名馬の記憶を、
再生する。

年表ICHINEN-ISSO — 2400m

BOKUJŌ-CHŌ — HOKKAIDO

牧場帖

一年ずつ、顔ぶれをたどる。引退した名馬たちの繋養・在籍と映像を綴る帳面。
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名馬録

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レディバグのイメージビジュアル
レディバグLadybug
Ladybug

レディバグ

通算成績26戦6勝

獲得賞金19,419万円

生年月日 2018.04.28(平成30年)毛色 青鹿毛

全成績

主要戦績(抜粋)・新しい順
レディバグの成績一覧
年月日着順レースコース人気騎手タイム上り3F映像
1 LコーラルS 阪神 ダ1400 9人気 酒井学 1:23.8 上り36.3
7 JpnⅠJBCレディスクラシック 大井 ダ1800 8人気 酒井学 1:55.4 上り40.4映像
3 JpnⅠマイルチャンピオンシップ 盛岡 ダ1600 7人気 酒井学 1:35.9 上り35.9
3 JpnⅢサマーチャンピオン 佐賀 ダ1400 3人気 酒井学 1:26.2 上り36.1
1 JpnⅢスパーキングレディー 川崎 ダ1600 4人気 酒井学 1:41.3 上り38.2
4 L栗東S 京都 ダ1400 8人気 酒井学 1:24.7 上り36.6
2 JpnⅢマリーンカップ 船橋 ダ1600 2人気 酒井学 1:42.7 上り38.0
6 LコーラルS 阪神 ダ1400 11人気 酒井学 1:24.4 上り36.9
10 GIII根岸S 東京 ダ1400 15人気 酒井学 1:23.9 上り36.0映像
4 OPペルセウスS 東京 ダ1400 5人気 北村宏司 1:23.6 上り35.6
7 JpnⅡレディスプレリュード 大井 ダ1800 5人気 酒井学 1:53.9 上り38.7
5 JpnⅢサマーチャンピオン 佐賀 ダ1400 3人気 酒井学 1:26.6 上り37.1
2 JpnⅢスパーキングレディー 川崎 ダ1600 3人気 戸崎圭太 1:41.2 上り38.7
1 L栗東S 中京 ダ1400 3人気 酒井学 1:23.0 上り36.0
5 JpnⅢマリーンカップ 船橋 ダ1600 3人気 酒井学 1:44.7 上り41.6
5 OPポラリスS 阪神 ダ1400 4人気 酒井学 1:24.3 上り36.7
8 OP門司S 小倉 ダ1700 3人気 酒井学 1:45.9 上り37.2
4 OP霜月S 東京 ダ1400 2人気 酒井学 1:24.2 上り36.2
1 桶狭間S 中京 ダ1400 1人気 松山弘平 1:22.4 上り36.6
1 日野特別 東京 ダ1600 1人気 戸崎圭太 1:35.8 上り35.8
2 OP青竜S 東京 ダ1600 2人気 酒井学 1:36.1 上り36.0
2 OP端午S 阪神 ダ1400 3人気 酒井学 1:23.8 上り37.3
8 OP伏竜S 中山 ダ1800 3人気 酒井学 1:53.5 上り39.0
3 LヒヤシンスS 東京 ダ1600 4人気 酒井学 1:37.1 上り36.0
2 JpnⅡ兵庫ジュニアグランプリ 園田 ダ1400 4人気 酒井学 1:27.0 上り37.4
1 2歳新馬 阪神 ダ1400 9人気 酒井学 1:25.6 上り37.1

血統

金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ
レディバグの血統表(左から親・祖父母・曽祖父母)
ホッコータルマエHokko TarumaeキングカメハメハKing KamehamehaKingmambo
マンファスManfath
マダムチェロキーCherokee Run
アンフォイルドUnfoiled
フェバリットガールダンスインザダークDance in the DarkサンデーサイレンスSunday Silence
ダンシングキイ
ソロシンガーリヴリアRivlia
ミストモカゼ
STORY

