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ラブリーデイ
通算成績33戦9勝
獲得賞金8億3,803万円
生年月日 2010.01.30(平成22年)毛色 黒鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4 | GI香港カップ | シャティン 芝2000 | 7人気 | H.ボウマン | 2:01.5 | — | 映像 | |
| 9 | GI天皇賞(秋) | 東京 芝2000 | 5人気 | C.ルメール | 2:00.3 | 上り35.1 | 映像 | |
| 3 | GII京都大賞典 | 京都 芝2400 | 2人気 | C.ルメール | 2:25.6 | 上り33.5 | 映像 | |
| 4 | GI宝塚記念 | 阪神 芝2200 | 4人気 | C.ルメール | 2:13.0 | 上り36.7 | 映像 | |
| 4 | GIクイーンエリザベス2世カップ | 香港 芝2000 | 1人気 | J.モレイラ | 2:02.3 | — | — | |
| 4 | GII産経大阪杯 | 阪神 芝2000 | 1人気 | M.デムーロ | 1:59.7 | 上り33.4 | — | |
| 5 | GI有馬記念 | 中山 芝2500 | 2人気 | 川田将雅 | 2:33.2 | 上り34.7 | 映像 | |
| 3 | GIジャパンカップ | 東京 芝2400 | 1人気 | 川田将雅 | 2:24.8 | 上り34.3 | 映像 | |
| 1 | GI天皇賞(秋) | 東京 芝2000 | 1人気 | 浜中俊 | 1:58.4 | 上り33.7 | 映像 | |
| 1 | GII京都大賞典 | 京都 芝2400 | 1人気 | 川田将雅 | 2:23.6 | 上り32.3 | — | |
| 1 | GI宝塚記念 | 阪神 芝2200 | 6人気 | 川田将雅 | 2:14.4 | 上り34.8 | 映像 | |
| 1 | GIII鳴尾記念 | 阪神 芝2000 | 2人気 | 岩田康誠 | 1:58.8 | 上り34.8 | — | |
| 8 | GI天皇賞(春) | 京都 芝3200 | 8人気 | C.ルメール | 3:15.2 | 上り35.5 | 映像 | |
| 6 | GII阪神大賞典 | 阪神 芝3000 | 3人気 | A.シュタルケ | 3:07.5 | 上り37.1 | 映像 | |
| 1 | GII京都記念 | 京都 芝2200 | 3人気 | 戸崎圭太 | 2:11.5 | 上り33.9 | 映像 | |
| 1 | GIII中山金杯 | 中山 芝2000 | 4人気 | F.ベリー | 1:57.8 | 上り34.2 | 映像 | |
| 4 | GII金鯱賞 | 中京 芝2000 | 6人気 | 幸英明 | 1:59.3 | 上り35.2 | — | |
| 5 | GIIアルゼンチン共和国杯 | 東京 芝2500 | 6人気 | R.ムーア | 2:31.3 | 上り35.4 | — | |
| 6 | GIII七夕賞 | 福島 芝2000 | 2人気 | 川田将雅 | 1:59.5 | 上り36.0 | — | |
| 5 | GII目黒記念 | 東京 芝2500 | 1人気 | 川田将雅 | 2:31.2 | 上り35.3 | — | |
| 1 | OPメトロポリタンS | 東京 芝2400 | 1人気 | A.シュタルケ | 2:25.2 | 上り34.5 | — | |
| 3 | GIII中日新聞杯 | 中京 芝2000 | 4人気 | E.ペドロサ | 2:01.7 | 上り34.2 | — | |
| 12 | GI有馬記念 | 中山 芝2500 | 14人気 | 蛯名正義 | 2:35.5 | 上り39.7 | 映像 | |
| 2 | GII金鯱賞 | 中京 芝2000 | 6人気 | 蛯名正義 | 2:00.0 | 上り35.6 | — | |
