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ホッコーメヴィウス
通算成績47戦7勝
獲得賞金2億5,572万円
生年月日 2016.04.15(平成28年)毛色 鹿毛性 セン
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10 | 新潟ジャンプS | 新潟 障3250 | 5人気 | 難波剛健 | 3:34.7 | 上り13.2 | 映像 | |
| 中 | 東京ジャンプS | 東京 障3110 | 4人気 | 難波剛健 | — | 映像 | ||
| 取 | 小倉サマージャンプ | 中京 障3300 | 小牧加矢太 | — | 映像 | |||
| 1 | 新潟ジャンプS | 新潟 障3250 | 2人気 | 小牧加矢太 | 3:32.3 | 上り13.1 | 映像 | |
| 中 | 東京ジャンプS | 東京 障3110 | 4人気 | 井上敏樹 | — | 映像 | ||
| 2 | JGⅡ東京ハイジャンプ | 東京 障3110 | 4人気 | 平沢健治 | 3:32.4 | 上り13.7 | — | |
| 2 | 阪神ジャンプS | 阪神 障3140 | 4人気 | 平沢健治 | 3:26.0 | 上り13.1 | — | |
| 6 | 小倉サマージャンプ | 小倉 障3390 | 4人気 | 黒岩悠 | 3:48.2 | 上り13.5 | — | |
| 9 | 新潟ジャンプS | 新潟 障3250 | 2人気 | 黒岩悠 | 3:33.2 | 上り13.1 | — | |
| 9 | 東京ジャンプS | 東京 障3110 | 1人気 | 黒岩悠 | 3:28.6 | 上り13.4 | — | |
| 1 | 京都ジャンプS | 阪神 障3140 | 1人気 | 黒岩悠 | 3:26.2 | 上り13.1 | — | |
| 2 | JGⅡ東京ハイジャンプ | 東京 障3110 | 1人気 | 黒岩悠 | 3:26.2 | 上り13.3 | — | |
| 1 | 阪神ジャンプS | 中京 障3300 | 1人気 | 黒岩悠 | 3:33.4 | 上り12.9 | — | |
| 1 | 新潟ジャンプS | 新潟 障3250 | 3人気 | 黒岩悠 | 3:28.4 | 上り12.8 | — | |
| 2 | 東京ジャンプS | 東京 障3110 | 3人気 | 黒岩悠 | 3:27.2 | 上り13.3 | — | |
| 7 | OP春麗ジャンプS | 小倉 障3390 | 1人気 | 黒岩悠 | 3:47.1 | 上り13.4 | — | |
| 9 | 4歳以上1勝クラス | 小倉 芝2000 | 4人気 | 黒岩悠 | 2:01.2 | 上り37.0 | — | |
| 3 | 京都ジャンプS | 阪神 障3140 | 3人気 | 黒岩悠 | 3:29.1 | 上り13.3 | — | |
| 2 | JGⅡ東京ハイジャンプ | 東京 障3110 | 3人気 | 黒岩悠 | 3:28.9 | 上り13.4 | — | |
| 8 | 新潟ジャンプS | 新潟 障3250 | 1人気 | 黒岩悠 | 3:31.0 | 上り13.0 | — | |
| 2 | 東京ジャンプS | 東京 障3110 | 5人気 | 黒岩悠 | 3:28.3 | 上り13.4 | — | |
| 1 | 障害4歳以上OP | 新潟 障3290 | 5人気 | 黒岩悠 | 3:37.3 | 上り13.2 | — | |
| 3 | 障害4歳以上OP | 新潟 障2890 | 4人気 | 黒岩悠 | 3:09.9 | 上り13.1 | — | |
| 5 | 障害4歳以上OP | 中山 障3200 | 2人気 | 難波剛健 | 3:35.3 | 上り13.5 | — | |
| 2 | 障害4歳以上OP | 阪神 障3110 | 9人気 | 黒岩悠 | 3:30.6 | 上り13.5 | — | |
| 5 | 障害4歳以上OP | 小倉 障3390 | 9人気 | 小坂忠士 | 3:52.5 | 上り13.7 | — | |