旅程 — この馬の物語

2018年生まれの青鹿毛の牝馬。父ホッコータルマエ、母フェバリットガール。

幸運の名を負って ― 名前と血

馬名の意味は、てんとう虫。レディバグ。西洋では幸運を運ぶ小さな虫とされ、その名は決して大柄ではないこの牝馬に、よく似合った。 2018年4月28日、ゴールドアップカンパニーに生まれた青鹿毛。父はダートGI・JpnIを史上初めて十勝した砂の帝王ホッコータルマエ、母はフェバリットガール。母の半兄には、共同通信杯を制し皐月賞でも4着に食い込んだラントゥザフリーズがいる。飛び抜けた良血とは言えないが、一族の底には確かに重賞の格が流れていた。育てるのは栗東の北出成人。そしてデビューから手綱を託されたのが、関西のベテラン・酒井学だった。 2020年11月、阪神ダート1400m。9番人気という低い評価をものともせず、レディバグは新馬戦を勝ち上がる。大きな期待を背負わぬ勝利から、酒井とともに歩む長い旅が始まった。

駆け上がる二歳三歳 ― 条件戦を勝ち抜けて

暮れの兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ)で早くも2着に食い込み、素質の片鱗を見せる。明けて3歳、ヒヤシンスステークス3着、端午ステークス2着、青竜ステークス2着――あと一歩の惜敗を重ねながら、砂のマイル路線で力をつけていった。中山ダート1800mの伏竜ステークスで8着に沈んだのは、この馬にとって距離が長すぎた一戦。レディバグの持ち味は、1400mから1600mの忙しい流れにあった。 2021年6月、東京の日野特別を戸崎圭太で快勝すると、9月には中京の桶狭間ステークスも松山弘平を背に1番人気で押し切る。連勝でオープンの舞台へ。まだ重賞の主役ではないが、条件戦の階段を、この牝馬は着実に一段ずつ上っていた。

壁 ― 交流重賞という高い扉

オープンやリステッドでは通用する。だが地方競馬場を舞台とする交流重賞となると、最後の一押しが届かなかった。2022年、船橋のマリーンカップは5着、川崎のスパーキングレディーカップは戸崎圭太を背にショウナンナデシコの2着。それでも中京の栗東ステークスを勝ち、自らの格をリステッド級へと引き上げてはいた。 年が明けた2023年1月、東京の根岸ステークス。牡馬混じりのGⅢで15番人気に甘んじ、10着に大敗する。キャリアで最も低く値踏みされた日だった。重賞のタイトルは、5歳になってもまだ手の中になかった。それでも酒井学との手綱は、一度も解かれることがなかった。

川崎の兄弟 ― スパーキングレディーカップ

2023年7月5日、川崎競馬場。スパーキングレディーカップ(JpnⅢ)に、レディバグは4番人気で臨んだ。 先に抜け出したレディバグめがけて、1番人気スピーディキックが外から猛然と迫る。ゴール前、完全に馬体を並べられながら、レディバグは首の上げ下げでわずかに前に出ていた。アタマ差――交流重賞初制覇。デビューから二年八か月、母の半兄が刻んだ重賞の格を、レディバグは自らの脚で確かめてみせた。 この川崎という舞台には、酒井にとって特別な意味があった。実兄の酒井忍が長く騎手として駆け、その少し前に調教師へと歩み始めたばかりのゆかりの地だったのだ。ずっとコンビを組み続けてきた相棒で、兄に縁のある場所で掴んだ、初めての重賞。ベテラン騎手は、その巡り合わせを心から光栄に思うと語った。

頂への肉薄、そして母へ

勢いは秋へと続いた。10月、盛岡のマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ)。牡馬も交じるダートマイルの頂上戦で、当代最強のダートマイラー・レモンポップらを追い、3着に食い込む。GⅠ級の大舞台で、レディバグは自己最高の走りを見せた。続くJBCレディスクラシック(JpnⅠ)は牝馬の頂点を争ってアイコンテーラーらに及ばず7着。それでも、日本のダート戦線の一番奥まで、この牝馬は確かに届いていた。 2024年3月9日、阪神のコーラルステークス。9番人気――奇しくも、あの新馬戦とまったく同じ低評価だった。際どい叩き合いを制し、2着レオノーレを凌いで、レディバグは最後の一戦を勝利で締めくくる。始まりも終わりも、9番人気の勝利だった。 レース後まもなく競走馬登録は抹消され、レディバグは繁殖牝馬となった。2025年、父リアルスティールを配された初仔が、北の大地に生まれ落ちている。26戦6勝。派手な栄光ではない。けれど一族に流れる重賞の血を自らの脚で受け継ぎ、川崎で頂への扉をこじ開けた牝馬は、幸運の名を負ったまま、いま母としての新しい旅を歩き始めている。

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