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ミッキークイーン
通算成績17戦5勝
獲得賞金5億1,131万円
生年月日 2012.02.08(平成24年)毛色 鹿毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 11 | GI有馬記念 | 中山 芝2500 | 5人気 | 浜中俊 | 2:34.5 | 上り35.1 | 映像 | |
| 3 | GIエリザベス女王杯 | 京都 芝2200 | 3人気 | 浜中俊 | 2:14.3 | 上り33.7 | 映像 | |
| 3 | GI宝塚記念 | 阪神 芝2200 | 4人気 | 浜中俊 | 2:11.7 | 上り35.5 | 映像 | |
| 7 | GIヴィクトリアマイル | 東京 芝1600 | 1人気 | 浜中俊 | 1:34.4 | 上り33.8 | 映像 | |
| 1 | GIIサンスポ杯阪神牝馬S | 阪神 芝1600 | 1人気 | 浜中俊 | 1:34.3 | 上り34.0 | 映像 | |
| 5 | GI有馬記念 | 中山 芝2500 | 7人気 | 浜中俊 | 2:33.0 | 上り35.8 | 映像 | |
| 3 | GIエリザベス女王杯 | 京都 芝2200 | 2人気 | 浜中俊 | 2:13.1 | 上り33.6 | 映像 | |
| 2 | GIヴィクトリアマイル | 東京 芝1600 | 1人気 | 浜中俊 | 1:31.9 | 上り33.6 | 映像 | |
| 2 | GIIサンスポ杯阪神牝馬S | 阪神 芝1600 | 1人気 | C.ルメール | 1:33.1 | 上り33.3 | 映像 | |
| 8 | GIジャパンカップ | 東京 芝2400 | 3人気 | 浜中俊 | 2:25.0 | 上り34.2 | 映像 | |
| 1 | GI秋華賞 | 京都 芝2000 | 1人気 | 浜中俊 | 1:56.9 | 上り34.6 | 映像 | |
| 2 | GII関西TVローズS | 阪神 芝1800 | 1人気 | 浜中俊 | 1:45.4 | 上り33.8 | — | |
| 1 | GI優駿牝馬 | 東京 芝2400 | 3人気 | 浜中俊 | 2:25.0 | 上り34.0 | 映像 | |
| 1 | OP忘れな草賞 | 阪神 芝2000 | 1人気 | 浜中俊 | 2:03.5 | 上り34.0 | — | |
| 2 | GIIIデイリー杯クイーンカップ | 東京 芝1600 | 3人気 | 浜中俊 | 1:34.0 | 上り33.8 | 映像 | |
| 1 | 2歳未勝利 | 阪神 芝1600 | 1人気 | 浜中俊 | 1:37.1 | 上り36.1 | — | |
| 2 | 2歳新馬 | 阪神 芝1400 | 1人気 | 浜中俊 | 1:23.3 | 上り33.7 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ディープインパクトDeep Impact | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| ウインドインハーヘアWind in Her Hair | Alzao | |
| Burghclere | ||
| 母ミュージカルウェイMusical Way | Gold Away | Goldneyev |
| Blushing Away | ||
| Mulika | Procida | |
| Gazelia |
旅程 — この馬の物語
2012年生まれの鹿毛の牝馬。父ディープインパクト、母ミュージカルウェイ。主な勝ち鞍は優駿牝馬・秋華賞・サンスポ杯阪神牝馬S。
一億円の鹿毛 ― 名前と、母の国
