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ラフターラインズ
通算成績6戦2勝
獲得賞金1億1,619万円
生年月日 2023.02.06(令和5年)毛色 黒鹿毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3 | GI優駿牝馬 | 東京 芝2400 | 2人気 | D.レーン | 2:25.6 | 上り33.3 | 映像 | |
| 1 | GIIサンスポ賞フローラS | 東京 芝2000 | 1人気 | D.レーン | 1:59.3 | 上り32.8 | 映像 | |
| 3 | GIIIきさらぎ賞 | 京都 芝1800 | 4人気 | 藤岡佑介 | 1:48.0 | 上り32.8 | 映像 | |
| 3 | こうやまき賞 | 中京 芝1600 | 1人気 | 武藤雅 | 1:37.0 | 上り32.9 | — | |
| 1 | 2歳未勝利 | 東京 芝1800 | 1人気 | 戸崎圭太 | 1:46.0 | 上り33.8 | — | |
| 2 | 2歳新馬 | 新潟 芝1800 | 2人気 | 戸崎圭太 | 1:49.5 | 上り33.2 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父アルアインAl Ain | ディープインパクトDeep Impact | サンデーサイレンスSunday Silence |
| ウインドインハーヘアWind in Her Hair | ||
| ドバイマジェスティDubai Majesty | Essence of Dubai | |
| Great Majesty | ||
| 母バンゴール | キングカメハメハKing Kamehameha | Kingmambo |
| マンファスManfath | ||
| ローザブランカ | クロフネKurofune | |
| ローズバド |
旅程 — この馬の物語
2023年生まれの黒鹿毛の牝馬。父アルアイン、母バンゴール。主な勝ち鞍はサンスポ賞フローラS。
笑いじわの紋章 ― 名前と血
2023年2月6日、安平町のノーザンファームに黒鹿毛の牝駒が生まれた。 父はアルアイン。2017年の皐月賞を9番人気で制し、レースレコード1分57秒8を刻んだ曲者が、いつしか種牡馬として静かな評判を積み上げていた。「産駒の特徴は母系に宿る」と言われる血。控えめな父から、母の底力を引き出す種牡馬として。 母バンゴールの全妹は、スタニングローズだった。2022年の秋華賞と2024年のエリザベス女王杯、二つのGIタイトルを手にした花の名の牝馬。その姉の仔として生まれたこの黒鹿毛は、薔薇一族の血を背負って世に出てきた。牝祖ローザネイからフランスの血が日本の大地に根を下ろして三十余年、一族の記憶が四代を経てこの小さな体に流れ込んでいる。 馬名は「Laughterlines」。英語で「笑いじわ」を指す言葉だが、バラの品種名でもある。名門牝系がそうであるように、この名もまた花と遊び心のあわいで決まった。小笠倫弘が手綱を引き受け、馬主はサンデーレーシング。長い旅の準備が整った。
折れないゲート ― 二歳の試練
2025年8月17日、新潟競馬場。照りつける夏の日差しの下、ラフターラインズはターフに初めて立った。鞍上は戸崎圭太。2番人気に推された黒鹿毛の牝馬は、スウィフトミモザにクビ差及ばず2着。初陣を黒星で終えた。 その後、10月の東京芝1800メートルで未勝利を勝ち上がる。落ち着いた走りで後続を退けた初勝利だった。 だが、ゲートという壁が立ちはだかる。12月のこうやまき賞(1番人気)は3着。年を越した2026年2月、きさらぎ賞(GIII)では「これまでで一番悪いゲート」と藤岡佑介が唇を噛む出遅れを喫した。それでもメンバー最速となる上がり32秒8の末脚で3着まで追い上げる。「相当能力は高い」と藤岡は言った。末脚の本物さは疑いようがない。ただ、スタートが定まらない限り、その脚は届かなかった。 小笠倫弘は諦めなかった。「滞在の効果で精神的に成長して、全体の雰囲気も良さそうです」。春に向けて、馬は静かに変わっていた。
薔薇一族の快刀 ― フローラS、そしてオークスへ
2026年4月26日、東京競馬場。サンスポ賞フローラステークス(GII)。鞍上はダミアン・レーン。1番人気。 道中は後方インでじっくりと末脚を溜めた。直線入口で外に持ち出すと、一気に加速する。上がり3ハロン32秒8はレース史上最速タイ。「She was strong」[^1]とレーンが言った。「もう少し距離があっても大丈夫かな」[^1]という確信が言葉に滲んだ。重賞初制覇、オークスの切符を手に入れた。 一か月足らずで迎えた5月24日の第87回優駿牝馬。大外18番枠。それでもレーンは動じなかった。外めから「いいリズムで運べた」。直線では長くスパートして伸びに伸びたが、ジュウリョクピエロの末脚には届かず3着。「力を出し切ってくれましたし、一生懸命走ってくれました。将来が楽しみな馬です」[^2]。レーンの言葉が、この馬の本質を照らしていた。 レース後、左前脚の橈側手根骨骨折が判明した。手術は不要、全治三か月以上[^3]。陣営が目標に据えたのは、秋の京都芝2200メートル、エリザベス女王杯だった。あの叔母スタニングローズが制したレース。薔薇一族の系譜が次の章を待っている。
出典:東京スポーツ「フローラS レーン騎手コメント」2026年4月26日配信、閲覧日:2026年6月25日。/日刊スポーツ「オークス レーン騎手コメント」2026年5月24日配信、閲覧日:2026年6月25日。/東京スポーツ「ラフターラインズ骨折発表」2026年5月29日配信、閲覧日:2026年6月25日。
血統解説
笑いじわの奥の柔らかさ ― ラフターラインズ、二重に仕込まれた末脚
母バンゴールは名門「薔薇一族」の一頭。全妹には秋華賞とエリザベス女王杯を勝ったスタニングローズがいる。牝祖ローザネイから代を重ね、スタミナと底力を伝え続けてきた一族――ラフターラインズの土台は、まずこの母系にある。
その母系に、父アルアインが乗る。アルアインはディープインパクトの子。母バンゴールの父がキングカメハメハだから、配合としてはディープ系×キンカメ母父になる。だが末脚の芯は、この二枚看板の名前ではなく、血統表の4代うしろで向かい合う二つの近い血にある。父側のAlzaoと母側のラストタイクーンは、ともにノーザンダンサーの孫――完全に同じではないが実質ひとつのクロスとして働く近縁だ。そこへサンデーサイレンスが父側3代・母側4代、3×4で父母を跨いで重なる。長く脚を使う母父キングカメハメハの末脚に、この二枚の柔らかい層が乗って、伸びの利く持続の脚に仕上がる。
柔らかいだけではないのが妙だ。父アルアインの母は、アメリカのダート短距離を制したドバイマジェスティ。その米国のスピードとパワーが、長く柔らかい末脚の底に一本の硬い芯を通し、持続する脚に粘りを与えている。
走りもそれを映す。フローラステークスを上がり32秒8で差し切り、オークスでも2400mを長く伸びて3着。きさらぎ賞32秒8、こうやまき賞32秒9と、舞台を替えても32秒台の末脚をくり返す。器用な一瞬の切れではなく、長く使える持続の脚だ。薔薇一族の底力を土台に、父母を跨ぐ二枚の柔らかいクロスが乗り、その底を異系の芯が支える。1800〜2400mの長い直線に向く血である。
※血統表の構造から読み取れる血の性質を書いた。
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