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レーヌミノル
通算成績20戦3勝
獲得賞金2億3,009万円
生年月日 2014.04.24(平成26年)毛色 栗毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 11 | GIII京都牝馬S | 京都 芝1400 | 12人気 | 松田大作 | 1:22.1 | 上り35.4 | 映像 | |
| 13 | GII阪神カップ | 阪神 芝1400 | 14人気 | 和田竜二 | 1:22.9 | 上り36.5 | 映像 | |
| 18 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 15人気 | 四位洋文 | 1:34.6 | 上り34.8 | 映像 | |
| 7 | GII毎日放送賞スワンS | 京都 芝1400 | 3人気 | 和田竜二 | 1:22.2 | 上り36.2 | 映像 | |
| 12 | GI安田記念 | 東京 芝1600 | 15人気 | 和田竜二 | 1:32.5 | 上り35.3 | 映像 | |
| 10 | GIヴィクトリアマイル | 東京 芝1600 | 9人気 | 和田竜二 | 1:33.1 | 上り34.5 | 映像 | |
| 7 | GI高松宮記念 | 中京 芝1200 | 7人気 | 和田竜二 | 1:08.8 | 上り34.6 | 映像 | |
| 6 | GIII夕刊フジオーシャンS | 中山 芝1200 | 3人気 | 和田竜二 | 1:08.4 | 上り34.7 | 映像 | |
| 7 | GII阪神カップ | 阪神 芝1400 | 4人気 | 和田竜二 | 1:20.1 | 上り34.4 | 映像 | |
| 4 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 10人気 | 和田竜二 | 1:34.0 | 上り35.0 | 映像 | |
| 14 | GI秋華賞 | 京都 芝2000 | 10人気 | 池添謙一 | 2:02.8 | 上り38.8 | 映像 | |
| 9 | GII関西TVローズS | 阪神 芝1800 | 4人気 | 池添謙一 | 1:46.3 | 上り34.9 | 映像 | |
| 13 | GI優駿牝馬 | 東京 芝2400 | 4人気 | 池添謙一 | 2:26.2 | 上り35.8 | 映像 | |
| 1 | GI桜花賞 | 阪神 芝1600 | 8人気 | 池添謙一 | 1:34.5 | 上り35.4 | 映像 | |
| 2 | GIIフィリーズレビュー | 阪神 芝1400 | 1人気 | 浜中俊 | 1:21.1 | 上り35.0 | 映像 | |
| 4 | GIIIデイリー杯クイーンカップ | 東京 芝1600 | 3人気 | 浜中俊 | 1:33.7 | 上り34.6 | 映像 | |
| 3 | GI阪神ジュベナイルフィリーズ | 阪神 芝1600 | 3人気 | 蛯名正義 | 1:34.5 | 上り35.2 | 映像 | |
| 2 | GII京王杯2歳S | 東京 芝1400 | 1人気 | 浜中俊 | 1:22.0 | 上り34.2 | — | |
| 1 | GIII小倉2歳S | 小倉 芝1200 | 1人気 | 浜中俊 | 1:08.0 | 上り34.6 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 小倉 芝1200 | 1人気 | 浜中俊 | 1:09.3 | 上り35.4 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ダイワメジャーDaiwa Major | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| スカーレットブーケ | ノーザンテーストNorthern Taste | |
| スカーレットインクScarlet Ink | ||
| 母ダイワエンジェル | タイキシャトルTaiki Shuttle | Devil's Bag |
| ウェルシュマフィンWelsh Muffin | ||
| プリンセススキー | ロイヤルスキー | |
| ギフトプリンセス |
旅程 — この馬の物語
