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マジックサンズ
通算成績11戦2勝
獲得賞金1億252万円
生年月日 2022.03.25(令和4年)毛色 黒鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 5 | GIII函館記念 | 函館 芝2000 | 4人気 | 横山和生 | 1:58.1 | 上り34.9 | 映像 | |
| 4 | GIIIエプソムカップ | 東京 芝1800 | 6人気 | 横山和生 | 1:45.5 | 上り33.2 | 映像 | |
| 6 | GII中山記念 | 中山 芝1800 | 6人気 | 横山和生 | 1:45.6 | 上り34.1 | 映像 | |
| 12 | GIII東京新聞杯 | 東京 芝1600 | 7人気 | 武豊 | 1:32.9 | 上り33.0 | 映像 | |
| 8 | GIマイルチャンピオンS | 京都 芝1600 | 9人気 | 武豊 | 1:32.1 | 上り32.8 | 映像 | |
| 10 | GII富士S | 東京 芝1600 | 2人気 | 武豊 | 1:32.9 | 上り34.0 | 映像 | |
| 2 | GINHKマイルカップ | 東京 芝1600 | 3人気 | 武豊 | 1:31.7 | 上り33.7 | 映像 | |
| 6 | GI皐月賞 | 中山 芝2000 | 16人気 | 佐々木大輔 | 1:57.6 | 上り33.8 | 映像 | |
| 16 | GIホープフルS | 中山 芝2000 | 2人気 | 佐々木大輔 | 2:02.6 | 上り36.6 | 映像 | |
| 1 | GIII札幌2歳S | 札幌 芝1800 | 3人気 | 佐々木大輔 | 1:50.3 | 上り36.6 | 映像 | |
| 1 | 2歳新馬 | 函館 芝1800 | 1人気 | 佐々木大輔 | 1:54.0 | 上り35.3 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父キズナKizuna | ディープインパクトDeep Impact | サンデーサイレンスSunday Silence |
| ウインドインハーヘアWind in Her Hair | ||
| キャットクイルCatequil | Storm Cat | |
| Pacific Princess | ||
| 母コナブリュワーズ | キングカメハメハKing Kamehameha | Kingmambo |
| マンファスManfath | ||
| アンブロワーズ | フレンチデピュティFrench Deputy | |
| フサイチミニヨン |
旅程 — この馬の物語
2022年生まれの黒鹿毛の牡馬。父キズナ、母コナブリュワーズ。主な勝ち鞍は札幌2歳S。
コナの魔法 ― 名前と血
ハワイ島の西岸、カイルア・コナに「Magic Sands Beach」と呼ばれる砂浜がある。穏やかな日には白砂が輝くが、高波が来ると砂が沖へ流されて消え、嵐が過ぎると何事もなかったように戻ってくる。潮が運ぶ奇跡、砂浜ごと消える幻の浜。そのビーチの名が、2022年3月25日にノーザンファームで生まれた黒鹿毛の牡馬につけられた。 母コナブリュワーズもまたハワイ由来だ。コナで毎年3月に開かれる「Kona Brewers Festival」、地元醸造所と海と人が交わる祭りがその名の元。産駒には一貫してコナ一族の名が与えられ、この牡馬にはそのなかでも最も詩的な一枚が充てられた。父キズナはディープインパクトを継ぐ名種牡馬。父方の祖父の血、母方のキングカメハメハの血。ハワイの風景と日本競馬の王道血統が、一頭の黒い馬の中で溶け合った。
函館の夏、北の重賞 ― デビューと佐々木大輔
