名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

この世代(生まれ年)

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パイロマンサーのイメージビジュアル
パイロマンサーPyromancer
Pyromancer

パイロマンサー

通算成績4戦3勝

獲得賞金7,661万円

生年月日 2023.03.15(令和5年)毛色 黒鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
パイロマンサーの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
3 GIIUAEダービー メイダン ダ1900 1人気 J.ドイ 映像
1 JpnⅠ全日本2歳優駿 川崎 ダ1600 2人気 岩田望来 1:44.2 上り39.6映像
1 もちの木賞 京都 ダ1800 1人気 岩田望来 1:51.6 上り36.9
1 2歳新馬 京都 ダ1800 2人気 横山武史 1:51.8 上り37.3

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
パイロマンサーの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
パイロPyroPulpitA.P. Indy
Preach
Wild VisionWild Again
Carol's Wonder
セントリフュージHard SpunDanzig
Turkish Tryst
トリプルピルエットサンデーサイレンスSunday Silence
シャターSha Tha
STORY

旅程 — この馬の物語

2023年生まれの黒鹿毛の牡馬。父パイロ、母セントリフュージ。

火を占う者 ― 名前の由来

パイロマンサーとは、火をつかって未来を占う者のことをいう。その名は、炎を意味する父パイロの名から連想された。2023年3月15日、一頭の黒鹿毛の牡馬が生を受けたとき、名にはすでに火が宿っていた。 生産はダーレー・ジャパン・ファーム、まとうのはゴドルフィンの青。ドバイに本拠を置く世界規模の一族が、日本の地で育てた馬である。父パイロはアメリカでA.P.インディの流れを汲み、遠心力を名に負う母セントリフュージの下には、母母父としてサンデーサイレンスが控える。血の遠い源をたどれば、1966年に英オークスと愛1000ギニーを制した名牝ヴァロリスにまで行き着く。ヨーロッパのクラシックの根が、砂を駆ける黒鹿毛の底に、静かに眠っていた。

無傷 ― 三連勝の火種

火が最初にともったのは、2025年10月5日、京都のダート1800メートルだった。新馬戦の鞍上は横山武史。直線でジャスティンダラスに迫られながらも、2馬身の差をつけて危なげなく勝ち上がる。 続く11月2日、同じ京都のダート1800、もちの木賞。ここから手綱は岩田望来に渡った。父は名手・岩田康誠、その息子は2019年のデビューから36戦目でようやく初勝利をつかんだ苦労人である。直線で末脚を伸ばし、ゴール直前できっちり前を交わし切る。展開を読み切った騎乗で、無傷の二連勝。火種は、着実に大きくなっていった。

川崎の砂、二歳の頂 ― 全日本2歳優駿

2025年12月17日、川崎競馬場のダート1600メートル。二歳ダートの日本一を決める全日本2歳優駿、JpnⅠ。2番人気に推されたパイロマンサーは、岩田望来を背に、名にふさわしい走りを見せた。 ベストグリーンとの激しい叩き合いを制して先頭に立つと、外から追い込むタマモフリージアをクビ差だけ抑え込む。勝ちタイム1分44秒2、上がり39秒6。無傷の三連勝で、二歳ダートの頂点に立った。火を占う者は、名の通りの炎を、川崎の夜に燃え上がらせた。 岩田望来にとっても、この戴冠は特別な一つだった。前年には阪神ジュベナイルフィリーズを、それ以前にはJBCレディスクラシックを勝ってきた若手が、また一つ、大きなタイトルを自らの手でつかみ取った。

砂漠への帰郷、そしてこれから ― UAEダービー

2026年3月28日、ドバイ・メイダン競馬場。UAEダービー、GII、ダート1900メートル。ここはゴドルフィンの本拠地であり、青い勝負服にとっては、いわば生まれた旗の下への帰郷だった。鞍上はジェームズ・ドイルに替わり、単勝1番人気の支持を集める。 しかし異国の砂は甘くなかった。パイロマンサーは3着に敗れ、無傷の連勝はここで止まる。勝ったのは、同じ日本から遠征したワンダーディーン。デビューからの三連勝は、海の向こうで初めての黒星に変わった。 だが、それは器の小ささではない。三歳になったばかりのこの馬には、火はまだ本当の意味では灯り切っていない。夏、舞台を国内のダートに戻し、次の一戦を見据える。火を占う者の旅は、まだ始まったばかりだ。

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