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ショウナンナデシコ
通算成績27戦9勝
獲得賞金2億8,714万円
生年月日 2017.02.06(平成29年)毛色 栗毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 15 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 7人気 | 横山武史 | 1:38.8 | 上り39.7 | 映像 | |
| 6 | GI東京大賞典 | 大井 ダ2000 | 5人気 | 横山武史 | 2:06.3 | 上り39.2 | 映像 | |
| 3 | JpnⅢクイーン賞 | 船橋 ダ1800 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:56.3 | 上り42.5 | — | |
| 3 | JpnⅠJBCレディスクラシック | 盛岡 ダ1800 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:50.3 | 上り36.5 | 映像 | |
| 3 | JpnⅡレディスプレリュード | 大井 ダ1800 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:51.9 | 上り37.3 | — | |
| 1 | JpnⅢスパーキングレディー | 川崎 ダ1600 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:41.1 | 上り39.4 | — | |
| 1 | JpnⅠかしわ記念 | 船橋 ダ1600 | 2人気 | 吉田隼人 | 1:38.9 | 上り38.4 | 映像 | |
| 1 | JpnⅢマリーンカップ | 船橋 ダ1600 | 2人気 | 吉田隼人 | 1:41.3 | 上り38.5 | — | |
| 1 | JpnⅡエンプレス杯 | 川崎 ダ2100 | 1人気 | 吉田隼人 | 2:15.7 | 上り38.5 | — | |
| 2 | JpnⅢTCK女王盃 | 大井 ダ1800 | 4人気 | 吉田隼人 | 1:54.2 | 上り37.4 | — | |
| 2 | LベテルギウスS | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:52.1 | 上り37.1 | — | |
| 1 | OPカノープスS | 阪神 ダ2000 | 2人気 | 吉田隼人 | 2:05.0 | 上り36.7 | — | |
| 1 | 西脇S | 阪神 ダ1800 | 3人気 | 藤岡康太 | 1:52.4 | 上り36.8 | — | |
| 5 | JRAアニバーサリー | 中京 ダ1800 | 3人気 | 吉田隼人 | 1:51.5 | 上り37.4 | — | |
| 1 | 3歳以上2勝クラス | 中京 ダ1800 | 4人気 | 松山弘平 | 1:52.4 | 上り36.8 | — | |
| 9 | 4歳以上2勝クラス | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:54.3 | 上り40.2 | — | |
| 9 | 矢作川特別 | 中京 ダ1800 | 2人気 | 幸英明 | 1:54.8 | 上り39.2 | — | |
| 3 | 4歳以上2勝クラス | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 岩田望来 | 1:55.3 | 上り36.0 | — | |
| 6 | 西湖特別 | 東京 ダ1600 | 1人気 | 石橋脩 | 1:38.1 | 上り38.5 | — | |
| 3 | 3歳以上2勝クラス | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 岩田望来 | 1:51.9 | 上り36.6 | — | |
| 4 | OP青竜S | 東京 ダ1600 | 6人気 | 石橋脩 | 1:36.4 | 上り37.0 | — | |
| 1 | 3歳1勝クラス | 阪神 ダ1800 | 4人気 | 岩田望来 | 1:52.7 | 上り37.7 | — | |
| 6 | 君子蘭賞 | 阪神 芝1800 | 6人気 | 浜中俊 | 1:48.8 | 上り34.9 | — | |
| 2 | ネモフィラ賞 | 小倉 ダ1700 | 3人気 | 西村淳也 | 1:45.6 | 上り38.3 | — | |
| 7 | 3歳1勝クラス | 京都 ダ1800 | 1人気 | 川田将雅 | 1:55.3 | 上り38.1 | — | |
| 4 | もちの木賞 | 京都 ダ1800 | 1人気 | 岩田望来 | 1:53.3 | 上り37.7 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 阪神 ダ1800 | 6人気 | 岩田望来 | 1:54.3 | 上り37.6 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父オルフェーヴルOrfevre | ステイゴールドStay Gold | サンデーサイレンスSunday Silence |
| ゴールデンサッシュ | ||
| オリエンタルアート | メジロマックイーンMejiro McQueen | |
| エレクトロアート | ||
| 母ショウナンマオ | ダイワメジャーDaiwa Major | サンデーサイレンスSunday Silence |