2012年2月8日、北海道安平町のノーザンファームで、鹿毛の牝馬が生まれた。父はディープインパクト。母ミュージカルウェイはフランス産で、2007年のドラール賞(仏GII)など重賞を3つ勝っている。母の父はGold Away。翌2013年、セレクトセールの1歳市場で、この牝馬には1億円を超える値がついた。 馬主・野田みづきの馬に共通する冠名「ミッキー」に、女王を意味するクイーンが続く。ミッキークイーン。栗東・池江泰寿厩舎に入り、2014年12月7日、阪神の芝1400mでデビューした。単勝1.4倍の1番人気。だが出遅れ、直線だけ鋭く伸びて、勝ったジルダに0秒1届かず2着だった。 鞍上は浜中俊。2012年に131勝を挙げ、24歳で全国リーディングジョッキーに立ちながら、その年はGIをひとつも勝てなかった男である。デビューから引退まで、この牝馬が走った17戦のうち16戦で、背にいたのは彼である。2週間後の未勝利戦を2馬身差で勝ち上がり、旅は始まった。
抽選の、外側で
明けて3歳初戦は東京のクイーンカップ。関東への初輸送で馬体重は前走から20kg減り、キャリア最軽量の424kgでゲートに入った。最後方から猛然と追い込んだが、キャットコインをクビ差とらえきれずに2着。この一戦で賞金を積み損ねたことが、春の運命を決めた。 厩舎はトライアルを使わず、放牧に出して馬体を立て直す道を選ぶ。賞金不足のまま桜花賞に登録し、3分の2の抽選に漏れて除外された。一冠目は、走る前に終わっている。 代わりに彼女が出走したのは、桜花賞と同じ4月12日、同じ阪神競馬場で行われた忘れな草賞だった。芝2000m、1番人気。マイルの重賞をクビ差で取りこぼした馬が、2000mでは危なげなく勝って賞金を加算し、次の一冠への出走権を自分の脚で取り戻した。
樫の女王 ― 五月の府中
2015年5月24日、東京・芝2400m。優駿牝馬でミッキークイーンは3番人気に推された。1番人気は戸崎圭太のルージュバック。 ノットフォーマルが押してハナを奪い、前半1000mの通過は61秒3。ミッキークイーンは中団よりやや後ろで脚を溜め、3〜4コーナーでルージュバックが仕掛けるのを見ながら外へ持ち出された。残り200m、ルージュバックが堂々と先頭に立つ。その外からクルミナルが食い下がり、さらに外にミッキークイーン。三頭が馬場の中ほどで並んだ。 この直線について、浜中はのちに「直線では、ぼくの馬のほうが切れるという自信がありました」[^1]と語っている。自信のとおりだった。ゴール手前で二頭をまとめて呑み込み、3/4馬身。勝ち時計2分25秒0、上がり3ハロン34秒0は、次に速かった馬より0秒3速い。 重賞初制覇が、そのままGI初制覇になった。浜中にとっても、池江泰寿にとっても、オークスは初めての勝利である。抽選に漏れた馬が、樫の女王になった。
出典:Number Web「オークス最後の直線、ルージュよりもなぜミッキークイーンが弾けたのか?」2015年5月25日配信、https://number.bunshun.jp/articles/-/823388、閲覧日:2026年7月27日。
大外十八番 ― レコードの二冠
秋は阪神のローズステークスから始動した。1番人気に支持されたが、またゲートが決まらず最後方から。追い込みは届かず、タッチングスピーチの2着に終わる。 10月18日、京都の秋華賞。枠は大外の18番だった。ノットフォーマルが引っ張る前半1000mは57秒4のハイペースで、隊列は縦に長く伸びる。彼女は中団を追走し、勝負どころで自ら前へ動いた。直線、内目の馬群を割ってグイグイと伸び、残り100mで先頭。外から5番人気のクイーンズリングが強烈に襲いかかったが、クビ差で押し切った。 勝ち時計1分56秒9はレースレコード。前年にショウナンパンドラが刻んだ記録を、そのショウナンパンドラに乗っていた浜中自身が塗り替え、彼はこのレースを連覇した。オークスは差し切り、秋華賞は振り切って。二つの冠は、まるで違う顔で獲られている。 続くジャパンカップは、間隔と53kgという斤量を計算に入れて古馬に挑んだ一戦だった。3番人気に支持されたが、道中の不利が響いて8着。デビューから7戦続いていた連対が、ここで途切れる。勝ったのは、一年前に浜中と秋の女王になったショウナンパンドラだった。年末、ミッキークイーンはJRA賞最優秀3歳牝馬に選ばれる。
