名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
HORSES

名馬録

この世代(生まれ年)

スライダーを動かすと、その世代に生まれた馬を獲得賞金の多い順で表示します。

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ロードカナロアのイメージビジュアル
ロードカナロアLord Kanaloa
Lord Kanaloa

ロードカナロア

通算成績19戦13勝

獲得賞金85,020万円

生年月日 2008.03.11(平成20年)毛色 鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
ロードカナロアの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
1 GI香港スプリント 香港 芝1200 1人気 岩田康誠 1:08.2 映像
1 GIスプリンターズS 中山 芝1200 1人気 岩田康誠 1:07.2 上り33.8映像
2 GIIセントウルS 阪神 芝1200 1人気 岩田康誠 1:07.5 上り33.4
1 GI安田記念 東京 芝1600 1人気 岩田康誠 1:31.5 上り33.3映像
1 GI高松宮記念 中京 芝1200 1人気 岩田康誠 1:08.1 上り33.2映像
1 GIII阪急杯 阪神 芝1400 1人気 岩田康誠 1:21.0 上り34.5映像
1 GI香港スプリント 香港 芝1200 4人気 岩田康誠 1:08.5 映像
1 GIスプリンターズS 中山 芝1200 2人気 岩田康誠 1:06.7 上り33.4映像
2 GIIセントウルS 阪神 芝1200 1人気 岩田康誠 1:07.3 上り33.7
2 GIII函館スプリントS 函館 芝1200 1人気 福永祐一 1:09.5 上り34.9
3 GI高松宮記念 中京 芝1200 1人気 福永祐一 1:10.4 上り35.4映像
1 GIIIシルクロードS 京都 芝1200 1人気 福永祐一 1:08.3 上り33.6映像
1 GIII京阪杯 京都 芝1200 1人気 福永祐一 1:08.1 上り33.3映像
1 OP京洛S 京都 芝1200 1人気 福永祐一 1:08.0 上り32.7
1 OP葵S 京都 芝1200 1人気 北村友一 1:09.3 上り34.4
1 ドラセナ賞 小倉 芝1200 1人気 北村友一 1:08.3 上り34.1
2 3歳500万下 京都 芝1400 1人気 福永祐一 1:22.1 上り34.1
2 OPジュニアカップ 中山 芝1600 1人気 蛯名正義 1:35.1 上り34.7
1 2歳新馬 小倉 芝1200 1人気 古川吉洋 1:08.4 上り34.9

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
ロードカナロアの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
キングカメハメハKing KamehamehaKingmamboMr. Prospector
Miesque
マンファスManfathラストタイクーンLast Tycoon
Pilot Bird
レディブラッサムStorm CatStorm Bird
Terlingua
サラトガデューSaratoga DewCormorant
Super Luna

引退後・牧場での映像

ゴール板の先の時間
STORY

旅程 — この馬の物語

2008年生まれの鹿毛の牡馬。父キングカメハメハ、母レディブラッサム。主な勝ち鞍はスプリンターズS・香港スプリント・高松宮記念。

海の神の名 ― 名と血

2008年3月11日、ケイアイファームに鹿毛の牡馬が生まれた。父は前年に変則二冠を成し遂げたキングカメハメハ。母はレディブラッサム、ストームキャットを父に持ち、芝とダートの短距離で5勝を挙げた牝馬だった。その牝系は名門サムシングロイヤル系で、母の母サラトガデューは1992年にアメリカのベルデイムステークスとガゼルステークス、二つのG1を勝ち、同年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬に選ばれている。 名は、馬主ロードホースクラブの冠名「ロード」に、ハワイに伝わる海の神カナロアを重ねた。父キングカメハメハがハワイ全島を統一した王の名なら、その子は海をつかさどる神の名を負った。2010年12月、小倉の芝1200mの新馬戦を6馬身差で圧勝し、ターフに姿を現す。短距離を駆けるために生まれてきたような、規格外のスピードだった。

