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ショウナンマイティ
通算成績22戦4勝
獲得賞金3億1,266万円
生年月日 2008.04.02(平成20年)毛色 青鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 中 | GIIアメリカジョッキークラブカップ | 中山 芝2200 | 11人気 | コントレ | — | 映像 | ||
| 3 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 10人気 | 北村宏司 | 1:37.3 | 上り37.3 | 映像 | |
| 5 | GII産経大阪杯 | 阪神 芝2000 | 4人気 | 浜中俊 | 2:01.0 | 上り35.3 | 映像 | |
| 10 | GIII東京新聞杯 | 東京 芝1600 | 2人気 | 浜中俊 | 1:33.8 | 上り34.3 | — | |
| 6 | GII毎日王冠 | 東京 芝1800 | 1人気 | 浜中俊 | 1:47.1 | 上り32.8 | — | |
| 2 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 3人気 | 浜中俊 | 1:31.5 | 上り32.8 | 映像 | |
| 2 | GII産経大阪杯 | 阪神 芝2000 | 2人気 | 浜中俊 | 1:59.1 | 上り32.9 | 映像 | |
| 3 | GII京都記念 | 京都 芝2200 | 2人気 | 浜中俊 | 2:12.8 | 上り34.9 | — | |
| 3 | GI宝塚記念 | 阪神 芝2200 | 6人気 | 浜中俊 | 2:11.4 | 上り35.0 | 映像 | |
| 2 | GIII鳴尾記念 | 阪神 芝2000 | 1人気 | 浜中俊 | 2:00.2 | 上り32.9 | — | |
| 1 | GII産経大阪杯 | 阪神 芝2000 | 6人気 | 浜中俊 | 2:05.5 | 上り34.3 | — | |
| 2 | OP大阪城S | 阪神 芝1800 | 1人気 | 武豊 | 1:48.6 | 上り35.2 | — | |
| 2 | GIII鳴尾記念 | 阪神 芝1800 | 6人気 | 武豊 | 1:45.6 | 上り33.3 | — | |
| 8 | GI菊花賞 | 京都 芝3000 | 8人気 | 武豊 | 3:04.0 | 上り35.6 | 映像 | |
| 5 | GII神戸新聞杯 | 阪神 芝2400 | 4人気 | 武豊 | 2:29.3 | 上り33.5 | 映像 | |
| 1 | ポプラS | 札幌 芝2000 | 1人気 | 浜中俊 | 2:01.5 | 上り34.0 | — | |
| 5 | GIIテレビ東京杯青葉賞 | 東京 芝2400 | 2人気 | 浜中俊 | 2:29.1 | 上り34.1 | — | |
| 4 | GII報知杯弥生賞 | 中山 芝2000 | 4人気 | 浜中俊 | 2:01.1 | 上り34.0 | — | |
| 3 | OP若駒S | 京都 芝2000 | 2人気 | 浜中俊 | 2:01.7 | 上り34.3 | — | |
| 8 | GIIIラジオNIKKEI杯 | 阪神 芝2000 | 1人気 | 浜中俊 | 2:02.8 | 上り35.6 | — | |
| 1 | OP萩S | 京都 芝1800 | 2人気 | 浜中俊 | 1:49.3 | 上り33.6 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 阪神 芝1800 | 2人気 | 浜中俊 | 1:50.3 | 上り34.0 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父マンハッタンカフェManhattan Cafe | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| サトルチェンジSubtle Change | Law Society | |
| Santa Luciana | ||
| 母ラグジャリーLuxury | Storm Cat | Storm Bird |
| Terlingua | ||
| Alleged Devotion | Alleged | |
| Morning Devotion |
旅程 — この馬の物語
2008年生まれの青鹿毛の牡馬。父マンハッタンカフェ、母ラグジャリー。主な勝ち鞍は産経大阪杯。
四月二日、静内
