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ガビーズシスター
通算成績14戦5勝
獲得賞金1億4,562万円
生年月日 2021.02.28(令和3年)毛色 栗毛性 牝
全成績
主要戦績(抜粋)・新しい順| 年月日 | 着順 | レース | コース | 人気 | 騎手 | タイム | 上り3F | 映像 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2 | OP福島テレビ賞 | 福島 ダ1150 | 3人気 | 戸崎圭太 | 1:07.1 | 上り35.5 | — | |
| 6 | GIIリヤドDS | KAA ダ1200 | 4人気 | J.モレイラ | 1:13.4 | — | — | |
| 4 | GIIIカペラS | 中山 ダ1200 | 3人気 | 吉田隼人 | 1:09.8 | 上り36.4 | 映像 | |
| 4 | JpnⅢテレ玉杯オーバルSP | 浦和 ダ1400 | 3人気 | 武豊 | 1:25.8 | 上り36.9 | — | |
| 5 | JpnⅢ東京スプリント | 大井 ダ1200 | 1人気 | C.ルメール | 1:11.5 | 上り36.8 | — | |
| 3 | GIIリヤドDS | KAA ダ1200 | 3人気 | C.ルメール | 1:12.01 | — | — | |
| 1 | GIIIカペラS | 中山 ダ1200 | 1人気 | 吉田隼人 | 1:10.1 | 上り36.3 | 映像 | |
| 1 | 外房S | 中山 ダ1200 | 1人気 | C.ルメール | 1:09.7 | 上り35.9 | — | |
| 1 | 桑園特別 | 札幌 ダ1000 | 1人気 | 武豊 | 0:58.7 | 上り35.5 | — | |
| 10 | 立待岬特別 | 函館 芝1200 | 4人気 | 小林凌大 | 1:09.5 | 上り35.2 | — | |
| 1 | 3歳1勝クラス | 中山 ダ1200 | 1人気 | R.キング | 1:11.5 | 上り37.3 | — | |
| 13 | GIIIクイーンC | 東京 芝1600 | 8人気 | R.キング | 1:35.1 | 上り35.9 | 映像 | |
| 1 | 3歳未勝利 | 中山 ダ1200 | 3人気 | R.キング | 1:10.3 | 上り36.3 | — | |
| 2 | 3歳新馬 | 中山 ダ1200 | 11人気 | 柴田大知 | 1:13.3 | 上り37.5 | — |
血統
金色の名は 名馬ジャーニー に掲載 — その馬のページへ| 父アポロキングダム | Lemon Drop Kid | Kingmambo |
| Charming Lassie | ||
| Bella Gatto | Storm Cat | |
| Winter Sparkle | ||
| 母アンジュデトワール | スペシャルウィークSpecial Week | サンデーサイレンス |
| キャンペンガール | ||
| エンゼルカロ | スターオブコジーン | |
| ヤマフノーザリー |
旅程 — この馬の物語
2021年生まれの栗毛の牝馬。父アポロキングダム、母アンジュデトワール。主な勝ち鞍はカペラS。
名は、会ったことのない姉に ― 一族の血
ガビーズシスター――英語にすれば「ガビーの姉妹」。その名は、一頭の伝説を指している。 テスコガビー。1975年、桜花賞を大差で、オークスを8馬身差で制した牝馬二冠。ともにレース史に残る着差で二着を置き去りにし、日本の競馬に「速さ」という言葉を突きつけた名牝である。この栗毛の牝馬の4代母テスコエンゼルは、そのテスコガビーの全妹にあたる。祖母エンゼルカロは1999年の函館3歳ステークスを勝ち、母アンジュデトワールはスペシャルウィークを父に持つ。速い牝馬の血が、幾世代も畳み込まれた一族だった。 2021年2月28日、へいはた牧場に生まれる。父はアポロキングダム。馬主・長島和彦のもとで、この馬は会ったこともない「姉」の名を背負って走り出す。2024年1月14日、中山のダート1200メートル。11番人気の低評価をよそに、柴田大知を背に2着へ好走した。旅は、砂の上から始まった。
