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マイネルネオス
通算成績51戦8勝
獲得賞金2億3,370万円
生年月日 2003.03.30(平成15年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 14 | OPイルミネーションJS | 中山 障3570 | 12人気 | 江田勇亮 | 4:09.4 | 上り14.0 | — | |
| 12 | JGⅠ中山グランドジャンプ | 中山 障4250 | 14人気 | 浜野谷憲尚 | 4:56.6 | 上り14.0 | 映像 | |
| 9 | 阪神スプリングJ | 阪神 障3900 | 10人気 | 浜野谷憲尚 | 4:28.1 | 上り13.7 | — | |
| 6 | OP春麗ジャンプS | 東京 障3100 | 10人気 | 浜野谷憲尚 | 3:26.6 | 上り13.3 | — | |
| 13 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 10人気 | 浜野谷憲尚 | 4:55.2 | 上り14.4 | 映像 | |
| 10 | OP春麗ジャンプS | 東京 障3100 | 4人気 | 柴田大知 | 3:31.9 | 上り13.7 | — | |
| 4 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 2人気 | 柴田大知 | 4:45.0 | 上り13.9 | 映像 | |
| 5 | OPイルミネーションJS | 中山 障3570 | 2人気 | 柴田大知 | 4:15.3 | 上り14.3 | — | |
| 1 | JGⅠ中山グランドジャンプ | 中山 障4260 | 2人気 | 柴田大知 | 4:51.6 | 上り13.7 | 映像 | |
| 1 | 障害4歳以上OP | 中山 障3200 | 1人気 | 柴田大知 | 3:33.5 | 上り13.3 | — | |
| 2 | OP春麗ジャンプS | 東京 障3300 | 3人気 | 柴田大知 | 3:39.0 | 上り13.3 | — | |
| 3 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 5人気 | 柴田大知 | 4:46.8 | 上り14.0 | 映像 | |
| 2 | OPイルミネーションJS | 中山 障3570 | 2人気 | 柴田大知 | 4:00.2 | 上り13.5 | — | |
| 7 | JGⅡ東京ハイジャンプ | 東京 障3300 | 5人気 | 五十嵐雄祐 | 3:40.0 | 上り13.3 | — | |
| 3 | 障害3歳以上OP | 中山 障3210 | 1人気 | 柴田大知 | 3:36.1 | 上り13.5 | — | |
| 5 | 新潟ジャンプS | 新潟 障3250 | 8人気 | 柴田大知 | 3:32.7 | 上り13.1 | — | |
| 1 | 障害4歳以上OP | 中山 障3200 | 1人気 | 五十嵐雄祐 | 3:37.0 | 上り13.6 | — | |
| 4 | 障害4歳以上OP | 中山 障3200 | 3人気 | 山本康志 | 3:42.1 | 上り13.9 | — | |
| 中 | OP春麗ジャンプS | 東京 障3300 | 3人気 | 宗像徹 | — | — | ||
| 6 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 8人気 | 宗像徹 | 4:43.5 | 上り13.8 | 映像 | |
| 中 | OPイルミネーションJS | 中山 障3570 | 5人気 | 宗像徹 | — | — | ||
| 1 | 障害3歳以上未勝利 | 東京 障3000 | 2人気 | 宗像徹 | 3:24.5 | 上り13.6 | — | |
| 2 | 障害3歳以上未勝利 | 東京 障3000 | 1人気 | 宗像徹 | 3:28.0 | 上り13.9 | — | |
| 2 | 障害4歳以上未勝利 | 東京 障3000 | 1人気 | 宗像徹 | 3:22.7 | 上り13.5 | — | |
| 2 | 障害4歳以上未勝利 | 中山 障2880 | 1人気 | 宗像徹 | 3:15.1 | 上り13.5 | — | |
| 8 | 御堂筋S | 阪神 芝2400 | 11人気 | 幸英明 | 2:30.0 | 上り35.8 | — | |