| 6 | 障害4歳以上OP | 小倉 障3390 | 7人気 | 黒岩悠 | 3:50.4 | 上り13.6 | — | |
| 1 | 障害3歳以上未勝利 | 中京 障3000 | 3人気 | 難波剛健 | 3:16.5 | 上り13.1 | — | |
| 4 | 障害3歳以上未勝利 | 福島 障2770 | 4人気 | 難波剛健 | 3:02.9 | 上り13.2 | — | |
| 9 | 障害3歳以上未勝利 | 新潟 障2850 | 9人気 | 難波剛健 | 3:11.9 | 上り13.5 | — | |
| 9 | 3歳以上1勝クラス | 中京 芝1600 | 13人気 | 国分優作 | 1:34.5 | 上り35.5 | — | |
| 15 | 3歳以上1勝クラス | 新潟 芝1600 | 15人気 | 国分優作 | 1:35.0 | 上り34.2 | — | |
| 14 | 出石特別 | 阪神 芝1400 | 14人気 | 荻野極 | 1:23.0 | 上り36.7 | — | |
| 7 | 3歳以上1勝クラス | 阪神 芝1800 | 6人気 | 菊沢一樹 | 1:49.2 | 上り37.2 | — | |
| 6 | 4歳以上1勝クラス | 新潟 芝1400 | 6人気 | 菊沢一樹 | 1:23.2 | 上り34.6 | — | |
| 9 | 3歳以上1勝クラス | 阪神 芝1600 | 7人気 | 荻野極 | 1:36.4 | 上り34.5 | — | |
| 4 | 3歳以上1勝クラス | 中京 芝1400 | 7人気 | 団野大成 | 1:21.2 | 上り33.6 | — | |
| 5 | 飯坂温泉特別 | 福島 芝1200 | 8人気 | 団野大成 | 1:10.2 | 上り34.6 | — | |
| 6 | 寺泊特別 | 新潟 芝1600 | 10人気 | 団野大成 | 1:36.6 | 上り34.2 | — | |
| 16 | 3歳以上1勝クラス | 札幌 芝1200 | 5人気 | 坂井瑠星 | 1:11.0 | 上り35.3 | — | |
| 5 | 3歳以上1勝クラス | 札幌 芝1200 | 2人気 | 団野大成 | 1:09.5 | 上り34.8 | — | |
| 1 | 3歳未勝利 | 函館 芝1200 | 4人気 | 団野大成 | 1:09.3 | 上り34.9 | — | |
| 6 | 3歳未勝利 | 阪神 芝1600 | 6人気 | 幸英明 | 1:36.6 | 上り36.6 | — | |
| 6 | 3歳未勝利 | 京都 芝1800 | 5人気 | 北村友一 | 1:48.4 | 上り36.5 | — | |
| 6 | 3歳未勝利 | 中京 芝2000 | 5人気 | 北村友一 | 2:04.1 | 上り34.1 | — | |
| 3 | 3歳未勝利 | 阪神 芝2000 | 6人気 | 北村友一 | 2:02.8 | 上り35.7 | — | |
| 7 | 3歳未勝利 | 京都 芝1800 | 2人気 | 国分恭介 | 1:50.7 | 上り36.2 | — | |
| 2 | 3歳新馬 | 京都 芝1800 | 12人気 | 国分恭介 | 1:50.2 | 上り35.1 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父ダイワメジャーDaiwa Major | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| スカーレットブーケ | ノーザンテーストNorthern Taste | |
| スカーレットインクScarlet Ink | ||
| 母ホッコーメモリー | ダンシングブレーヴDancing Brave | Lyphard |
| Navajo Princess | ||
| ヤサカショウリ | サクラショウリ | |
| サイコーセレネ |
旅程 — この馬の物語
2016年生まれの鹿毛のせん馬。父ダイワメジャー、母ホッコーメモリー。
荻伏の牧場と、一行だけの名前
