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メイショウハリオ
通算成績32戦10勝
獲得賞金6億6,630万円
生年月日 2017.02.25(平成29年)毛色 栗毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4 | GIチャンピオンズカップ | 中京 ダ1800 | 8人気 | 武豊 | 1:50.6 | 上り36.7 | 映像 | |
| 2 | JpnⅠJBCクラシック | 船橋 ダ1800 | 7人気 | 浜中俊 | 1:52.6 | 上り38.6 | 映像 | |
| 除 | 帝王賞 | 大井 ダ2000 | 浜中俊 | — | 映像 | |||
| 7 | GIII平安S | 京都 ダ1900 | 3人気 | 浜中俊 | 1:57.8 | 上り35.2 | 映像 | |
| 1 | JpnⅠ川崎記念 | 川崎 ダ2100 | 3人気 | 浜中俊 | 2:18.0 | 上り38.2 | 映像 | |
| 6 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 11人気 | 浜中俊 | 1:36.3 | 上り35.5 | 映像 | |
| 2 | JpnⅠJBCクラシック | 佐賀 ダ2000 | 4人気 | 浜中俊 | 2:08.8 | 上り37.8 | 映像 | |
| 3 | JpnⅡ日本テレビ盃 | 船橋 ダ1800 | 4人気 | 浜中俊 | 1:53.9 | 上り39.2 | — | |
| 9 | JpnⅠ帝王賞 | 大井 ダ2000 | 5人気 | 浜中俊 | 2:09.3 | 上り39.9 | 映像 | |
| 取 | GIサウジカップ | キングアブドゥル ダ1800 | 浜中俊 | — | 映像 | |||
| 5 | GIチャンピオンズカップ | 中京 ダ1800 | 6人気 | 浜中俊 | 1:51.3 | 上り37.3 | 映像 | |
| 4 | JpnⅠJBCクラシック | 大井 ダ2000 | 1人気 | 浜中俊 | 2:06.5 | 上り38.8 | 映像 | |
| 1 | JpnⅠ帝王賞 | 大井 ダ2000 | 2人気 | 浜中俊 | 2:01.9 | 上り36.4 | 映像 | |
| 1 | JpnⅠかしわ記念 | 船橋 ダ1600 | 2人気 | 浜中俊 | 1:39.3 | 上り37.2 | 映像 | |
| 3 | GIフェブラリーS | 東京 ダ1600 | 4人気 | 浜中俊 | 1:36.2 | 上り35.8 | 映像 | |
| 3 | GI東京大賞典 | 大井 ダ2000 | 1人気 | 浜中俊 | 2:05.8 | 上り38.2 | 映像 | |
| 5 | JpnⅠJBCクラシック | 盛岡 ダ2000 | 3人気 | 浜中俊 | 2:03.3 | 上り36.7 | 映像 | |
| 1 | JpnⅠ帝王賞 | 大井 ダ2000 | 5人気 | 浜中俊 | 2:03.3 | 上り37.0 | 映像 | |
| 3 | GIII平安S | 中京 ダ1900 | 3人気 | 浜中俊 | 1:57.8 | 上り36.4 | 映像 | |
| 1 | GIIIマーチS | 中山 ダ1800 | 2人気 | 浜中俊 | 1:50.2 | 上り36.5 | 映像 | |
| 7 | GIチャンピオンズカップ | 中京 ダ1800 | 10人気 | 浜中俊 | 1:51.1 | 上り36.6 | 映像 | |
| 1 | GIIIみやこS | 阪神 ダ1800 | 5人気 | 浜中俊 | 1:50.8 | 上り36.1 | 映像 | |
| 2 | OP太秦S | 阪神 ダ1800 | 8人気 | 岩田康誠 | 1:51.3 | 上り37.4 | — | |
| 2 | LジュライS | 福島 ダ1700 | 2人気 | 田辺裕信 | 1:44.8 | 上り37.1 | — | |
| 1 | 薫風S | 東京 ダ1600 | 5人気 | 横山和生 | 1:36.8 | 上り36.2 | — | |
| 10 | 天満橋S | 阪神 ダ1400 | 8人気 | 松若風馬 | 1:24.7 | 上り36.5 | — | |
