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ピクシーナイト
通算成績14戦3勝
獲得賞金2億2,764万円
生年月日 2018.05.14(平成30年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 15 | GII阪神カップ | 阪神 芝1400 | 6人気 | B.ムルザバエフ | 1:20.2 | 上り35.9 | 映像 | |
| 8 | GIスプリンターズS | 中山 芝1200 | 7人気 | 戸崎圭太 | 1:08.6 | 上り34.6 | 映像 | |
| 8 | GII産経賞セントウルS | 阪神 芝1200 | 4人気 | 戸崎圭太 | 1:07.7 | 上り32.9 | 映像 | |
| 8 | GII京王杯スプリングカップ | 東京 芝1400 | 5人気 | 戸崎圭太 | 1:20.7 | 上り33.5 | 映像 | |
| 13 | GI高松宮記念 | 中京 芝1200 | 8人気 | 戸崎圭太 | 1:12.9 | 上り36.4 | 映像 | |
| 中 | GI香港スプリント | シャティン 芝1200 | 1人気 | 福永祐一 | — | 映像 | ||
| 1 | GIスプリンターズS | 中山 芝1200 | 3人気 | 福永祐一 | 1:07.1 | 上り33.4 | 映像 | |
| 2 | GII産経賞セントウルS | 中京 芝1200 | 2人気 | 福永祐一 | 1:07.2 | 上り33.3 | 映像 | |
| 2 | GIIICBC賞 | 小倉 芝1200 | 2人気 | 福永祐一 | 1:06.1 | 上り33.3 | 映像 | |
| 12 | GINHKマイルカップ | 東京 芝1600 | 6人気 | 福永祐一 | 1:32.9 | 上り36.0 | 映像 | |
| 4 | GIIIアーリントンC | 阪神 芝1600 | 2人気 | 福永祐一 | 1:34.6 | 上り35.4 | — | |
| 1 | GIII日刊スポシンザン記念 | 中京 芝1600 | 4人気 | 福永祐一 | 1:33.3 | 上り35.2 | 映像 | |
| 3 | 秋明菊賞 | 阪神 芝1400 | 1人気 | 福永祐一 | 1:21.7 | 上り35.8 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 中京 芝1400 | 1人気 | 福永祐一 | 1:23.4 | 上り34.6 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父モーリスMaurice | スクリーンヒーローScreen Hero | グラスワンダーGrass Wonder |
| ランニングヒロイン | ||
| メジロフランシス | カーネギーCarnegie | |
| メジロモントレー | ||
| 母ピクシーホロウ | キングヘイローKing Halo | ダンシングブレーヴDancing Brave |
| グッバイヘイローGoodbye Halo | ||
| ラインレジーナ | サクラバクシンオーSakura Bakushin O | |
| シンコウエンジェル |
引退後・牧場での映像
ゴール板の先の時間旅程 — この馬の物語
2018年生まれの鹿毛の牡馬。父モーリス、母ピクシーホロウ。主な勝ち鞍はスプリンターズS・日刊スポシンザン記念。
ピクシーの騎士 ― 名と、短距離の血
母の名はピクシーホロウ。その「ピクシー」に、騎士=ナイトを重ねて、ピクシーナイトと名づけられた。 血は、短いところへ向かって流れていた。母の父はキングヘイロー――幾度もGIに手を伸ばしては届かず、十一度目の挑戦でようやく高松宮記念を掴んだ、あの一二〇〇の王である。母の母の父には、生粋のスプリンター、サクラバクシンオー。母系に短距離の血が二重に差していた。父は、マイルから中距離までGIを制したモーリス。半弟には、のちにラジオNIKKEI賞を勝つフェーングロッテンがいる。 その鞍上に定まったのが、福永祐一だった。福永には、母父キングヘイローとのほろ苦い記憶がある。デビュー二年目に出会い、一九九八年の皐月賞では逃げるセイウンスカイを追い詰めて二着。だがダービーは、緊張にのまれ、慣れない逃げの果てに十四着へ沈んだ。キングヘイローが悲願のGIを掴んだ二〇〇〇年の高松宮記念、福永はその背にいなかった。二着ディヴァインライトの鞍上から、相棒の初戴冠を見送っている。果たせなかった約束が、二十年をまたいで、一頭の鹿毛へ手渡されようとしていた。
