名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
HORSES

名馬録

この世代(生まれ年)

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マイユニバースのイメージビジュアル
マイユニバースMy Universe
My Universe

マイユニバース

通算成績15戦5勝

獲得賞金14,032万円

生年月日 2022.02.03(令和4年)毛色 鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
マイユニバースの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
GI宝塚記念 阪神 芝2200 6人気 横山典弘 映像
1 GII日経賞 中山 芝2500 4人気 横山典弘 2:30.7 上り35.0映像
1 湾岸S 中山 芝2500 1人気 横山典弘 2:32.1 上り35.6
2 迎春S 中山 芝2200 1人気 横山典弘 2:10.9 上り34.2
13 GI菊花賞 京都 芝3000 4人気 武豊 3:05.5 上り36.7映像
1 九十九里特別 中山 芝2500 1人気 横山典弘 2:32.0 上り34.1
5 L白百合S 京都 芝1800 1人気 藤岡佑介 1:45.6 上り35.0映像
1 あずさ賞 京都 芝2000 3人気 浜中俊 2:00.8 上り35.1
2 ゆきやなぎ賞 阪神 芝2400 6人気 横山典弘 2:24.7 上り34.3
1 3歳未勝利 中京 芝2200 4人気 横山典弘 2:16.5 上り35.1
3 2歳未勝利 京都 ダ1800 1人気 横山典弘 1:54.7 上り38.7
2 2歳未勝利 新潟 ダ1800 2人気 佐々木大輔 1:54.1 上り37.4
12 2歳未勝利 札幌 芝2000 1人気 横山典弘 2:10.5 上り42.2
2 2歳未勝利 札幌 芝1800 3人気 横山典弘 1:49.5 上り34.9
5 2歳新馬 札幌 芝1800 6人気 横山典弘 1:51.7 上り35.4

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
マイユニバースの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
レイデオロRey de OroキングカメハメハKing KamehamehaKingmambo
マンファスManfath
ラドラーダシンボリクリスエスSymboli Kris S
レディブロンド
チャーチクワイアネオユニヴァースNeo UniverseサンデーサイレンスSunday Silence
ポインテッドパスPointed Path
ロレットチャペルフレンチデピュティFrench Deputy
サンタフェトレイル
STORY

旅程 — この馬の物語

2022年生まれの鹿毛の牡馬。父レイデオロ、母チャーチクワイア。主な勝ち鞍は日経賞。

宇宙を継ぐ名前

父の名がある宇宙、母の名が聖歌隊の聖堂を映す。 マイユニバースは2022年2月3日、北海道安平町のノーザンファームに生まれた。鹿毛の牡馬。父レイデオロは2017年のダービー馬で、中長距離を得意とするキングカメハメハの直系。母チャーチクワイアはその名のとおり、教会と聖歌隊——芝の4勝を積んだ実力馬で、父にネオユニヴァースを持つ。 ネオユニヴァースとは「新しい宇宙」の意。2003年の二冠馬・ネオユニヴァースは、ロックバンドL'Arc〜en〜Cielの楽曲「NEO UNIVERSE」を馬名の由来とする。その血を受け継いだチャーチクワイアの子に贈られた名が、マイユニバース——「自分の世界」。母の血に宿る宇宙が、次の世代で形を変え、よみがえる。 馬主は寺田寿男、調教師は武幸四郎(栗東)。背丈より気持ちの揺れが大きい馬だと、厩舎はのちに語ることになる。

足踏みと、はじめての勝利

2024年7月28日、夏の札幌。芝1800メートルの2歳新馬戦に、6番人気で踏み出した。鞍上は横山典弘。5着。勝ち馬から0秒6差の、数字だけでは語れない内側の不安定さがあった。 夏から秋にかけて未勝利戦を重ねたが、初勝利は来なかった。2着、12着、3着——芝を一度離れてダートを試したが、そこでも答えは出なかった。4戦して未勝利のまま2歳シーズンを終える。 明けた2025年1月11日、中京競馬場。芝2200メートルの3歳未勝利戦に4番人気で出走した。横山典弘が手綱を取り、マイユニバースは初めて先頭でゴール板を過ぎた。デビューから5戦目、初勝利だった。 精神的に脆く、気持ちの乗り降りが激しい。しかし距離が伸びると脚の動きが変わった。芝の長い直線で、この馬は何かを取り戻すように走った。まだ課題のある馬だったが、2200メートルで初めてその足が生きた。

