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ロマンチックウォリアー
通算成績31戦24勝
獲得賞金(海外含む・概算)約51億円
生年 2018(平成30年)毛色 鹿毛性 セン
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | GIチャンピオンズ&チャターC | 沙田 芝2400 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:26.6 | — | |
| 1 | GIクイーンエリザベス2世カップ | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:00.6 | 映像 | |
| 1 | GI香港ゴールドC | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 1:59.7 | — | |
| 1 | GI香港スチュワーズC | 沙田 芝1600 | 1人気 | J.マクドナルド | 1:32.6 | — | |
| 1 | GI香港カップ | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:02.2 | 映像 | |
| 1 | GIIジョッキークラブC | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:03.7 | — | |
| 2 | GIドバイターフ | メイダン 芝1800 | 1人気 | J.マクドナルド | 1:45.8 | 映像 | |
| 2 | GIサウジカップ | KAA ダ1800 | 2人気 | J.マクドナルド | 1:49.1 | — | |
| 1 | GIジェベルハッタ | メイダン 芝1800 | 1人気 | J.マクドナルド | 1:45.1 | — | |
| 1 | GI香港カップ | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:00.5 | 映像 | |
| 1 | GIIジョッキークラブC | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 1:59.7 | — | |
| 1 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 1人気 | J.マクドナルド | 1:32.3 | 映像 | |
| 1 | GIクイーンエリザベス2世カップ | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:01.0 | 映像 | |
| 1 | GI香港ゴールドC | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:00.3 | — | |
| 1 | GI香港カップ | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:02.0 | 映像 | |
| 1 | GIコックスプレート | ムーニーバレー 芝2040 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:03.1 | 映像 | |
| 4 | GIターンブルS | フレミントン 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:02.2 | — | |
| 2 | GIチャンピオンズ&チャターC | 沙田 芝2400 | 1人気 | Z.パートン | 2:26.9 | — | |
| 1 | GIクイーンエリザベス2世カップ | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 2:01.9 | — | |
| 2 | GI香港ゴールドC | 沙田 芝2000 | 1人気 | K.ティータン | 2:00.0 | — | |
| 2 | GI香港スチュワーズC | 沙田 芝1600 | 1人気 | K.ティータン | 1:34.1 | — | |
| 1 | GI香港カップ | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 1:59.7 | 映像 | |
| 1 | GIIジョッキークラブC | 沙田 芝2000 | 1人気 | J.マクドナルド | 1:59.2 | — | |
| 1 | GIクイーンエリザベス2世カップ | 沙田 芝2000 | 1人気 | K.ティータン | 2:00.1 | 映像 | |
| 1 | 香港ダービー | 沙田 芝2000 | 2人気 | K.ティータン | 2:00.2 | — | |
| 4 | 香港クラシックカップ | 沙田 芝1800 | 2人気 | K.ティータン | 1:47.3 | — | |
| 1 | 香港クラシックマイル | 沙田 芝1600 | 3人気 | K.ティータン | 1:33.8 | — | |
| 1 | ハンデ戦 | 沙田 芝1400 | 1人気 | J.モレイラ | 1:21.3 | — | |
| 1 | ハンデ戦 | 沙田 芝1200 | 1人気 | J.モレイラ | 1:09.0 | — | |
| 1 | ハンデ戦 | ハッピーバレー 芝1200 | 1人気 | J.モレイラ | 1:09.4 | — | |
| 1 | ハンデ戦 | ハッピーバレー 芝1200 | 2人気 | J.モレイラ | 1:09.4 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父Acclamation |
| 母Folk Melody |
旅程 — この馬の物語
