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メイショウダッサイ
通算成績36戦10勝
獲得賞金3億8,494万円
生年月日 2013.04.08(平成25年)毛色 黒鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | JGⅠ中山グランドジャンプ | 中山 障4250 | 1人気 | 森一馬 | 4:50.1 | 上り13.7 | 映像 | |
| 1 | 阪神スプリングJ | 阪神 障3900 | 1人気 | 森一馬 | 4:24.6 | 上り13.6 | — | |
| 1 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 1人気 | 森一馬 | 4:40.7 | 上り13.7 | 映像 | |
| 1 | JGⅡ東京ハイジャンプ | 東京 障3110 | 1人気 | 森一馬 | 3:31.1 | 上り13.6 | — | |
| 2 | JGⅠ中山グランドジャンプ | 中山 障4250 | 3人気 | 森一馬 | 5:03.4 | 上り14.3 | 映像 | |
| 1 | OPペガサスジャンプS | 中山 障3350 | 1人気 | 森一馬 | 3:42.0 | 上り13.3 | — | |
| 3 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 4人気 | 森一馬 | 4:39.6 | 上り13.6 | 映像 | |
| 2 | JGⅡ東京ハイジャンプ | 東京 障3110 | 2人気 | 森一馬 | 3:28.1 | 上り13.4 | — | |
| 1 | 小倉サマージャンプ | 小倉 障3390 | 1人気 | 森一馬 | 3:44.0 | 上り13.2 | — | |
| 1 | 障害3歳以上OP | 東京 障3100 | 1人気 | 森一馬 | 3:25.3 | 上り13.2 | — | |
| 1 | 障害4歳以上OP | 京都 障3170 | 1人気 | 森一馬 | 3:40.3 | 上り13.9 | — | |
| 2 | OP中山新春ジャンプS | 中山 障3200 | 1人気 | 森一馬 | 3:34.0 | 上り13.4 | — | |
| 2 | 障害3歳以上OP | 京都 障3170 | 2人気 | 森一馬 | 3:34.7 | 上り13.5 | — | |
| 3 | 阪神ジャンプS | 阪神 障3140 | 6人気 | 森一馬 | 3:30.3 | 上り13.4 | 映像 | |
| 1 | 障害3歳以上未勝利 | 小倉 障2860 | 4人気 | 森一馬 | 3:12.5 | 上り13.5 | — | |
| 6 | 障害4歳以上未勝利 | 新潟 障2890 | 9人気 | 森一馬 | 3:12.2 | 上り13.3 | — | |
| 7 | 障害4歳以上未勝利 | 新潟 障2890 | 9人気 | 森一馬 | 3:12.5 | 上り13.3 | — | |
| 13 | 3歳以上500万下 | 福島 ダ1700 | 7人気 | 富田暁 | 1:48.8 | 上り38.7 | — | |
| 4 | 3歳以上500万下 | 新潟 ダ1800 | 9人気 | 富田暁 | 1:51.9 | 上り37.7 | — | |
| 10 | 3歳以上500万下 | 阪神 ダ1800 | 15人気 | 義英真 | 1:55.0 | 上り38.3 | — | |
| 11 | 3歳以上500万下 | 阪神 ダ1800 | 11人気 | 義英真 | 1:54.2 | 上り37.2 | — | |
| 3 | 3歳以上500万下 | 阪神 ダ1800 | 10人気 | 義英真 | 1:54.6 | 上り37.2 | — | |
| 12 | 4歳以上500万下 | 新潟 ダ1800 | 7人気 | 義英真 | 1:56.3 | 上り39.8 | — | |
| 4 | 4歳以上500万下 | 福島 ダ1700 | 9人気 | 義英真 | 1:47.9 | 上り38.4 | — | |
