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キングジョイ
通算成績40戦5勝
獲得賞金4億944万円
生年月日 2002.04.16(平成14年)毛色 鹿毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10 | JGⅠ中山グランドジャンプ | 中山 障4250 | 7人気 | 西谷誠 | 5:10.4 | 上り14.6 | 映像 | |
| 10 | OPペガサスジャンプS | 中山 障3350 | 7人気 | 西谷誠 | 3:58.6 | 上り14.2 | — | |
| 中 | JGⅡ京都ハイジャンプ | 京都 障3930 | 2人気 | 西谷誠 | — | — | ||
| 5 | 阪神スプリングJ | 阪神 障3900 | 4人気 | 西谷誠 | 4:27.7 | 上り13.7 | — | |
| 1 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 1人気 | 西谷誠 | 4:41.7 | 上り13.7 | 映像 | |
| 4 | JGⅡ東京ハイジャンプ | 東京 障3300 | 2人気 | 高田潤 | 3:40.8 | 上り13.4 | — | |
| 2 | JGⅠ中山グランドジャンプ | 中山 障4250 | 1人気 | 高田潤 | 4:49.1 | 上り13.6 | 映像 | |
| 4 | 阪神スプリングJ | 阪神 障3900 | 1人気 | 高田潤 | 4:24.8 | 上り13.6 | — | |
| 1 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 2人気 | 高田潤 | 4:45.0 | 上り13.9 | 映像 | |
| 1 | JGⅡ京都ハイジャンプ | 京都 障3930 | 4人気 | 高田潤 | 4:26.2 | 上り13.5 | — | |
| 2 | JGⅡ東京ハイジャンプ | 東京 障3300 | 4人気 | 高田潤 | 3:39.4 | 上り13.3 | — | |
| 2 | JGⅠ中山大障害 | 中山 障4100 | 5人気 | 高田潤 | 4:39.9 | 上り13.7 | 映像 | |
| 3 | OPイルミネーションJS | 中山 障3350 | 6人気 | 高田潤 | 3:46.6 | 上り13.5 | — | |
| 2 | 小倉サマージャンプ | 小倉 障3390 | 4人気 | 白浜雄造 | 3:42.9 | 上り13.2 | — | |
| 4 | JGⅡ東京ハイジャンプ | 東京 障3300 | 3人気 | 白浜雄造 | 3:36.6 | 上り13.1 | — | |
| 1 | 京都ジャンプS | 京都 障3170 | 5人気 | 白浜雄造 | 3:31.0 | 上り13.3 | — | |
| 5 | 障害4歳以上OP | 京都 障3170 | 7人気 | 仲田雅興 | 3:32.8 | 上り13.4 | — | |
| 6 | 障害3歳以上OP | 小倉 障2900 | 2人気 | 内田浩一 | 3:10.7 | 上り13.2 | — | |
| 2 | 小倉サマージャンプ | 小倉 障3390 | 6人気 | 内田浩一 | 3:43.6 | 上り13.2 | — | |
| 3 | 障害3歳以上OP | 京都 障3170 | 11人気 | 内田浩一 | 3:32.5 | 上り13.4 | — | |
| 1 | 障害3歳以上未勝利 | 中京 障2800 | 9人気 | 高田潤 | 3:03.9 | 上り13.1 | — | |
| 9 | 障害4歳以上未勝利 | 京都 障2910 | 11人気 | 仲田雅興 | 3:21.3 | 上り13.8 | — | |
| 8 | 3歳未勝利 | 阪神 ダ1800 | 6人気 | 佐藤哲三 | 1:57.8 | 上り39.9 | — | |
| 5 | 3歳未勝利 | 小倉 ダ1700 | 11人気 | 佐藤哲三 | 1:49.7 | 上り39.6 | — | |
| 6 | 3歳未勝利 | 小倉 ダ1700 | 5人気 | 佐藤哲三 | 1:49.2 | 上り38.6 | — | |
| 3 | 3歳未勝利 | 小倉 ダ1700 | 9人気 | 佐藤哲三 | 1:48.8 | 上り39.8 | — | |