| 1 | 小倉城特別 | 小倉 ダ1700 | 5人気 | 西村淳也 | 1:43.6 | 上り36.3 | — | |
| 1 | 3歳以上1勝クラス | 京都 ダ1400 | 2人気 | 藤岡康太 | 1:23.3 | 上り35.9 | — | |
| 4 | 3歳以上1勝クラス | 中京 ダ1400 | 1人気 | 菱田裕二 | 1:24.6 | 上り36.7 | — | |
| 5 | 3歳以上1勝クラス | 小倉 ダ1700 | 3人気 | 酒井学 | 1:44.3 | 上り36.2 | — | |
| 3 | 3歳以上1勝クラス | 小倉 ダ1700 | 7人気 | 菱田裕二 | 1:43.8 | 上り36.5 | — | |
| 10 | 3歳1勝クラス | 京都 ダ1800 | 11人気 | 松若風馬 | 1:51.5 | 上り35.7 | — | |
| 1 | 3歳未勝利 | 福島 ダ1700 | 1人気 | 菱田裕二 | 1:49.2 | 上り38.5 | — | |
| 5 | 3歳未勝利 | 阪神 ダ1400 | 11人気 | 菱田裕二 | 1:25.9 | 上り36.8 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父パイロPyro | Pulpit | A.P. Indy |
| Preach | ||
| Wild Vision | Wild Again | |
| Carol's Wonder | ||
| 母メイショウオウヒ | マンハッタンカフェManhattan Cafe | サンデーサイレンスSunday Silence |
| サトルチェンジSubtle Change | ||
| アルペンローズAlpine Rose | Kris S. | |
| Amizette |
引退後・牧場での映像
ゴール板の先の時間旅程 — この馬の物語
2017年生まれの栗毛の牡馬。父パイロ、母メイショウオウヒ。主な勝ち鞍はかしわ記念・帝王賞・川崎記念。
世界最速の翼を負って ― 名前と血
「メイショウ」は馬主・松本好雄の冠名。その下に付いた「ハリオ」は、水平飛行で世界最速とされるアマツバメ――ハリオアマツバメから採られている。空を裂く鳥の名を負って、2017年2月25日、北海道浦河町の三嶋牧場に一頭の栗毛の牡馬が生まれた。父はアメリカ生まれのダート血統パイロ。その父パルピットはA.P.インディの直仔で、北米ダートの本流を汲む。母メイショウオウヒは母父にマンハッタンカフェを持つ黒鹿毛で、派手な現役成績を残した牝馬ではない。だがこの母の腹からは、もう一頭、後に芝の長距離王が現れる。翌2018年に生まれた半弟テーオーロイヤル――父リオンディーズのその馬は、2024年の天皇賞(春)を制し、母系にひとつの芝GIをもたらすことになる。同じ母を持ちながら、兄が向かった先は芝ではなく、砂だった。
遅れてきた栗毛 ― デビューと下積み
デビューは遅かった。ひと息に完成する良血ではなく、脚元と相談しながらの歩みだったのだろう。初陣は3歳を迎えた2020年4月5日、阪神のダート1400m。菱田裕二を背に5着。だが二週間後、同じ菱田とのコンビで福島の未勝利戦を1番人気に応えて勝ち上がる。そこからは、勝ちきれない日が続いた。1勝クラスを幾度も叩き、松若風馬、酒井学、藤岡康太と鞍上が替わりながら、10月の京都でようやく2勝目を挙げて休養に入る。明けて2021年、小倉城特別、東京の薫風Sと窓を一つずつ開けていった。砂の1600〜1800mで我慢を利かせ、直線で差してくる形が、少しずつこの馬のものになっていく。
浜中俊、ふたたび大舞台へ ― みやこSとマーチS
2021年11月、みやこステークス。ここで初めて手綱を取ったのが浜中俊だった。5番人気の評価を覆し、上がり最速で差し切ってこれが重賞初制覇。浜中は、2012・2013年と連続で全国リーディングジョッキーに輝いた早熟の名手である。だが2016年、東京新聞杯で内ラチに激突して落馬し、四か所を骨折する大怪我を負った。以後、最上級の舞台からはしばらく遠ざかっていた。その男が、一頭の栗毛とともに、もう一度頂を目指し始める。翌春のマーチステークスも制し、コンビは中央の重賞を二つ手にした。次はもうひとつ上――交流の頂、大井が待っていた。
大井の夜、初の戴冠 ― 二〇二二年帝王賞