| 6 | 松籟S | 京都 芝2400 | 9人気 | 幸英明 | 2:28.8 | 上り36.1 | — | |
| 11 | 美浦S | 中山 芝2200 | 15人気 | 津村明秀 | 2:17.4 | 上り37.6 | — | |
| 8 | OP札幌日経OP | 札幌 芝2600 | 4人気 | 秋山真一郎 | 2:43.4 | 上り36.2 | — | |
| 4 | OPみなみ北海道S | 函館 芝2600 | 5人気 | 藤岡佑介 | 2:44.0 | 上り36.0 | — | |
| 7 | 阿武隈S | 福島 芝2000 | 6人気 | 津村明秀 | 1:58.7 | 上り34.7 | — | |
| 5 | ジューンS | 東京 芝2400 | 12人気 | 津村明秀 | 2:26.8 | 上り35.5 | — | |
| 12 | 烏丸S | 京都 芝2400 | 7人気 | 津村明秀 | 2:26.1 | 上り34.9 | — | |
| 3 | 湾岸S | 中山 芝2200 | 8人気 | 津村明秀 | 2:17.5 | 上り37.7 | — | |
| 6 | サンシャインS | 中山 芝2500 | 12人気 | 津村明秀 | 2:34.4 | 上り36.6 | — | |
| 1 | 信夫山特別 | 福島 芝2600 | 1人気 | 石橋脩 | 2:39.5 | 上り36.2 | — | |
| 12 | GII目黒記念 | 東京 芝2500 | 10人気 | 津村明秀 | 2:32.8 | 上り35.2 | — | |
| 1 | 奥の細道特別 | 福島 芝2600 | 4人気 | 津村明秀 | 2:41.5 | 上り36.4 | — | |
| 1 | 4歳以上500万下 | 福島 芝2600 | 5人気 | 津村明秀 | 2:41.2 | 上り35.4 | — | |
| 2 | 障害4歳以上未勝利 | 中山 障2880 | 7人気 | 伊藤直人 | 3:13.5 | 上り13.4 | — | |
| 7 | 障害4歳以上未勝利 | 中山 障2880 | 5人気 | 宗像徹 | 3:20.2 | 上り13.9 | — | |
| 4 | 3歳以上500万下 | 中京 芝2000 | 13人気 | 黛弘人 | 2:00.3 | 上り36.1 | — | |
| 9 | オキザリス賞 | 盛岡 芝1700 | 6人気 | 佐藤聖也 | 1:48.1 | — | — | |
| 15 | 3歳以上500万下 | 中山 芝1800 | 11人気 | 大西直宏 | 1:53.5 | 上り38.7 | — | |
| 12 | 3歳500万下 | 東京 芝1600 | 11人気 | 的場勇人 | 1:36.8 | 上り36.0 | — | |
| 11 | 新緑賞 | 東京 芝2300 | 7人気 | 田中勝春 | 2:25.5 | 上り36.1 | — | |
| 2 | ひめさゆり賞 | 福島 芝1800 | 5人気 | 大西直宏 | 1:48.9 | 上り36.5 | — | |
| 7 | 3歳500万下 | 東京 芝1800 | 8人気 | 梶晃啓 | 1:49.5 | 上り35.6 | — | |
| 1 | 3歳未勝利 | 中山 芝2000 | 1人気 | 梶晃啓 | 2:05.2 | 上り35.9 | — | |
| 3 | 2歳未勝利 | 中山 芝2000 | 10人気 | 梶晃啓 | 2:02.9 | 上り36.1 | — | |
| 3 | 2歳新馬 | 中山 芝1600 | 9人気 | 梶晃啓 | 1:37.8 | 上り35.2 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ステイゴールドStay Gold | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| ゴールデンサッシュ | ディクタスDictus | |
| ダイナサッシュ | ||
| 母マイネプリテンダー | Zabeel | Sir Tristram |
| Lady Giselle | ||
| Giladah | Mill Reef | |
| Nouvelle Star |
旅程 — この馬の物語
2003年生まれの鹿毛の牡馬。父ステイゴールド、母マイネプリテンダー。
新しい、という名前