安田隆行という縦糸

この馬を預かった安田隆行は、ただの調教師ではない。1972年に騎手としてデビューし、1991年にはトウカイテイオーの手綱を取って皐月賞と東京優駿を無敗で制した――ダービーの頂を、自らの鞍上で知る男だった。1994年に調教師へ転身し、今度は育てる側から、もう一つの頂を目指していた。 3歳から4歳にかけて、手綱は福永祐一が握った。京阪杯、シルクロードステークスと重賞を勝ち上がる。だが2012年の高松宮記念、1番人気に推されながら3着に敗れた。短距離GIの壁。続く函館スプリントステークスも2着。ここで陣営は決断する。福永から、岩田康誠への乗り替わり。新しいパートナーとの旅が、ここから始まった。

開花 ― スプリンターズステークス

2012年9月30日、岩田康誠を背に挑んだスプリンターズステークス。中山の急坂をものともせず、勝ち時計1分6秒7はコースレコード。前哨戦のセントウルステークスでは2着に敗れていた馬が、本番でまるで別の生き物のように弾けた。GI初制覇。短距離界に、新しい王が立った瞬間だった。

世界へ ― 香港スプリント

国内を制した馬が、次に向かったのは海の向こうだった。2012年12月、香港・沙田のスプリントG1。それは難攻不落の城だった。過去13回のうち地元香港勢が10勝を占め、日本調教馬は14度挑んで前年カレンチャンの5着が最高――勝てるなど、思いもよらないとされていた舞台である。 ロードカナロアは好スタートから3番手を進み、直線、残り150メートルで粘るセリースチェリーを捕らえると、そのまま突き抜けた。2着につけた差は2馬身半。日本馬として初めて、香港スプリントの城を落とした。海の神の名を負った馬は、ほんとうに海を越えてみせた。

二階級 ― 距離の壁を越える

2013年、5歳。馬はさらに強くなっていた。前年3着に泣いた高松宮記念を、今度は危なげなく制す。雪辱だった。そして迎えた6月の安田記念。1200mのスプリンターが、1600mのマイルGIに挑む。距離が延びれば、最強の末脚も鈍る――そう見る者もいた。だがロードカナロアは中団から直線で馬場の真ん中を割り、突き抜けて勝った。スプリントとマイル、二階級制覇。秋にはスプリンターズステークスも連覇し、もはや短距離に敵はいなかった。

王の引退レース

2013年12月、馬は再び香港へ向かった。現役最後の一戦、二年連続の香港スプリント。岩田を背にしたロードカナロアは、もはや競う相手のいない走りで、2着に5馬身もの差をつけて圧勝した。世界が、最強スプリンターの引き際を目に焼きつけた。 安田は、守りに入る気などなかった。「世界のカナロアをお見せするのに、守りに入ったら香港のファンに失礼ですし、ある程度攻めたから、あれだけのパフォーマンスを見せられたと思うんですよ」[^1]。デビューから引退まで19戦、勝てなかった日はあっても、この馬は一度も3着の枠から外へこぼれなかった。2013年の年度代表馬。1600m以下を主戦場とした馬の選出は1998年のタイキシャトル以来2頭目、1200mを本拠とするスプリンターとしては史上初めての快挙だった。

出典:競馬ラボ「<ロードカナロア特集>チーム安田で仕上げたラストラン」、https://www.keibalab.jp/column/interview/1053/ 、閲覧日:2026年6月28日。

血は世界一を継ぐ ― 種牡馬として

種牡馬となったロードカナロアは、スプリンターの常識を超えた。初年度産駒から、芝の中距離を制する怪物が現れたのだ。アーモンドアイ――牝馬三冠を頂点にGIを9勝し、ジャパンカップでは2400mを2分20秒6のレコードで駆け抜けた。短距離の申し子が、距離の枠ごと血に書き換えていた。 産駒のGI馬は距離を選ばない。皐月賞のサートゥルナーリア、マイルチャンピオンシップのステルヴィオ、そして高松宮記念と香港スプリントを制したダノンスマッシュ――父が立った同じ二つの舞台で、その子もまた頂に立った。キングカメハメハからロードカナロアへ、そしてその先へ。海の神の名を負った馬の速さは、芝のあらゆる距離を旅しながら、いまも受け継がれている。

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産駒 — 旅を継ぐ馬

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