| 2 | GIII小倉記念 | 小倉 芝2000 | 5人気 | 川田将雅 | 1:57.3 | 上り34.3 | — | |
| 7 | GI東京優駿 | 東京 芝2400 | 17人気 | 川田将雅 | 2:24.7 | 上り33.9 | 映像 | |
| 15 | GI皐月賞 | 中山 芝2000 | 17人気 | 浜中俊 | 1:59.9 | 上り37.6 | 映像 | |
| 11 | GIII毎日杯 | 阪神 芝1800 | 4人気 | D.バルジュー | 1:48.4 | 上り38.0 | 映像 | |
| 5 | GIIIアーリントンC | 阪神 芝1600 | 3人気 | 岩田康誠 | 1:35.6 | 上り34.6 | — | |
| 7 | GI朝日杯フューチュリティステークス | 中山 芝1600 | 4人気 | C.ルメール | 1:34.0 | 上り36.2 | 映像 | |
| 2 | GII京王杯2歳S | 東京 芝1400 | 7人気 | 川田将雅 | 1:21.3 | 上り33.6 | — | |
| 1 | OP野路菊S | 阪神 芝1800 | 2人気 | 川田将雅 | 1:47.7 | 上り34.7 | — | |
| 1 | 2歳新馬 | 小倉 芝1800 | 3人気 | 川田将雅 | 1:51.3 | 上り35.4 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父キングカメハメハKing Kamehameha | Kingmambo | Mr. Prospector |
| Miesque | ||
| マンファスManfath | ラストタイクーンLast Tycoon | |
| Pilot Bird | ||
| 母ポップコーンジャズ | ダンスインザダークDance in the Dark | サンデーサイレンスSunday Silence |
| ダンシングキイ | ||
| グレイスルーマー | トニービンTony Bin | |
| ディスクジョッキー |
引退後・牧場での映像
ゴール板の先の時間旅程 — この馬の物語
2010年生まれの黒鹿毛の牡馬。父キングカメハメハ、母ポップコーンジャズ。主な勝ち鞍は宝塚記念・天皇賞・日刊スポ賞中山金杯。
素晴らしいお天気の一日 ― 名と血
2010年1月30日、北海道安平町のノーザンファームに生まれた黒鹿毛。父キングカメハメハは8戦7勝、NHKマイルカップと東京優駿を制した馬主・金子真人の名馬である。母ポップコーンジャズもまた、金子が2001年の北海道セレクションセールで1060万円あまりで手に入れ、自ら走らせた牝馬だった。5戦1勝。オークスを目指す牝馬が集うスイートピーステークスの2着が最高で、目立つ数字は残さないまま繁殖に上がっている。 その腹からは、音の名を持つ仔が次々に出た。シーサイドジャズ、モーダルジャズ、そして6年後に生まれる全弟ボッケリーニ。ジャズと作曲家の名が並ぶ一族の中で、この黒鹿毛に与えられた名の意味は「素晴らしいお天気の一日」だった。 2012年8月19日、小倉の芝1800m。川田将雅を背に3番人気で好位から抜け出し、デビュー戦を勝つ。9月の野路菊ステークスもわずかな差で凌いで2連勝。11月の京王杯2歳ステークスは7番人気。好位から二番手に上がって粘ったが、先に抜け出したエーシントップに3/4馬身届かず2着——その鞍上が浜中俊だった。暮れの朝日杯フューチュリティステークスでは川田からルメールに手綱が渡り、直線で伸びを欠いて7着。勝ったのはロゴタイプ。この二歳の暮れに前を走っていた二つの名は、二年後から、どちらも反転していく。
重賞に届かない二年 ― 十七番人気の春
