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モンローウォーク
通算成績5戦5勝
獲得賞金2億171万円
生年月日 2023.03.10(令和5年)毛色 青鹿毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順血統
金色の名は掲載馬 — その馬のページへ/点線の名は押すと一言解説| 父キズナKizuna | ディープインパクトDeep Impact | サンデーサイレンスSunday Silence |
| Sebring | ||
| Purespeed | ||
| Ocean Dream | ||
| Joolzy |
旅程 — この馬の物語
2023年生まれの青鹿毛の牝馬。父キズナ、母アンフィトリテII。主な勝ち鞍は秋華賞・ローズS。
歩き方の名 ― 新潟、夏の新馬戦
モンローウォーク。マリリン・モンローの、あの独特な歩き方から取られた名前だ。 2023年3月10日、北海道安平町のノーザンファームに生まれた青鹿毛の牝馬。父は2013年のダービー馬キズナ。母アンフィトリテⅡは豪州で走り、2018年にマイルのGI、MRC1000ギニーを勝っている。 最初に預けられたのは、美浦の木村哲也厩舎だった。2025年8月16日、新潟の芝1600メートルでデビューを迎える。手綱は戸崎圭太。 最内枠から好スタートを切ると、そのまま先頭に立った。戸崎は、返し馬からフットワークが良く、感度も良かったので、リズムを崩さないようにハナへ行ったと振り返っている。直線はほぼ馬なり。最後に肩ムチで反応を確かめただけで、後続に3馬身をつけた。 名前は歩き方から取られた。その背に初めて乗った男が真っ先に挙げたのも、脚の運びのことだった。
十か月の空白 ― 北の夏に戻る
勝った直後に、物語はいったん止まる。新馬戦のあとに骨折が判明し、長い休養に入った。 休んでいるあいだの2025年の暮れ、管理は美浦の木村哲也厩舎から、栗東の上村洋行厩舎へ移る。関東の馬が、関西の馬になった。年が明け、桜花賞も優駿牝馬も、彼女のいないまま過ぎていった。 戻ってきたのは2026年6月14日、函館の八雲特別。新馬戦から十か月がたち、馬体重は22キロ増えていた。鞍上は初めて組む横山和生。スタートを五分に出て先行集団につけ、道中は折り合い、直線は手応えを残したまま先頭へ。2馬身差だった。「見ての通り完勝でした」[^1]。転厩初戦を託された上村は、秋華賞を目指す馬なので余力を残して勝てたのは大きい、と評価した。 7月19日のかもめ島特別は、雨で重馬場になった。2番手を追走して抜け出し、最後は流しながら後続を突き放す。横山は、ところどころ難しいところはあるがまだ3戦目、雨の馬場だけが不安だったがうまくこなしてくれた、と話した。 春をまるごと失った牝馬が、北の夏に白星を二つ重ねた。
出典:スポーツ報知(Yahoo!ニュース配信)「【函館9R・八雲特別】『見ての通り完勝でした』横山和生騎手も絶賛 秋華賞視野のモンローウォーク10か月ぶりで勝利」2026年6月14日配信、閲覧日:2026年9月23日。
手綱は動かない ― 阪神、ローズステークス
2026年9月13日、阪神の芝外回り1800メートル。ローズステークス。3着までに秋華賞への優先出走権が与えられる前哨戦で、モンローウォークは初めて重賞のゲートに入った。関西の競馬場で走るのも、当日に輸送されて走るのも初めてだった。上村は体が減ることを心配していたが、馬体重はほとんど変わっていなかった。 手綱は、新馬戦以来となる戸崎圭太に戻っていた。 ゲートが開く。戸崎には、他馬の出方次第ではハナに行ってもいいという作戦もあった。先頭に立ったのは、これが初めての逃げになるファストフォワード。モンローウォークはその直後、2番手に収まった。 流れは緩まなかった。最初の200メートルを過ぎると、区間ごとのタイムは最後まで11秒台が並ぶ。前半1000メートルは58秒9。息を入れる場所のない流れを、2番手でじっと追いかける。3コーナーでも、4コーナーでも、その位置は変わらない。 直線に向いても、戸崎の手綱は動かなかった。持ったまま、前の一頭の直後につけて進む。 追い出したのは、残り200メートルの少し手前だった。 そこからの一瞬で、勝負はついた。逃げたファストフォワードをかわし、ほかの馬たちを瞬く間に置き去りにする。直線でステッキは使わなかった。上がり三ハロン(最後の600メートル)はメンバー最速タイ。2着エンネに3馬身。 ゴール板の前で、隣に並ぶ馬はいなかった。
