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年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

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ロードクロンヌのイメージビジュアル
ロードクロンヌLord Couronne
Lord Couronne

ロードクロンヌ

通算成績18戦6勝

獲得賞金21,179万円

生年月日 2021.03.08(令和3年)毛色 黒鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
ロードクロンヌの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
6 JpnⅠ帝王賞 大井 ダ2000 2人気 横山和生 2:03.6 上り37.8映像
1 GIII平安S 京都 ダ1900 1人気 横山和生 1:56.9 上り37.7映像
11 GIフェブラリーS 東京 ダ1600 5人気 横山和生 1:36.7 上り37.5映像
1 GIIプロキオンS 京都 ダ1800 1人気 横山和生 1:51.0 上り36.6映像
2 JpnⅡ浦和記念 浦和 ダ2000 1人気 横山和生 2:07.1 上り36.9
3 GIIIみやこS 京都 ダ1800 3人気 横山和生 1:48.0 上り35.8映像
2 GIIIエルムS 札幌 ダ1700 1人気 藤岡佑介 1:43.9 上り37.0映像
2 GIII平安S 京都 ダ1900 2人気 藤岡佑介 1:57.4 上り35.2映像
3 GIIIマーチS 中山 ダ1800 2人気 藤岡佑介 1:51.6 上り35.2映像
1 上総S 中山 ダ1800 1人気 藤岡佑介 1:52.1 上り37.9
1 花見小路特別 京都 ダ1900 2人気 藤岡佑介 1:58.8 上り37.7
1 3歳以上1勝クラス 札幌 ダ1700 1人気 藤岡佑介 1:44.8 上り38.1
1 3歳未勝利 札幌 ダ1700 1人気 藤岡佑介 1:46.1 上り37.8
4 3歳未勝利 札幌 芝2000 5人気 藤岡佑介 2:00.7 上り35.4
8 3歳未勝利 京都 芝1600 3人気 佐々木大輔 1:34.2 上り34.7
4 3歳未勝利 京都 芝2000 1人気 岩田望来 2:01.0 上り34.3
8 3歳未勝利 京都 芝2000 4人気 北村友一 2:03.3 上り34.6
3 3歳未勝利 小倉 芝1800 9人気 北村友一 1:50.1 上り36.2

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
ロードクロンヌの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
リオンディーズLeontesキングカメハメハKing KamehamehaKingmambo
マンファス
シーザリオCesarioスペシャルウィークSpecial Week
キロフプリミエール
リラコサージュブライアンズタイムRoberto
Kelley's Day
サッカーマムKingmambo
Traverse City
STORY

旅程 — この馬の物語

2021年生まれの黒鹿毛の牡馬。父リオンディーズ、母リラコサージュ。主な勝ち鞍はプロキオンS・平安S。

王冠の名 ― 名前と血

名は、王冠を戴いている。冠名「ロード」に、フランス語で王冠を意味する「クロンヌ」を重ねた。ロードクロンヌ。2021年3月8日、北海道新ひだか町のケイアイファームに生まれた黒鹿毛の牡馬は、一口馬主のロードホースクラブが持ち、栗東の四位洋文が預かった。 父はリオンディーズ、母はリラコサージュ。母は牝馬クラシックの秋華賞で3着に食い込んだ素質馬で、その半弟には、シリウスステークスと名古屋大賞典を勝ったダートの重賞馬ロードゴラッソがいる。つまりこの黒鹿毛にとって、母の弟=叔父にあたる馬が、砂を得意とする血だった。母系をさかのぼればアメリカ産のサッカーマム。芝の王冠を名に負いながら、脚の下には砂の血が静かに流れていた。 そして預かった四位洋文には、もう一つの顔がある。かつては鞍上の人だった。2007年、ウオッカに跨り、牝馬として六十四年ぶりの日本ダービーを制した男。翌年もディープスカイで府中の頂に立った、あの騎手である。鞭を置いたのは2020年。翌春に厩舎を開いた元名手が、この一頭をどこまで連れて行くか。残された戦績の最初の一行は、2024年2月、小倉の芝1800m。9番人気で3着だった。