2024年7月7日、函館。単勝1番人気に推されたマジックサンズは、佐々木大輔を背に芝1800mの新馬戦を勝ち上がる。佐々木大輔は2003年生まれ、父は名馬エルコンドルパサーを担当した調教助手・佐々木幸二。競馬一家に育ち、美浦に拠点を置く若手騎手は、このとき20歳。2022年のデビューからわずか2年で頭角を現していた。 夏の終わり、8月31日の札幌2歳ステークス。重馬場。前半4ハロン48秒8という2歳重賞としてはタフな流れを、マジックサンズは中団外目から脚をためた。3コーナーから進出し、直線で先頭に立つ。ゴール手前で「ふわっとする」気の抜けが出たが、佐々木は必死に追い続けた。アルマヴェローチェのハナ差先着、デビュー2連勝での重賞初制覇。この勝利は須貝尚介厩舎にとってJRA重賞通算50勝目でもあった。「もっと上でもやれる馬だと思っている」[^1]と佐々木は言った。
出典:日本経済新聞 2024年8月31日配信、https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC312810R30C24A8000000/、閲覧日:2026年6月25日。
歯車の狂い ― 中山の2つの試練
重賞馬として秋の大舞台に臨んだが、中山芝2000mという舞台が壁になった。12月28日のホープフルステークス、2番人気に推されながら最下位の16着。距離の壁か、年末の疲れか、数字はただ結果を告げるだけだった。 翌春4月20日の皐月賞も16番人気と大きく評価を落とした状態で6着。距離2000mに適性が薄いことは、この2戦で明白になった。むしろ札幌で見せたキレ味と、1800mのスピード勝負に本質がある。春のクラシックで苦労した馬が夏から秋に本来の舞台で輝く――それは珍しいことではなかった。
武豊との春 ― NHKマイルカップ、アタマ差の悔恨
鞍上が武豊に替わり、舞台を1600mに絞って臨んだ2025年のNHKマイルカップ。東京芝1600m、GⅠの頂を目指す一戦だった。 3番人気に支持されたマジックサンズは、600m通過33秒4という締まった流れを武豊の判断で後方に控えた。「少しテンションが高い馬なので、馬ごみに入れる形はやめた方が良いと思っていた」[^1]。直線、外から鋭く伸びて先頭のパンジャタワーに迫る。しかし届かなかった。アタマ差。最も小さな着差で、最も大きな舞台の頂に手が届かなかった。「狙ったレースは出来ましたし、最後もしっかりと伸びてくれました。あともう少しのところだったのですが」[^1]と武豊は唇を噛んだ。勝ったパンジャタワーは9番人気、松山弘平の手綱で差し切り。マジックサンズの末脚は本物だと証明するには十分な内容だったが、GⅠの盃は渡ってこなかった。
出典:Yahoo!ニュース 2025年5月配信、https://news.yahoo.co.jp/articles/b4e57f5ccf35dabcaf88558e7ed7bed032c32394、閲覧日:2026年6月25日。
折り合いという壁 ― 秋の迷走
NHKマイルカップの好走を経て古馬への挑戦が始まったが、秋は試練の連続だった。10月の富士ステークス、2番人気に推されながら10着の大敗。最内枠から序盤にリズムを乱し、折り合いを欠いたまま直線では武豊のゴーサインにほとんど反応できなかった。「返し馬の感じは良かったですが、レースではひっかかってしまいました」。続くマイルチャンピオンシップも8着。テンションの高さと折り合いの難しさが、この馬の課題として浮かび上がった秋だった。
新しい手綱、新しい旅 ― 横山和生と4歳の春
2026年、鞍上が横山和生に替わった。東京新聞杯12着、中山記念6着と苦しみは続いたが、5月のエプソムカップで4着に盛り返す。上がり33秒2の末脚は健在だった。6番人気という評価は、まだこの馬への疑問が残ることを示しているが、直線で伸びてくる黒い馬体を見れば、消えたとは思えない。 そして迎えた4歳の夏。6月28日の函館記念(GIII)は4番人気で5着、北海道の芝で掲示板までは押し上げた。ハワイのビーチは、嵐が過ぎれば砂が戻ってくる。魔法の砂浜がその名の由来ならば、この馬もまた、嵐のあとに本来の輝きを取り戻す日が来るはずだ。その日を、ファンはまだ待っている。
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