中野栄治のラストデー ― 砂へ還る
デビューの翌週、中山の3歳未勝利を勝ち上がる。だが陣営は、良血の牝馬を一度は檜舞台へ差し向けた。2月、GIIIのクイーンカップ。東京の芝1600メートルは、しかしこの馬の場所ではなかった。13着。時計のかかる砂の短距離と、軽い芝の中距離は、まるで別の競技だった。 三たび砂へ戻した3月3日、中山の3歳1勝クラスを危なげなく勝つ。その日は、管理する中野栄治調教師が定年でターフを去る、最後の開催日だった。 中野栄治――1990年、アイネスフウジンの手綱を取り、逃げ切って日本ダービーを制した鞍上である。ゴールの瞬間、詰めかけた大観衆が「ナカノ、ナカノ」と鞍上の名を叫び、東京競馬場が地鳴りのように揺れた。あの「ナカノコール」の男が、調教師として迎えた最後の一日を、テスコガビーの血を引く牝馬が勝利で飾る。数日後、馬は森一誠厩舎へと移った。バトンは、静かに渡された。
砂の申し子 ― 連勝で暮れへ
転厩後、森厩舎はもう一度だけ芝を試す。6月、函館の立待岬特別。芝1200メートルで10着。答えは、これで出そろった。この馬の舞台は、砂である。 8月、札幌のダート1000メートル・桑園特別。武豊を背に0分58秒7で圧勝する。続く9月、中山のダート1200メートル・外房Sは、ルメールを鞍上に危なげなく突き抜けた。武豊、ルメールと、名手が次々に手綱を取る。芝で二度つまずいたこの馬は、砂に限れば新馬の2着以外に負けを知らない――5戦して4勝、2着一回。三連勝の勢いのまま、暮れの重賞へ向かった。
カペラステークス ― 三歳牝馬、史上初
2024年12月8日、中山のダート1200メートル。GIIIカペラステークス。単勝1番人気に推され、鞍上には吉田隼人。 4コーナーから手応えよく押し上げると、直線は外から一気に伸びて差し切った。勝ち時計1分10秒1。古馬の一線級を相手に、三歳牝馬が重賞初制覇を果たす。2008年に新設されたこの重賞で、三歳牝馬の優勝はレース史上初と伝えられた[^1]。 吉田隼人にとっては、その年のJRA重賞初勝利。森一誠にとっては、調教師としてのJRA重賞初制覇でもあった。派手さを誇る馬ではない。ただ、やるべきことだけを淡々とやる。吉田は勝利の後、「本当に余計なことをしない、出来ている馬です」と評した[^2]。会ったこともない姉の名を負った牝馬は、自らの走りで重賞のタイトルを掴んだ。
出典:東スポ競馬「【カペラS】吉田隼人も驚いたガビーズシスター レース史上初の3歳牝馬Vを成し遂げた要因を探る」2024年12月8日配信、https://tospo-keiba.jp/breaking_news/52769、閲覧日:2026年7月16日。/東スポ競馬「【カペラステークス結果&コメント】ガビーズシスター重賞初挑戦V 吉田隼人「できている子だなと思います」」2024年12月8日配信、https://tospo-keiba.jp/breaking_news/52748、閲覧日:2026年7月16日。
砂上の遠征 ― 旅はつづく
四歳、舞台は海を渡る。2025年2月、サウジアラビア。リヤドダートスプリントのGIIで、ルメールを背に3着に食い込んだ。世界のスプリンターを相手に、掲示板を外さなかった。 帰国後は、大井の東京スプリントで1番人気の5着、浦和のテレ玉杯オーバルスプリントで4着と、交流の砂に挑む。暮れのカペラステークスは連覇こそならず4着。2026年2月、ふたたびリヤドへ遠征し、モレイラを鞍上に6着だった。 テスコガビーの一族は、芝の二冠ではなく、砂の短距離にその居場所を見つけた。時代も、舞台も、走る場所も、姉とは違う。それでも、速さを求める血だけは変わらない。 リヤドから戻った牝馬が、次に砂を蹴ったのは五か月後の夏だった。2026年7月19日、福島のダート1150メートル、福島テレビ賞。戸崎圭太を背に3番人気。勝ったジョーローリットには及ばなかったが、休み明けをものともせず2着に迫った。短い距離でなら、まだ前を追える。五歳の夏は、そこから始まる。
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