| 14 | 3歳以上500万下 | 福島 ダ2400 | 5人気 | 鮫島良太 | 2:37.5 | 上り39.3 | — | |
| 5 | 3歳以上500万下 | 新潟 ダ2500 | 5人気 | 義英真 | 2:44.5 | 上り40.4 | — | |
| 6 | 3歳以上500万下 | 京都 ダ1900 | 10人気 | 義英真 | 1:59.5 | 上り38.2 | — | |
| 8 | 3歳以上500万下 | 阪神 ダ2000 | 12人気 | 義英真 | 2:05.3 | 上り37.8 | — | |
| 8 | 3歳500万下 | 東京 ダ2100 | 7人気 | 三浦皇成 | 2:14.9 | 上り38.5 | — | |
| 6 | 3歳500万下 | 京都 ダ1800 | 5人気 | 小崎綾也 | 1:53.8 | 上り37.6 | — | |
| 6 | 3歳500万下 | 阪神 ダ1800 | 14人気 | 義英真 | 1:53.4 | 上り38.2 | — | |
| 10 | 3歳500万下 | 阪神 ダ1800 | 16人気 | 義英真 | 1:52.2 | 上り38.2 | — | |
| 11 | くすのき賞 | 小倉 ダ1700 | 15人気 | 義英真 | 1:49.0 | 上り39.7 | — | |
| 1 | 2歳未勝利 | 福島 ダ1700 | 12人気 | 義英真 | 1:48.8 | 上り39.1 | — | |
| 8 | 2歳未勝利 | 新潟 ダ1800 | 7人気 | 義英真 | 1:58.2 | 上り41.5 | — | |
| 8 | 2歳新馬 | 阪神 芝2000 | 7人気 | 戸崎圭太 | 2:08.3 | 上り36.2 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父スズカマンボSuzuka Mambo | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| スプリングマンボ | Kingmambo | |
| キーフライヤーKey Flyer | ||
| 母スズカブルーム | スキャターザゴールドScatter the Gold | Mr. Prospector |
| Dance Smartly | ||
| イエローブルーム | パークリージェントPark Regent | |
| グランドリーム |
旅程 — この馬の物語
2013年生まれの黒鹿毛の牡馬。父スズカマンボ、母スズカブルーム。
獺の祭 ― 名と、ひとつの牧場
2013年4月8日、北海道新ひだか町のグランド牧場に、黒鹿毛の牡馬が生まれた。父スズカマンボ、母スズカブルーム。馬主・松本好雄の冠名「メイショウ」に続けて与えられた名は、獺祭だった。 カワウソが捕らえた魚を岸に並べる習性を、供物を並べて先祖を祭る様になぞらえた古い言葉である。七十二候では雨水の初候、春の入口に置かれた季節の名でもある。晩唐の詩人・李商隠は詩を作るのに多くの書物を周囲へ並べたことから自らを獺祭と号し、日本では正岡子規が獺祭書屋主人と称した。同じ名を持つ日本酒も広く知られる。派手な祭ではない。捕ったものを一つずつ岸に並べて数える、地味な祭の名前だった。 父スズカマンボも、この牧場の生まれである。サンデーサイレンス産駒で2005年の天皇賞(春)を勝ち、2015年に世を去った。母スズカブルームは2002年生。その母イエローブルームの娘で、母の半姉にあたるホワイトカーニバルは2002年のフェアリーステークスを勝っている。その名の意味は「白い祭典」。祭の名は、この一族に二度現れた。 ホワイトカーニバルが産んだサンビスタは、父をこの馬と同じスズカマンボとし、2014年のJBCレディスクラシック、2015年のチャンピオンズカップを制した。1歳下の半妹ピンクドッグウッドは2016年に東京2歳優駿牝馬とフルールカップを勝ち、その年のNARグランプリ2歳最優秀牝馬に選ばれている。走るための材料は、血の側には揃っていた。
平地十九戦 ― 九百八十万円