2013年はアーリントンカップ5着、毎日杯11着で始まった。毎日杯を勝ったのはキズナで、この世代の主役はそこにいた。皐月賞は単勝231.0倍の17番人気。手綱を取ったのは浜中俊で、三番手あたりの先団で運ばれながら直線で失速し、上り37秒6の15着に終わる。続く東京優駿もまた17番人気だったが、川田将雅に戻ったこの一戦では中団の後ろから上り33秒9で伸び、勝ったキズナから0秒4差の7着。クラシックで最も見どころのある走りだった。 夏の小倉記念でメイショウナルトの2着、11月の金鯱賞でカレンミロティックの2着。暮れの有馬記念は14番人気の12着に沈んだ。この日、2着に8馬身差をつけて引退レースを飾ったオルフェーヴルは、同じ池江泰寿厩舎の三冠馬である。同じ厩舎の絶頂の隣で、ラブリーデイの三歳は終わった。 四歳は中日新聞杯の3着で始まり、4月のメトロポリタンステークスを1番人気で勝って二歳以来の白星を得る。だが重賞では足りなかった。1番人気の目黒記念は5着、2番人気の七夕賞は6着、アルゼンチン共和国杯5着、金鯱賞4着。そして七夕賞のあと、川田の名はこの馬の鞍上から一年ほど消える。手綱はムーア、幸英明、ベリー、戸崎圭太、シュタルケ、ルメール、岩田康誠と替わり続けた。ここまで17戦3勝。重賞のタイトルは、まだ一つも無い。
一月四日 ― 中山のレコード
2015年1月4日、中央競馬の開催初日。中山金杯の鞍上はベリー。4番人気で五番手から運び、直線を押し切った。1分57秒8——二年前の皐月賞でロゴタイプが刻んだ時計を0秒2上回る、中山の芝2000mのレコードだった。そのロゴタイプは1番人気でこの日2着。三歳の春に手も足も出なかった相手を1 1/4馬身抑え、その馬の記録も同時に書き換えて、五歳のラブリーデイは初めて重賞のタイトルを手にする。 2月の京都記念は戸崎圭太。逃げるスズカデヴィアスをハナ差、後方から伸びたキズナをクビ差でしのぎ、三頭が2分11秒5で並ぶゴールになった。ダービーで前を行ったキズナは復帰初戦。単勝1.8倍で1番人気に支持されたハープスターは5着で、その鞍上は前年の夏までこの馬に乗っていた川田将雅だった。
距離の答え ― 淀の三千二百と、阪神の二千
陣営が次に試したのは長丁場だった。3月の阪神大賞典(3000m)は6着、5月の天皇賞(春)(3200m)は8着。どちらも勝ったのはゴールドシップで、京都の3200mではラブリーデイの脚は上り35秒5までしか伸びなかった。 距離を2000mに縮めた6月の鳴尾記念は、岩田康誠を背に五番手から抜け出し、2着マジェスティハーツに2馬身。答えは単純だった。この馬の間合いは2000mから2400mの間にある。長ければ強いのではない、と分かったのは五歳の六月だった。
宝塚記念 ― 六度目のGI
2015年6月28日、阪神。1番人気は同一GI三連覇に挑むゴールドシップだったが、ゲートの中で立ち上がって出遅れ、大きく離れた最後方からの追走になる。観衆の悲鳴の中、6番人気のラブリーデイは、ハナを主張するレッドデイヴィスの直後、二番手に難なく収まっていた。手綱は約一年ぶりに川田将雅へ戻っている。道中で川田は「力をつけたな」[^1]と実感したという。 直線、手応えを残したまま先頭に立ち、後続を突き放す。ゴール前で大外から強襲してきたのは同じ馬主のデニムアンドルビーで、その鞍上は浜中俊だった。二歳の京王杯で前を走っていた男を、今度はクビ差で抑え切る。2分14秒4、六度目のGI挑戦での初制覇である。
出典:日本中央競馬会「第56回 宝塚記念(GI)レース結果」2015年6月28日、https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/takara/result/takara2015.html、閲覧日:2026年7月29日。
秋の盾 ― 十八頭すべてが重賞ウイナー
10月の京都大賞典は川田で1番人気。六番手から上り32秒3、メンバー最速の脚で抜け出し、浜中俊のサウンズオブアースに1 1/4馬身差をつけた。 11月1日、東京。天皇賞(秋)は出走18頭すべてが重賞ウイナーという顔ぶれで、ラブリーデイは1番人気に推された。だがこの日の18人の鞍上に川田の名は無く、手綱を託されたのは浜中俊だった。二年半前の皐月賞でこの馬に乗って17番人気の15着に沈み、六月と十月には別の馬に乗ってこの馬に屈した男である。 クラレントがハナを切る遅い流れを四番手で我慢し、直線は早く先頭に立たないよう待ってから仕掛ける。坂を駆け上がって残り200mで抜け出すと、ステファノスの追撃を1/2馬身で封じた。1分58秒4。「強さを体感しながら追った」[^1]と浜中は言った。鳴尾記念から数えて重賞4連勝、GI2勝目だった。
