名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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ペリエールのイメージビジュアル
ペリエールPerriere
Perriere

ペリエール

通算成績20戦6勝

獲得賞金18,750万円

生年月日 2020.02.13(令和2年)毛色 鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
ペリエールの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
4 LオアシスS 東京 ダ1600 3人気 佐々木大輔 1:36.1 上り36.2
10 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 9人気 佐々木大輔 1:36.6 上り36.8映像
10 GIチャンピオンズカップ 中京 ダ1800 15人気 佐々木大輔 1:51.4 上り38.0映像
10 GIIIみやこS 京都 ダ1800 4人気 佐々木大輔 1:49.8 上り37.8映像
1 GIIIエルムS 札幌 ダ1700 5人気 佐々木大輔 1:43.5 上り36.6映像
1 L大沼S 函館 ダ1700 5人気 佐々木大輔 1:43.3 上り36.9
4 LオアシスS 東京 ダ1600 3人気 佐々木大輔 1:35.7 上り36.2
11 LすばるS 中京 ダ1400 3人気 石川裕紀人 1:24.3 上り37.0
3 GIII東京中日S杯武蔵野S 東京 ダ1600 4人気 石川裕紀人 1:36.2 上り36.1映像
3 Lグリーンチャンネルカップ 東京 ダ1600 1人気 石川裕紀人 1:35.0 上り36.6
2 LオアシスS 東京 ダ1600 3人気 石川裕紀人 1:36.7 上り36.3
5 JpnⅢかきつばた記念 名古屋 ダ1500 1人気 B.ムルザバエフ 1:33.4 上り38.4
9 GIII東京中日S杯武蔵野S 東京 ダ1600 1人気 C.ルメール 1:36.2 上り36.8映像
3 Lグリーンチャンネルカップ 東京 ダ1600 1人気 C.ルメール 1:35.0 上り35.9
1 GIIIユニコーンS 東京 ダ1600 1人気 C.ルメール 1:35.0 上り36.1映像
4 GIIUAEダービー メイダン ダ1900 2人気 O.マーフィー 映像
1 LヒヤシンスS 東京 ダ1600 1人気 福永祐一 1:37.2 上り36.4
3 JpnⅠ全日本2歳優駿 川崎 ダ1600 1人気 福永祐一 1:43.5 上り40.6映像
1 オキザリス賞 東京 ダ1400 1人気 福永祐一 1:25.1 上り37.4
1 2歳新馬 札幌 ダ1700 2人気 福永祐一 1:45.7 上り36.9

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
ペリエールの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
ヘニーヒューズHenny HughesヘネシーHennessyStorm Cat
Island Kitty
Meadow FlyerMeadowlake
Shortley
ソフトライムフジキセキFuji KisekiサンデーサイレンスSunday Silence
ミルレーサーMillracer
アスピリンスノーエルコンドルパサーEl Condor Pasa
スキーパラダイスSki Paradise
STORY

旅程 — この馬の物語

2020年生まれの鹿毛の牡馬。父ヘニーヒューズ、母ソフトライム。主な勝ち鞍はユニコーンS・エルムS。

フランスの地に名を借りて

馬名はフランスの地名に由来する。異国の地の名を負って生まれたこの鹿毛の、血の芯は母系にある。2020年2月13日、北海道新ひだか町のチャンピオンズファームで、母ソフトライムの五番仔として生を受けた。母の母アスピリンスノーをさかのぼると、三代母スキーパラダイスに行き着く。アメリカに生まれながらフランスのムーランドロンシャン賞を制し、日本に渡って京王杯スプリングカップも勝った国際派の名牝である。その二番仔エアトゥーレの子が、2008年の皐月賞馬キャプテントゥーレ。ペリエールは、海を渡り続けた牝系の末に立っていた。父は、アメリカのダート短距離でGIを二勝し、種牡馬として日本に輸入されたヘニーヒューズ。長い距離の血ではない。この馬の戦場は、初めから砂のマイルと決まっていた。 2022年8月27日、札幌ダート千七百メートルの新馬戦。鞍上は福永祐一。好位から抜け出すと、一番人気に推されたユティタムに三馬身半の差をつけて勝ち上がる。続くオキザリス賞も同じく福永で、好位から楽に抜け出しての三馬身差、圧勝だった。二戦二勝。名手が手綱を取り、砂の申し子はデビューから危なげなく坂を登り始めた。