積み上げの秋、九十九里の逃げ

春は試行錯誤の続きだった。3月のゆきやなぎ賞(阪神芝2400)を2着、5月のあずさ賞(京都芝2000)を勝ち、6月の白百合ステークス(京都芝1800)は1番人気で5着に終わった。距離が短くなるにつれ、気持ちが先走る。横山典弘は、この馬のリズムを長い手探りの中で探し続けた。 答えが出たのは2025年9月20日、中山の九十九里特別(芝2500)だった。1番人気を背負い、横山はハナに立てる。そのまま大逃げを打ち、後続をちぎって7馬身差。上がり34秒1でゴールを飛び込んだ。 武幸四郎調教師はここで手応えをつかみ、菊花賞への名乗りを上げた。鞍上を武豊に替えて京都3000メートルへ挑む。しかし4番人気の菊花賞は13着に沈んだ。「当日のテンション次第でジョッキーが判断する」と師は語っていたとおり、大逃げのリズムが取れなかった。菊の3000よりも、自分のペースで前に出て直線を押し切る中山の2500が、この馬には合っていた。 「前走後、かなり厩舎でイレ込んでしまい天皇賞・春はパスしましたが、休ませて良かった。気持ちの面で良くなっています」と武幸四郎はのちに振り返る。明けた2026年、本番はそこからだった。

記録と重賞、そして六月のグランプリ

2026年3月8日、中山の湾岸ステークス(芝2500)。1番人気のマイユニバースを横山典弘が先行させると、2分32秒1で快勝した。この一着で横山典弘がJRA通算3000勝を達成した——武豊に続いて史上2人目の大台。41年目、「ただコツコツと1つずつ積み上げたものなので、あまり印象的にすごいとは自分の中では思えない」と横山は語った[^1]。その言葉が、彼のキャリアの重さを静かに示していた。 3月28日、日経賞(中山芝2500、GII)。横山典弘はマイユニバースを中団に置き、直線で大外へ持ち出した。上がり最速の末脚が炸裂し、2番人気ミクニインスパイアに1馬身半差をつけての重賞初制覇。「いつも通り、マイユニバースのリズム通りです。道中の折り合いも今までで一番楽でした」と横山は言った[^2]。58歳1か月5日でのJRA最年長重賞勝利記録の更新。積み上げてきた職人と、遅咲きの鹿毛が、中山の直線で重なった一瞬だった。 6月14日、阪神競馬場。第67回宝塚記念(芝2200、GI)。「気持ちの面で良くなっています。何の不安もないです」と武幸四郎調教師は出走前に述べていた[^3]。6番人気。マイユニバースは中団を進んだが、3コーナーを過ぎたあたりで徐々に後退した。4コーナー付近で横山典弘が下馬し、競走を中止した。その後、JRAが発表した——急性心不全のため、死亡。4歳没。 同じレースで、武幸四郎の兄・武豊がメイショウタバルを駆って宝塚記念の連覇を達成した。兄の栄光と管理馬の急逝が同じ午後に重なる、言葉では片づけられない一日だった。 マイユニバースが記録したのは15戦5勝、1億4032万円。重賞はただひとつ、日経賞。その中山芝2500こそが、この馬の呼吸に最もなじんだ舞台だった。

出典:日本経済新聞「競馬の横山典弘騎手が3000勝 JRA、武豊騎手に続き2人目」2026年3月8日配信、https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC080YN0Y6A300C2000000/、閲覧日:2026年6月29日。/日本経済新聞「マイユニバースV 日経賞」2026年3月28日配信、https://www.nikkei.com/article/DGKKZO95306540Y6A320C2UU2000/、閲覧日:2026年6月29日。/スポーツ報知「【宝塚記念】15番枠に決まった日経賞勝ち馬マイユニバースは心身両面で充実 武幸調教師『何の不安もないです』」2026年6月配信、https://news.yahoo.co.jp/articles/530b6ec05c08fe811fa045ba24a502192eeaa33a、閲覧日:2026年6月29日。

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