2005年12月10日、中山の芝1600メートル。9番人気の2歳馬が3着に入った。鞍上は梶晃啓、その馬を管理する稲葉隆一厩舎に所属する若い騎手だった。馬名はマイネルネオス。冠名に、ギリシャ語で「新しい」を意味する語を継いだ名前である。 父はステイゴールド。母マイネプリテンダーは海外生まれの輸入牝馬で、やはり稲葉厩舎で走り、4戦して1勝、2着が3度あった。母の半姉スターオブヌーヴェルはオーストラリアで重賞を勝っている。稲葉は母を預かり、そのまま仔たちも預かった。 3戦目、2006年1月23日の中山・芝2000メートルの未勝利戦を、1番人気に応えて勝った。名前のとおり、まだ何も始まっていなかった。 そのデビューと同じ日に――2005年12月10日、ひとりの騎手が、10年目にして初めて障害競走に騎乗している。柴田大知。乗り鞍を確保するための決断だった。馬と騎手は、まだ出会っていない。
福島の、長い芝
未勝利を勝ったあと、勝てない時間が来る。3歳の春は東京と福島を回り、ひめさゆり賞の2着が精一杯だった。秋には盛岡の芝まで遠征して9着。年が明けても糸口は見えない。 2007年1月、初めて障害へ回された。中山の障害未勝利で7着。3月、7番人気で2着まで来たが、勝ち馬とはクビ差だった。 そこから中2週で、平地の福島・芝2600メートルに戻る。障害帰りの馬が5番人気に支持され、勝った。1年2か月ぶりの白星である。次の奥の細道特別も、同じ福島の同じ2600メートル。3勝目。勢いのまま目黒記念へ格上挑戦して12着に沈み、負けたあとまた福島へ帰って、信夫山特別を勝った。平地で挙げた4勝のうち3つが、福島の芝2600メートルだった。長ければ長いほど、彼は走った。 準オープンに上がってからの10戦は、最高でも3着どまり。2009年2月28日、阪神の御堂筋ステークスで8着。ここで平地に見切りがついた。 その間、同じ厩舎では血族が次々に重賞を勝っている。半姉マイネヌーヴェルが2003年のフラワーカップ、半弟マイネルチャールズが2008年の京成杯と弥生賞、もう1頭の半弟マイネルアワグラスが同じ年のシリウスステークス。4頭のうち、重賞の勝ち馬でないのは彼だけだった。
二度目の柵
2009年4月4日、中山。2度目の障害入りは1番人気で2着。次も1番人気で2着、その次も2着。勝ち切れないまま3度続けて2着に来て、4度目の11月15日、東京の障害未勝利をようやく勝った。6歳の秋である。 12月のイルミネーションジャンプステークスで落馬。年が明けた2月の春麗ジャンプステークスでも落馬。成績表には着順の代わりに「中」の一字が二度並んだ。跳ぶことを覚えるのは、落ちることを覚えることでもある。 2010年4月11日、中山の障害オープンを五十嵐雄祐で勝った。8月、新潟ジャンプステークスで初めて柴田大知が跨る。8番人気の5着。 柴田大知は1996年、双子の弟・未崎とともにデビューした。JRA史上初の双子騎手として騒がれ、2年目にエアガッツでラジオたんぱ賞を勝つ。その直後、師匠の反対を押し切って結婚し、厩舎を追われた(のちに和解し、かつての師の管理馬に再び乗るようになる)。以後、騎乗依頼は減り続ける。2006年から2008年まで、平地では1勝もできなかった。2006年の騎乗回数は52。障害に乗り始めたのは、ちょうどその頃だった。落馬の危険が高いぶん騎手の数が少なく、乗り鞍は回ってくる。騎乗数を確保するための選択だった。 やがてミルファームの馬に乗るようになり、その縁が岡田繁幸に届いて、マイネルの馬が回ってくるようになる。障害界の先輩である西谷誠は、のちに彼の乗り方をこう評している。「俺、大知の乗り方、好きでたまらないんだよ」[^1] 2010年12月25日、中山大障害。5番人気で3着。1年前に6着だった、同じコースだった。
出典:JBISコラム ホソジュンのウマなりトーク「第17回 辞めなくて良かった~16年目のGⅠ初制覇のドラマ~」2011年8月11日配信、https://enjoy.jbis.or.jp/column/hosoe/2011/004207.html 、閲覧日:2026年8月1日。
七月へ動いた春
2011年3月6日、中山の障害オープンを1番人気で勝った。次は4月16日の中山グランドジャンプ――のはずだった。 3月11日、地震が来た。中山競馬場の春開催は取りやめになり、レースは7月2日へ動く。芝はCコースが使われることになり、距離は10メートル伸びて4260メートル。この年だけ、出走資格は3歳以上に広げられた。4月の競走が7月に行われたのは、この年だけである。 6月11日、柴田大知はマジェスティバイオで東京ジャンプステークスを勝った。障害では初めての重賞であり、エアガッツ以来14年ぶりの重賞でもあった。その3週間後に、8歳の鹿毛が待っていた。
最後の障害