2018年生まれの鹿毛のせん馬。父Acclamation、母Folk Melody。香港調教馬。香港カップ3勝・クイーンエリザベス2世カップ4連覇・コックスプレートを制し、2024年には安田記念を勝った国際的名馬。
アイルランドの当歳、香港へ ― 名と血
2018年3月18日、アイルランドのコーダフ・スタッドで一頭の鹿毛の牡駒が生まれた。父アクラメーションは短距離とマイルの快速馬を数多く送る種牡馬、母フォークメロディはリステッド競走を勝った牝馬で、その父はドバイワールドカップ馬ストリートクライ。血が売りにするのは、まずスピードだった。 この当歳はやがてタタソールズの1歳市場で30万ギニーの値がつき、海を渡って香港国際競売にかけられる。そこで名手マイケル・キネーンが見立て、実業家ピーター・ラウが香港ドルで480万を投じて競り落とした。薦めたのは、香港で長く鞭を執りながら大物に恵まれずにいた調教師ダニー・シャム(沈集成)である。去勢され、種を残す道を絶たれた一頭に、シャムは自らの悲願を託した。中国語の名は浪漫勇士――ロマンチックウォリアー。 2021年10月20日、ハッピーバレーの芝1200m、下級条件のハンデ戦。鞍上はジョアン・モレイラ。まだ何者でもない一頭が、香港競馬の梯子のいちばん下から、静かに走り出した。
梯子を駆け上がる ― モレイラとティータン
モレイラを背に、馬は勝ち続けた。ハッピーバレーの1200mを二度、沙田の1200m、そして1400m――四戦四勝。香港のクラス制の階段を、休みなく上へ上へと駆け上がっていく。 年が明けてモレイラが香港を去ると、手綱はカリス・ティータンへ渡った。香港クラシックマイルを制し、四歳シリーズの主役に躍り出る。もっとも、続くクラシックカップでは4着に沈んだ。まだ隙のある若駒だった。 真価は2022年3月20日、香港ダービーで示される。距離は2000m。相手は三度相まみえたカリフォルニアスパングル。叩き合いをクビ差で制し、シャムは念願のダービー制覇を、ティータンとともに掴んだ。さらに4月、クイーンエリザベス2世カップで海外勢を相手にトゥールビヨンダイヤモンドを2馬身退け、初のG1を手にする。梯子の底からおよそ一年半、馬はもう香港の頂に立っていた。
マクドナルドと出会う
2022年秋、新しい相棒が現れた。オーストラリアの名手ジェームズ・マクドナルド。ジョッキークラブカップで初めて手綱を取ると、危なげなく勝ち切る。暮れの香港カップでは、日本から遠征したダノンザキッドを4馬身半突き放し、2000mのビッグレースを完勝した。 しかし2023年の春は、影を差した。香港スチュワーズカップ、香港ゴールドカップと、1番人気に推されながら連続の2着。頂に立った馬にも、勝てない日はある。それでもクイーンエリザベス2世カップに戻ると、マクドナルドを背に二連覇を果たした。続くチャンピオンズ&チャターカップは2着。勝ちと負けを織り交ぜながら、馬と騎手は互いの呼吸を覚えていった。
コックスプレート ― 海を越えた証明
香港の王が、次に狙ったのは豪州の秋だった。始動戦のターンブルステークスは4着に敗れ、不安を残したまま本番を迎える。 2023年10月28日、ムーニーバレーのコックスプレート。7番枠から中団を進み、4番手で最後の急坂へ向かった。直線、逃げ込みを図るミスターブライトサイドに馬体を並べ、ゴール寸前で首だけ前に出る。3着はアリゲイターブラッド。香港調教馬がこの歴史あるレースを勝ったのは、初めてのことだった。マクドナルドは、負けたと思った、信じられない、と勝利の実感を繰り返した。アイルランド生まれの一頭は、南半球の芝でも世界に通用することを、自らの走りで証してみせた。
東京の一マイル ― 安田記念
暮れの香港カップは、この馬の勝負根性が剥き出しになった一戦だった。ルクセンブルクとの叩き合いをハナ差でしのぎ、二年連続の戴冠。マクドナルドは、これほど勝ちたがる馬に乗ったことはないと舌を巻いた。 2024年、香港ゴールドカップ、クイーンエリザベス2世カップ(三勝目)と危なげなく勝ち進むと、矛先を初めて日本へ向ける。6月2日、東京・芝1600m、安田記念。1番人気に応え、ナミュールを半馬身抑えて優勝。G1は五連勝となった。香港調教馬の安田記念制覇は18年ぶり、東京で外国調教馬が勝つのは2006年のブリッシュラック以来のことだった。 シャムは、ジェームズはこの馬を愛し、この馬もまたジェームズを慕っている、だから安心して見ていられたと語った。海を渡った浪漫勇士は、日本の初夏の府中でも、いちばん強い一頭だった。
世界を巡る ― 砂と遠征の壁
2024年暮れ、香港カップをリバティアイランドに1馬身半差をつけて制し、三年連続の制覇。年が明けると、馬は中東へ長い遠征に出た。 メイダンのジェベルハッタを4馬身半の圧勝で飾ると、2月のサウジカップでは初めてダートに挑む。芝で世界を制した馬が、砂の頂へ。フォーエヴァーヤングとの死闘をアタマ差で競り負け、2着。4月のドバイターフでもソウルラッシュにハナ差及ばず、こちらも2着に泣いた。世界の強豪と分けても劣らぬ走りを見せながら、それでも砂と長距離輸送の壁は、この馬にも容赦なく立ちはだかった。
三冠、そして走り続ける ― 種を持たぬ王
香港へ帰った馬は、さらに強さを増していた。2025年暮れの香港カップを四たび制し、翌2026年、ついに香港三冠へ挑む。1月のスチュワーズカップ、3月のゴールドカップ、5月のチャンピオンズ&チャターカップ――距離の異なる三つのG1を勝ち切り、史上三頭目の香港三冠馬となった。間にはクイーンエリザベス2世カップの四勝目もあった。G1勝利は積み上げて十五、香港調教馬の史上最多を更新し、獲得賞金はゴールデンシックスティを抜いて世界一に達した。 セン馬である浪漫勇士は、どれほど勝っても血を後世へ残せない。だが競馬において、この馬が遺すのは血ではない――走った記録そのものだ。アイルランドで売られ、香港に買われた一頭を、シャムは幾星霜の末にようやく手にした世界の王へと育て上げた。 引退の話は、まだ聞こえてこない。梯子のいちばん下から駆け上がった鹿毛は、いまも沙田の芝を蹴って走っている。
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