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カムニャック
通算成績9戦4勝
獲得賞金3億8,100万円
生年月日 2022.04.14(令和4年)毛色 鹿毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | GIヴィクトリアマイル | 東京 芝1600 | 2人気 | 川田将雅 | 1:31.1 | 上り33.1 | 映像 | |
| 2 | GIIサンスポ杯阪神牝馬S | 阪神 芝1600 | 4人気 | 川田将雅 | 1:31.6 | 上り33.2 | 映像 | |
| 16 | GI秋華賞 | 京都 芝2000 | 1人気 | 川田将雅 | 2:00.2 | 上り36.9 | 映像 | |
| 1 | GII関西TVローズS | 阪神 芝1800 | 1人気 | 川田将雅 | 1:43.5 | 上り34.4 | 映像 | |
| 1 | GI優駿牝馬 | 東京 芝2400 | 4人気 | A.シュタルケ | 2:25.7 | 上り33.8 | 映像 | |
| 1 | GIIサンスポ賞フローラS | 東京 芝2000 | 7人気 | A.シュタルケ | 1:58.6 | 上り33.4 | 映像 | |
| 4 | LエルフィンS | 京都 芝1600 | 3人気 | 川田将雅 | 1:36.1 | 上り35.1 | 映像 | |
| 6 | GIIIアルテミスS | 東京 芝1600 | 1人気 | 川田将雅 | 1:34.0 | 上り33.5 | 映像 | |
| 1 | 2歳新馬 | 中京 芝2000 | 1人気 | 川田将雅 | 2:04.2 | 上り33.6 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ブラックタイド | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| ウインドインハーヘアWind in Her Hair | Alzao | |
| Burghclere | ||
| 母ダンスアミーガ | サクラバクシンオーSakura Bakushin O | サクラユタカオー |
| サクラハゴロモ | ||
| ダンスオールナイト | エルコンドルパサーEl Condor Pasa | |
| ダンスパートナー |
旅程 — この馬の物語
2022年生まれの鹿毛の牝馬。父ブラックタイド、母ダンスアミーガ。主な勝ち鞍は優駿牝馬・サンスポ賞フローラS・関西TVローズS。
祝福された者 ― 血と名前
サンブル族の言葉で「祝福された者」を意味する。カムニャック。 2022年4月14日、北海道に生まれた鹿毛の牝馬。父はブラックタイド――ディープインパクトの全兄にして、キタサンブラックを世に送り出した種牡馬。そのブラックタイドを母に持つウインドインハーヘアの血は、ディープとキタサンという二頭の大河を生んだ女系の本流でもある。 母ダンスアミーガの父はスプリント王サクラバクシンオー。一見、距離が保つとは思えない配合に見えるが、母の母はダンスオールナイト、その母はダンスパートナー。1995年の優駿牝馬、1996年のエリザベス女王杯を制した名牝の血が、三代にわたって牝系を貫いている。のちに東京2400mのオークスを制することになる運命を、血統表は静かに示唆していた。 2023年のセレクトセール1歳では7700万円で金子真人ホールディングスが落札。栗東・友道康夫厩舎に入厩し、主戦騎手には川田将雅が起用された。
シュタルケとの邂逅 ― フローラから樫の頂へ
デビューは2024年8月、中京の芝2000m新馬戦。1番人気に応え、川田将雅を背に快勝した。続くアルテミスSは1番人気で6着に敗れ、明けて2025年のエルフィンSも4着。クラシックを直線から狙うにはもうひと押しが要る春だった。 転機は2025年4月27日のフローラSだった。川田将雅は同日別場のレースに騎乗が重なり、手綱は短期免許で来日中のドイツ人騎手アンドレアシュ・シュタルケへ渡った。7番人気の低評価。だがシュタルケはカムニャックを中団に抑え、東京の直線で外から力強く伸ばした。1分58秒6のレースレコード、重賞初制覇。この一戦が、コンビの出発点になる。 友道調教師は「距離は延びたほうがいい」と即座にオークスへの継続を決断。5月25日、東京競馬場の第86回優駿牝馬。4番人気のカムニャックは中団から追走し、直線で外から弾け飛ぶような脚を繰り出した。2番人気で先に抜け出したアルマヴェローチェとの壮絶なアタマ差の決勝写真。2分25秒7、GI初制覇。 ゴール後、シュタルケは目を輝かせた。初めてジャパンカップに来てから随分と時間が経った、と前置きしてから、「日本でGIを勝つことが夢でした」[^1]と言った。ドイツからやってきた名手が長年抱いていた願いを、一頭の鹿毛の牝馬が叶えた日だった。
出典:ORICON NEWS「オークス シュタルケ『G1勝つことが夢だった』カムニャックが樫の女王に」2025年5月25日配信、閲覧日:2026年6月25日。
影と光 ― 秋華賞の失速、そして立て直し
ローズSに向けて手綱は川田将雅に戻った。9月14日の阪神芝1800m。川田の騎乗でカムニャックは1番人気に応え、道中の接触で態勢を崩しかけながらも最後まで踏ん張り抜き切った。勝利後の川田は淡々としていた。4コーナーで内側からぶち当てられ、あやうく落ちるところまで行った、それでも馬の能力だけで何とか勝ち切った――そう振り返る口ぶりに、この馬への信頼が滲んでいた。 3戦3連勝でオークス馬として迎えた10月19日の秋華賞。1番人気、牝馬2冠へ。しかし京都の向こう正面で、異変は起きた。勝負どころで川田が押しても前に進もうとしない。4コーナーで馬がまるで変わったように脚が動かなくなり、直線ではずるずると下がって16着の大敗。川田は「止まり方が異常だったので、まずは無事であってほしい」[^1]と馬を気遣い、友道師もパドックから振り返っても明確な敗因をつかめなかった。不可解な惨敗のまま、秋は終わった。 冬を越えて2026年春、阪神牝馬Sで復帰。4番人気の川田将雅は直線で好位から脚を伸ばし、2着に好走した。川田は、前走よりはるかに我慢が利いたと静かに報告した。秋の失速が嘘だったかのように、カムニャックは立ち直っていた。
出典:デイリースポーツ「秋華賞 川田『止まり方が異常だった』」2025年10月20日配信、閲覧日:2026年6月25日。
府中のアタマ差 ― まだ続く旅
2026年5月17日、ヴィクトリアマイル。2番人気で挑んだ東京芝1600m。川田将雅は好位でカムニャックを我慢させ、直線で持ち出した。しかし先に抜け出したエンブロイダリーが壁となり、1馬身4分の1差の2着。GI連勝はならなかった。 川田は、しっかり我慢してとても良い走りをしてくれた、この馬らしい走りだったと前向きに話した。友道師も、成長は確かだ、これなら距離を延ばしていけると言葉を添えた。 9戦4勝、賞金3億8100万円。3代母ダンスパートナーが30年前に制した東京2400mのオークスを、牝系の血が蘇って制した馬は、まだ4歳。府中のアタマ差は、敗北の記録であると同時に、次の扉の前に立っている証でもある。
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