2022年6月29日、大井の帝王賞。JpnⅠの大舞台に、メイショウハリオは5番人気で臨んだ。道中は先行勢のすぐ後ろで脚をため、直線、前が壁になりかけたところを内へ切り込んで鋭く抜け出す。捉えにきたチュウワウィザードをクビ差しのいでゴール。初めてのGI級タイトルだった。ナイター照明に浮かぶ栗毛の背で、浜中がこぶしを突き上げる。大怪我から数年、一度は遠ざかった景色が、砂の王座として戻ってきた。
連覇、史上初 ― 二〇二三年の春から夏
充実は二〇二三年に極まる。2月のフェブラリーステークスでは中央のGIで3着に食い込み、5月のかしわ記念(船橋)を制覇。後方から第4コーナーを大外へ回し、内を突いてきたタガノビューティーをクビ差で抑えての、交流JpnI二つ目だった。そして6月、再びの大井・帝王賞。2番人気に応え、三頭が馬体を併せる大激戦をハナ差で制して、帝王賞史上初の連覇を成し遂げる。ゴールした瞬間まで勝敗は分からない、際どい差だった。翌日、浜中は自らのコラムにこう綴っている。「次は中央や海外のGⅠを勝てるよう、一緒に頑張っていきたいです」[^1]。連覇という前人未到の勲章の隣で、男はまだ、叶えていないひとつを見ていた。
出典:中日スポーツ/東京中日スポーツ「【浜中俊コラム】帝王賞をメイショウハリオで勝利 史上初の連覇という快挙、ハリオに感謝」2023年7月1日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/720260、閲覧日:2026年7月22日。
届かぬ中央 ― 砂に刻む日々と、芝を制した弟
だが「中央のGⅠ」は、遠かった。秋のJBCクラシックは1番人気で4着、チャンピオンズカップは5着。年が明けた2024年2月、サウジカップは歩様に異常が出て出走取消となり、続くドバイの舞台も棒に振る。6月の帝王賞は9着に沈み、三連覇はならなかった。勝ち切れない砂の日々。その一方で、母を同じくする半弟テーオーロイヤルが、2024年の天皇賞(春)を制して芝の長距離王に立つ。母メイショウオウヒの血が芝のGIを掴んだのは、兄ではなく弟の脚でだった。しかもその背にいたのは菱田裕二――かつてハリオのデビュー戦と初勝利で手綱を取った男である。血の物語は、思わぬ形で交差した。
最後の勲章と、別れ ― 二〇二五年
二〇二五年、八歳。2月のフェブラリーステークスは6着に終わったが、4月の川崎記念で浜中とのコンビが甦る。3番人気、2周目の向正面から動いたディクテオンを追って進出し、3コーナーで交わすと、そのまま4分の3馬身抑えて優勝。二〇二三年の帝王賞以来、一年九か月ぶりの勝ち鞍であり、四つ目の交流JpnIだった。しかし帝王賞三勝目を狙った7月、ハリオは大井にたどり着けなかった。輸送中の馬運車のなかで飼い葉を喉に詰まらせ、食道閉塞を発症したのだ。命に関わりかねない事態だった。一行は新東名高速のサービスエリアに駆け込み、ガソリンスタンドに備えつけのホースを借りて、詰まった喉を洗い流す。見ず知らずの人の手が、栗毛の命をつないだ。ひとまず難は逃れたものの、大事をとって帝王賞は競走除外となった。担当した湊直紀厩務員は「いろいろな方に助けていただいて、本当に感謝しています」[^1]と、深く頭を下げた。夏には、長く「メイショウ」の名を託してきた馬主・松本好雄がこの世を去った。秋、JBCクラシックで2着に粘り、暮れのチャンピオンズカップを最後の一戦と定める。だがその大一番に、浜中は間に合わなかった――落馬負傷で騎乗できず、手綱は武豊へ。4着でゴールを駆け抜けた栗毛は、そのまま現役に別れを告げた。通算32戦10勝、交流JpnI4勝、獲得賞金6億6630万円。「中央のGⅠ」には、ついに手が届かなかった。それでも、大井の夜に二人で刻んだ帝王賞連覇は、史上初の快挙として競走の歴史に刻まれている。浦河のイーストスタッドで種牡馬となった砂の帝王は、翼の名を次の世代へ渡す日を、静かに待っている。
出典:サンスポZBAT!(産経新聞社)「メイショウハリオを救ったガソリンスタンドのホース」2025年7月5日配信、https://www.sanspo.com/race/article/general/20250705-PWB4LPM5LZKMNIGLSFCOYHULSI/、閲覧日:2026年7月22日。
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