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ミリアッドラヴ
通算成績5戦3勝
獲得賞金6,920万円
生年月日 2022.03.05(令和4年)毛色 鹿毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ニューイヤーズデイ | Street Cry | Machiavellian |
| Helen Street | ||
| Justwhistledixie | Dixie Union | |
| General Jeanne | ||
| 母レディバード | スマートファルコンSmart Falcon | ゴールドアリュールGold Allure |
| ケイシュウハーブ | ||
| シーズインポッシブルShe's Impossible | Yankee Victor | |
| ディフィカルト |
旅程 — この馬の物語
2022年生まれの鹿毛の牝馬。父ニューイヤーズデイ、母レディバード。
無数の愛 ― 名と血
2022年3月5日、北海道安平町のノーザンファームに一頭の鹿毛の牝馬が生まれた。父はアメリカで2013年のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを制したニューイヤーズデイ。芝もダートも問わず産駒を送り出す芝ダート兼用の血だ。母レディバードの父はダートの帝王スマートファルコン、その母シーズインポッシブルは北米産の堅実な牝馬。砂に強い父の系譜と、実直な母の牝系が重なった一頭だった。 翌2023年のセレクトセールで、この仔を競り落としたのは白石明日香という女性だった。銀座でクラブ、美容クリニック、飲食店を束ねる実業家。馬主登録の要件を自ら調べるところから始めた、競馬界にとっては新顔の持ち主だ。「自分が最後まで払い切れる3000万円までを基準に挑みました」[^1]――そして2700万円でこの馬を手にした。落札後、相馬眼で知られる別のオーナーが「あの馬はいい馬だよ」と漏らした、という言葉が白石の背中を押した。馬名はMyriad Love、無数の愛。この仔に注いだ想いの総量が、そのまま名前になった。
出典:中日スポーツ(小泉恵未コラム)「サウジダービー、出走するミリアッドラヴの白石明日香オーナーが競馬界に新しい風を吹き込む」2025年2月配信、https://www.chunichi.co.jp/article/1028027、閲覧日:2026年6月28日。
砂への第一歩 ― 中京の稍重
2024年9月16日、中京競馬場のダート1400m。3番人気。最内枠から好スタートを切ると、2番手で流れに乗った。直線でダノンフィーゴが迫る。競り合いになったが、ミリアッドラヴは首を落とさず押し切った。勝ち時計1分23秒9は稍重馬場のコースレコードまで0秒3差の優秀な数字だった。 鞍上の西村淳也は、追い切りの段階からこの馬の力を肌で感じていた。「自信しかなかったですね。追い切りの時からいい馬だと思いましたし、その通りの結果でした」[^2]。調教師の新谷功一はすでに次を見据えていた――北海道門別への遠征、エーデルワイス賞。
出典:日刊スポーツ「ミリアッドラヴ、レコード迫る優秀勝ち時計 西村淳騎手もたたえる「自信しかなかった」」2024年9月16日配信。
北の大地へ ― エーデルワイス賞
10月31日、門別競馬場のダート1200m。エーデルワイス賞(JpnIII)。1番人気。門別の白い砂は中京とも川崎とも質が違う。西村は返し馬の段階から勝てると感じていたと振り返っており、ミリアッドラヴは初めての場所でも落ち着いて走った。 レースではハーフブルーが逃げ、アーデルリーベが続く展開。ミリアッドラヴは4コーナー手前でアーデルリーベを交わし、直線なかばでハーフブルーをねじ伏せた。2馬身以上の差をつけ、無傷の重賞初制覇。新谷調教師はこの頃から「ポテンシャルは高いし、まだ伸びしろもかなりありそう」と語っていた[^1]。デビューから2戦、まだ2か月。砂の牝馬の旅は、加速していた。
出典:東京スポーツ競馬「【エーデルワイス賞】〝新星〟ミリアッドラヴが重賞挑戦 新谷調教師の本音を直撃!」2024年10月配信、https://tospo-keiba.jp/forecast/51047、閲覧日:2026年6月28日。
砂の女王 ― 川崎の夜
