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ミッキーファイト
通算成績13戦8勝
獲得賞金5億838万円
生年月日 2021.05.05(令和3年)毛色 栗毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | JpnⅠ帝王賞 | 大井 ダ2000 | 1人気 | 戸崎圭太 | 2:02.8 | 上り37.1 | 映像 | |
| 2 | JpnⅠかしわ記念 | 船橋 ダ1600 | 1人気 | C.ルメール | 1:38.7 | 上り37.9 | 映像 | |
| 2 | GI東京大賞典 | 大井 ダ2000 | 1人気 | C.ルメール | 2:04.3 | 上り38.4 | 映像 | |
| 1 | JpnⅠJBCクラシック | 船橋 ダ1800 | 1人気 | C.ルメール | 1:52.0 | 上り38.7 | 映像 | |
| 1 | JpnⅠ帝王賞 | 大井 ダ2000 | 1人気 | C.ルメール | 2:03.1 | 上り37.7 | 映像 | |
| 1 | GIIIアンタレスS | 阪神 ダ1800 | 1人気 | C.ルメール | 1:51.3 | 上り37.8 | 映像 | |
| 3 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 1人気 | 戸崎圭太 | 1:35.9 | 上り35.8 | 映像 | |
| 1 | JpnⅢ名古屋大賞典 | 名古屋 ダ2000 | 2人気 | 戸崎圭太 | 2:07.4 | 上り39.4 | — | |
| 2 | JpnⅠジャパンダートクラシック | 大井 ダ2000 | 3人気 | 戸崎圭太 | 2:04.3 | 上り37.8 | 映像 | |
| 1 | GIIIレパードS | 新潟 ダ1800 | 1人気 | 戸崎圭太 | 1:51.2 | 上り37.6 | 映像 | |
| 3 | GIIIユニコーンS | 京都 ダ1900 | 1人気 | 戸崎圭太 | 1:59.3 | 上り38.5 | 映像 | |
| 1 | 2歳1勝クラス | 中山 ダ1800 | 1人気 | 戸崎圭太 | 1:52.5 | 上り37.6 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 東京 ダ1600 | 2人気 | 津村明秀 | 1:38.4 | 上り37.2 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ドレフォン | Gio Ponti | Tale of the Cat |
| Chipeta Springs | ||
| Eltimaas | Ghostzapper | |
| Najecam | ||
| 母スペシャルグルーヴ | スペシャルウィークSpecial Week | サンデーサイレンス |
| キャンペンガール | ||
| ソニックグルーヴ | フレンチデピュティ | |
| エアグルーヴAir Groove |
旅程 — この馬の物語
2021年生まれの栗毛の牡馬。父ドレフォン、母スペシャルグルーヴ。主な勝ち鞍はJBCクラシック・帝王賞・レパードS。
がんばれ、という名 ― エアグルーヴの末裔
「ミッキーファイト」――冠名に「がんばれ」という意味を重ねたその名は、どこかシンプルな祈りに似ている。だが血を辿れば、名に似合わぬほど重厚な系譜が現れる。 2021年5月5日、北海道安平町のノーザンファームに生まれた栗毛の牡馬。父はアメリカのチャンピオンスプリンター、ドレフォン。2016年のブリーダーズカップ・スプリントをはじめ、キングズビショップS・フォアゴーSを制した米年度代表スプリンターが、日本の重距離ダートに産駒を送り込む際の旗手がこの馬となる。 母スペシャルグルーヴの血はさらに古い。母の母がソニックグルーヴ、その母がエアグルーヴ――1996年のオークスと1997年の天皇賞(秋)を制し、牝馬として年度代表馬に選ばれた女傑だ。その4代母にはオークス馬ダイナカールが連なる。エアグルーヴの血は母系を通じて受け継がれ、ミッキーファイトの曾祖母として息づく。 半兄グルーヴィットは2019年の中京記念(GIII)を制した芝の重賞馬。同じ半兄ジュンライトボルト(父キングカメハメハ)は、2022年のチャンピオンズカップ(GI)を差し切り勝ちで制している。牝系の力は世代を超えて花を咲かせてきた。ミッキーファイトは、その枝のひとつとして秋の砂を踏む。 馬主は野田みづき、調教師は美浦の田中博康。「がんばれ」と名付けられた栗毛は、いずれ誰よりもがんばることになる。
デビューと戸崎 ― 砂の感触
2023年10月15日、東京ダート1600m。鞍上は津村明秀で、2番人気に推されたデビュー戦だった。先に抜け出したセントラルヴァレーが外に寄れた隙を突き、インから差し切る。タイム1分38秒4。初戦を勝利で飾ったミッキーファイトは、2か月後の12月10日、中山ダート1800mに戸崎圭太を背に登場し、こちらも1番人気に応えて快勝した。 年が明けて3歳初戦、2024年4月のユニコーンS(GIII)は1番人気で3着に敗れる。展開が向かず、スムーズさを欠いた一戦だった。だが戸崎は確信を持っていた。最初に跨ったときから能力を感じており、ダート界で活躍してほしい馬だと語っていた。その信頼は夏に実を結ぶ。
新潟の砂 ― レパードS重賞初制覇