2015年9月27日、阪神の芝2000メートル。戸崎圭太を背にした新馬戦は7番人気の8着だった。二戦目の新潟も8着。三戦目、11月7日の福島・ダート1700メートルで、12番人気の低評価を覆して勝ち上がる。義英真の手綱だった。この一勝が、平地19戦で挙げた唯一の勝利になる。 預かったのは栗東の飯田祐史。1993年から騎手として乗り、2013年2月に引退して翌年に厩舎を開いたばかりだった。父・飯田明弘から引き継いだメイショウマンボが、同じスズカマンボ産駒・同じ松本好雄の勝負服で優駿牝馬、秋華賞、エリザベス女王杯を勝ち、2013年の最優秀3歳牝馬に選ばれている。その厩舎に、同じ父を持つ黒鹿毛が入ってきた。 だが500万下は遠かった。16戦して最高は2017年6月の阪神での3着、二桁着順が7度。義英真が11度跨がり、小崎綾也、三浦皇成、鮫島良太、富田暁が代わる代わる手綱を取った。2017年11月19日、福島で13着。4歳の秋、平地でのキャリアは事実上そこで途切れる。この馬が平地で稼いだ賞金は、980万円だった。
飛ぶことを覚える ― 森一馬
2018年4月28日、新潟の障害4歳以上未勝利。初めて障害の鞍に跨がったのは森一馬だった。以後、この馬が走った障害17戦の鞍上は、すべてこの男である。 森は1993年3月13日、神奈川の生まれ。競馬学校に入る前は、世田谷の馬事公苑で乗馬を習っていた。2011年に栗東・松永昌博厩舎からデビューし、2年目から障害に乗り始める。2015年の京都ジャンプステークスをダンツミュータントで制して障害重賞を初めて勝ったが、同じ年に初めて回ってきたJ・GIの騎乗機会——中山グランドジャンプのファイヤー——は競走中止に終わっていた。 障害初戦は7着、二戦目は6着。三戦目、2018年8月18日の小倉で初めて勝った。9月の阪神ジャンプステークスでは、2015年の中山グランドジャンプを勝ったアップトゥデイトの3着。11月の京都では、同じ厩舎・同じ勝負服のメイショウオトコギに先着を許して2着だった。平地では19回走って一つしか勝てなかった。障害では、5戦目までにもう一つ勝ち、重賞でも上位に食い込んでいた。
あと一つが遠い ― 二〇一九年
1月12日、中山新春ジャンプステークス。1番人気に推されながら、シークレットパスとタイム差なしの2着。2月の京都、6月の東京と連勝し、東京では2着に2秒の差をつけた。 7月27日、小倉サマージャンプ。襷コースを過ぎたあたりで先頭に立つと、直線はそのまま押し切って重賞初制覇。森はこの年、障害で15勝を挙げて最多勝利障害騎手に選ばれる。平地では35回騎乗して一度も勝てなかった年だった。飛ぶことに賭けた騎手と、飛ぶことで生き返った馬の年である。 秋、10月の東京ハイジャンプはシングンマイケルにタイム差なしの2着。12月21日、初めてのJ・GIとなった中山大障害は、63キロを背負って4番人気の3着。勝ったのはまたシングンマイケルで、その馬がこの年の最優秀障害馬になった。届かない一つが、はっきりと形を持ちはじめていた。
不良の中山 ― 二〇二〇年四月十八日
3月20日のペガサスジャンプステークスは、1番人気に応えて2着メドウラークに7馬身差。勝ち方に、もう危うさはなかった。 4月18日、中山グランドジャンプ。朝からの雨で8年ぶりの不良馬場となり、勝ち時計は5分を超えた。11頭のうち4頭が競走を中止し、最終障害で落馬した前年の最優秀障害馬シングンマイケルは、その日のうちに息を引き取った。6歳だった。半年前に東京で、暮れの中山で、この馬の前に立ちはだかっていた相手である。 先頭でゴールしたのはオジュウチョウサン。史上初の同一重賞5連覇だった。メイショウダッサイは0.5秒差の2着。壮絶な一日の泥の中で、この馬は初めて、王者のすぐ後ろまで来た。
暮れの大障害 ― 初めての戴冠
