名馬の記憶を、
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年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

この世代(生まれ年)

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レッドラディエンスのイメージビジュアル
レッドラディエンスRed Radiance
Red Radiance

レッドラディエンス

通算成績13戦5勝

獲得賞金13,845万円

生年月日 2019.04.20(令和元年)毛色 黒鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
レッドラディエンスの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
5 GIII新潟記念 新潟 芝2000 2人気 戸崎圭太 1:58.3 上り33.4映像
1 GIII七夕賞 福島 芝2000 2人気 戸崎圭太 1:57.9 上り34.9映像
2 LメトロポリタンS 東京 芝2400 2人気 戸崎圭太 2:23.7 上り34.0
1 コパノリッキーC 東京 芝2000 2人気 戸崎圭太 2:01.8 上り33.1
2 日本海S 新潟 芝2200 4人気 石川裕紀人 2:11.5 上り35.3
2 関ケ原S 中京 芝2000 1人気 川田将雅 2:01.5 上り33.5
1 鴨川特別 京都 芝2000 1人気 川田将雅 1:58.8 上り33.7
2 蓬莱峡特別 阪神 芝1800 3人気 吉田隼人 1:47.3 上り34.1
2 猪苗代特別 福島 芝2000 1人気 戸崎圭太 2:01.9 上り35.0
1 ベゴニア賞 東京 芝1600 4人気 R.ムーア 1:34.7 上り34.3
3 百日草特別 東京 芝2000 1人気 C.ルメール 2:02.8 上り33.5
1 2歳未勝利 札幌 芝1800 1人気 C.ルメール 1:49.4 上り35.5
6 2歳新馬 函館 芝1800 1人気 C.ルメール 1:53.2 上り35.7

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
レッドラディエンスの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
ディープインパクトDeep ImpactサンデーサイレンスSunday SilenceHalo
Wishing Well
ウインドインハーヘアWind in Her HairAlzao
Burghclere
ペルフォルマーダPerformadaJump StartA.P. Indy
Steady Cat
PerversaFitzcarraldo
Peanut
STORY

旅程 — この馬の物語

2019年生まれの黒鹿毛の牡馬。父ディープインパクト、母ペルフォルマーダ。主な勝ち鞍は七夕賞。

最後の世代 ― 名前と血

2019年4月20日、北海道白老町の社台牧場に、黒鹿毛の牡馬が生まれた。父ディープインパクト、母ペルフォルマーダ。父はこの仔が生まれた三か月後、2019年7月に世を去る。無敗の三冠を駆け抜けた大種牡馬が最後に遺した世代の一頭として、この黒鹿毛は残された。母ペルフォルマーダはアルゼンチン生まれの牝馬で、現地の牝馬クラシック・亜オークス(GI)で三着に入った実力馬。南米の血を母に、日本近代競馬の結晶を父に――紛れもない良血である。馬主の東京ホースレーシングが冠する「レッド」に、光輝・きらめきを意味する名を継いで、レッドラディエンスと名づけられた。 2021年8月、函館の芝1800mでデビュー。単勝1.5倍の圧倒的1番人気に推されながら、直線で伸びを欠いて6着に沈む。父の名を負う良血の、いきなりの蹉跌だった。だが連闘で臨んだ一週間後の札幌未勝利戦では、後方から鋭く抜け出して2馬身差の快勝。デビュー2戦目で、ようやく最初の白星をつかんだ。鞍上はいずれもルメール。秋には百日草特別で3着に敗れたのち、ベゴニア賞をムーアの手綱でクビ差に制し、2歳のうちに2勝目を挙げた。素質は本物に見えた。

二度の休養、そして戸崎 ― 条件戦の日々

順調とはいかなかった。3歳を迎えると、長い休養に入る。その休養中、管理していた藤沢和雄が定年で調教師を退き、厩舎は解散。レッドラディエンスは美浦から栗東の友道康夫厩舎へと移った。復帰は2022年7月、福島の猪苗代特別。鞍上に戸崎圭太を迎え、1番人気に応えようとするも、マイネルマーティンにわずかに及ばず2着。惜敗を残して、馬は再び長い休みに入る。 戦列に戻ったのは2023年春だった。蓬莱峡特別2着、続く鴨川特別を川田将雅の手綱で制して3勝目。だが3勝クラスに上がると、関ケ原ステークス2着、日本海ステークス2着と、あと一歩が足りない。とりわけ日本海ステークスで先着を許したドゥレッツァは、二か月後に菊花賞を制することになる。相手が悪かったとも言えるが、勝ち切れないまま4歳シーズンは暮れていった。脚はある。決め手もある。ただ、最後の詰めだけが、いつも足りなかった。

遅れてきた栄光 ― 七夕賞

5歳。2024年2月、東京のコパノリッキーカップで始動すると、今度はスタートから先手を取り、そのまま押し切って4勝目。ようやくオープンの舞台に立った。鞍上は再び戸崎圭太。5月のメトロポリタンステークスはバトルボーンの逃げ切りを許して2着だったが、脚元は確かだった。 そして7月7日、福島の七夕賞。重賞初挑戦だった。道中は後方でじっと脚を溜め、直線で外に持ち出すと、堰を切ったように伸びる。先頭に立ち、追いすがるキングズパレスを2馬身突き放してゴール。デビューから三年、二度の長期休養を越えて、レッドラディエンスはついに重賞のタイトルを手にした。鞍上は戸崎圭太――二年前の猪苗代特別で惜敗を喫した、あの日の男だった。近づいては届かなかった頂に、今度は文句のつけようのない二馬身差で立った。

屈腱炎、そして次の馬生へ

重賞連勝を狙った9月の新潟記念は、2番人気に支持されながら直線で伸びを欠いて5着。それでも陣営は歩みを止めず、暮れのチャレンジカップに向けて調整を進めていた。だが11月、左前脚に浅屈腱炎が判明する。屈腱炎は競走馬にとって重い故障で、無理は利かない。12月、現役引退が発表され、レッドラディエンスは乗馬として第二の馬生へ送り出されることになった。通算13戦5勝、獲得賞金は1億3845万円。 派手なクラシックとは無縁だった。長い休養に二度も阻まれ、いつも「あと一歩」の場所にいた馬が、五歳の夏に一度だけ、はっきりと先頭でゴール板を駆け抜けた。父ディープインパクトが遺した最後の世代の一頭は、七夕の夜に短い光を放って、静かにターフを去った。これからは人を背に、別の速さで走っていく。

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