北海道浦河町、荻伏。高昭牧場で2016年4月15日に生まれた鹿毛は、生まれた時点で名前の前半が決まっていた。馬主・北幸商事の冠名「ホッコー」である。その後ろに続く四文字――メヴィウス。馬名の由来として登録されているのは「冠名+人名より」という一行だけで、誰の名かは、そこには書かれていない。 血のほうは、はっきりしていた。父ダイワメジャー。母ホッコーメモリーは1999年生まれの黒鹿毛で、その父は欧州の名馬ダンシングブレーヴ。母の母ヤサカショウリの父をたどれば、1978年の日本ダービーを勝ったサクラショウリに行き着く。 そして母のもとには、八つ上の半兄がいた。父マーベラスサンデーのホッコーブレーヴである。中央で34戦5勝、獲得賞金1億6700万円。2014年には日経賞で2着、天皇賞(春)で3着に食い込み、オーストラリアにも遠征した。芝の長い距離で古馬の一線と渡り合った兄――弟に期待された道も、当然そちらだった。 2019年1月27日、京都の芝1800m。国分恭介を背にした新馬戦は単勝79.5倍の12番人気だったが、2着に粘った。半年後の7月20日、函館の芝1200m。団野大成に手綱が替わり、ハナ差で初勝利を挙げる。ここまでは、順調と呼んでよかった。
芝では届かなかった、十九戦
長かったのは、そのあとである。昇級初戦の札幌で5着。次の札幌で16着。秋も4戦して勝ち星はなく、暮れの阪神で9着。4歳になっても同じだった。2020年は5戦して二桁着順が2回。9月20日、中京の芝1600mで9着。 兄が駆けた芝の長距離は、この馬の前についに開かなかった。平地は生涯を通じて19戦1勝、賞金1160万円にとどまる。次にこの馬が装鞍所に立ったとき、走る場所は障害コースに変わっていた。 2020年10月25日、新潟。障害の未勝利戦に9番人気で出て、難波剛健を背に見せ場なく9着。3週後の福島で4着。そして12月13日、中京の障害3000m。3番人気に推されたこの日、スタートから逃げる手に出て、2着に8馬身の差をつけた。 飛越が、この馬の言葉だった。それに気づくまでに、平地で18戦を要した。
厩舎が替わり、鞍上が決まる
2021年2月6日、小倉の障害オープン。この日から手綱を取ったのが黒岩悠である。結果は6着。それでも以後の二年半、この馬の背には主に黒岩がいることになる。 その次走までのあいだに、馬の住所が変わった。デビューから預けられていた西浦勝一が定年で退職し、栗東・清水久詞厩舎へ転厩する。そしてその厩舎は、黒岩悠という騎手が拾われた場所でもあった。 高知県出身の黒岩は2002年に栗東でデビューし、2004年1月には落馬で骨盤を折って半年を棒に振っている。2009年と2010年は勝ち星がゼロ。騎手をやめることを考えていたところへ声をかけたのが、清水久詞だった。以来、黒岩は清水厩舎の調教を任される。そのなかの一頭がキタサンブラックで、GI7勝を挙げたあの馬について、主戦の武豊は黒岩に全幅の信頼を置いていた。毎朝、歴史に残る馬を仕上げる手。だが勝負服を着てゴール板を先頭で通過する日曜日は、なかなか回ってこなかった。 5月22日、新潟の障害オープン。5番人気のホッコーメヴィウスで、黒岩が勝つ。この日、黒岩は障害2鞍で2勝を挙げ、デビュー2年目以来となる1日2勝を記録した。 1か月後の東京ジャンプSが、この馬にとって初めての重賞だった。直線で伸びて一度は先頭に立ちながら、ゴール寸前でスマートアペックスにハナ差だけかわされる。7月の新潟ジャンプSは1番人気で8着。10月の東京ハイジャンプはラヴアンドポップに3/4馬身及ばず2着、11月の京都ジャンプSは3着。惜しい、が続いた一年だった。
二十一年目の、初めて
2022年は、1月30日に小倉の芝2000mを使うところから始まった。1年4か月ぶりの平地は9着。叩き台である。2月26日の春麗ジャンプSは1番人気に推されて7着。そこから4か月の放牧を挟み、6月25日の東京ジャンプSは前年と同じ2着だった。 7月30日、新潟の障害3250m。3番人気。 ゲートが開いた瞬間から、この馬の競馬になった。好スタートを決めてハナを切り、そのまま譲らない。最後の直線でゼノヴァースが猛然と追い込んできたが、3/4馬身だけ残していた。3分28秒4はレコードだった。 デビューから35戦目、6歳の夏に、初めての重賞。そして鞍上の黒岩悠にとっても、デビュー21年目にして初めての重賞だった。厩舎を預かる清水久詞にとっても、障害重賞の勝利はこれが最初である。
二つ逃げ切り、ひとつ届かず