| スカーレットブーケ | ||
| ショウナンハピネス | Kris S. | |
| Rambling Barb |
旅程 — この馬の物語
2017年生まれの栗毛の牝馬。父オルフェーヴル、母ショウナンマオ。
芝の三冠馬の娘 ― 撫子と名づけられて
父は、芝の申し子だった。2011年に皐月賞・ダービー・菊花賞を制した三冠馬オルフェーヴル。その血を継いで2017年2月、北海道日高町の天羽牧場に一頭の栗毛の牝馬が生まれた。母はダイワメジャーを父に持つショウナンマオ。母の牝系は重賞をにぎわす華やかな一族ではなく、血の目方はほとんど父一頭にかかっていた。 馬主・国本哲秀の冠名『ショウナン』に、花の名が添えられる。撫子――可憐で、しかし野に強い花。ショウナンナデシコと名が決まった。 預けられたのは栗東の須貝尚介厩舎。父オルフェーヴルの父はステイゴールドで、須貝はそのステイゴールド産駒ゴールドシップを頂点まで導いた調教師である。ステイゴールドの息子を託された厩舎が、今度はその孫娘を預かった。ただ一つ、父と違っていたのは走る場所だった。2019年9月、阪神ダート1800mの新馬戦。6番人気の評価をくつがえして、この馬は芝ではなくダートで勝ち上がる。物語の舞台は、はじめから土の上にあった。
二年の足踏み ― 遅れてきた素質
素質が花開くまでには、長い時間がかかった。 新馬を勝った翌春に3歳1勝クラスを勝ち上がったところまでは、順調に見えた。だが、そこからが長い。2勝クラスの壁に阻まれ、勝ちきれないまま一年以上が過ぎる。一度だけ試された芝の君子蘭賞は6着。走る場所は、やはりダートだった。2021年の春には1番人気で9着に沈む一戦もあり、素質を疑う声があっても不思議はなかった。 潮目が変わったのは、4歳の秋である。西脇ステークスを藤岡康太で制すると、続くカノープスステークスも連勝。この頃から手綱を取るようになった吉田隼人が、以後この馬の背に長く座り続けることになる。暮れのベテルギウスステークスは1番人気で2着。素質は、5歳を目前にしてようやく輪郭を結びはじめていた。
牝馬の中で ― 交流重賞への船出
2022年、ショウナンナデシコは牝馬の世界を席巻する。 1月のTCK女王盃は4番人気で2着。初めての交流重賞は惜敗に終わったが、続く川崎のエンプレス杯を1番人気で快勝すると、船橋のマリーンカップも連勝した。牝馬限定の重賞では、もう力が抜けていた。鞍上は変わらず吉田隼人。逃げ、あるいは前につけて、深い地方のダートを苦にせず押し切る形が、この馬の勝ちパターンとして定まっていく。 牝馬同士なら負けない――そう見えたとき、陣営が次に選んだのは、牡馬もまじえた最高峰の一戦だった。
かしわ記念 ― 深いダートの女王
2022年5月5日、船橋・かしわ記念。ダート1600mのJpnⅠに、牝馬は一頭だけだった。相手は馬体に恵まれた牡馬たち。それでもショウナンナデシコは2番人気に推される。 最内1枠1番から好スタートを切り、迷わずハナへ。半馬身のリードを保って向正面を過ぎ、3、4コーナーでは後続に並びかけられた。飲み込まれる――そう見えた瞬間、コーナーの出口で再び突き放す。直線、5番人気ソリストサンダーの猛追を1馬身半で凌ぎ切り、1番人気テイエムサウスダンにはさらに3馬身の差をつけてゴールした。勝ちタイム1分38秒9。かしわ記念が1997年にダートグレード競走となって以降、初めて牝馬が制した一戦だった[^1]。 芝の三冠馬の娘が、深いダートで牡馬を完封する。鞍上の吉田隼人は、レースを終えてこう言った。「この深いダートで、あれだけ馬体のいい男馬相手だと、なかなか牝馬じゃ勝てないと思いますけど、よく勝ってくれた」[^2]。須貝尚介もまた、思い切った騎乗を見せた騎手と、この馬を支えてきたスタッフ全員をねぎらった。可憐な名の牝馬は、この日、正真正銘の女王になった。
出典:競馬ラボ「【かしわ記念】牡馬を完封!重賞連勝中のショウナンナデシコが逃げ切ってG1初タイトル奪取!」2022年5月5日配信、https://www.keibalab.jp/topics/41633/、閲覧日:2026年7月22日。/地方競馬全国協会 web Furlong「第34回かしわ記念JpnⅠ」2022年5月5日、https://www.keiba.go.jp/furlong/2022/20220505_01/、閲覧日:2026年7月22日。
女王の矜持 ― 男馬の壁
栄光の頂は、長くは平らでなかった。 7月のスパーキングレディーカップを1番人気で制し、牝馬同士では文句なしの強さを見せる。だが秋、1番人気に推され続けながら、勝ちきれない日々が続いた。レディスプレリュード、JBCレディスクラシック、クイーン賞――いずれも単勝支持を集めて3着。長い一年の疲れか、あるいは牝馬の頂に立った馬に、周囲がなお高い壁を用意したのか。 年の暮れ、大井の東京大賞典では、鞍上を横山武史に替えて牡馬混合のJpnⅠに挑み6着。牝馬の女王が男馬の頂に届くのは、やはり容易ではなかった。それでも彼女は、最後まで1番人気に推される馬であり続けた。
最後の直線 ― そして牧場へ
2023年2月19日、東京・フェブラリーステークス。JRA最高峰のダートGIに、ショウナンナデシコは7番人気で駒を進めた。得意の逃げを打ったが、この日は直線で早々に後退し、初めての二桁着順となる15着に沈む。これが、ラストランになった。 レースから五日後、競走馬登録は抹消された。27戦9勝。牝馬限定の重賞を勝ち重ね、深いダートで牡馬を退けてJpnⅠを勝った牝馬は、生まれ故郷の天羽牧場へ帰り、繁殖牝馬となった。 芝の三冠馬オルフェーヴルの血を、父が走らなかった土の上で示した娘。その血はいま母となって、次の命へ受け継がれていく。可憐な名を持つ撫子は、野に強い花だった。
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