福永祐一、最後の勝利

暮れの12月14日、川崎の全日本2歳優駿。JpnIの二歳ダート王決定戦に、ペリエールは一番人気で臨んだ。だが松若風馬を背にしたデルマソトガケが三連勝で頂に立ち、ペリエールは一馬身差の三着に屈する。この年、砂の頂へ最短の道を走っていたのは、ソトガケの方だった。 年が明けて2月19日、東京ダート千六百のヒヤシンスステークス。五番手から鋭く伸びてペリエールが快勝する。ありふれたリステッド勝ちに見えて、この一勝には重さがあった。二十七年の騎手人生で、福永祐一が国内で挙げた最後の勝利が、この日のペリエールだったのだ。数日後、福永はリヤドでリメイクに跨って三着、そのまま鞍を降り、調教師への道へと転じる。ペリエールは、名手が現役最後に勝たせた馬になった。 3月、舞台はドバイのメイダンへ。UAEダービーは鞍上が福永からマーフィへ替わり、結果は四着。前を圧勝で駆け抜けたのは、またしてもデルマソトガケだった。名手が遺した記憶を背に、馬だけが次の季節へと歩いていく。

ユニコーンの戴冠

6月18日、東京ダート千六百のユニコーンステークス。鞍上にクリストフ・ルメールを迎え、一番人気に支持された。中団から徐々に位置を押し上げ、最後の直線で楽々と抜け出すと、後続に三馬身の差をつけて突き抜ける。文句のつけようのない、完勝だった。重賞初制覇。福永が起点を刻み、ソトガケという壁を仰いだ馬が、東京のマイルの砂を、今度は自分の色に塗り替えた。三歳のペリエールは、確かにこの路線の一角にいた。

勝てない二年

戴冠のあと、歯車が噛み合わなくなる。秋のグリーンチャンネルカップは三着、一番人気で臨んだ武蔵野ステークスはまさかの九着。年明けのかきつばた記念でも五着に沈んだ。手綱はルメールからムル、そして石川裕紀人へと渡っていく。石川とはオアシスステークス二着、武蔵野ステークス三着と善戦を重ねたが、勝利の二文字だけが、どうしても届かない。2025年初めのすばるステークスでは三番人気に推されながら十一着に沈んだ。ユニコーンの栄光から、勝ち鞍のない時間が二年に迫ろうとしていた。砂の申し子は、勝てない自分と向き合う長い季節に入っていた。

世代を渡って ― 完全復活

2025年の夏、鞍上が若い佐々木大輔に替わった。7月、函館の大沼ステークスを制して久々に勝ち星をつかむと、勢いはそのまま8月9日、札幌のエルムステークスへ。五番人気。道中は好位の内でじっと脚をため、直線で馬群を割って突き抜けると、二馬身半差をつけて快勝した。ユニコーン以来、実に二年ぶりの重賞二勝目である。 福永祐一が現役最後の勝利を託した鹿毛は、名手が鞍を降りて調教師となったあとも走り続け、次の世代の若い鞍上とともに、もう一度重賞の頂へ還ってきた。手綱は幾人もの掌を渡り、栄光と沈黙のあいだを行き来した。それでも馬は、走ることをやめなかった。

砂のマイルで

復活のあと、ペリエールは初めて最上級の扉を叩く。みやこステークスで十着、初めてのダートGI・チャンピオンズカップでは十五番人気の低評価のまま十着、2026年のフェブラリーステークスでも十着。GIという一線は、まだ高い壁のまま、この馬の前に立っている。 2026年、六歳。4月のオアシスステークスで四着に走ったのを最後に、いまは放牧の日々にある。派手な連勝でも、GIの栄冠でもなく、この馬が積み上げてきたのは、東京と札幌と函館の砂で勝ち、負け、そのたびに構え直してきた二十戦だった。フランスの地名を借りた鹿毛は、名手が最後に勝たせた記憶とともに、次の一戦へ向けて、静かに脚を撓めている。

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