同じ言葉 ― 一年後のフットワーク
レースのあと、戸崎はこう振り返った。「新馬を勝った時からフットワーク、バネがいいなと感じていた」[^1]。そして、夏を越して力をつけ、成長していると続けた。 一年あまり前の新潟で、彼が最初に挙げたのもフットワークだった。そのあいだに骨折があり、厩舎が替わり、クラシックの春が過ぎた。函館では別の騎手が手綱を取った。それでも、背に戻った男が感じたものは変わっていなかった。 上村は、函館のローカルで勝ってきたぶん甘く見られていた、と笑いを誘い、ポテンシャルの高さはしっかり見せられたとも語った。 無敗のまま、次に向かうのは京都の秋華賞。春に間に合わなかった牝馬三冠の、最後のひとつだった。
出典:東京スポーツ(Yahoo!ニュース配信)「【ローズS】モンローウォークに早くも〝当確のバラ〟 上村洋行調教師の懸念を払拭して無敗GⅠ制覇へ!」2026年9月13日配信、閲覧日:2026年9月23日。
五度目の先頭 ― 京都、秋華賞
2026年10月18日、京都の芝2000メートル。第31回秋華賞。骨折で春の桜花賞と優駿牝馬を見送った牝馬が、三冠の最後のひとつで初めてGIのゲートに入った。単勝は1.3倍の1番人気。馬体重は452キロだった。 鞍上は戸崎圭太。管理する上村洋行は、放牧先で初めてこの馬と対面したとき、秋華賞を獲れると直感したという。トレセンでは自ら調教にまたがり、感じ取った素質の高さを隠さず口にしてきた。 ゲートを五分に出て、内の5番手。ハナを奪ったテイエムアイランが飛ばし、前半1000メートルは57秒8。ローズステークスの58秒9よりもさらに速い流れになった。向正面で、戸崎はモンローウォークを外めへ導く。ペースが速く、内で窮屈になるのを避けたかったと、のちに話している。 4コーナーで3番手まで上がり、直線へ。内から先に抜け出したのは、2番手を進んでいたギャラボーグだった。それまでの四戦は、直線で後続を突き放して終わっていた。この日は違った。外から並びかけ、競り合い、クビ差だけ前に出たところがゴールだった。上がり三ハロンは34秒5。 勝ち時計は1分56秒1。2015年にミッキークイーンが記録した1分56秒9を0秒8縮める、秋華賞のレースレコードだった。デビューから5戦5勝。無敗の秋華賞馬は、2002年のファインモーション、2006年のカワカミプリンセス、2020年のデアリングタクトに続いて四頭目になる。 戸崎は、さすがはGI、相手もしぶとかったと認めたうえで、こう続けた。「まだ奥がありそうな感じもあった」[^1]。上村は、直線はヒヤッとしたと明かしながらも、3歳同士にとどまらず古馬相手でも戦えると思っている、と力を込めた。次の行き先は明かさなかった。選択肢は広がった、いろんな舞台に挑戦していければ、と話している。 一夜明けた栗東で、上村の兄で、この馬を担当する厩務員の上村典久は、初めてのGIで厳しい競馬になったが速い流れに対応してくれたのが偉い、まだ筋肉のつくべきところがある、と話した。 名前は、ひとりの女優の歩き方から取られた。新潟で最初にその脚の運びを確かめた男が、京都でも同じ背にいた。五度走って、五度とも先頭でゴール板を過ぎている。その歩みは、まだ一度も止まっていない。
出典:スポーツニッポン「【秋華賞】モンローウォーク 史上4頭目の無敗制覇 戸崎絶叫「ベリベリユアホース!!」」2026年10月19日配信、https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2026/10/19/kiji/20261019s00004048017000c.html、閲覧日:2026年10月19日。
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