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ゴルトブリッツ
通算成績19戦10勝
獲得賞金2億2,404万円
生年月日 2007.04.11(平成19年)毛色 栗毛性 牡
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | JpnⅠ帝王賞 | 大井 ダ2000 | 2人気 | 川田将雅 | 2:03.0 | 上り36.3 | — | |
| 1 | GIIIアンタレスS | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 川田将雅 | 1:49.9 | 上り36.7 | — | |
| 1 | OP仁川S | 阪神 ダ2000 | 1人気 | 川田将雅 | 2:02.3 | 上り35.4 | — | |
| 15 | GIIIみやこS | 京都 ダ1800 | 3人気 | 川田将雅 | 1:55.7 | 上り43.5 | — | |
| 1 | JpnⅢマーキュリーカップ | 盛岡 ダ2000 | 1人気 | 川田将雅 | 2:04.2 | 上り35.8 | — | |
| 5 | GII東海S | 京都 ダ1900 | 1人気 | 田辺裕信 | 1:54.4 | 上り35.8 | — | |
| 1 | GIIIアンタレスS | 京都 ダ1800 | 3人気 | 田辺裕信 | 1:48.1 | 上り35.7 | — | |
| 1 | 門司S | 小倉 ダ1700 | 1人気 | 田辺裕信 | 1:42.0 | 上り35.7 | — | |
| 1 | 4歳以上1000万下 | 京都 ダ1900 | 1人気 | 川田将雅 | 1:58.4 | 上り37.6 | — | |
| 7 | GI東京大賞典 | 大井 ダ2000 | 7人気 | 藤田伸二 | 2:02.8 | 上り39.5 | — | |
| 1 | 3歳以上500万下 | 阪神 ダ1800 | 1人気 | 藤田伸二 | 1:51.2 | 上り36.4 | — | |
| 1 | 室蘭カレーラーメン特 | 門別 ダ1800 | 1人気 | 服部茂史 | 1:53.0 | 上り37.5 | — | |
| 1 | 北海道日高装蹄師会特 | 門別 ダ1800 | 3人気 | 服部茂史 | 1:52.1 | 上り36.6 | — | |
| 16 | 3歳未勝利 | 札幌 芝2000 | 1人気 | 横山典弘 | 2:05.1 | 上り38.7 | — | |
| 3 | 3歳未勝利 | 新潟 芝2000 | 1人気 | 北村宏司 | 2:02.2 | 上り36.3 | — | |
| 2 | 3歳未勝利 | 新潟 芝1800 | 1人気 | 北村宏司 | 1:47.5 | 上り33.7 | — | |
| 4 | 3歳未勝利 | 新潟 芝2000 | 2人気 | 北村宏司 | 2:00.7 | 上り35.9 | — | |
| 取 | 3歳未勝利 | 東京 芝1800 | 横山典弘 | — | — | |||
| 3 | 3歳未勝利 | 東京 芝2000 | 2人気 | 横山典弘 | 2:04.3 | 上り34.3 | — | |
| 7 | 3歳新馬 | 阪神 芝1600 | 2人気 | 横山典弘 | 1:37.6 | 上り34.2 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父スペシャルウィークSpecial Week | サンデーサイレンスSunday Silence | Halo |
| Wishing Well | ||
| キャンペンガール | マルゼンスキーMaruzensky | |
| レディーシラオキ | ||
| 母レディブロンド | Seeking the Gold | Mr. Prospector |