2024年8月4日、新潟ダート1800m。1番人気の重賞初挑戦。レパードS(GIII)。 道中は好位のインでリズムを刻み、直線に入ると力強く伸びた。粘るサトノフェニックスをゴール前でねじ伏せ、重賞初制覇。タイム1分51秒2。 戸崎圭太は、1枠だけが気がかりだったがスタートも上手に出て向正面で外に出せたと笑顔で振り返り、負けられない一戦を勝ち切った喜びを語った。夏の新潟の砂に、ミッキーファイトの名が刻まれた。 秋に向かい、その蹄は4歳世代のダート最高峰、ジャパンダートクラシック(JpnI)を指していた。大井のダート2000m、10月2日。1番人気の同世代フォーエバーヤングにこの日は届かなかった――0.2秒差の2着。上り最速の末脚で猛追したが、わずかに差を詰め切れなかった。その悔しさが、次の章の燃料になった。
ルメールとの出会い ― アンタレスS
年末の名古屋大賞典(JpnⅢ・名古屋ダ2000m)を戸崎圭太で制し、重賞2勝目を加えた。明けて2025年2月のフェブラリーS(GI)は、1番人気で3着。ワンターンの東京マイル、外を回らされた展開の中で戸崎圭太は流れが向かなかったと言葉を絞り出した。冬の府中は、まだ勝利を許さなかった。 4月、阪神のアンタレスS(GIII)。このレースからミッキーファイトの手綱は、クリストフ・ルメールへと引き継がれた。道中は3番手を追走。直線の入り口で先頭に抜け出すと、後続を突き放して完勝。重賞3勝目。タイム1分51秒3。 ルメールはその感触を隠さなかった。落ち着いて息が入り、最後はいつも通りの長い脚を使ってくれた。体も大きく綺麗でスタミナもあり、1800・2000mのトップレベルで走れる馬だ——ダートで強いこの馬に、ルメールはそう手応えを口にした。初騎乗で示した確信。これがふたつの旅の、始まりだった。
スーパースターへ ― 帝王賞・JBCクラシック連制
2025年7月2日、大井ダート2000m。帝王賞(JpnI)。断然の1番人気、鞍上はルメール。 好スタートから2番手を追走し、向こう正面で先頭へ。3コーナー手前には既に先頭。後続が迫ってもひるまず、クビ差で押し切った。タイム2分3秒1。JpnI初制覇。 ルメールは、未来のダートのスーパースターホースを見たのではないか、と絶賛した。能力の高さはGIレベル、スタートからリラックスして向正面でも冷静に走れ、乗りやすくパワフルで何でもできる馬だ、と。 秋、11月3日の船橋、JBCクラシック(JpnI)。先団から4コーナーで先頭に立ち、メイショウハリオの追撃を3馬身突き放した。タイム1分52秒0。完勝。ルメールが関西弁で漏らした一言が、すべてを言い表していた。「強いわ!」[^1]。 2レースで2つのJpnIタイトル。がんばれという名を持つ栗毛は、もはやがんばる側ではなかった。
出典:東スポ競馬「【JBCクラシック結果&コメント】ミッキーファイトが人気に応えてV 絶好調ルメールも「強いわ!」と舌巻く完勝」2025年11月3日配信、https://tospo-keiba.jp/breaking_news/64642、閲覧日:2026年6月29日。
1800mの答え ― 敗北の先にある照準
12月29日、大井ダート2000m。年末の総決算、東京大賞典(GI)。1番人気のミッキーファイトを、地方所属のディクテオンがゴール前でかわした。クビ差の2着。 ルメールは敗因を距離に求めた。直線はよく頑張ったが勝った馬が強すぎた、2000mはギリギリで1800mがベストだ、と。JBCクラシックの1800mと、帝王賞・東京大賞典の2000m。ベストの照準が絞られていく。 2026年5月5日、生まれ日に開かれたかしわ記念(JpnI)、船橋ダート1600m。スタートで躓きながら4番手に収め、4コーナーで先頭へ。ゴール前でウィルソンテソーロに差し切られ、またクビ差の2着。勝てると思ったが伸び切れなかった、距離のベストは1600m〜1800mだ——ルメールはそう続けた。 JpnI2勝、12戦7勝、獲得賞金4億2800万円超。父ドレフォンのパワー、エアグルーヴの牝系が蓄えてきた粘り。砂の短中距離で誰より速く、誰より強く押し通す馬の、戦いはまだ終わっていない。
帝王賞連覇 ― 最初の相棒と
かしわ記念のあと、ベストの距離は1600mから1800mへと照準が絞られたはずだった。だが2026年7月1日、この馬が向かったのは、その外側にある大井ダート2000m――帝王賞だった。 手綱を取ったのは戸崎圭太。デビュー2戦目の中山で初めて跨り、最初から能力を感じていたと語っていた、あの最初の相棒である。稍重の大井で1番人気。ゲートで出遅れを警戒されていたが、この日はゲートの中でもおとなしく、スタートも速かった。あの位置でスムーズな競馬ができたと戸崎は振り返る。好位3番手の外から直線で先頭へ。この馬の力なら押し切れるだろうと仕掛けた。2着アウトレンジに1馬身3/4差、タイム2分2秒8。3着には、あの東京大賞典で敗れたディクテオンが追い込んだが、届かなかった。 帝王賞の連覇は史上2頭目[^1]。「ギリギリ」とされた2000mの玉座を、この馬は自分の力でもう一年守り切った。管理する田中博康調教師は、レース後の囲みで先を見ていた。「中東遠征は意識しています」[^1]。 がんばれ、と名付けられた栗毛は、いまや追われる側の王者として砂の頂に立つ。次に目指すのは、海の向こうの砂だ。
出典:スポーツナビ「【帝王賞】史上2頭目の連覇ミッキーファイト、今後のレース戦略は「来年の中東も意識している」」2026年7月2日配信、https://sports.yahoo.co.jp/official/detail/2026070200030-spnaviow、閲覧日:2026年7月6日。
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