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ムルソー
通算成績12戦7勝
獲得賞金1億5,821万円
生年月日 2021.03.05(令和3年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | JpnⅢマーキュリーカップ | 盛岡 ダ2000 | 1人気 | 坂井瑠星 | 2:02.5 | 上り36.3 | — | |
| 1 | GIIIアンタレスS | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 坂井瑠星 | 1:50.3 | 上り35.8 | 映像 | |
| 2 | L仁川S | 阪神 ダ2000 | 1人気 | 坂井瑠星 | 2:04.1 | 上り37.9 | — | |
| 1 | OPシトリンS | 京都 ダ1900 | 1人気 | C.ルメール | 1:56.9 | 上り37.5 | — | |
| 1 | OPイサ殿下御来場記念 | 中山 ダ1800 | 1人気 | C.ルメール | 1:51.3 | 上り37.5 | — | |
| 4 | OP総武S | 中山 ダ1800 | 1人気 | C.ルメール | 1:52.1 | 上り38.6 | — | |
| 1 | ブエナビスタC | 京都 ダ1900 | 1人気 | 団野大成 | 1:57.3 | 上り36.7 | — | |
| 1 | 天竜川特別 | 中京 ダ1800 | 1人気 | 戸崎圭太 | 1:51.6 | 上り37.1 | — | |
| 5 | GIIIユニコーンS | 京都 ダ1900 | 2人気 | 川田将雅 | 1:59.9 | 上り39.2 | 映像 | |
| 1 | 3歳1勝クラス | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 川田将雅 | 1:51.8 | 上り36.4 | — | |
| 1 | 3歳未勝利戦 | 京都 ダ1900 | 4人気 | 団野大成 | 1:59.4 | 上り37.4 | — | |
| 10 | 2歳新馬 | 京都 芝2000 | 2人気 | A.ルメートル | 2:06.6 | 上り37.6 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父レイデオロ 鹿毛 | キングカメハメハ 鹿毛 | Kingmambo |
| マンファス | ||
| ラドラーダ 青鹿毛 | シンボリクリスエスSymboli Kris S | |
| レディブロンド | ||
| 母ラユロット 黒鹿毛 | エンパイアメーカー 黒鹿毛 | Unbridled |
| Toussaud | ||
| ユメノオーラ 鹿毛 | マイネルラヴ | |
| レッダンゴールド |
旅程 — この馬の物語
2021年生まれの鹿毛の牡馬。父レイデオロ 鹿毛、母ラユロット 黒鹿毛。主な勝ち鞍はアンタレスS。
白ワインの村の名を負って
2021年3月5日、辻牧場に生まれた鹿毛の牡馬。父はダービーと天皇賞・秋を制したレイデオロ、母はラユロット、その父にアメリカのエンパイアメーカーを擁する。馬名の由来は、フランス・ブルゴーニュの地名――コート・ド・ボーヌの丘に広がる、黄金色の白ワインで名高いムルソー村である。樽の中で時間をかけて磨かれ、蜂蜜のような香りをまとうまで熟成を待つ、あの白の名を負って生まれた。 2024年1月、京都・芝2000mの新馬戦。オレリアン・ルメートルを背に2番人気の支持を受けながら、10着に沈む。芝の上では、名前ほどには輝けなかった。管理する斉藤崇史は、まだ幼さの残る、これからの馬だと語った。名の由来となった白ワインがそうであるように、この馬もまた、花が開くまでの時間を必要としていた。
砂で目覚める ― 逃げ、という答え
答えは、芝の外にあった。矛先をダートに替えた二戦目、京都ダート1900mの未勝利戦。団野大成の手綱でハナを奪うと、二番手以下を2.3秒も突き放す大差の逃げ切りで、キャリア初勝利を挙げる。砂の上で、馬は生き返った。 続く1勝クラスは川田将雅に乗り替わり、今度は8馬身差の逃げ切り。芝で二桁着順だった馬が、砂では後続を千切って先頭でゴールへ入る。走る舞台がひとつ替わっただけで、まるで別の馬のようだった。 だが、駆け上がってすぐの壁は高い。四月のユニコーンステークス、初めての重賞。2番人気に推されながら、スタートの失敗が最後まで響いて5着。逃げの形をつくれなければ、この馬の武器は鈍る。砂の申し子にも、まだ埋めるべき距離が残っていた。
砂に眠っていた血
なぜ、砂だったのか。血をたどると腑に落ちる。母ラユロットへ続く母系には、五代母ホクトビーナスがダートで2戦2勝、四代母ホクトペンダントもダートで1戦1勝と、古くからダートを苦にしない脈が通っていた。母の父は、アメリカのベルモントステークスを制したエンパイアメーカー。芝向きと見られた素材の底に、砂を走る血が静かに眠っていたのである。 秋、中京の天竜川特別を戸崎圭太で、暮れの京都・ブエナビスタカップを団野大成で勝ち、二連勝で年を越す。明けて2025年のはじめ、馬はデビューから預けられた斉藤崇史の手を離れ、池江泰寿の厩舎へ移った。クリストフ・ルメールを新たな主戦に、総武ステークスこそ4着に足踏みしたが、秋のイサ殿下御来場記念でオープン初勝利、続くシトリンステークスも逃げ切って、砂の階段を一段ずつ登っていった。
阪神の逃げ切り ― 重賞初制覇
2026年2月、阪神ダート2000mの仁川ステークス。この日から手綱を取ったのが坂井瑠星だった。1番人気に応えきれず2着に敗れはしたが、坂井はこの馬の底に、重賞で勝負になる器を確かに感じ取っていた。 二か月後、四月十八日の阪神。第31回アンタレスステークス、ダート1800mの重賞である。1番人気に推されたムルソーは、好スタートからためらわずハナを奪うと、坂井の巧みなペース配分で後続をじりじりと引きつけたまま、先頭で直線を向いた。武豊のモックモックの追撃を1馬身半しのいで、1分50秒3で押し切る。芝の新馬で10着に沈んだ馬が、重賞初制覇。デビューから数えて六人目の鞍上が、その器をついに勲章へ変えた。 「自信を持って乗りました」[^1]。坂井は淡々とそう振り返り、この距離で揉まれない形がこの馬のベストだと付け加えた。斉藤崇史がかつて幼さの残るこれからの馬と見たその素材は、池江泰寿の厩舎で、砂を逃げる一頭の重賞馬として花開いた。 三か月後、初めての地方遠征となった盛岡のマーキュリーカップでも1番人気に推された。ただしこの日は、前に行く馬が違った。角田大和のサンデーファンデーにハナを譲る形になり、追いすがって1馬身1/4差の2着。先頭で運べればこの馬は強い――鞍上の見立ての裏返しとして、ハナを譲った日にどう走るかが、宿題のかたちで残った。通算12戦7勝。まだ良くなる――そう言い切られた五歳の逃げ馬の前には、ダートの中距離という戦場が、まだ広く残っている。
出典:東スポ競馬「【アンタレスS結果&コメント】ムルソーが逃げ切り重賞初V 坂井瑠星「自信を持って乗りました」」2026年4月18日配信、https://tospo-keiba.jp/breaking_news/70670、閲覧日:2026年7月16日。
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