9月17日、阪神ジャンプS。この年は中京での施行だった。単勝1.4倍。今度も終始逃げて、アルーフクライに3馬身半の差をつける。重賞2勝目。 10月16日、東京ハイジャンプ。1番人気に支持されたが、最後の直線はゼノヴァースとのマッチレースになり、2馬身差をつけられた。この重賞だけは、前年に続いて2着だった。 11月12日、阪神で行われた京都ジャンプS。単勝1.7倍。2着マサハヤドリームに7馬身をつける圧勝で、前年3着の借りを返した。 この年、障害6戦3勝。黒岩悠も障害戦で9勝を挙げ、自身のキャリアハイを更新した。二人とも、遅れて来た絶頂だった。
一年、勝てなかった
2023年6月24日、東京ジャンプS。単勝2.0倍の1番人気。だが先行する形に持ち込めないまま9着に沈む。 7月29日の新潟ジャンプSは2番人気。1番人気フォッサマグナと激しい先行争いになり、3コーナー手前で失速して9着。8月26日の小倉サマージャンプも6着。3戦して掲示板がなかった。 9月16日の阪神ジャンプSで、二年半にわたって主に黒岩が握ってきた手綱が、平沢健治に替わる。この日はハイラップを刻む大逃げを打ち、最後の直線でジューンベロシティとの競り合いに屈して2馬身差の2着。それでも、この年初めての連対だった。 10月15日の東京ハイジャンプも平沢が続いた。ハナを取り、最終直線まで先頭で運ぶ。しかし最後の障害を飛び終えたところでマイネルグロンに捕らえられた。同じ重賞の、3年連続の2着である。この年、5戦して勝ち星はなかった。
三年目の騎手へ
その平沢健治が、2023年の暮れに騎手を引退する。2024年6月22日の東京ジャンプS、鞍上は井上敏樹になった。スタート直後にハナを取りにいったが、2つ目となる6号障害の着地でつまずき、騎手が落馬。競走中止。落馬による競走中止は、この馬にとって初めてのことだった。 7月27日、新潟。小牧加矢太との初コンビだった。デビュー3年目、27歳。障害馬術からこの世界に来た異色の経歴を持つ若手である。 レースは、また同じ形になった。終始ハナを譲らず、すべての障害を先頭で飛び、最後は前年の覇者サクセッションの追撃を半馬身しのぐ。2022年11月の京都ジャンプS以来、1年8か月ぶりの勝利。障害重賞は4勝目、新潟ジャンプSは2勝目。そして小牧にとっては、JRA重賞の初勝利だった。 レース後、清水久詞は8歳になった愛馬を見ながら、今日が鞍上の初重賞なのだと言い添えて、こう続けている。「僕の障害重賞初勝利もこの馬。前に乗っていた黒岩騎手の重賞初勝利もそうだった」[^1] 三人の「初めて」が、一頭の背中から出ていた。 8月24日、中京で行われる小倉サマージャンプ。当日の朝に左前肢の挫創が見つかり、出走を取り消した。
出典:日刊スポーツ「劇的Vの父に続いた!やったぞ加矢太!ホッコーメヴィウスで重賞初制覇!/新潟ジャンプS」2024年7月28日配信、https://www.nikkansports.com/keiba/news/202407270002377.html、閲覧日:2026年7月25日。
新潟の坂を、最後にもう一度
そこから11か月、実戦から遠ざかった。 2025年6月14日、東京ジャンプS。9歳。鞍上は難波剛健である。4年半前、中京の障害未勝利戦で、この馬に初めての障害勝ちを運んだ男だった。道中は軽快に逃げた。だが最後のハードル障害でつまずいて落馬。2年続けての競走中止だった。 8月16日、新潟ジャンプS。この重賞を三度勝つために出た一戦は10着。難波が背にいた。 レースのあと、屈腱炎を発症していることが分かる。8月21日付で、JRAの競走馬登録は抹消された。 通算47戦7勝。うち障害は28戦6勝。獲得賞金2億5572万2000円のうち、2億4412万2000円を障害で稼いだ。新潟の障害コースでは、3度先頭でゴールを通過している。 引退後は関西大学で乗馬になると伝えられた。ゲートも、障害も、時計もない場所である。 名前の意味として残された記録は、いまも「冠名+人名より」の一行だけだ。だが、この馬が何を運んだかは、その一行の外にちゃんと書かれている。二十一年目の騎手に、三年目の騎手に、そして一人の調教師に、それぞれの最初の一つを届けた背中として。
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