| Con Game | ||
| ウインドインハーヘアWind in Her Hair | Alzao | |
| Burghclere |
旅程 — この馬の物語
2007年生まれの栗毛の牡馬。父スペシャルウィーク、母レディブロンド。主な勝ち鞍は帝王賞・マーキュリーカップ・アンタレスS。
金の稲妻 ― 名と、母の血
2007年4月11日、北海道安平町のノーザンファームに栗毛の牡馬が生まれた。父スペシャルウィーク、母レディブロンド。 母は六戦五勝で現役を終えた牝馬である。アメリカで生まれ、馬の仕入れでアイルランドを訪れた藤沢和雄が目をつけて日本へ渡ってきたが、股関節を痛めて歩様が定まらず、デビューは五歳の六月まで延びた。それでも函館と札幌の芝1200mの特別を四つ、中山の1600万下をひとつ、負けなしの五連勝。連闘で臨んだスプリンターズステークスは4着。三か月半で走り終えた馬だった。 その母の母が、ウインドインハーヘアである。ドイツのGIアラルポカルを勝ち、エプソムオークスで2着に敗れた欧州の牝馬。日本へ渡ってサンデーサイレンスとの間にブラックタイドを、そしてディープインパクトを産んだ。この栗毛にとって、無敗の三冠馬は叔父にあたる。 名はゴルトブリッツ。ドイツ語で金の稲妻という。母の名は金髪を、母の父シーキングザゴールドの名は金を求めることを意味した。金にまつわる名の連なりに、稲妻が加わった。 2009年、レディブロンドは十一歳で死んだ。五頭の仔を残していた。三番仔のこの牡馬は、そのとき二歳だった。
藤沢厩舎の芝 ― 勝てなかった六戦
母を管理した美浦・藤沢和雄厩舎に入る。レディブロンドの仔は、兄も姉も妹も、この厩舎に預けられていた。 2010年3月14日、阪神の芝1600m。横山典弘を背に2番人気で7着、勝ち馬から0.6秒。そのレースを勝ったのはトゥザグローリー——こちらもこの日がデビュー戦で、のちに中日新聞杯、京都記念、日経賞、日経新春杯、鳴尾記念と重賞を五つ勝つ馬だった。 二戦目、4月24日の東京・芝2000mは3着。勝ったのはダークシャドウ。これもその馬のデビュー戦であり、翌年にはエプソムカップと毎日王冠を制して、天皇賞(秋)ではトーセンジョーダンの半馬身後ろまで迫ることになる。 5月8日は出走取消。夏の新潟で4着、2着、3着。8月7日には上がり33秒7を繰り出して勝ち馬とタイム差なしまで詰めたが、それでも頭は出ない。9月5日、札幌の芝2000mで1番人気に推されると、今度は2秒3も離された16着だった。 芝で六度ゲートを出て、勝てないまま三歳の夏が終わった。
門別 ― 装蹄師会特別とカレーラーメン特別
秋、ホッカイドウ競馬へ移る。門別の廣森久雄厩舎。中央の芝で行き詰まった馬が、生まれた北海道へ戻る形になった。 同じ道を、半兄が先に通っていた。ジャングルビジット——藤沢厩舎に籍を置きながら中央では一度も走らず、門別で三戦三勝を挙げた兄である。 10月5日、北海道日高装蹄師会特別。B2の条件戦、ダート1800m、重馬場。服部茂史を背に3番人気で、二着に1秒差をつけて勝った。馬体重は530キロ、二十二キロ増えていた。 10月19日、室蘭カレーラーメン特別。単勝1.2倍。534キロの馬体で、またも1秒差の圧勝。 どちらも名前の長閑な条件戦である。だがこの二つが、一頭の生涯を決めた。芝ではなかった。ダートだった。
ゴリさん ― 美浦から門別、門別から栗東
二勝を土産に中央へ戻る。ただし美浦ではなかった。栗東・吉田直弘厩舎。美浦から門別、門別から栗東へ——三歳の一年で、東と北と西を渡り歩いたことになる。 12月12日、阪神のダート1800m。鞍上は藤田伸二。馬体重は510キロ、門別から二十四キロ絞れていた。1番人気に応えて1.2秒差の圧勝。 その十七日後、まだ1000万条件の身で大井へ向かう。東京大賞典。スマートファルコンが2分00秒4で駆け抜けた高速の一戦を、外を回らされて7着。ただし2分02秒8という数字は、同じ良馬場だった前年の優勝タイムを三秒以上上回っていた。着順に残らないものが、その夜には残った。 吉田直弘は、この馬をゴリさんと呼んだ。