10月18日の東京ハイジャンプを単勝1.4倍で勝ち、重賞2勝目。そして12月26日、第143回中山大障害。16頭立て、単勝1.7倍の1番人気、斤量63キロ。 先団を進み、飛越はどれも危なげがなかった。残り1ハロンで、前を行くケンホファヴァルトとの差はまだ3馬身ほどある。それでも森は、最終障害を跳んだ時点で前を捉えられると思っていたと振り返っている。馬場の良い外めから追い上げ、1馬身4分の3差をつけて先頭でゴールした。 7歳にして初めてのJ・GI制覇だった。デビュー10年目の森にとっても、初めてのJ・GIだった。馬上で何度も相棒の首筋を叩いた男は、「馬には頑張ってくれてありがとうという気持ち」[^1]と言った。飯田は、直線は見ている方がハラハラしたが、最後は体力と乗り込み量が生きると思っていた、と明かしている。 この暮れ、絶対王者は中山にいなかった。オジュウチョウサンは11月の京都ジャンプステークスで13連勝を止められ、大障害には出走していない。それでも、2020年の障害路線を締めくくったのはこの馬だった。年が明け、メイショウダッサイは2020年度のJRA賞最優秀障害馬に選ばれる。
出典:中日スポーツ・東京中日スポーツ「【中山大障害】獺祭のように”磨かれた”走り!メイショウダッサイ残り1F3馬身差豪快に差し切り春の借りを返した」2020年12月26日配信、https://www.chunichi.co.jp/article/177018 、閲覧日:2026年7月26日。
春に、王者を ― 二〇二一年四月十七日
3月13日、阪神スプリングジャンプ。最後の直線の手前で手応え良く先頭に立つと、2着スマートアペックスに7馬身の差をつけた。この日は森の28歳の誕生日だった。「重量差も全く問題なく、いい走り、跳びをしてくれた」[^1]。この勝利で森は、障害重賞が行われる6競馬場すべてを制覇した。6場で施行されるようになって以降、高田潤に次ぐ2人目である。 4月17日、中山グランドジャンプ。8頭立ての1番人気は、単勝1.8倍のメイショウダッサイだった。前年に0.5秒差で追いかけた相手が、今度は追われる側に回っている。道中は中団、最終周回の向正面から好位へ進出する。最終障害を越えて先頭に立つと、そこから一気に突き放し、ケンホファヴァルトに4馬身差。 オジュウチョウサンは6連覇を逃して5着だった。鞍上の石神深一は、ペースが遅くて馬が力み、向正面でこの馬が来たときには抵抗できなかったと振り返っている。重賞4連勝、J・GI2勝目。障害に転じて三戦目から数えて、15戦続けて3着を外していない8歳の春だった。
出典:スポーツニッポン(スポニチ競馬Web)「【阪神スプリングJ】メイショウダッサイ7馬身差圧勝!森一「いい走り、いい跳びをしてくれた」」2021年3月14日配信、https://keiba.sponichi.co.jp/news/20210313s00004000560000c 、閲覧日:2026年7月26日。
祭のあと ― 世田谷へ
秋は京都ジャンプステークスから始める予定だった。だが10月に左前脚の繋靱帯炎が判明し、休養に入る。福島県いわき市のJRA競走馬リハビリテーションセンターで治療を続けたのち栗東へ戻り、2022年11月10日には栗東のウッドチップコースで追い切りを消化した。その直後、同じ患部の再発が確認される。11月18日に引退が明かされ、20日に競走馬登録が抹消された。 飯田は愛馬をこう振り返っている。「心肺機能が高くて飛越も抜群にうまかった。G1を2つ勝ったレース内容もパーフェクトでした。障害馬として求められるものを全て持っていました」[^1] オジュウチョウサンはこの年の暮れの中山大障害を最後に引退することが決まっており、多くの人が待った再戦は組まれずに終わった。王者は2021年の中山大障害と2022年の中山グランドジャンプを勝ち、2026年には障害馬として史上2頭目の顕彰馬に選ばれている。 引退を報じた各紙は、この馬の行き先を馬事公苑と伝えた。東京・世田谷。少年だった森一馬が、競馬学校へ入る前に馬の乗り方を覚えた場所である。 平地では19回走って一度しか勝てず、障害では17回走って9回勝った。二つのJ・GIは、暮れと春に一つずつ。獺祭という名は、春の入口に置かれた季節の名でもある。捕ったものを岸に並べる祭のように、この馬は自分の勝ち鞍を、一つずつ静かに並べていった。
出典:デイリースポーツ「メイショウダッサイ引退 繋靱帯炎が再発 今後は馬事公苑で繫養」2022年11月19日配信、https://www.daily.co.jp/horse/2022/11/19/0015820433.shtml 、閲覧日:2026年7月26日。
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