2024年12月11日、川崎競馬場ダート1600m。第75回全日本2歳優駿(JpnI)。この夜、牝馬が制するのは2016年のリエノテソーロ以来8年ぶりのことになる。11頭立ての2番人気。距離は初の1600m、コーナー4回も初めての経験だった。 好スタートから先行し、序盤はホーリーグレイルに前を譲る展開。3コーナー過ぎに先頭に立つと、直線で後続のハッピーマン、ソルジャーフィールドが追いすがる。だがミリアッドラヴは脚いろを乱さず押し切った。勝ち時計1分42秒4。上がり40秒4。 西村淳也は「距離に関しては半信半疑でしたけど、それを覆すかのような強い勝ち方をしてくれました。本当にすごい馬で、乗っていて楽しいですね。去年のフォーエバーヤングのようになってくれればなと思います」[^1]と声を弾ませた。フォーエバーヤング――前年の全日本2歳優駿を勝ち、その後サウジカップ、ブリーダーズカップ・クラシックを制した、同じ旅の先輩。 新谷調教師は目を輝かせた。「馬の距離適性とコース形態を考えてサウジを考えています」[^2]。口取りの写真を撮り終えた白石明日香は、優勝レイを身にまとったミリアッドラヴを見つめた。「誇らしくてたまりませんでした」――後にそう記している。
出典:東京スポーツ競馬「【全日本2歳優駿】砂の女王誕生!ミリアッドラヴ来年は海外へ 殊勲の西村淳也「フォーエバーヤングのようになってくれたら」」2024年12月11日配信、https://tospo-keiba.jp/breaking_news/52890、閲覧日:2026年6月28日。/競馬のおはなし「【全日本2歳優駿】新谷師「サウジを考えています」…ミリアッドラヴが無傷の3連勝」2024年12月11日配信、https://keibana.com/news/109382/?view=full、閲覧日:2026年6月28日。
中東の砂へ ― サウジダービー
2025年2月22日、サウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場のダート1600m。サウジダービー(GIII)。前年の全日本2歳優駿覇者フォーエバーヤングが歩んだのと同じ道を、ミリアッドラヴは踏み出した。海外遠征、牝馬として。1番人気に推された。 好スタートから先行し、シンフォーエバーとともに前につけた。しかし3コーナーから手応えが鈍り始め、直線では後退。7着でゴールした。初の黒星、初の海外、初の芝以外の敗戦。それでもその挑戦自体、日本の2歳牝馬には前例の乏しい舞台だった。帰国後、陣営は次なる可能性を探り始めた。
また、どこかで ― 函館の空
2025年6月14日、函館競馬場。函館スプリントステークス(GIII)、芝1200m。生涯初の芝、初のスプリント戦。鞍上は池添謙一に替わっていた。 3コーナー付近でミリアッドラヴは急にスピードを落とした。心房細動が始まっていた。4コーナー手前で池添謙一が落馬し、ミリアッドラヴは空馬のまましばらく走り続けたが、直線入口で倒れ込んだ。まだ息はあった。だが出血があり、間もなく心停止に至った。急性心不全。JRAが発表した。3歳、通算5戦3勝。 白石明日香は、その日のことをnoteに綴った。調教師・新谷功一から「心停止です。安楽死ではありません」と伝えられた言葉、優勝レイを身にまとったあの子が誇らしかった記憶、記念のジャンパーとキャップを作ったこと。そして、タイトルにこう書いた。「また、どこかで――ミリアッドラヴへ」[^1]。 5戦3勝。川崎の夜に砂の女王と呼ばれた牝馬は、次の場所へ旅立った。「たくさんの方に愛されたミリアッドラヴのことを、どうか忘れずにいていただけたら嬉しい」[^2]。無数の愛、という名は、最後まで正しかった。
出典:Wikipedia「ミリアッドラヴ」(白石明日香オーナーnote「また、どこかで──ミリアッドラヴへ」を引用)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B4、閲覧日:2026年6月28日。/Wikipedia「ミリアッドラヴ」(白石明日香オーナーnote「また、どこかで──ミリアッドラヴへ」を引用)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%B4、閲覧日:2026年6月28日。
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