| 6 | 3歳未勝利 | 阪神 ダ1800 | 5人気 | 佐藤哲三 | 1:56.8 | 上り40.2 | — | |
| 5 | 3歳未勝利 | 中京 ダ1700 | 5人気 | 松永幹夫 | 1:48.8 | 上り37.9 | — | |
| 6 | 3歳未勝利 | 新潟 ダ1800 | 6人気 | 木幡初広 | 2:01.2 | 上り38.7 | — | |
| 4 | 3歳未勝利 | 新潟 ダ1800 | 8人気 | 上野翔 | 1:56.8 | 上り40.8 | — | |
| 5 | 3歳未勝利 | 小倉 ダ1700 | 9人気 | 北村浩平 | 1:48.4 | 上り37.7 | — | |
| 8 | 3歳未勝利 | 小倉 ダ1700 | 6人気 | 北村浩平 | 1:48.0 | 上り39.0 | — | |
| 7 | 3歳未勝利 | 京都 ダ1800 | 5人気 | 武豊 | 1:56.6 | 上り38.8 | — | |
| 7 | 2歳未勝利 | 中京 ダ1700 | 8人気 | 北村浩平 | 1:51.6 | 上り41.5 | — | |
| 8 | 2歳未勝利 | 京都 ダ1400 | 11人気 | 小牧太 | 1:26.3 | 上り38.0 | — | |
| 9 | 2歳未勝利 | 京都 芝1800 | 13人気 | 川田将雅 | 1:51.6 | 上り37.1 | — | |
| 13 | 2歳未勝利 | 京都 ダ1400 | 9人気 | 石橋守 | 1:28.8 | 上り39.2 | — | |
| 8 | 2歳未勝利 | 阪神 ダ1400 | 9人気 | 石橋守 | 1:28.4 | 上り38.9 | — | |
| 9 | 2歳未勝利 | 小倉 芝1800 | 9人気 | 石橋守 | 1:50.1 | 上り36.5 | — | |
| 5 | 2歳新馬 | 小倉 芝1800 | 6人気 | 石橋守 | 1:56.4 | 上り37.4 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父マーベラスサンデーMarvelous Sunday | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| モミジダンサー | ヴァイスリーガル | |
| モミジII Momigi | ||
| 母プリンセスエイブル | ジェイドロバリーJade Robbery | Mr. Prospector |
| Number | ||
| メインディッシュ | サンシー | |
| メイワキミコ |
旅程 — この馬の物語
2002年生まれの鹿毛の牡馬。父マーベラスサンデー、母プリンセスエイブル。
十八回
2005年9月24日、阪神競馬場のダート1800メートル、3歳未勝利。6番人気で八着に敗れた。これが平地で走った十八回目で、最後の一走になった。十八戦して、勝ち鞍はない。最高着順は、その年の7月に小倉であげた三着が一度きりである。 2002年4月16日、北海道新冠町の川上牧場で鹿毛の牡駒が生まれた。父はマーベラスサンデー、母はプリンセスエイブル。馬主は松岡隆雄。冠名は「サンライズ」で、牡には名の前に、牝には名の後ろに置く。この馬の名に、それは入っていない。母の名はプリンセスで始まり、仔の名はキングで始まった。勝負服は紫地に白い星が散り、袖は白地に紫の星が散る。 栗東の増本豊厩舎に入った。増本は1946年の生まれ。父・増本勇の厩舎で厩務員から調教助手になり、1976年に調教師免許を取って、1978年に自分の厩舎を開いている。 2004年8月1日、小倉の芝1800メートル、2歳新馬。石橋守を背に6番人気で五着。ここから、十八回が始まった。京都、阪神、小倉、新潟、中京。距離は1400から1800、ほとんどがダートだった。武豊が乗り、松永幹夫が乗り、佐藤哲三が五回続けて乗った。それでも、勝てなかった。
三代母は、中山の千二百を二度勝った