十年目の重賞 ― アンタレスステークス
2011年1月、京都のダート1900mを川田将雅で勝つ。2月、小倉の門司ステークス。不良馬場の1700mを0.6秒差で制してオープン入り。 4月24日、京都のアンタレスステークス。重馬場、3番人気。鞍上は田辺裕信だった。直線で抜け出し、ワンダーアキュートを抑えて三連勝。中央では初めての重賞である。 田辺にとっても、初めての重賞だった。2002年のデビューから十年目。この年、彼は八十八勝を挙げて全国七位まで駆け上がる。 5月の東海ステークスは1番人気に推されたが、不良馬場の四コーナーで不利を受けて5着。勝ったのは、一か月前に負かしたワンダーアキュートだった。 7月18日、盛岡のマーキュリーカップ。単勝1.3倍。手綱は川田将雅に戻り、二着に三馬身。重賞二勝目は、地方の交流競走で挙がった。
心房細動 ― 秋に止まった体
11月6日、京都のみやこステークス。3番人気。 結果は最下位の15着、勝ったエスポワールシチーから7秒3。上がり三ハロンは43秒5だった。 走る気を失ったのではない。レースの最中に心房細動を発症していた。心臓の拍動が乱れ、全身に血を送れなくなる。脚が止まるのは、その帰結にすぎない。 この一戦を最後に、四歳の秋は終わった。
二〇一二年六月二十七日 ― 大井の三馬身半
年が明けて3月4日、阪神の仁川ステークス。四か月ぶりの実戦で二番手につけ、四コーナーで早めに先頭に立って0.6秒差。 4月14日、アンタレスステークス。単勝1.7倍の支持に応え、アイファーソングに二馬身。同じ重賞を二年続けて勝った。 そして6月27日、大井2000m、帝王賞。十三頭立ての2番人気。 ランフォルセとエスポワールシチーを前に見ながら三番手を進む。直線を向いて、テスタマッタとエスポワールシチーと三頭が並んだ。その年のフェブラリーステークスを勝った馬と、ジャパンカップダートとフェブラリーステークスを勝った馬。日本のダートの一線級が、三頭で並んだ。 残り150m、ゴルトブリッツが抜け出す。三馬身半。 2分03秒0。芝で六度勝てなかった馬が、五歳の初夏に、ダートの頂へ立った。
八月二十四日 ― 五歳
秋に備え、滋賀のノーザンファームしがらきで休んでいた。 8月24日の午前三時前、牧場のスタッフが異変に気づく。腹部のエコー検査で、腸捻転の症状が見つかった。すでに手の施しようがなく、安楽死の処置が取られた。五歳。帝王賞から五十八日後だった。 吉田直弘は報道各社にメッセージを寄せている。「ゴリさん、最後まで生きようと頑張ってくれました」[^1]。天国で青草とにんじんを食べているころだと思う、とも書き添えていた。 通算十九戦十勝。芝では六戦して未勝利、ダートに替わってからは十三戦して十勝。重賞四勝。獲得賞金は中央と地方を合わせて二億二千四百四万円。種牡馬になる時間はなかった。 それでも母の一族は続いた。一歳上の半姉ラドラーダが2014年に産んだ牡馬がレイデオロ——2017年の日本ダービーと、翌年の天皇賞(秋)を勝った、この馬の甥である。祖母ウインドインハーヘアは2014年から苫小牧のノーザンホースパークで余生を送り、2026年6月、三十五歳と百二日でシンザンの国内長寿記録に並んだ。 ゴルトブリッツ、金の稲妻。名づけられたとおりに、短く、鋭く光った一頭だった。
出典:デイリースポーツ「帝王賞Vゴルトブリッツ腸捻転で安楽死」2012年8月25日配信、https://www.daily.co.jp/horse/2012/08/25/0005327899.shtml 、閲覧日:2026年7月30日。
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