2014年生まれの栗毛の牝馬。父ダイワメジャー、母ダイワエンジェル。主な勝ち鞍は桜花賞・小倉2歳S。
静内御園の三代 ― 女王と名づけられて
2014年4月24日、北海道日高郡新ひだか町静内御園。フジワラファームで栗毛の牝馬が生まれた。父はダイワメジャー、母はダイワエンジェル、母の父はタイキシャトル。父の父サンデーサイレンスと、母の父タイキシャトルの父デヴィルズバッグは、どちらも父をHaloという。三代目と四代目で同じ名の重なる配合だった。 母ダイワエンジェルも、2000年に同じ牧場で生まれている。大和商事の所有で美浦の増沢末夫厩舎に入り、2003年に四度走って勝てなかった。最後の一戦は、新潟のダートで競走を中止して終わっている。 その母、つまりこの栗毛の祖母にあたるプリンセススキーは1985年、牧場の創業者・藤原昭三の生産馬として世に出た。1987年12月13日、阪神の芝1600mでラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークスを勝っている。単勝46.0倍、10番人気だった。 ダイワエンジェルには2010年から五年続けてダイワメジャーが配された。ダイワストリーム、ダイワブレス、ダイワプロパー、サトノマイヒメ。四頭の全姉は、いずれも重賞に手が届かなかった。五頭目が、この馬である。 馬主は吉岡實。与えられた名はレーヌミノル――レーヌはフランス語で女王、ミノルは吉岡の冠名である。同じ馬主とフジワラファームの組み合わせからは、函館2歳ステークスとセントウルステークスを勝ったアクティブミノルが出ており、一つ上の世代には、のちに愛知杯を勝つエテルナミノルがいた。 預けられたのは栗東の本田優厩舎。本田は騎手として2001年の桜花賞をテイエムオーシャンで、2006年の優駿牝馬と秋華賞をカワカミプリンセスで勝った男である。2007年2月に鞭を置き、その年の6月に自分の厩舎を開いていた。
小倉の夏 ― 六馬身
2016年8月7日、小倉の芝1200m、2歳新馬。鞍上は浜中俊。単勝1.8倍の1番人気に応え、三番手から抜け出して、和田竜二のメイショウルーシーに1馬身3/4の差をつけた。 二戦目がもう重賞だった。9月4日、同じ小倉の同じ1200m、小倉2歳ステークス。二番手を進み、四コーナーで早くも先頭に立つと、直線ではひとりになっていた。2着ダイイチターミナルとの差は6馬身。1分8秒0。デビューから一か月で重賞馬になった。 11月5日、東京の京王杯2歳ステークス。1番人気。二番手から粘ったが、後方から差してきたルメールのモンドキャンノに半馬身かわされて2着。 12月11日、阪神ジュベナイルフィリーズ。蛯名正義に手綱が渡り、3番人気。五番手あたりから追ったが、前にいたソウルスターリングを捉えられず、外から伸びてきたリスグラシューにも交わされて3着に終わった。勝ったソウルスターリングはこれで三戦三勝、二歳女王である。 一着ソウルスターリング、二着リスグラシュー、三着レーヌミノル。この並びは、覚えておいてよい。
三月の失点、そして乗り替わり
2017年2月11日、東京のクイーンカップ。3番人気。浜中は先手を取り、逃げの形に持ち込んだ。直線で粘ったが、残り100mで脚が上がって4着。 3月12日、阪神のフィリーズレビュー。単勝1.8倍の圧倒的な1番人気だった。中団やや前から四コーナーで先頭に立つ際、内へ切れ込むように進路を取り、ジューヌエコールらの進路が狭くなった。レースは外から差してきたカラクレナイに交わされて2着。審議にはならなかったが、鞍上の浜中には開催八日間の騎乗停止処分が科された。桜花賞への優先出走権だけが、手元に残った。 二戦続けてゴール前で甘くなった。マイルは持たない、この馬は短距離馬だという声が強まる。だが厩舎はそう見ていなかった。本田も、担当の中井仁調教助手も、マイルは持つと信じていた。 本番を前に、本田は乗り替わりを決断する。呼んだのは池添謙一だった。レースで跨るのは、この日が初めてになる。本田が池添に告げたのは、「お前に任せる」[^1]の一言だけだったという。
出典:スポーツニッポン(スポニチアネックス)「【桜花賞】テン乗り池添大殊勲!8番人気レーヌミノルG1初制覇」2017年4月10日配信、https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2017/04/10/kiji/20170409s00004145508000c.html、閲覧日:2026年7月26日。
四月九日 ― 稍重の阪神、十七頭