2008年4月2日、北海道・静内(現在の新ひだか町)の矢野牧場で、青鹿毛の牡馬が生まれた。 父はマンハッタンカフェ。2001年の菊花賞と有馬記念、翌年の天皇賞(春)を勝った長距離の王である。母は米国産のラグジャリー。父にストームキャット、母の父にアレッジドを持ちながら、自身は一度も競馬場に立っていない。アレッジドは1970年代のヨーロッパで凱旋門賞を連覇した馬で、この配合では四代前と三代前にその名が重なる。父から受け取るはずのものは持久力、母から受け取るはずのものは速度。どちらに転ぶかは、走らせてみるまで分からない。 翌2009年、北海道セレクションセールに一歳馬として上場され、1260万円で落札された。買ったのは国本哲秀。神奈川県大磯町に住むこの馬主は、湘南の地名から取った冠名「ショウナン」に続く語を、1993年産の馬からすべて母音の「あ」で始まる単語にすると決めている。マ、で始まる語が選ばれた。マイティ。勝負服は赤に白一本輪、白袖。 預けられたのは栗東の梅田智之厩舎。父も調教師だった梅田は、自身は騎手を断念して厩務員から出発し、2007年に開業したばかりだった。重賞はまだ一つも勝っていない。 デビュー前の追い切りに、二十一歳の騎手が跨った。浜中俊。前年の菊花賞をスリーロールスで勝ち、GIタイトルを一つ持っていた若手である。初めてその背中に乗ったとき、彼はこれはすごい、と思った。十四年後になってもまだ、その感触を言葉にすることになる。 2010年7月11日、小雨の阪神、芝1800メートルの新馬戦。十六頭立ての二番人気。八番手から直線で上がり三ハロン34秒0を使い、ローザディアマントを半馬身差し切った。三か月後、京都の萩ステークスも同じ勝ち方だった。差して、二連勝。クラシックを意識するには十分な二戦だった。
クビと、アタマと、〇秒一
年末のラジオNIKKEI杯2歳ステークスは一番人気で八着。勝ったのはダノンバラードだった。 年が明け、若駒ステークス三着。勝ち馬リベルタスとの差は〇秒〇――つまり同タイムである。3月の弥生賞は四着。一着サダムパテックから〇秒一、三着デボネアからはクビ。4月30日の青葉賞は五着。勝ったウインバリアシオンから〇秒三、四着ギュスターヴクライからはアタマ。 その青葉賞で二着に入り、東京優駿への扉を開けたのはショウナンパルフェだった。赤に白一本輪、白袖。同じ勝負服である。 クビ、アタマ、〇秒一。この馬の生涯を測ることになる単位は、三歳の春にはもう出そろっていた。春のクラシックの出馬表に、その名が載ることはなかった。
別の鞍上、別のゲート
8月20日、札幌のポプラステークス。一六〇〇万下の一番人気に応えて、浜中の手綱で勝ち上がった。秋のクラシック戦線へ、自力で戻ってきた。 その秋、鞍上が武豊に替わる。9月の神戸新聞杯は五着、10月の菊花賞は八着。どちらの前にもオルフェーヴルがいた。三冠が完成したその日の京都で、浜中俊はダノンミルに乗って同じ十八頭のゲートに入り、十六着に終わっている。 12月3日、阪神の鳴尾記念。十三頭の十二番手から追い込んで、レッドデイヴィスにクビ差の二着。年が明けて3月の大阪城ステークスも、九頭の最後方から伸びて、ミッキーパンプキンにハナ差の二着。浜中はこの日、ゴールスキーで五着だった。 またクビ、またハナ。四歳になっても、単位は変わらなかった。
十二番手から
2012年4月1日、阪神。曇り、芝は稍重。第五十六回産経大阪杯。 鞍上に浜中俊が戻った。十二頭立ての六番人気。逃げたのはトーセンジョーダンである。ショウナンマイティは道中ずっと十一番手にいて、四コーナーでは十二番手――つまり最後方まで下げていた。 直線、大外へ持ち出した。トーセンジョーダンを、フェデラリストを、まとめて呑み込んだ。上がり三ハロン34秒3はメンバー中最速。二着フェデラリストに一馬身四分の一の差をつけて、先頭でゴール板を通過した。 重賞初制覇。そして梅田智之にとっても、開業六年目にして初めての重賞だった。騎手を断念した男が、厩務員から出発して十七年後に手にした一勝である。
三十二秒台の男
6月2日の鳴尾記念は一番人気で二着。トゥザグローリーに半馬身届かなかった。ただし上がり三ハロンは32秒9。メンバー中、これに並ぶ数字はなかった。 二週間あまりのち、宝塚記念を前にしたスポーツ紙の見出しに「32秒台の男」が躍る。 担当厩務員の熊沢吉末は、1997年の菊花賞馬マチカネフクキタルを預かった腕利きである。かつてこの馬は噛みつきに来るようなやんちゃさがあり、覆面をかぶせていた。だがこの中間、それを外した。あってもなくても同じになった、というのが理由だった。「進化している。2、3歳時は精神面で若さがあったが、いつかG1を勝てる馬だと思っていた」[^1] 6月24日、宝塚記念。十六頭立ての六番人気。三コーナーでは十六番手、またしても最後方である。そこから上がり35秒0で伸びて、オルフェーヴル、ルーラーシップに次ぐ三着に届いた。 この年、浜中俊は百三十一勝を挙げて全国リーディングジョッキーになる。二十四歳。武豊、福永洋一に次ぐ若さでの戴冠だった。ただしその一年、彼はGIを一つも勝っていない。二着すらなかった。グレード制の導入以降、当年のGIを勝たないままリーディングに立った騎手は、1988年の柴田政人以来、二十四年ぶり三人目である。 頂の一歩手前にいたのは、馬だけではなかった。
