってナンボ”という真理《JRA通算600勝も突破》」2021年9月4日配信、https://number.bunshun.jp/articles/-/849624 、閲覧日:2026年7月30日。
三年ぶりの芝
2014年3月8日、中山のオーシャンステークス。この馬が芝を走るのは、3歳春の橘ステークス以来、ほぼ三年ぶりだった。八枠15番、11番人気。十二番手から上がり34秒3で追い上げ、スマートオリオンから1馬身1/4差の二着に来る。 三週間後、中京の高松宮記念。芝は不良、時計は一気に掛かった。八枠17番、8番人気。十三番手のまま四コーナーを回り、泥を蹴りながら追い上げて、勝ったコパノリチャードから3馬身差の二着まで押し上げる。直線を向いたときは絶望的と思える位置だった、と大野はのちに語っている。それでも終わってみれば二着だった。 6月、門別の北海道スプリントカップは一番人気で二着。8月、札幌のキーンランドカップは八着。夏に爪を痛めた影響があったのか、返し馬から今ひとつだったと大野は振り返る。 芝で二着が二回。それが、この馬の六歳の春だった。
新潟、大外十八番
2014年10月5日。中山競馬場のスタンド改修工事のため、この年のスプリンターズステークスは新潟で行われた。 小雨。芝は良。18頭立て。前走八着のスノードラゴンは13番人気、単勝4650円。しかも枠は大外の八枠18番だった。大外だけは嫌だと思っていた大野は、枠順を見て唇を噛んだという。 だが、ゲートは落ち着いて出た。十一番手を追走し、四コーナーではいつでも前を捉えられる手応えがあった。残り100m、前ではストレイトガールとレッドオーヴァルが競り合っている。その大外から、芦毛が伸びた。1分08秒8、上がり33秒9。二着ストレイトガールとの差は、半馬身。 六歳。この馬は生涯で27回芝を走ることになるが、勝ったのはこの一度だけである。そして重賞勝ちも生涯にただ一つ――それがGIだった。 大野拓弥はデビュー10年目、GI10回目の騎乗で初制覇。高木登も開業8年目で、初めてのGIだった。「やっとGIを勝てて、ゴール後は思わずガッツポーズが出てしまいました」[^1] この年、スノードラゴンはJRA賞最優秀短距離馬に選ばれた。父アドマイヤコジーンが2002年に受けたのと、同じ賞である。
出典:Number Web「「同期は大きな見出しに…」大野拓弥が15年前の新潟2歳Sで痛感した“ジョッキーは勝ってナンボ”という真理《JRA通算600勝も突破》」2021年9月4日配信、https://number.bunshun.jp/articles/-/849624?page=3 、閲覧日:2026年7月30日。
勝てなかった二十六戦
12月、香港スプリント。大野にとって初めての海外騎乗で、八着。 明けて2015年、オーシャンステークスから始動する予定だったが、2月に脚部不安が出て春を全休。結局この年、スノードラゴンは一度もゲートに入らなかった。 2016年1月に帰厩し、3月5日のオーシャンステークスで復帰。1年3か月ぶりの実戦を、十二番手から上がり34秒2で追い上げて三着にまとめた。8歳である。 そこからの三年は、届きそうで届かない日々だった。2016年のスプリンターズステークスは12番人気で五着、勝ったレッドファルクスとの差は0秒1。翌2017年は9歳、単勝103倍の16番人気で一枠一番から十二番手を進み、上がり33秒0で追い上げて四着。勝ち馬はまたレッドファルクスで、差はまた0秒1だった。同じ年の12月、中山のカペラステークスでは二着に粘っている。 6月には、北海道へ渡った。門別の北海道スプリントカップは2014年の二着に続いて、2016年から三年続けて三着。三年目の手綱は、地元ホッカイドウ競馬の五十嵐冬樹が取った。距離を延ばしたマイルチャンピオンシップや阪神カップでは大きく負けた。この馬の居場所は、最後まで1200mだった。 GIを勝った日から引退まで、スノードラゴンは26回走って、一度も勝たなかった。それでも春には中山と中京に、6月には門別に、秋には中山に、この馬はいた。
十一歳の一枠一番
2019年3月2日、オーシャンステークス十五着。そして3月24日、中京の高松宮記念。一枠一番、11歳。鞍上は21歳の藤田菜七子だった。 彼女はその2月、フェブラリーステークスでJRA所属の女性騎手として初めてGIに騎乗したばかりで、これが二度目のGIだった。最終追い切りを終えた高木登は、ひょっとしたら最後のレースになるかもしれない、長年厩舎を牽引してくれた馬だと語り、鞍上には気楽に乗ってこいと伝えたという。藤田はこう言っている。「私が競馬を見始めたような頃から走っているような大ベテラン」[^1] 同じレースには、大野拓弥もいた。ナックビーナスに騎乗して十四着。29回背に跨った相棒とは、この日は別の鞍だった。 スノードラゴンは十七着。3月、競走馬登録を抹消された。61戦8勝、二着13回、三着7回。総獲得賞金3億8780万3000円。1200万円で募集された馬が、その三十倍以上を持ち帰った計算になる。 行き先は、馬主の岡田牧雄が代表を務める種牡馬繋養牧場、レックススタッド。父アドマイヤコジーンは、その二年前の2017年6月に世を去っていた。 デビュー戦でハナを切って捕まった馬は、やがて捕まえる側になり、十三度の二着を重ねながら、たった一度だけ、GIのゴール板を先頭で通過した。芝を27回走って、勝ったのはその一度きりである。季節が変わっても葉を落とさない草の名を持つ芦毛は、2歳の夏から11歳の春まで、ゲートの中にいた。 いまその産駒のなかには、父を送り出した高木登厩舎に入った馬がいる。
出典:競馬ラボ「【高松宮記念】2度目のG1騎乗・藤田菜&スノードラゴン『パワーもあってすごく良い馬』」2019年3月20日配信、https://www.keibalab.jp/topics/37956/ 、閲覧日:2026年7月30日。
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