母プリンセスエイブルの母がメインディッシュ、その母がメイワキミコである。 メイワキミコは1974年3月3日、同じ新冠の明和牧場に生まれた。1977年10月9日、中山競馬場の芝1200メートル、スプリンターズステークス。増沢末夫を背に1番人気に応え、ボールドシンボリをアタマ差で退けて重賞を初めて勝つ。翌1978年10月8日、同じ中山の同じ1200メートルで、今度はマイエルフに四分の三馬身。二年続けて勝った。十九戦七勝、掲示板を外したのは優駿牝馬の二十三着だけである。1979年、三連覇を狙って四着。それを最後に引退した。半弟に1980年の皐月賞馬ハワイアンイメージ、半妹に1984年のカブトヤマ記念を勝ったプロメイドがいる。 プリンセスエイブルは長く仔を産み続けた。2001年の牡駒がメイショウサライ、翌年の牡駒がキングジョイ。父はどちらもマーベラスサンデーで、メイショウサライがキングジョイの全兄にあたる。 のちに、母の半妹マイネデセールから、2020年の函館2歳ステークスを勝つリンゴアメが出る。函館の芝1200メートル、1分9秒8。曾祖母が中山で二度勝ったのと、同じ距離だった。 三代母が中山で二度勝ったのは、千二百メートルである。キングジョイがやがて中山で走ることになる距離は、四千百メートルだった。
二十戦目
2006年5月14日、京都の障害4歳以上未勝利、2910メートル。仲田雅興を背に九着。跳ぶことを覚えたばかりの馬が、いきなり走れるわけではない。 三週間後の6月4日、中京の障害3歳以上未勝利、2800メートル。鞍上は高田潤。9番人気で、二着に0秒5をつけて勝った。デビューから数えて二十戦目、初めての勝利である。 高田潤は1980年11月3日、大阪府堺市の生まれ。競馬学校の十五期生で、1999年3月6日に中京でデビューし、二年目から障害に乗り始めた。2001年の小倉サマージャンプをヒサコーボンバーで勝っている。障害重賞は、初騎乗で初制覇だった。 夏、小倉サマージャンプで二着。先に決勝線を通ったのはコウエイトライである。この相手とは、これから何度も同じレースを走ることになる。8月に小倉のオープンで六着、そこで長い休みに入った。
その年、高田はまだ一つも勝っていなかった
2007年2月11日、京都の障害戦で高田が落馬した。両側の肺挫傷、左眼瞼挫傷、外傷性血気胸、頭部外傷。復帰は5月6日である。 その六日後、5月12日の京都ジャンプステークス。鞍上は白浜雄造だった。逃げるブロードキャスターを差し切って0秒3差、キングジョイの重賞初制覇である。6月の東京ハイジャンプは四着、7月の小倉サマージャンプはまた二着で、先着したのはまたコウエイトライだった。 12月1日、中山のイルミネーションジャンプステークスで手綱が高田に戻り、三着。三週間後が、中山大障害である。 12月22日、中山。曇り、芝は良。5番人気だった。大生垣を越えたところで同じ増本厩舎のマルカラスカルが先頭に立ち、二年続けてこのレースの二着に泣いていたメルシーエイタイムが離れずについていく。最後の障害を飛び終えてから長い追い比べになり、抜け出したのはメルシーエイタイムだった。キングジョイはゴール前で二番手に上がったが、一馬身半足りない。三着はマルカラスカル。増本厩舎の二頭で二着と三着を占めて、勝てなかった。 翌日、高田は同じ中山にいた。有馬記念、ドリームパスポート。前の年の皐月賞で二着に持ってきた馬である。六着だった。 この年、高田潤はまだ一つも勝っていなかった。有馬記念に乗る騎手がその年未勝利という例はなく、12月21日の日刊スポーツが、一面でそれを扱っている。中山大障害で二着、有馬記念で六着——2007年は、そのまま未勝利で終わった。
二〇〇八年十二月二十七日、中山
2008年、この馬は三度しか走っていない。6月の東京ハイジャンプで二着。秋は京都ハイジャンプへ直行し、逃げ込みを図るコウエイトライを捕まえた。小倉で二度、先へ行かせた相手である。重賞二勝目だった。 そして、12月27日。 中山競馬場。晴れ、芝は良。斤量は一律六十三キロ。一番人気は同じ厩舎のマルカラスカルだった。この年の春に中山グランドジャンプを大差で勝ち、前走のイルミネーションジャンプステークスをレコードで勝っている。キングジョイは、その次に支持されていた。 ゲートが開くと、マルカラスカルが前へ出た。四千百メートルを引っ張って、後ろとの差を広げていく走りである。高田はそれを追わなかった。中団の前寄り、五番手のあたり。一コーナーでも、二コーナーでも、三コーナーでも、位置は動いていない。障害を一つ越えるたびに前との間隔は変わるが、変わったぶんだけ、また元に戻る。そういう乗り方だった。 正面から襷コースへ折れ、芝を斜めに横切って戻る。左回りになったところで、前を行くマルカラスカルが外へ逸れた。隊列が一度乱れ、また整う。キングジョイの位置は、それでも動かない。四つ目のコーナーも、同じ場所で回った。 直線を向く。マルカラスカルを交わして先頭に立ったのは、メルシーエイタイムだった。前の年、この馬が一馬身半届かなかった相手である。最後の障害を飛び終えて、高田がはじめて追い出す。 ここからは、平地の追い比べと変わらない。四千百メートルを走ってきた馬の脚が、まだ残っている。並びかけ、決勝線の手前で前に出た。二分の一馬身。 高田潤にとって、初めてのJ・GIだった。増本豊にとっても、中山大障害は初めてである。そして父マーベラスサンデーにとっては、産駒が勝った最初のGI競走になった。
