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オーロマイスター
通算成績38戦7勝
獲得賞金2億2,617万円
生年月日 2005.01.31(平成17年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 除 | JBCスプリント | 大井 ダ1200 | 吉田豊 | — | 映像 | |||
| 10 | GIマイルCS南部杯 | 東京 ダ1600 | 6人気 | 吉田豊 | 1:36.5 | 上り38.1 | 映像 | |
| 2 | GIIIエルムS | 札幌 ダ1700 | 8人気 | 吉田豊 | 1:44.3 | 上り36.6 | — | |
| 6 | OP大沼S | 函館 ダ1700 | 9人気 | 丸山元気 | 1:45.1 | 上り37.9 | — | |
| 7 | OPオアシスS | 東京 ダ1600 | 5人気 | 吉田豊 | 1:36.1 | 上り37.2 | — | |
| 5 | JpnⅠかしわ記念 | 船橋 ダ1600 | 3人気 | 吉田豊 | 1:40.0 | 上り38.6 | — | |
| 7 | GIII被災地支援マーチS | 阪神 ダ1800 | 12人気 | 吉田豊 | 1:50.8 | 上り36.0 | — | |
| 4 | OPポラリスS | 阪神 ダ1400 | 6人気 | 吉田豊 | 1:22.2 | 上り35.6 | — | |
| 12 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 8人気 | 吉田豊 | 1:37.6 | 上り36.6 | 映像 | |
| 11 | GIジャパンカップダート | 阪神 ダ1800 | 9人気 | 吉田豊 | 1:50.9 | 上り38.3 | 映像 | |
| 10 | JpnⅠJBCクラシック | 船橋 ダ1800 | 3人気 | 吉田豊 | 1:54.3 | 上り43.0 | 映像 | |
| 1 | JpnⅠマイルチャンピオンシップ | 盛岡 ダ1600 | 4人気 | 吉田豊 | 1:34.8 | 上り34.8 | — | |
| 2 | GIIIエルムS | 札幌 ダ1700 | 4人気 | 吉田豊 | 1:43.6 | 上り36.2 | — | |
| 4 | JpnⅡブリーダーズゴールドカップ | 門別 ダ2000 | 6人気 | 吉田豊 | 2:04.5 | 上り38.3 | — | |
| 8 | OPマリーンS | 函館 ダ1700 | 2人気 | 藤田伸二 | 1:45.5 | 上り36.8 | — | |
| 10 | OP大沼S | 函館 ダ1700 | 3人気 | 藤田伸二 | 1:45.4 | 上り38.2 | — | |
| 3 | OP欅S | 東京 ダ1400 | 2人気 | 吉田豊 | 1:23.9 | 上り35.8 | — | |
| 取 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 吉田豊 | — | 映像 | |||
| 3 | GIII根岸S | 東京 ダ1400 | 4人気 | 吉田豊 | 1:23.9 | 上り35.5 | — | |
| 1 | OP大和S | 京都 ダ1400 | 2人気 | 吉田豊 | 1:22.9 | 上り35.8 | — | |
| 2 | OP師走S | 中山 ダ1800 | 3人気 | 吉田豊 | 1:52.8 | 上り37.8 | — | |
| 7 | OPトパーズS | 京都 ダ1800 | 3人気 | 武豊 | 1:50.8 | 上り37.8 | — | |
| 1 | ながつきS | 中山 ダ1800 | 1人気 | 内田博幸 | 1:53.6 | 上り36.5 | — | |
| 2 | OPしらかばS | 札幌 ダ1700 | 4人気 | 三浦皇成 | 1:43.2 | 上り36.6 | — | |
| 2 | 報知杯大雪H | 札幌 ダ1700 | 1人気 | 藤田伸二 | 1:43.8 | 上り36.7 | — | |