2017年4月9日、阪神競馬場、芝1600m、馬場は稍重。第77回桜花賞。 1番人気は四戦四勝の二歳女王ソウルスターリング、単勝1.4倍。レーヌミノルは40.8倍の8番人気だった。前年暮れの阪神ジュベナイルフィリーズから四戦、勝ち鞍がない。十八頭が登録され、サロニカが発走前に出走を取り消して十七頭立てになった。その鞍上に予定されていたのが、前走まで手綱を取っていた浜中である。 いつも通りゲートを決めて前へ行った。逃げたのは和田竜二のカワキタエンカ。レーヌミノルは折り合って四番手につけ、四コーナーもその位置で回った。 残り200m、前を行く三頭を捉えて先頭に立つ。内からソウルスターリングが差を詰め、外からリスグラシューが追い込んでくる。坂を上がりきって、二頭とも凌いだ。1分34秒5。リスグラシューに半馬身、ソウルスターリングにはさらにクビ差。単勝は4080円ついた。暮れの阪神ジュベナイルフィリーズと、一着と三着だけが入れ替わっていた。 池添にとっては15年ぶりの桜花賞だった。2002年、13番人気のアローキャリーで勝ったこのレースが、自身のGI初勝利である。そして前年の桜花賞では、シンハライトでジュエラーにハナ差、池添自身が二センチと呼ぶ差で、届かなかった。 本田にとっては開業十年目、調教師として初めてのGIだった。騎手としても2001年にこのレースを勝っている。騎手と調教師の双方で桜花賞を制したのは、史上四人目だった。検量室の前で、担当の中井助手が泣いていた。 「正直、新馬を勝った時から桜花賞が目標だった」[^1] 小倉でデビューした馬が桜花賞を勝つのは、1943年のミスセフト以来、七十四年ぶりのことだったという。夏の小倉で六馬身ちぎった二歳馬が、翌春、同じ阪神のマイルで桜の女王になった。
出典:スポーツニッポン(スポニチアネックス)「【桜花賞】テン乗り池添大殊勲!8番人気レーヌミノルG1初制覇」2017年4月10日配信、https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2017/04/10/kiji/20170409s00004145508000c.html、閲覧日:2026年7月26日。
桜のあと
次走は割れた。レース直後の報道ではNHKマイルカップが本線とされ、池添も、意見を聞かれればマイルを薦めるかもしれないと本音を漏らしていた。4月15日、陣営が選んだのは優駿牝馬だった。 5月21日、東京の芝2400m。桜花賞馬ながら4番人気。中団やや前の外を進み、最終コーナーでポジションを上げたが、直線で止まった。勝ったのはソウルスターリング。2秒1離された13着だった。 秋はローズステークス9着、重馬場の秋華賞は14着で、勝ったのはディアドラ。11月19日のマイルチャンピオンシップから、手綱は和田竜二に渡る。10番人気で4着。桜花賞のあと、彼女が掲示板に載ったのはこの一度きりだった。 四歳になると距離を詰めた。オーシャンステークス6着、高松宮記念7着、ヴィクトリアマイル10着、安田記念12着。秋はスワンステークス7着、マイルチャンピオンシップ18着、暮れの阪神カップ13着。 2019年2月16日、京都牝馬ステークス。松田大作を背に12番人気の11着。これが最後の一戦になった。2月20日、競走馬登録が抹消される。20戦3勝、獲得賞金2億3009万1000円。勝ったのは新馬戦と小倉2歳ステークスと、桜花賞である。
御園へ還る
生まれた牧場へ帰った。新ひだか町静内御園、フジワラファーム。繁殖牝馬としての時間が始まる。 2020年3月20日、初仔が生まれた。父リオンディーズの牝馬で、コットンキャンディと名づけられた。翌年にブリックスアンドモルタルの牡馬グローリアミノル、2022年にエピファネイアの牝馬エンジェルブリーズ、2023年にサートゥルナーリアの牡馬テンユウ。2025年にはイクイノックスの牡馬を産んでいる。 そのコットンキャンディは競馬場に立たないまま繁殖に上がり、2024年に自身の初仔を産んだ。レーヌミノルは、祖母になった。 祖母プリンセススキーが阪神の芝1600mで重賞を勝ったのが1987年、孫が同じ阪神の芝1600mで桜花賞を勝ったのが2017年。三十年が空いた。どちらも、下馬評の外から勝っている。三代とも、この牧場で生まれた馬である。 二十回ゲートに入って、勝ったのは三度。そのうちの一日、稍重の阪神で、女王という名は現実になった。牧場は、いまも御園にある。
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