主戦のいない春
2016年2月7日、東京新聞杯。浜中はこのレースで落馬し、左手首と左指を骨折した。3月の時点でも手首にはプレートが埋まったままで、それを抜く手術が残っており、復帰は5月の頭から中旬あたりになりそうだと本人が語っている。牝馬の始動戦には、間に合わなかった。 4月9日の阪神牝馬ステークス、手綱を託されたのはクリストフ・ルメール。1番人気に応えようと追ったが、逃げたスマートレイアーをクビ差とらえきれずに2着。そのスマートレイアーこそ、浜中が落馬した東京新聞杯を勝った馬である。 5月15日、ヴィクトリアマイル。浜中が戻ってきた。1番人気で、勝ったストレイトガールから2馬身半差の2着。勝てはしなかったが、コンビは元の形に戻った。 今度は馬が止まる番だった。左前脚の靱帯炎で宝塚記念を回避し、長い休養に入る。復帰予定だった京都大賞典も球節の捻挫で使えず、秋は6か月ぶりのぶっつけでエリザベス女王杯へ向かった。結果は3着。勝ったのは、秋華賞でクビ差退けたクイーンズリングだった。暮れの有馬記念は7番人気で5着。牝馬では最先着だったが、勝ったサトノダイヤモンドとの差は0秒4あった。
重馬場の復活と、アタマ差の秋
2017年4月8日、阪神牝馬ステークス。雨で馬場は重くなり、時計を要する条件になったことが味方した。中団から豪快に突き抜け、2着アドマイヤリードに0秒3差。秋華賞以来、およそ1年半ぶりの勝利であり、重賞3勝目だった。 ひと月後のヴィクトリアマイルは単勝1.9倍の1番人気。だが残り300mの地点でもう余力を失い、7着。17戦のうち、牝馬同士の一戦で掲示板を外したのは、この日だけである。勝ったのは、阪神で退けたはずのアドマイヤリードだった。 6月の宝塚記念は11頭立て、牝馬は彼女ひとりだった。サトノクラウンから0秒3差の3着。牡馬混合のGIでは、これが自己最高の着順になる。強い、という評価は最後まで揺らがなかった。 夏、靱帯炎が再発した。秋はまたぶっつけでエリザベス女王杯へ。前半1000m62秒0というスローで前が有利になった京都で、彼女は大外から出走メンバー最速の上がり3ハロン33秒7を繰り出す。モズカッチャン、クロコスミアに続く3着。着差はアタマ、タイム差はなし。二年続けて、女王杯の女王にだけはなれなかった。 12月24日、有馬記念。キタサンブラックが引退する日の中山で、5番人気の彼女は11着でゴール板を過ぎた。17戦目だった。
名は、母系に残る
2018年1月31日付で競走馬登録が抹消され、ミッキークイーンはノーザンファームで繁殖牝馬となった。17戦5勝、獲得賞金5億1131万円。 2番仔の父に選ばれたのはミッキーロケット。彼女が3着に敗れた宝塚記念を、翌2018年に同じ勝負服で勝った馬である。その間に生まれたミッキーゴージャスは、2024年の愛知杯を勝った。 そして、母ミュージカルウェイの娘たちが、それぞれの仔で日本のターフを静かに織り上げていた。全姉インナーアージの娘ブレイディヴェーグは、2023年のエリザベス女王杯を制している。鞍上は、主戦のいない春に一度だけこの馬の手綱を握ったルメールだった。全妹ルールブリタニアの産駒エピファニーは2024年の小倉大賞典を、半妹オーロトラジェの産駒ショウヘイは2025年の京都新聞杯と2026年のアメリカジョッキークラブカップを勝っている。 二度挑んで、二度とも三着に終わった女王杯を、姪が獲った。抽選で名を呼ばれないところから始まった馬は、呼ばれる名をいくつも母系に残している。
産駒 — 旅を継ぐ馬
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