| 1 | 猪苗代特別 | 福島 ダ1700 | 1人気 | 内田博幸 | 1:44.6 | 上り36.2 | — | |
| 1 | 4歳以上1000万下 | 東京 ダ1600 | 2人気 | 内田博幸 | 1:35.5 | 上り36.6 | — | |
| 9 | 高尾特別 | 東京 芝1400 | 1人気 | 内田博幸 | 1:21.7 | 上り35.2 | — | |
| 5 | 浅草特別 | 中山 芝1600 | 1人気 | 吉田豊 | 1:35.8 | 上り35.0 | — | |
| 3 | 4歳以上1000万下 | 東京 芝1400 | 1人気 | 吉田豊 | 1:22.8 | 上り34.2 | — | |
| 9 | 3歳以上1000万下 | 東京 芝1400 | 1人気 | 吉田豊 | 1:21.6 | 上り34.1 | — | |
| 2 | タイランドカップ | 東京 芝1400 | 2人気 | 吉田豊 | 1:21.6 | 上り33.4 | — | |
| 1 | 3歳以上500万下 | 東京 芝1400 | 2人気 | 吉田豊 | 1:21.5 | 上り33.5 | — | |
| 4 | 汐留特別 | 中山 芝1600 | 5人気 | 吉田豊 | 1:32.9 | 上り34.8 | — | |
| 11 | 萬代橋特別 | 新潟 芝2200 | 3人気 | 吉田豊 | 2:13.3 | 上り35.1 | — | |
| 7 | 山藤賞 | 中山 芝2000 | 1人気 | 吉田豊 | 2:06.2 | 上り36.8 | — | |
| 16 | GIIフジTVスプリングS | 中山 芝1800 | 10人気 | 田中勝春 | 1:50.2 | 上り36.2 | — | |
| 2 | OPジュニアカップ | 中山 芝1600 | 1人気 | 吉田豊 | 1:34.2 | 上り35.7 | — | |
| 5 | OP報知杯中京2歳S | 中京 芝1800 | 1人気 | 吉田豊 | 1:48.2 | 上り34.8 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 東京 芝1800 | 1人気 | 吉田豊 | 1:50.7 | 上り33.7 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ゴールドアリュールGold Allure | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| ニキーヤNikiya | Nureyev | |
| Reluctant Guest | ||
| 母フェアリーワルツ | Lear Fan | Roberto |
| Wac | ||
| Quick and Smooth | Crafty Prospector | |
| Ms. Balding |
旅程 — この馬の物語
2005年生まれの鹿毛の牡馬。父ゴールドアリュール、母フェアリーワルツ。
オーロと、マイスター
2005年1月31日、追分ファームに生まれた鹿毛。父はフェブラリーステークスと東京大賞典を勝ったゴールドアリュール、母はアメリカ生まれのフェアリーワルツ。母は日本で四度走り、一度も三着以内に入れないまま繁殖に上がった牝馬で、稼いだ賞金は五十一万円だった。その二番仔に付いた名が、オーロマイスター。ラテン語で黄金を指すオーロと、ドイツ語でチャンピオンを意味するマイスター。ただし名の芯は、もう少し具体的な場所を向いている。盛岡競馬場の愛称はOROパーク。父ゴールドアリュールは2002年、その盛岡でダービーグランプリを勝っていた。父のように盛岡で走る馬になってほしい——名には、その願いが畳み込まれていた。 2007年11月18日、東京の芝1800m。管理するのは美浦の大久保洋吉、鞍上はその厩舎に所属する吉田豊。中団のやや後ろから上がり3ハロン33秒7で抜け出し、一番人気に応えて勝ち上がった。生涯の三十八戦で彼の手綱を取った騎手は七人。うち二十七戦は、この日と同じ吉田だった。
一番人気という荷物