芝に泣いた春、砂に開いた夏

芝では、勝ち切れなかった。京都の芝2000mで1番人気に推されても4着。距離を変え、舞台を変えても、掲示板の内には入るのに、一番上にはどうしても手が届かない。芝を五度走って、勝ち星はゼロ。良血の看板だけが宙に浮いていた。 転機は、その年の夏に来る。五度目の芝を終えた陣営は、札幌のダートへ矛先を変えた。1700mの砂。ゲートが開くと、それまでの歯がゆさが嘘のように、ロードクロンヌは走った。3歳未勝利を1番人気で快勝すると、三週間後には同じ札幌の砂で1勝クラスも連勝、暮れの京都では花見小路特別を勝って三つ目を積む。芝で燻っていた黒鹿毛は、砂の上で別の馬になった。叔父ロードゴラッソが得意としたダート――名に戴いた芝の王冠ではなく、母系に眠っていた砂の血こそが、この馬の走る場所を教えていた。

二着の季節 ― 重賞の壁

年が明けて、相手が強くなる。2025年、中山の上総Sを1番人気で勝ち上がってオープンの扉を開くと、そこからは重賞の壁が続いた。マーチステークス3着、平安ステークス2着、エルムステークスは1番人気で2着、みやこステークス3着、地方交流の浦和記念もまた1番人気で2着。掲示板は外さない。だが、勝ち切れない。 1番人気に応えられない焦れったさが、季節をまたいで積もっていく。鞍上は藤岡佑介から、やがて横山和生へと替わった。あと半馬身、あと一完歩が、重賞という名の分厚い壁の前でどうしても足りない。強くはある。ただ、まだ足りない。二着の景色ばかりを見続けた一年だった。

差し切りの一月 ― プロキオンステークス

壁が破れたのは、2026年1月。京都のプロキオンステークス、鞍上は横山和生。1番人気に推されたロードクロンヌは、外めから脚を溜め、先頭で粘るサンデーファンデーを射程に入れると、ゴール板の手前できっちりと差し切った。重賞初制覇。六度目の重賞挑戦で、ようやく二着の季節に別れを告げた。 レース後、横山和生はオーナーと四位厩舎への恩返しを口にした。芝で結果を出せなかった良血を砂へ向け、二着を重ねながら手放さずに育て続けた厩舎への、一勝ぶんの返礼だった。府中で牝馬のダービーを勝った男は、いま調教師として、一頭の黒鹿毛にはじめての重賞を獲らせていた。

頂までの距離 ― 平安、そして帝王賞

勢いのまま、ロードクロンヌは初めてのGIへ向かう。2月のフェブラリーステークス。最終コーナーで先頭に立ち、府中の直線で一瞬だけ頂の景色を見た。だが、そこからペプチドナイルシックスペンスに交わされ、さらに後続にのまれて11着。GIの直線は、重賞のそれより長かった。先頭に立ってから沈むまでの数完歩に、頂とのまだ埋まらない距離があった。 立て直しは早かった。5月、二度も二着に泣いた平安ステークスに、今度は1番人気で戻ってくる。逃げるナルカミを四つ角で捉えて先頭に躍り出ると、あとは独走。後続を3馬身突き放して、二年越しの雪辱と重賞2勝目を同時に掴んだ。かつて勝ち切れなかった舞台で、誰の前もふさがず、文句のつけようのない勝ち方だった。 そして7月、大井の帝王賞。ダート古馬の頂のひとつに、2番人気で挑む。結果は6着。JpnIの一線級は、まだ半歩も二歩も先にいた。芝の王冠を名に負い、砂で叩き上げてきた黒鹿毛の旅は、頂の入り口でいったん足を止める。だが、脚を痛めたわけではない。放牧に出た厩舎の一頭を、府中の申し子だった調教師は、また次の一戦へと送り出すだろう。二着の季節を越え、はじめての重賞を二つ手にした馬に、旅の続きはまだ残っている。

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