クビの差、二馬身の差
2009年3月14日、阪神スプリングジャンプ。重馬場。単勝2.0倍の1番人気で四着。勝ったのはトーワヒヨシマルだった。 4月18日、中山グランドジャンプ。晴れ、芝は良。四千二百五十メートル。単勝はキングジョイが2.1倍、スプリングゲントが3.2倍、残る十三頭はすべて十倍を超えている。二頭の一騎打ち、という下馬評だった。 コウヨウウェーブが逃げて隊列は縦に伸び、残り千メートルあたりで一気に詰まる。そこで早くも動いたのが、その二頭だった。並んで最終コーナーを回り、最後の障害を飛び越え、そこから叩き合いになる。一完歩ごとにキングジョイが詰め、そのたびにスプリングゲントが押し返す。決着はクビ差だった。三着とは大差、四着はそこからさらに九馬身。残りの十三頭は、別のレースを走っていたことになる。 スプリングゲントの鞍上は白浜雄造。二年前の五月に京都で、この馬へ初めての重賞を運んだ男である。 秋、東京ハイジャンプ四着から中山へ向かった。12月26日、中山大障害。晴れ、芝は良。鞍上は西谷誠に替わっている。高田潤は、この日のこのレースに乗っていない。 逃げていたテイエムトッパズレが二周目の向正面で落馬し、押し出されるようにトウカイポリシーが先頭に立った。好位から押し上げてきたメルシーエイタイムに、内からキングジョイが並びかける。中山大障害は三度目、そこへ春のグランドジャンプを加えれば四度目——中山の大レースで、この馬はまだ一度も連を外していなかった。 叩き合いの末に、外のメルシーエイタイムを突き放した。二馬身。 JRA賞最優秀障害馬に、二年続けて選ばれた。
空白
2010年も、阪神スプリングジャンプから中山グランドジャンプへ、という道順が組まれていた。前の年と同じ順序である。だがこの馬は、2010年に一度も競馬場へ立たなかった。長期の休養に入り、予定はそのまま消えた。 戻ってきたのは2011年3月21日の阪神スプリングジャンプ。九歳になっていた。馬体重は522キロ、二年前の中山グランドジャンプより十四キロ重い。4番人気で五着、勝ち馬との差は0秒4。悪い内容ではなかった。 5月14日、京都ハイジャンプ。2番人気に支持されて、競走中止。 そこからまた、十か月が空く。 2012年3月24日、中山のペガサスジャンプステークス、重馬場で十着。4月14日、中山グランドジャンプ、不良馬場で十着。勝ったのはどちらもマジェスティバイオだった。四千二百五十メートルに5分10秒4かかっている。三年前、クビ差で敗れたときのタイムは4分49秒1である。 最後の一戦が、この馬の勝てなかったレースになった。4月27日付で競走馬登録を抹消され、栗東トレーニングセンターで乗馬になる。四十戦五勝。うち平地は十八戦して、一度も勝っていない。
残っているのは、一つ
四千百メートルを三度走って、二着、一着、一着。中山大障害でこの馬が並べた着順は、それだけである。平地の十八戦を書き写した欄と見比べても、同じ馬の成績表には見えない。それでも、順番は入れ替えられない。跳べるようになるまでの十八回があって、そのあとにあの三度が来る。二年続けて最優秀障害馬に選ばれたのは、そういう道を通ってきた馬だった。 2007年の暮れ、その年まだ一勝もないままこの馬で中山大障害を二着に走った騎手は、翌年の暮れ、同じコースで最初のJ・GIを受け取った。そこからの十七年で、最多勝利障害騎手になり、中山の生垣で落馬して第二頸椎を折り、一年近く競馬場から消え、戻ってきて、また勝ち続けた。2026年3月、阪神スプリングジャンプを勝って障害重賞二十七勝。歴代単独一位である。 その二十七に、中山グランドジャンプだけが入っていない。高田潤が障害重賞でまだ勝っていないのは、いまその一つだけだ。春の中山、四千二百五十メートル——キングジョイが、クビだけ足りなかったレースである。
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