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マイネルレコルト
通算成績19戦4勝
獲得賞金1億9,106万円
生年月日 2002.05.10(平成14年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 7 | GIII京成杯オータムH | 中山 芝1600 | 7人気 | 蛯名正義 | 1:33.3 | 上り34.4 | — | |
| 13 | GIIIエプソムカップ | 東京 芝1800 | 8人気 | 吉田隼人 | 1:49.9 | 上り36.8 | — | |
| 5 | GIII新潟大賞典 | 新潟 芝2000 | 7人気 | 石橋脩 | 1:58.0 | 上り33.6 | — | |
| 8 | GII読売マイラーズカップ | 阪神 芝1600 | 14人気 | 安部幸夫 | 1:33.3 | 上り33.8 | — | |
| 3 | OP東風S | 中山 芝1600 | 6人気 | 吉田隼人 | 1:33.7 | 上り35.5 | — | |
| 7 | GIII東京新聞杯 | 東京 芝1600 | 7人気 | 松岡正海 | 1:34.2 | 上り34.6 | — | |
| 8 | GIII中山金杯 | 中山 芝2000 | 2人気 | D.バルジュー | 1:59.8 | 上り35.4 | — | |
| 3 | OPディセンバーS | 中山 芝1800 | 2人気 | 柴田善臣 | 1:47.3 | 上り34.4 | — | |
| 3 | GIII京阪杯 | 京都 芝1800 | 2人気 | C.ルメール | 1:45.6 | 上り34.7 | 映像 | |
| 6 | GIII富士S | 東京 芝1600 | 2人気 | 後藤浩輝 | 1:33.3 | 上り33.7 | — | |
| 9 | GIIセントライト記念 | 中山 芝2200 | 2人気 | 後藤浩輝 | 2:12.3 | 上り34.8 | — | |
| 5 | GI東京優駿 | 東京 芝2400 | 8人気 | 後藤浩輝 | 2:24.7 | 上り34.5 | 映像 | |
| 4 | GI皐月賞 | 中山 芝2000 | 2人気 | 後藤浩輝 | 2:00.0 | 上り35.0 | 映像 | |
| 3 | GII報知杯弥生賞 | 中山 芝2000 | 2人気 | 後藤浩輝 | 2:02.4 | 上り34.9 | 映像 | |
| 1 | GI朝日杯FS | 中山 芝1600 | 2人気 | 後藤浩輝 | 1:33.4 | 上り35.3 | — | |
| 5 | GII京王杯2歳S | 東京 芝1400 | 1人気 | 後藤浩輝 | 1:22.7 | 上り34.7 | — | |
| 1 | GIII新潟2歳S | 新潟 芝1600 | 1人気 | 後藤浩輝 | 1:34.8 | 上り33.3 | — | |
| 1 | OPダリア賞 | 新潟 芝1400 | 2人気 | 後藤浩輝 | 1:22.0 | 上り35.0 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 福島 芝1200 | 1人気 | 後藤浩輝 | 1:08.8 | 上り34.4 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父チーフベアハートChief Bearhart | Chief's Crown | Danzig |
| Six Crowns | ||
| Amelia Bearhart | Bold Hour | |
| Myrtlewood Lass | ||
| 母ミヤギミノル | タイテエム | セントクレスピンSaint Crespin |
| テーシルダTehsilda | ||
| タサノシユホー | フジオンワードFuji Onward | |
| トサイズミ |
旅程 — この馬の物語
2002年生まれの鹿毛の牡馬。父チーフベアハート、母ミヤギミノル。主な勝ち鞍は朝日杯FS・新潟2歳S。
七百三十五万円の一歳
2002年5月10日、北海道三石町の田上稔の牧場に、鹿毛の牡馬が生まれた。父はカナダ産のチーフベアハート、母はミヤギミノル。翌2003年の北海道サマーセールで七百三十五万円の値がつき、冠名「マイネル」を掲げるサラブレッドクラブ・ラフィアンのもとへ渡る。預けられたのは美浦の堀井雅広厩舎。1995年に厩舎を開いた堀井は、このときまだGIを勝っていない。 デビューは2004年6月20日、福島の芝千二百メートルの新馬戦である。鞍上は後藤浩輝。一番人気に応えて1分8秒8で駆け抜けた。二歳のコースレコードだった。八月、新潟のダリア賞も勝つ。馬体重は四百四十キロ台、同世代のなかでは小さいほうに入る。
新潟の夏
9月5日、新潟二歳ステークス。重賞は初めてで、一番人気に推された。三番手から早めに抜け出した牝馬を大外から捕まえ、一馬身半をつけて三連勝とする。 差し切られたその牝馬はショウナンパントルといい、三か月後に阪神ジュベナイルフィリーズを勝って、その年の二歳女王になる。六着にいたインティライミは、翌年の東京優駿で二着に入る。夏の新潟の芝千六百メートルには、のちに重賞戦線を賑わす馬が何頭も揃っていた。その全部の前で、この馬はゴール板を過ぎている。 十一月、東京の京王杯二歳ステークス。ふたたび一番人気に支持されたが、直線で伸びを欠いて五着に終わった。勝ったのは九番人気のスキップジャック、二着はキングストレイルである。この二着馬の名は、このあと三度出てくる。 初めての敗戦だった。