新馬から重賞へ、そしてマイルの壁
二〇二〇年九月二十六日、中京の新馬戦。一番人気に応え、福永を背に危なげなく勝ち上がった。続く秋明菊賞は一番人気で三着に取りこぼしたが、年が明けた中京のシンザン記念を四番人気で差し切り、重賞のタイトルを手にする。 陣営が矛先を向けたのは、マイルの頂・NHKマイルカップだった。前哨戦のアーリントンカップは四着。迎えた本番、東京の一六〇〇メートルでは十二着に沈む。府中の広いマイルは、この馬の忙しない気性と切れには、少しばかり長すぎた。血が指し示す方角は、もっと短いところにあった。
短距離へ ― 恩返しの一二〇〇メートル
一二〇〇メートルへ替えると、走りは見違えた。小倉のCBC賞で二着、中京のセントウルステークスで二着。勝ち切れないもどかしさを抱えたまま、二〇二一年十月三日、中山のスプリンターズステークスへ向かう。三番人気。 好スタートから前めの位置を取り、直線で軽々と抜け出す。追いすがる二番人気レシステンシアを二馬身突き放してのゴール。一分〇七秒一。デビューから八戦目での、GI初制覇だった。父モーリスにとっては産駒初のGI。そして三歳馬によるスプリンターズステークス制覇は、二〇〇七年のアストンマーチャン以来、十四年ぶりのことである。 キングヘイローの血を継ぐ馬で、福永はついに短距離の頂に立った。果たせなかった約束を、孫の代で返す。「ようやく恩返しができたんじゃないかな」[^1]。二十年の時をまたいで、母父から継いだ縁が、静かに報われた瞬間だった。
出典:デイリースポーツ「『頭が真っ白になった』キングヘイローと挑んだ98年祭典【福永祐一連載②】」2023年2月18日配信、https://www.daily.co.jp/horse/2023/02/18/0016060320.shtml、閲覧日:2026年7月20日。
沙田、四コーナーの落馬
栄光のすぐ先で、福永はこの馬の底知れなさを口にしていた。想像を超える馬になるかもしれない、と。 二〇二一年十二月十二日、香港・沙田競馬場。父モーリスがかつて幾度もGIを制した舞台に、ピクシーナイトは一番人気で立った。だが四コーナー、前を行くアメージングスターが故障して転倒する。巻き添えは連鎖し、ラッキーパッチ、ナブーアタックを巻き込む多重落馬に、ピクシーナイトも巻き込まれた。福永は投げ出され、競走中止。鞍上は鎖骨を折り、馬は左前脚の橈側手根骨を剥離骨折した。十日後、ボルトで固定する手術が施される。 三歳の秋に頂へ届いたばかりの馬の、その先の想像は、異国の直線で断ち切られた。
帰還、鞍上のいない春
長い休養に入った。ターフへ戻ったのは、十五か月後の二〇二三年春である。だが、その背に福永の姿はなかった。同年二月、福永祐一は騎手に別れを告げ、調教師へと転じていた。母父から継いだ縁で結ばれた蜜月は、復帰の日を待たずに幕を下ろしていた。 手綱は戸崎圭太へ渡る。復帰初戦の高松宮記念は十三着。奇しくも、母父キングヘイローがGIを掴んだ、あの中京の一二〇〇メートルだった。続く京王杯スプリングカップ八着、セントウルステークス八着、スプリンターズステークス八着、暮れの阪神カップは十五着。あの秋の切れ味は、とうとう戻らなかった。 二〇二三年十二月、引退が発表された。北海道日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで、種牡馬となる。キングヘイロー、サクラバクシンオー――母系に差した短距離の血を、こんどは自らが伝える側に回った。沙田で断ち切られた「想像を超えた馬」の続きは、その仔たちが書き継いでいく。
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