芝で走ったのは十三戦。うち八度、単勝で一番の支持を受けた。その支持に応えられたのは、最初の新馬戦だけである。 2007年暮れの中京2歳ステークスは一番人気で五着。年明けのジュニアカップも一番人気で、スマートファルコンに0秒1差の先着を許して二着。三月のスプリングステークスは田中勝春に手綱を託して十六着。山藤賞七着、萬代橋特別十一着、汐留特別四着。2008年10月に東京の芝1400mで500万下を勝ち、続くタイランドカップは二着まで来たが、そこから四戦続けて一番人気に推され、四戦とも勝てなかった。 脚が無いわけではなかった。芝の十三戦のうち七度は、上がり3ハロンを34秒台以内で上がっている。切れる末脚を持ちながら、それを置く場所が見つからない——三歳の秋から四歳の春まで、彼はその状態のまま東京と中山を往復していた。
砂を踏む
2009年6月7日、東京のダート1600m。鞍上は内田博幸。好位から抜け出して、二着に四馬身をつけた。芝で一年半あまりかけて掴めなかったものが、砂に替えた一戦目で手に入った。 七月の猪苗代特別も一番人気で快勝。夏は札幌へ渡り、報知杯大雪ハンデキャップは藤田伸二で二着、格上挑戦のしらかばステークスは三浦皇成で二着。内田が戻った九月のながつきステークスを勝ち、ダートに替えてからの五戦、一度も連対を外さないままオープンへ上がった。 十一月の京都・トパーズステークスは武豊を背に七着。暮れの師走ステークスで吉田豊が鞍上に戻り、クリールパッションと同タイムの二着に食い下がる。年が明けて京都の大和ステークス、ダートでは初めての1400mを中団から差し切って、オープン初勝利。中一週の根岸ステークスも三着に押し上げた。初ダートから七か月あまり、ようやく歯車が噛み合っていた。
消えたフェブラリーステークス
初めてのGI出走になるはずだった2010年のフェブラリーステークスは、感冒による出走取消で消えた。東京のダート1600mに立つことすら、その日はできなかった。 三か月の休養を挟んで戻った欅ステークスは三着。函館に移って大沼ステークス十着、マリーンステークス八着と、直線で伸びを欠く競馬が続く。八月、門別のブリーダーズゴールドカップで初めて地方へ遠征し、不良馬場の2000mを好位から四着。九月の札幌・エルムステークスで二着まで差を詰めた。 五歳の秋を迎えて、重賞のタイトルはまだ一つも無かった。
盛岡、十月十一日
2010年10月11日、盛岡のダート1600m、十二頭立て。単勝1.0倍の一番人気はエスポワールシチー。前年のこのレースを皮切りにJBCクラシック、ジャパンカップダート、フェブラリーステークス、かしわ記念とGI級を五つ続けて勝ち、ブリーダーズカップ・クラシック挑戦のステップとしてこの一戦を選んでいた。オーロマイスターは四番人気、単勝2020円。八枠十一番。 逃げたセレスハントの直後、二番手。四コーナーで先頭に立つと、内から並びかけてきたエスポワールシチーを、直線に入って一息に突き放した。三馬身差。時計は1分34秒8——盛岡のダート1600mのレコードだった。上がり3ハロン34秒8はメンバー最速。三着には十一番人気、高知のグランシュヴァリエが飛び込み、三連単は131万2650円をつけた。二着に沈んだ一番人気にとっては、前年二月以来の黒星である。 二十八戦目にして、初めての重賞勝ちだった。そしてそれは、いきなりJpnIだった。 父はゴールドアリュール。二着馬の父も、ゴールドアリュール。盛岡でダービーグランプリを勝った種牡馬の産駒が一着と二着を分け合い、先に来たほうが、この競馬場の名を負った馬だった。後日、スポーツニッポンはその衝撃をこう書いている。「まるで稀勢の里が白鵬を破り、63連勝で止めた時のような衝撃。」[^1]
出典:スポーツニッポン「【JCダート】マイスター“大物ハンター”再び」2010年12月1日配信、https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/12/01/kiji/K20101201Z00001630.html 、閲覧日:2026年8月1日。
大物ハンター