出典:日本中央競馬会「第152回 天皇賞(秋)(GI)レース結果」2015年11月1日、https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/akiten/result/akiten2015.html、閲覧日:2026年7月29日。
五十五票 ― 一年の決算
11月29日のジャパンカップは1番人気。三コーナー過ぎ、外から押し上げるゴールドシップの動きで隊列が緊迫すると、それに合わせて動き、直線でカレンミロティックを交わして坂を上がっていく。だが残り200mを切ってショウナンパンドラが馬群を割って伸び、内からはラストインパクトも来た。0秒6のうちに15頭がひしめくゴールの3着。暮れの有馬記念は2番人気で、早めに抜け出したゴールドアクターを捕らえられず5着だった。 この年、10戦して6勝。中山金杯、京都記念、鳴尾記念、宝塚記念、京都大賞典、天皇賞(秋)。開催初日の中山から最終日の中山まで一年を丸ごと走り切って、重賞6勝、うちGIが2つ。それでも291人の記者投票による年度代表馬は、六戦全勝で春秋のマイルGIと香港マイルを勝ったモーリスに215票が集まり、ラブリーデイは55票の二番手にとどまった。代わりにこの馬が受け取ったのは、部門別の最優秀4歳以上牡馬という賞だった。票が選んだ主役は別の馬だったが、あの一年を最初から最後まで走り続けたのはこの馬だった。
六歳 ― モーリスの背中
2016年の初戦、産経大阪杯は1番人気で4着。海を渡ったクイーンエリザベス2世カップでも1番人気に推され、シャティンの直線を二番手で粘ったが、残り100mで力尽きて4着。連覇を狙った宝塚記念は直線で一度先頭に立ちながらマリアライトらに交わされて4着、秋初戦の京都大賞典はキタサンブラックの3着。二番手から運んだ天皇賞(秋)は9着で、勝ったのはモーリスだった。 12月11日、シャティンの香港カップ。4着に入ったこの馬の前で先頭ゴールを果たしたのは、また同じモーリスだった。前年、年度代表馬の票を分け合った相手の背中を最後に見て、33戦の現役が終わる。引退の発表は12月21日。中央31戦9勝、香港2戦、獲得賞金8億3803万円。
血と、十勝の風
2017年からブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬になった。2020年7月4日、阪神の2歳新馬でジャカランダレーンが勝って産駒に初めての白星をもたらし、グリューネグリーンが京都2歳ステークスを制し、プライルードやミニアチュールが地方の重賞を積み上げていく。 そして母ポップコーンジャズは、2016年にもう一頭、同じキングカメハメハの仔を産んだ。栗毛の全弟ボッケリーニである。馬主も生産牧場も、栗東の池江泰寿厩舎という預け先まで兄と同じだった。三歳の夏、小倉の芝1800mで初勝利を挙げたときの鞍上は川田将雅——兄がデビュー戦を勝ったのと同じ小倉の1800m、同じ鞍上だった。弟は中日新聞杯、目黒記念、鳴尾記念と重賞を3つ勝つ。鳴尾記念は兄が2015年に勝ったレースであり、目黒記念と鳴尾記念でその背にいたのは浜中俊だった。秋の盾を運んだ男が、そのまま弟の主戦になっていた。 2024年11月、ラブリーデイはブリーダーズ・スタリオン・ステーションを退いた。いまは十勝・幕別町の種馬所で、功労馬として草を食んでいる。遅れて花が咲き、五歳の一年で六つの重賞を積み上げた馬が、もう何も急ぐことのない朝を迎えている。素晴らしいお天気の一日、とはそういう名前だった。
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