出典:スポーツニッポン「【宝塚記念】32秒台の男!!マイティ不気味」2012年6月19日配信、https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2012/06/19/kiji/K20120619003496100.html、閲覧日:2026年7月30日。
一分三十一秒五
宝塚記念のあと、長い休養に入った。七か月半ぶりの実戦は、五歳初戦の京都記念だった。 ここで浜中は、いつもと違う競馬をした。十番手から動き、三コーナーで先頭に立ったのだ。後ろから行く馬が、自分から前へ出た。直線、武豊のトーセンラーが差し、ベールドインパクトも差した。三着。勝ち馬との差は〇秒三。 3月31日、産経大阪杯。十四頭の十三番手から、メンバー最速の上がり32秒9。オルフェーヴルに半馬身届かず二着。 そして6月2日、東京。安田記念。一枠二番の内から出て、十八頭の十五番手まで下げた。直線の上がりは32秒8。これもメンバー中で最も速い。 前でロードカナロアが粘っていた。ショウナンマイティの三週間前に生まれた、同い年である。生涯十九戦のすべてを1600メートル以下で走ったこの馬にとって、この日が最も長い距離だった。 走破時計、一分三十一秒五。ショウナンマイティも、一分三十一秒五。着差はクビ。 厩務員がいつかGIを勝てる馬だと語ってから、ほぼ一年が経っていた。
向正面
秋の毎日王冠は一番人気で六着。馬体重は前走から十八キロ減っていた。年が明けて東京新聞杯十着――重馬場のこのレースを勝ったのは、四歳の宝塚記念で同じゲートに並んでいた同い年の牝馬、ホエールキャプチャである。4月の産経大阪杯は八頭立ての五着。勝ったのはキズナだった。 6月8日、小雨の東京。芝は不良。安田記念。十番人気、単勝37.1倍。鞍上は北村宏司に替わっていた。浜中俊はこの日、三歳のミッキーアイルで同じゲートに入り、先頭を引っ張って十六着に終わっている。 十七頭の十三番手から、四コーナーでは十五番手。上がりは37秒3までかかった。それでも泥の中を伸びて、ジャスタウェイ、グランプリボスに次ぐ三着に飛び込んだ。六歳だった。 これが、この馬の最後の完走になる。 十九か月、姿を消した。2016年1月24日、中山のアメリカジョッキークラブカップ。十一番人気、鞍上はコントレラス。向正面で故障を発症し、三コーナーで競走を中止した。診断は左前繋靱帯不全断裂。 2月12日、競走馬登録抹消。種牡馬となるべく北海道へ渡り、同月下旬に手術を受けた。だが静養の途上で世を去った。新しい生活は、始まる前に終わった。 父マンハッタンカフェは、その前年の8月に死んでいる。
頂点を目指す
2015年4月2日、矢野牧場で、母ラグジャリーがもう一頭の牡馬を産んだ。日付は、七年前の兄とまったく同じである。父はハーツクライ。名をゴーフォザサミットといった。頂点を目指す、という意味である。 2018年4月28日、東京、芝2400メートル。青葉賞。兄が五着に敗れ、東京優駿への道を閉ざされたそのレースを、弟は勝った。一か月後、十八頭のゲートに立ち、ワグネリアンの七着に走った。兄が一度も立てなかった場所である。 半姉スマートムービーの仔――つまり甥にあたるスマートアペックスは、2021年の東京ジャンプステークスを勝っている。馬名の意味は、冠名に「絶頂、極致」を足したものだという。 頂という言葉が、この一族を回っている。 2024年6月、浜中俊は新聞のコラムに書いた。デビュー前の追い切りで最初にこれはすごいと思った馬はショウナンマイティだ、と。「あれから14年が経過していますが、初めて乗った時の衝撃は、今でも記憶に残っています」[^1] 二十二戦四勝。GIは、勝てなかった。クビ、ハナ、アタマ、半馬身――この馬が最後まで詰め切れなかった距離は、いつもその程度のものだった。 それでも、十六戦をともに走った騎手が、十四年経ってもまだ、初めて跨がった日の感触を書いている。速さというものは、勝敗表の外側にも残るものらしい。
出典:中日スポーツ「【浜中俊コラム】ショウナンマイティとの衝撃の出会い…残念ながらGⅠは勝てなかったが今でも記憶に」2024年6月16日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/913881、閲覧日:2026年7月30日。
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