一分三十三秒四
十二月十二日、中山競馬場。空は曇り、芝は良。 ゲートが開くと、二ハロン目と三ハロン目が十秒台に入った。二歳のマイル戦としては速い流れである。三コーナーではストーミーカフェが単独の先頭に立っていた。マイネルレコルトはその流れを追わず、中団の後ろで息を入れている。 馬体は四百五十キロ。前を行くストーミーカフェは四百九十六キロ、一番人気のペールギュントは五百十キロあった。並べば、ひと回り小さい。 三コーナーを回るあたりから、後藤浩輝は馬を前へ運びはじめる。四コーナーでは、逃げる一頭のすぐ後ろに固まった三頭のなかにいた。中山の直線は短い。上り坂を越えるまでに、前を捕まえなければならない。 捕まえた。捕まえてから、突き放した。ゴール板を過ぎたとき、二着との差は二馬身に開いている。 一分三十三秒四。中山の芝千六百メートル、二歳のコースレコードだった。
収穫という名
馬名は、冠名の「マイネル」と、フランス語で収穫を意味する「レコルト」による。母の名は、ミヤギミノルという。 母の父タイテエムは、1972年のクラシックで四強の一角に数えられ、翌年の天皇賞(春)を勝った馬である。母系はさらに古い。母の半姉ミホクイーンは1983年の桜花賞で二着に入り、母の半兄カイラスアモンは1988年の東京新聞杯を勝った。ミホクイーンの娘、この馬から見ればいとこにあたるカリスマサンオペラは、2001年の中山金杯を勝っている。血統表にはリボーの四×四が組まれていた。 朝日杯は二番人気での勝利だった。時計は2002年にエイシンチャンプが出した一分三十三秒五を、〇秒一だけ上回っている。年が明けて、2004年度のJRA賞最優秀二歳牡馬に選ばれた。最優秀二歳牝馬は、九月の新潟で一馬身半だけ後ろに置いた相手、ショウナンパントルである。 冠名マイネルにとって、朝日杯の勝利は二度目だった。1996年、マイネルマックスが同じ中山のマイル戦を勝ち、その年の二歳牡馬の頂点に立っている(当時は三歳と表記された)。堀井雅広にとっては開業十年目にして初めてのGI、後藤浩輝にとっては2002年の安田記念に続く二つ目のJRA・GIだった。 その一週間後、十二月十九日の阪神。芝二千メートルの新馬戦を、武豊を背にした一頭が勝った。ディープインパクトという。
三度、同じ背中
2005年3月6日、弥生賞。二番人気。二番手のまま直線を向いたが、ディープインパクトとアドマイヤジャパンに前へ出られて三着に終わる。 4月17日、皐月賞。ふたたび二番人気。四コーナーを先頭集団のなかで回り、直線で粘って四着。前にいたのはディープインパクト、シックスセンス、アドマイヤジャパン。勝ち時計との差は〇秒八だった。 5月29日、東京優駿。人気は八番目まで落ちていた。道中で他馬と接触するアクシデントがあり、後方から上がり三十四秒五で追い上げて五着まで押し上げる。二着に入ったインティライミは、前年の夏に新潟で六着だった馬である。 三度、同じ馬の背中を見た。この世代の三歳戦線は、そういう年だった。
右前と、左前
秋、セントライト記念は二番人気で九着。勝ったのはキングストレイルだった。距離を縮めて富士ステークス六着、京都の京阪杯はルメールに乗り替わって三着、勝ったのはカンパニー。暮れのディセンバーステークスも三着。デビューから十戦の手綱を取った後藤浩輝は、京阪杯を境にこの馬の背を離れている。 2006年1月5日、中山金杯、二番人気で八着。同月28日、東京新聞杯、七着。この二つは、母方の一族が勝ったレースだった。中山金杯はいとこのカリスマサンオペラが、東京新聞杯は伯父のカイラスアモンが、それぞれ先に名を刻んでいる。どちらにも、この馬の名は並ばなかった。 二月、中山記念に向けた調教で右前脚に不安が出て、回避。浅屈腱炎と診断され、休養は一年余りに及んだ。 2007年3月18日、中山の東風ステークスで復帰する。馬体重は四百八十六キロ、朝日杯の日より三十六キロ重い。三着、勝ち馬との差は〇秒一。その勝ち馬がキングストレイルだった。 マイラーズカップ八着、新潟大賞典五着、エプソムカップ十三着。9月9日、京成杯オータムハンデキャップ七着。この日の勝ち馬も、またキングストレイルである。 次はオールカマーを予定していた。その矢先の9月20日、今度は左前脚に浅屈腱炎が出たことが発表される。損傷はおよそ三割、癒えるのに九か月という診断だった。翌21日、競走馬登録が抹消された。
二番人気の欄
引退後は去勢されて乗馬になった。馬事公苑で訓練を受け、同苑が改修に入ってからは宇都宮へ、2019年4月からは兵庫県三木市の乗馬施設へ移り、乗馬を習いはじめた人を背に乗せる馬になる。十九戦四勝。四つの勝ち鞍は福島の新馬、新潟のダリア賞、新潟二歳ステークス、朝日杯フューチュリティステークス——すべて2004年の、デビューからの半年のなかに収まっている。残る十五戦に、勝ち星はない。 デビューから十戦を任された後藤浩輝は、この馬で二つ目のJRA・GIを勝った。2015年2月27日に亡くなっている。四十歳だった。この馬で初めてGIに手が届いた堀井雅広は、そこから十七年厩舎を続け、2022年2月に定年で調教師を退いた。 朝日杯のあと、この馬は八回走って、そのうち七回、二番人気に推されている。その七度は、すべて外れた。三歳の春の弥生賞から四歳の正月の中山金杯まで、東京優駿の一戦を除いて、この馬の名はつねに人気順の二番目にあった。二番人気という数字は、期待というより記憶だったのだろう。2004年12月12日、中山、芝千六百メートル、曇。その日、この馬の前でゴール板を過ぎた馬はいない。十九戦のうち四度あったその形の、最後の一度だった。
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