三週間あまり後、船橋のJBCクラシック。三番手を進んだが三コーナーあたりで手応えが怪しくなり、上がり43秒0で十着。勝ったのはスマートファルコン——2008年の正月、中山のジュニアカップで0秒1先着した相手が、三年近くを経て砂の頂に立っていた。 それでも十二月のジャパンカップダートで、スポーツニッポンは彼を「大物ハンター」と呼んだ。担当する厩務員の安瀬良一は、この厩舎でGIを五つ勝ったメジロドーベルを育て上げた男である。安瀬は南部杯の脚抜きのいい馬場を引き合いに出し、雨が降ればなお良い、と言ってこう付け加えた。「だから天気予報も気にして連日見ているよ」[^1]。大久保は、鍵は折り合いひとつだと言った。 当日の阪神は稍重。好位中団から進んだが直線で伸びを欠き、十一着。勝ったのはトランセンドだった。2010年に挙げた勝ち星は、正月の大和ステークスと、盛岡の南部杯の二つだった。
出典:スポーツニッポン「【JCダート】マイスター“大物ハンター”再び」2010年12月1日配信、https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/12/01/kiji/K20101201Z00001630.html 、閲覧日:2026年8月1日。
二〇一一年、東京の南部杯
2011年、彼は一度も勝てなかった。二月のフェブラリーステークスは後方のまま十二着。三月のポラリスステークスは不良馬場でトップハンデの58.5kgを背負い、最内を突いて四着。四月のマーチステークスは阪神のダート1800mで、「被災地支援」の名を冠して行われた。同じ58.5kgで七着。かしわ記念五着、オアシスステークス七着、大沼ステークス六着。 九月の札幌・エルムステークス。59kgを背負って八番人気。中団から三コーナー過ぎに押し上げ、後方から伸びたランフォルセに交わされて二着。この年で唯一、彼らしい競馬だった。 十月十日、南部杯。この一年だけ、レースは東京競馬場で行われた。震災で施設が傷み開催日数が減った岩手県競馬組合の要請を受け、姉妹提携する東京でJRAが施行したのである。JRAは当初予定の無かった10月10日を「岩手競馬を支援する日」として追加し、発走前には関東のGIファンファーレではなく、盛岡の曲が鳴った。5万9475人が入り、売上は前年の約14倍にあたる70億2941万6200円に達した。 前年の覇者は六番人気だった。好位から進み、直線で失速して十着。勝ったトランセンドの時計は1分34秒8。一年前に彼が盛岡へ刻んだ数字と、同じだった。 11月3日、大井のJBCスプリント。馬体に故障が見つかり、走らないまま競走から外れた。それが、彼の最後の出走登録になった。
名を果たした馬
戦列に戻らないまま一年近くが過ぎ、2012年9月12日、競走馬登録が抹消された。38戦7勝、獲得賞金2億2617万5000円。重賞のタイトルは、盛岡の一つきりである。 生まれ故郷の追分ファームに帰り、種牡馬として繋養されると同時に、若い乗り手を乗せる乗馬にもなった。2014年11月に種牡馬として韓国へ渡ったが、種付けを行ったのは2015年の一年だけで、産駒は生まれていない。2020年10月1日、斃死を理由に種牡馬登録が抹消された。没した日は分かっていない。ブラッドスポーツの物差しでいえば、彼が後代に残したものは無い。母フェアリーワルツはその後もゴールドアリュールと三度配され、フェアリーロンド、ベストワルツ、ラファータを産んでいる。盛岡の1分34秒8も、2016年にコパノリッキーが1分33秒5で塗り替えた。 残ったのは、人のほうだ。1994年、競馬学校を出たばかりの吉田豊を所属騎手に迎えたのが大久保洋吉だった。二年後、二人はメジロドーベルで初めてのGIを獲る。大久保は開業21年目、吉田はデビュー3年目だった。その牝馬を育て上げた厩務員が安瀬良一で、十四年後、同じ三人の手が同じ厩舎で仕上げた馬が、盛岡のゲートに入った。2010年のマイルチャンピオンシップ南部杯は、大久保にとって十勝目のGI級であり、2015年に定年を迎えるまで、これが最後のGI級勝利になった。その2015年2月、大久保は調教師を退き、吉田は二十一年続いた所属を解いてフリーになる。吉田は後に、デビュー間もない自分を乗せ続けてくれたのは師のおかげ以外の何物でもない、と語っている。 黄金のチャンピオン。その名が最初から指していた一つの競馬場で、彼は一度だけ、名前どおりの馬になった。
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