7月の中山は曇っていた。障害コースの状態は良。ゲートへ向かったのは12頭で、マイネルネオスの馬体重は444キロ、彼より軽い馬は1頭しかいなかった。 スタート。メジロラフィキが行った。ネオスは6番手にいる。大竹柵を跳び、コースは逆回りに変わり、大生垣を跳ぶ。順位は動かない。やがて4番手まで押し上げ、そこからまた動かない。 中山グランドジャンプには、最後の直線にもう一つだけ障害がある。逃げていたメジロラフィキは、そこで躓いた。鞍上を放り出したその馬は、起き上がらなかった。頸椎が折れていた。 前が空く。2番手を進んでいたメルシーエイタイムが先頭に立ち、芝の直線を伸びていく。そこへマイネルネオスが外から並びかけ、並んだところで前へ出た。着差は1馬身と4分の1。 8歳で初めて手にした重賞が、いきなり障害の最高峰だった。
「騎手を辞めなくて良かったです」
勝利騎手インタビューのマイクの前で、柴田大知は震えた声で言った。「騎手を辞めなくて良かったです」[^1] デビューから16年目、34歳。GIは初めてだった。 歓喜と喪失が、同じ数分のなかに同居していた。 稲葉隆一にとっても、これが最後のGIになった。1998年にマイネルラヴでスプリンターズステークスを勝ってから13年。母マイネプリテンダーを預かり、その仔たちを預かり続けた厩舎の、最後の大きな勝利がこの馬だった。 父ステイゴールドの名が中山グランドジャンプの優勝馬の父として記されたのも、これが最初である。5年後からオジュウチョウサンが6度その名を重ね、ステイゴールドはこの競走の最多勝種牡馬になった。 この年、柴田の騎乗回数は493に伸びた。デビュー以来、最も多い数字だった。
出典:JBISコラム ホソジュンのウマなりトーク「第17回 辞めなくて良かった~16年目のGⅠ初制覇のドラマ~」2011年8月11日配信、https://enjoy.jbis.or.jp/column/hosoe/2011/004207.html 、閲覧日:2026年8月1日。
折れた骨、変わった厩舎
レースのあと、右第1指骨の剥離骨折が見つかった。5か月の休養。12月に戻ってイルミネーションジャンプステークスはディアマジェスティの5着、年末の中山大障害では後方から進出して2周目の3コーナーで先頭に並びかけたが、直線で伸びを欠いて4着に終わった。 2012年初戦の春麗ジャンプステークスはスタートで立ち遅れ、63キロを背負って10着。そしてその2月29日、稲葉隆一が定年を迎え、厩舎が解散する。3月1日から、彼は田中剛厩舎の馬になった。新しい厩舎には前年の中山大障害を勝ったマジェスティバイオがいた。この年の中山グランドジャンプを柴田大知で勝つ馬であり、柴田はそれで同じ競走を連覇する。2011年のJ・GI優勝馬2頭が、同じ厩舎に並んだ。 転厩してほどなく屈腱炎を発症した。全治9か月以上。年末の中山大障害で復帰したものの13着。2013年は4戦して6着、9着、12着、14着。2年前に勝った中山グランドジャンプにも戻ったが、12着だった。11月30日のイルミネーションジャンプステークスが51戦目、最後の一走になった。2014年10月10日、競走馬登録を抹消された。
根岸の丘と、いわきの山
引退の翌月、彼は横浜へ行った。根岸競馬記念公苑。1866年に日本で最初の常設の洋式競馬場が置かれ、70年余り前に閉じた、その跡地である。2014年11月16日、ポニーセンターでお披露目会が開かれた。日本の近代競馬が始まった街で、彼は乗馬になった。もう、跳ぶものは何もなかった。 2023年10月、福島県いわき市三和町のカントリーライフ21へ移る。平地で挙げた4勝のうち3つを稼いだ福島競馬場と、同じ県である。そこで過ごした2年ほどのあいだ、全国各地から生牧草が届き、にんじんを持って牧場まで会いに来る人がいたという。51戦を走り切り、J・GIをひとつ持って帰った馬のもとへ、人は通ったのである。2025年11月5日、永眠。22歳だった。牧場は「幸せな余生を過ごせたのではないかと思います」[^1]と記している。 「騎手を辞めなくて良かったです」――あの言葉は騎手のものだが、言わせたのは馬のほうである。2度落ち、平地に見切りをつけられ、8歳まで重賞に届かず、屈腱炎まで負ってなお51戦を走り切った馬が、辞めるかどうか迷い続けた男に、そう言わせた。あれから14年が経った2025年の夏にも、柴田大知は重賞を勝っている。半姉マイネヌーヴェルの仔マイネルグロンは、ネオスが4度跳んで一度も勝てなかった中山大障害を、10馬身離して勝った。血も、人も、先へ行った。 ネオスとは、新しい、という意味だった。新しくなったのは、この馬ではなかった。
出典:日本中央競馬会「マイネルネオスが死亡」2025年11月25日、https://www.jra.go.jp/news/202511/112502.html 、閲覧日:2026年8月1日。
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